映画「レオン(1994)」を“今すぐ見るべき!”理由と考察、その感想

①今すぐ見るべき!☆5

レオン  英題-Léon : The Professional

監督-リュック・ベッソン 1994年 110分

脚本-リュック・ベッソン

出演-ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン、他

映画「レオン」のあらすじ

孤独な中年男の殺し屋レオン。

自分の流儀をもって仕事をこなす物静かで真面目な性格。

ある日、自分のアパートの隣に住む幼い少女マチルダが家族に暴力を受けていることを知り、それ以来レオンと交流を持つようになる。

そんな中、麻薬の密売をしているマチルダの父親が麻薬を横領したことがばれて、マチルダの家族が殺されてしまう。

唯一心を通わせていたマチルダの弟も殺され、マチルダはレオンに助けを求める。

レオンはマチルダを保護し、そこから二人の不思議な生活が始まる。

大人びてませているマチルダは、レオンにとってまるで娘のような、妻のような振る舞いをしていく。

殺しのやり方を教えて欲しいと懇願するマチルダに、レオンは殺しの術を教えていく。

そんな生活を続けていくうち、孤独しか知らないレオンは、今まで抱いたことのない感情を胸に抱いていた。

今までの寂しい心は明らかに違う心、マチルダと一緒に過ごす時間、ささやかだけど、これが幸せを感じていた。

レオンとマチルダは、不思議な距離感を保ちつつも、お互いに心の隙間を埋めてくれる存在になりつつあった。

しかし、そんな生活も長くは続かない。

マチルダは自分の家族を殺した悪徳麻薬取締官スタンスフィールドを一人で殺しに行ってしまうが、逆に捕まってしまう。

それ知ったレオンは急いでマチルダを取り返しに向かい、スタンスフィールドの手下を殺し、救い出す。

スタンスフィールドはアパートに戻った二人を、警察を使って包囲し、特殊部隊を投入する。

殺すことをいとわないスタンスフィールドの指示で、壮絶な銃撃戦が始まる。

今まで自分のためにしか生きてこなかった男が、自分の命を懸けてマチルダを守ろうとする。

果たして二人は逃げ出せるのか、マチルダの運命は。

“今すぐ見るべき!☆5”理由と考察、その感想

リュック・ベッソンとジャン・レノの最高傑作

ジャン・レノの醸し出す孤独感が絶妙にレオンにマッチしている。

もしかしたら、ジャン・レノは、この役が全ての出演作品の中で一番合っているんじゃないかと言っても過言ではない。

ナタリー・ポートマンもとてもかわいくて良い。

無邪気なだけでなく、大人びた仕草や振る舞いも散りばめられていて、何とも言えないこの年齢の少女の未完成とでもいうべき人格が、ナタリーに宿っている。

二人とも演技しているように見えず、見ていてとても惹きつけられる。

関係性がとても良い。

孤独な人間の悲哀というようなものが、話を通じて見事に表現されている。

これはアクションだが、涙腺を激しく揺さぶられる作品だ。

悪役のゲイリー・オールドマンも、賢く悪く、少し狂っている役に徹していて、作品に不可欠なスパイスになっている。

リュック・ベッソンの作品の中で、自分は一番好きな作品だ。

アクションだけれども、こんなに人間の心の流れをしっかりと描かれている作品は少ないと思う。

アクションでありドラマであり、ジャンル分けする必要もないかもしれない。

確実に心に残る映画だと思う。

ベッソン史上未だにこれが一番良い 追記2023/05/14

リュック・ベッソンが関わった映画には、独特のウケ狙い、軽いノリのようなものがある時があり、見ていて冷めることもある。

しかし、この作品にはそういったものは見受けられず、彼のユーモアセンスはちゃんとした形で昇華されていて良い。

マチルダが、お腹の辺りが熱くなる、と言ってレオンが牛乳を吹き出したり、異様な振る舞いをする警官のスタンスフィールド、観葉植物が好きなレオンの設定だったり、良い意味で独特な要素が散りばめられていて良い。

監督作品では、グラン・ブルー、ニキータ、フィフス・エレメント、マラヴィータ、LUCY/ルーシーなどを見たが、これが一番良い。

それは、グラン・ブルーの様に難解ではなくシンプルで、ニキータより完成度が高く、フィフス・エレメントやルーシーのようなSFではなく現実を舞台にしていて、マラヴィータの様にコメディコメディしていない。

ジャン・レノが格好良いだけでなく哀愁があり、派手なアクションや個性的なキャラクターも出てくるが、自分の大事な人間を守る、という人間ドラマに最終的に集約するのがとても良い。

アクションも、人間ドラマも偏りなくちょうどいいバランスで存在していて、2時間近くあっても飽きずに見れる。

こんなアクションは、中々作ろうとしても作れない。

ドラマかアクションか、普通はどっちかに偏ってしまい、どちらかが物足りない。

これは、男も満足するし、女性が見ても面白いと思えるアクションじゃないか。

リュック・ベッソンの作品の中で、これが一番シンプルかつ濃い気がする。

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