監督-スコット・ヒックス 1996年 105分
脚本-ジャン・サーディ
出演-ジェフリー・ラッシュ、ノア・テイラー、リン・レッド・グレイブ、他
“今すぐに見るべき”理由と考察、その感想
人生どうなるか分からない
天才ピアニストだったが、あまりに自分をおいこみ、精神的な病気になり、変わり果てた姿になってしまうが、それでも明るく自分の人生を全うした物語。
病気になってから、性格が変わってしまうが、それは彼の本当の人格だったのかもしれない。
今まで意識して自分を縛り付けていたが、確かにピアニストとして名声をつかみつつあったが、それは本当に生きていたと言えなかったのかもしれない。
ピアノをうまくは弾けても楽しくは弾けなかった。
病気になって地位も名声も失ったが、代わりに何も飾らぬ生き方、純粋な子供のような喜びに満ちた人生を手に入れた。
決して、失敗したあとの落ちぶれなどではなく、間違いなく光輝いている生き方。
きっと、病気やトラブルに見まわれずにうまくいったピアニストでも獲得できないような生き方かもしれない。
人生どうなるか分からない、失敗とされてることだって失敗ではないと、強く勇気付けられる作品だ。
これは実話とされているが、彼の詳細を知っている家族からしてみたら、かなりデフォルメした話になっているらしい。
父が厳しい人で、少し酷いよりに描かれているが、家族は最初から病気であることを知っていたということらしい。
実話風に歪曲して作られたのなら、家族としたらたまったものじゃないかもしれないが、これはこれで良い話だから良いと思う。
実話をモデルにしたドラマとして十分に楽しめる。
病気になる前、音楽院でラフマニノフを練習しているときの先生とのやり取りも面白い。
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