エスター 英題:Orphan
監督-ジャウムコレット=セラ 2009年 123分
脚本:デヴィッド・レスリー・ジョンソン
出演-ヴェラ・ファーミガ、ピーター・サースガード、イザベル・ファーマン
映画「エスター」の簡単なあらすじ
三人目の子供を流産で失ってしまった夫婦が、孤児院から9歳の女の子エスターを引きとる。
黒い服に身を包むエスターは、どこか変わった雰囲気の少女で、家にやってきてから、家族の周りで不可解な事件が起こっていた。
変わり者のエスターを夫妻は愛そうとするが、やがてその行動はエスカレートし、息子や娘にも身の危険が・・・。
エスターの隠された正体とは?
“見て損はない☆3”理由と考察、その感想
リアルなオチで悪くない
エスターの言動がなんかおかしい。
ホラー映画かサスペンスかと言われれば、サスペンス。
エスターの正体にはそこまで驚かなかった。
いわゆるホラー映画としては、なかったパターンで、斬新と言われれば確かにそうだ。
気持ちの悪い雰囲気はずっと漂っている。
ホラーには純粋に映像から漂ってくる雰囲気がぞわっとするものと、ただ驚かせるタイミングで怖がらせるものがあるが、最近は後者が多い気がする。
それはびっくりしたけど、決して怖いわけではない。
これはどちらかというと前者なので、リアルなオチでいいと思う。
短絡的に怖がらせようとしている映画ではないので、見ていられる。
ただ、もっと不気味さを煽られても良かったのかなとも思う。
少し物足りない気もする。
悪が出過ぎている、もっと可愛いと思わしてほしかった 追記:2023年5月8日
何にも知らないで見たら、そこそこ面白く感じられるのかもとは思う。
ただ、見ていてなんとなく予想がつく。
あからさまにおかしい言動をもう少し隠すような作りの方が面白かったんじゃないかと思う。
エスターは明らかにおかしい、と画面を通して思ってしまうと、真相が何であれ、その敵との闘いという構図一辺倒になってしまう。
両親よりも先に観客は気付いてしまうから、両親にも観客にも最後の最後まで気付かせない、不可解な事件もきっと偶然だろう、この子は悪くない、と思わせ続けられたら、最後でめちゃくちゃ跳ね上がったと思う。
客から見ても、エスターはかわいいな、と本当に思わし続けた方が面白かった。
ずっと一緒に働いていた普通に馴染んでいる優しいバイトの先輩が、実は連続殺人犯だった、じゃないけれども。
本当に頭が良かったら、そういう尻尾すら出さずに、子供の振りをして潜伏出来るだろう。
単にわがままな子供の振りをして親を誘導して、自分に都合の良い様に持っていく、子供の言うことだから、と言う通りにしてたら、実は全て自分の利益のために誘導していた大人だった、ということでもいい。
きっとそういう方が怖い、目的がただ食いぶちを探すことか、最終的に金品を奪うのかは分からないが。
なので、エスターには悪が出過ぎている感じがもったいない。
明らかにおかしい言動がほぼなく、全然尻尾を出さず、完全に子供の振りを演じようとしているが、違和感を感じた親が大人しか知らない言葉を投げかけて探りを入れていったり、などという闘いがたくさんあっても面白い。
ホラー映画を作る、と考えてしまえば、客を怖がらせる必要があるから、どんどん悪魔の様になっていくはある程度仕方がないのかもしれないが、普通のホラーのオチが悪魔か人間かの違いだけとも言える。
そこは、もう少し抑えて、不気味さを煽って欲しかった、もったいなかったと思う。
むしろ、ダコタ・ファニングのような愛嬌を振りまく子供がエスターだった方が良かったかもしれない。
オチの発想は今までなかった斬新な発想だろうが、それ以外の見せ方でもっと面白くなったというのが否めない。
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