映画「フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996)」を“見て損はない”理由と考察、その感想

③観て損はない☆3

フロム・ダスク・ティル・ドーン 英題:From Dusk Till Dawn

監督-ロバート・ロドリゲス 108分 1996年

脚本-クエンティン・タランティーノ

出演-ジョージ・クルーニー、クエンティン・タランティーノ、ハーヴェイ・カイテル、ジュリエット・ルイス、他

映画「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のあらすじ

道路沿いの商店に保安官が立ち寄り、トイレを借りていくが、その商店には強盗殺人を犯して逃亡中のゲッコー兄弟(セスとリチャード)が潜んでいた。

トイレから出てきた保安官は犯人と撃ち合いになり、店主も巻き込まれ殺されてしまう。

二人は爆発して炎に包まれた店を後に、メキシコへの逃亡を図る。

一方、牧師を引退してキャンピングカーで旅行を楽しんでいたフラー一家は、宿泊していたモーテルでゲッコー兄弟に目を付けられ、脅されて逃亡の手伝いをさせられる。

弟リチャードのおかしな言動や向けられた拳銃におびえながらも、フラー家の車は無事メキシコ国境を越え、指示通りティッティーツイスターという酒場へと向かう。

国境を越えたことに祝杯をあげるゲッコー兄弟に、フラー一家もしぶしぶつきあわされることに。

酒場はトラックやバイクを運転する人しか入れない店で、荒々しい男たちがたむろし、妖艶な女性ダンサーが踊りを踊りだす。

そこへ、先ほどリチャードが殴った酒場の客引きが現れ、兄弟ともみあいになるが、実はその客引きの正体は・・・。

これをきっかけに、兄弟と一家はこの酒場で命がけの死闘を繰り広げることになる。

客に次々に襲いかかる従業員たち、果たしてこの店は一体なんなのか?

5人は生きてこの店を出ることは出来るのか?・・・

“見て損はない☆”理由と考察、その感想

タランティーノにはめられた

仲良し二人の、タランティーノ脚本、ロバート・ロドリゲス監督のアクション映画。

フロム・ダスク・ティル・ドーンとは、夕方から夜明けまでという意味らしい。

前半と後半で、テイストががらりと変わる。

前半の逃亡劇が非常にいい味で、この後どうなるのかと期待に胸を躍らせていたが、それを完全に裏切られた。

前後半で、全く別物の映画を見ている印象だ。

本当にいきなり変わり、なんだこれ?とちょっとポカンとしてしまった。

こんなにがらっと主旨を意図的に変えている映画は見たことがない。

拍子抜けは拍子抜けで、それが悪く裏切られたというよりは、タランティーノにはめられたという感じか。

そのギャップを楽しむ意味では面白いかもしれない。

エンターテインメントだからなんでもありで、こういう遊び心がある映画に出演したジョージ・クルーニーやハーヴェイ・カイテルも大したもんだと思う。

自分としては、前半のテイストの逃亡劇だけでも一本の映画としてもっと見てみたいなと思った。

タランティーノは危ない役がはまっている

タランティーノの精神をきたしている犯罪者役が非常にはまっている。

勝手に誰も言っていない声を聞いて簡単に人を殺してしまうところなんか、もう本当に危ない人にしか見えない。

実にリアルだ。

ジョージ・クルーニーはそれなりに、ハーヴェイ・カイテルは落ち着いた渋い演技で魅せる。

役者陣はそれぞれ個性豊かで、味がある。

一人三役のチーチ・マリンや店主のダニー・トレホ、娘のジュリエット・ルイスも。

タランティーノお得意の犯罪がらみのアクションを期待していたのでびっくりしましたが、これはこれでありかもしれない。

後半の襲いかかってくる敵達のチープな感じは否めないが、それも含めて楽しむ作品かもしれない。

まだ見てない人は、ぜひタランティーノにはめられてみてほしい。

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