シャッターアイランド Shutter Island
監督-マーティン・スコセッシ 138分 2010年
脚本-レータ・カログリディス
出演-レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングスレー、ミシェル・ウィリアムズ、他
映画「シャッターアイランド」のあらすじ
優秀な連邦捜査官デディ(ディカプリオ)は、ある女性の失踪事件を捜査するため、相棒のチャック(マーク・ラファロ)とともに精神犯罪者を収容する病院のある孤島に向かう。
島全体がどことなく不気味で、不穏な雰囲気を醸し出している。
そこは陸から孤立した”シャッターアイランド”であり、失踪した女性もまた、その島の患者として収容されていた。
その女性は謎のメッセージを残し、こつ然と鍵がかかったはずの病室から姿を消してしまった。
テディとチャックは病院の院長ジョン・コーリー(ベン・キングズレー)から事情を聞き、捜査を進めていく。
捜査の過程で、レディスという患者の捜索も行おうとするテディ。
実はテディは、過去にレディスという放火魔に起こされた火災で、妻と子供を失っていたのだ。
表向きは失踪事件の捜査ということで、レディスがいるこの収容所まで探しに来ていた。
レディスを探しながら捜査を進めていく中で、次第にこの島の異様さに気づいていくテディ。
突如姿を消した相棒のチャック、そして、テディが最終的にたどり着いた考えとは?
“見て損はない☆3”理由と考察、その感想
結末を予測出来たらすごい
サスペンスなのだが、予想外の結末だった。
結末につながる伏線がたくさん張ってあり、それが巧妙に散りばめられていて、後から見ても楽しめるようになっている。
最後のシーンで、自分の状況を受け入れ大きな決断を下したテディの姿が、切なさもあるが格好良く感じた。
最後のあのテディの振る舞いが、映画中の一番テディらしいところなんじゃないかと思う。
テディが自覚を持って、唯一主体的に行動したところ。
結末までのサスペンスドラマも重厚な雰囲気がある。
終始映像は重厚感が漂っていて、惹きこまれる。
役者の演技や、映像を組み合わせてこれだけ緻密に作品を作りこめるのはすごいとは思う。
ディカプリオではない人で見たかった
しかし、ディカプリオの真剣な演技は決して悪くないが、結末と合わせて少し物足りない感じもある。
ディカプリオは、どの役でも大体が若くて未熟な人間に見えてしまうので、裏があったとしても、あまりギャップを感じられない。
若い捜査官ということなので、もともとがそういう役なのかもしれないが、ディカプリオの役に強烈に説得力を持たせなければいけない。
というか、そこが命だろう。
「あ、これは伏線だな」と思わしてしまう様では面白くならない。
最後の最後で、「全部伏線だったんだ、全く気付かなかった・・・」と呆然とさせてほしい。
そのためには、怪しいところは全てリアルな演技で「この人は間違ってない」と見ている側に思わせられるような深みのある役者を使ってほしかった。
例えば、デンゼル・ワシントンとか、リーアム・ニーソンとか。
ひっくり返ったときに異様な雰囲気が出ると思う。
しかし、真相が誰が悪いとかそういうものではないので、よくこんな内容を真相としてサスペンス仕立てにしたな、と思う。
こんな内容を真相に持ってきてまで見ている側を裏切りたいかのか、というような。
確かに自分は気づかなかったけど、最終的に悪が出てこないから、すっきりはしない。
自業自得だよ、とも言える性質なものでもないし。
それならテディをもっとひどい人にしてもらった方が良かったかもしれない。
ディカプリオとか、ブラッド・ピットとかは、巨匠と言われる監督と仕事をしたがるが、控えて欲しいと思う。
スコセッシも、なぜかディカプリオが好きでよく使うが、もっと他にスコセッシとピッタシ合う役者はいると思う。
彼らが巨匠と共演することで、この人に演じてもらいたかった、という枠が一つ減ってしまう。
この作品も、俳優によってもっと面白くなったんじゃないかと思う。
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