96時間 英題:Taken
監督-ピエール・モレル 2008年 93分
脚本-リュック・ベッソン、ロバート・マーク・ケイメン
出演-リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、ファムケ・ヤンセン、他
映画「96時間」のあらすじ
元CIAの工作員のブライアンは一線を退き、妻とも離婚し、細々と生活している。
たまに17歳の娘のキムと会える時間を何よりの楽しみにしている。
ある日、キムがパリに女友達二人だけで旅行に行きたいと言い出す。
危ないからと最初は猛反対していたブライアンだが、娘の懇願と元妻の説得により、定期的にブライアンに電話をすることを条件になくなくOKを出す。
キムの旅を見送ってから、連絡がないことを心配していたブライアン。
滞在先についたキムは、友達のアマンダと一緒にはしゃいでいる最中だった。
実は、滞在先にいるはずだったアマンダの親戚の大人はおらず、アマンダがキムと二人だけで旅行をエンジョイするために、ブライアンたちに嘘をついていた。
そこにブライアンからの数度目の着信がキムの携帯にかかる。
ブライアンに謝るキム、しかし無事についていることを報告していた最中にそれは起きた。
さっきキムたちに空港で声を掛けた男たちが家に侵入し、向かいの部屋でアマンダが無理やり連れて行かれるのをキムは目撃する。
それを聞いたブライアンは、キムに電話で指示を出す。
「これからお前はその連中に捕まる。その男たちの特徴を何でもいいから教えてくれ。」
キムは犯人の特徴を叫んだ直後、男たちに捕まった。
電話口に出た男にブライアンは告げる。
「俺には特殊な能力がある、娘たちを解放しないなら、必ず見つけ出して殺す。」
男の声で「グッドラック」と言われ、切れる電話。
そこからブライアンの孤独な戦いが始まる。
すぐに準備をし、パリに向かうブライアン。
はたして娘たちの運命は?犯人の正体とは?・・・
“今すぐ見るべき!☆5”理由と考察、その感想
普段は元妻に頭が上がらないおじさんがヒーローに
これはとても見やすく、アクションものでもかなり面白いほうだと思う。
冷静に指示を出す電話越しのブライアンがかなり格好良い。
普段は、元妻にも邪険に扱われていて、それに対して激しく言い返すわけでもなく、言ってみればちょっと弱くさえ見えるお父さん。
それが、緊急事態でイメージがガラッと変わる。
元妻も、ブライアンに対する見方が変わる。
元妻のブライアンに対するしゃべり方や接し方が見ていて腹立たしいので、その分ブライアンが活躍するとスカッとする。
リーアム・ニーソンが主人公なのだが、普通のヒーローものの主人公より深みがあって良い。
知的な感じもある。
セガールのアクションも悪くないが、96時間は最初にごく普通の一般人としての生活をきちんと見せているので、それが効いていて独特の味になっている。
アクションシーンも満載だが、多すぎたせいか最後の船のシーンなどちょっとだけ集中力が切れてしまった。
続編の96時間リベンジというのも出ていてまだ見ていないが、恐らくこっちの方が絶対に面白いのではないかと思う。
続編は、元妻とキムと三人でトルコ旅行に行った先で、この作品でやっつけた悪人たちが仕返しをしてくるという話なので、ちょっと無理があるんじゃないか。
新手のアクションヒーロー、リーアム
最初の電話で誘拐犯を脅す所がめちゃくちゃ格好良いが、そこがピークでは決してなく、どんどんスピード感速く進んでいく感じが、心地良い。
リーアム・ニーソンだからこそ、娘に対する気持ちがどんどん上がっていく感じがより行動や演技に良く表れている感じがする。
元工作員なんだから、強くて当たり前だけど、リーアム・ニーソンのちょっと枯れている感じがすごく良い。
セガールとかシュワちゃんって、年とってもムキムキで強い雰囲気があるから、そうは見えないリーアムだから良いんじゃないか?
今や、リーアム・ニーソンはこれを皮切りに、新手のアクションヒーローとして、アクション作品に出まくっている。
ブロンソンともシュワちゃんやスタローンなどとも違う、独特のおじさんヒーローだ。
これは、誰も予期していなかったことだと思う。
ちょっと出過ぎなんじゃないか、というくらいアクションに出てるが、なかなかどうして観ていられる。
もちろん、話しが面白くないといくらリーアムでもきついだろうが、彼が主役のアクションだと、存在感に深みがあるので結構見ていられる。
アンノウンやTHE GREY凍える太陽、フライトゲーム、トレインミッション、スノーロワイヤルなど、上げれば枚挙にいとまがない。
色んなパターンのリーアムアクションが作られている。
そんな中でもこれが最高峰だと思う。
55歳位の時に96時間に主演したが、日本人でこんなアクションが味になる人はいないかも。
香川照之は悪役だし、堺雅人はアクションさえ教えれば、それなりになりそうな気もするが、まだ若い。
渡辺謙だと物足りない。
リーアムは哀愁をまとっているのが他の俳優にはない良さで、この作品は彼の良さが見事にアクションとマッチしている。
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