英題:Foxcatcher
監督-ベネット・ミラー 2014年 135分
脚本-E・マックス・フライ、ダン・フッターマン
出演-マーク・ラファロ、スティーブ・カレル、チャニング・テイタム、他
映画「フォックスキャッチャー」のあらすじ
レスリングでオリンピックを目指す兄弟、デイヴとマークが、大金持ちの御曹司デュポンから、チームの練習場の提供などのスポンサー契約を持ちかけられる。
うまくいくかと思われたそのプロジェクトは、実力がないのにリーダーになりたい御曹司とチームとの温度差や、優秀な兄デイブに劣等感を感じる弟マークの兄弟間の確執などもあり、人間関係に様々な支障をきたしていく・・・。
実話を元にした、ドキュメントかのようなリアルなタッチの作品。
原題の意味
「Foxcatcher」=「fox」+「catcher」です。
「fox」=「きつね、ずるい人」という意味の名詞で、「だます、ふりをする」という意味の動詞でもあります。
「catch」=「捕まえる、逮捕する、つかむ」という意味の動詞であり、「捕えること」という意味の名詞でもあります。
「er」が付いた「catcher」=「捕える人」という意味の名詞になります。
全てつなげて「Foxcatcher」=「キツネを捕まえる人」という意味になります。
これは、作品内でデュポン家が自分の家の敷地内で昔キツネ狩りをしていたことから、相手をつかむ競技であるレスリングとかけてつけられたものと思われます。
オシャレなチーム名ですね。
“今すぐに見るべき!”理由と考察、その感想
リアルな空気感の映像
なんてリアルな描写の作品なのかと思う。
説明的ではなく、その緊張感のある空気感が終始映像に漂っている。
映画を見ている、という感じ。
マーク・ラファロの良い味が爆発している。
懐の深い兄、気が小さい弟の対比も良い。
心が満たされない金持ちのスティーブ・カレルも、もう本当にそんな可哀想な金持ちにしか見えなくて、絶妙だ。
人間描写が実に緻密で良い。
マーク・ラファロはなんて良い人間性をしているのだろう。
見ていて好きになってしまう。
本当に普段から魅力的でないと、きっとこんな味は出ないんだと思う。
役で演じているけれど、演じている様には見えない自然さだ。
マーク・ラファロ演じる兄にこれほど惹きつけられるからこそ、最後にデュポンに撃たれた時に衝撃が走る。
こんな展開は嫌だと強く思わされる。
だからこそ考えされられて良いんだろう。
人間が真に満たされることは何か、それはお金や名誉や家族なのか、人によって違うだろうが、兄が持っているものはデュポンは持っていなかった。
手に入れたくてもお金で買えない。
これは実話をもとにしているが、この作品の中にリアルなもう一つの世界が流れているので、例え実話と相違点があったとしても関係ないと思わせてくれる。
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