映画「フローレス(1999)」を“見て損はない”理由と考察、その感想

③観て損はない☆3

フローレス 英題:Flawless

監督-ジョエル・シュマッカー 111分 1999年

脚本-ジョエル・シュマッカー

出演-ロバート・デ・ニーロ、フィリップ・シーモア・ホフマン、バリー・ミラー、他

映画「フローレス」のあらすじ

真面目な元警官の中年男ウォルト(ロバート・デ・ニーロ)は、かつて強盗事件で手柄を立て、元同僚から今でもヒーローとして扱われながらも、警備員として細々と暮らしている。

 同じアパートに住むドラッグクイーンのラスティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)とは、ラスティの部屋から聞こえる騒音などが原因でいつも喧嘩をしていた。

 ある日、ラスティの部屋にマフィアの金を盗んだレイモンドが逃げ込んでくる。

 マフィアの手下が駆けつけ銃撃戦となり、銃声を聞いたウォルトは拳銃片手にラスティの部屋に近づいていく。

 そのとき、突如脳卒中になったウォルトはその場で倒れこみ、病院に運ばれ、それ以来右半身が麻痺してしまう。

 しゃべることもままならなくなってしまったウォルトは、リハビリの指導員に勧められ、ラスティに歌の指導を頼むことにする。

 最初は断ったラスティもしぶしぶ引き受け、ラスティによるウォルトへの歌のレッスンが始まる。

 喧嘩しながらもレッスンを通じてお互いの境遇や価値観を少しづつでも理解しあっていく二人。

 そんな中、マフィアがなくなった金を探しにラスティの部屋に再びやってくる。

 ラスティはどうなってしまうのか?

 そして、そんなラスティの状況を知ったウォルトが取った行動とは?

“見て損はない☆3”理由と考察、その感想

二人の演技は良いが、退屈に感じる

ゲイを毛嫌いしていたウォルト。

 ラスティも自分を毛嫌いする人種をまともな人間として相手にしていない。

 ウォルトは体が動かなくなってから、自分の恋人にもお金がないからと相手にされなくなり、自分の存在価値に葛藤する。

 お互い社会からのつまはじき者が、ひょんなきっかけからお互いを理解し、その中で成長していく。

 この作品を見たとき、まだフィリップ・シーモア・ホフマンがどんな俳優か知らなかった。

 これだけを見たら、この人は本当のゲイなのかな?と思ってしまうくらい本物に見える。

 他の作品のホフマンの演技を見ると、まるで別人に見えてしまうところがすごい。

 そして、デ・ニーロも右半身が動かないという難しい役をやっている。

 ひきつってうまくしゃべれないという感じも演じられる器用なデニーロ。

 二人の腕の見せあいが光る。

 最初にデ・ニーロが脳卒中になるという展開にはびっくりした。

 話としては二人の交流だけではなく、後半にもマフィアが絡んでくる。

 演技としては二人とも素晴らしいと思うのだが、話としてはちょっと退屈に感じられるかもしれない。

 自分を振り返り成長するというのは良いテーマだが、そこの描き方が足りなかったようにも感じる。

 ゲイ・体が動かない男・マフィアなど、要素がもりだくさんだったからか?

 この二人なら、もっと粋な感じを出せそうな気もした。

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