映画「ハスラー(1961)」が“オススメ”の理由と考察、その感想

②オススメ☆4

ハスラー 英題:The Hustler

監督-ロバート・ロッセン 1961年 134分

脚本-ロバート・ロッセン、シドニー・キャロル

出演-ポール・ニューマン、ジャッキー・グリーソン、ジョージ・C・スコット、他

映画「ハスラー」のあらすじ

持ち前の天才的なテクニックを使い、ビリヤードで小金を稼ぐことにしか興味がなかった流れ者の青年が、強敵に敗れ、勝利とは何か葛藤しながらも成長していく娯楽ドラマ。

ビリヤードの名手で通称「疾風のエディ」は、いつも相棒のチャーリーと組んで見知らぬバーの客をビリヤードのゲームに誘い込んでは小金を巻き上げていた。

そんな流れ者の生活をしていたエディの前に、「ミネソタ・ファッツ」=「ミネソタの巨漢」と呼ばれる強敵が現れる。

勝気なエディは興味本位で勝負を持ちかけるが、36時間にも及ぶ長期戦で次第に精神的に疲弊し、ゲームを観戦していた賭博師のバートの読み通り、終始落ち着き払ったファッツに大敗してしまう。

金もつき満身創痍のエディは、駅で出会った女子大生のサラと仲良くなり、一緒に暮らすことに。

心配して来たチャーリーを追い返し、一緒に組まないかと誘ってくるバートを断り、再びバーで小金稼ぎを試みるが、エディの思惑を知った客たちによって指を折られてしまう。

そんなエディをサラは献身的に支え、回復したエディは再びファッツに挑む気持ちになる。

エディは、バートと組んでファッツ戦のための資金集めを始めるが、その危なっかしいゲーム展開を心配するサラを邪魔に思ったエディは、サラをホテルに追い返してしまう。

ゲームが決着し、ホテルへと戻ったエディが見た光景は・・・。

そこで起こった悲劇とは?

エディは悲劇を乗り越え、再びファッツに挑むが、果たしてその勝敗は?

そして、エディが戦う理由とは?・・・

ロバート・ロッセンが描く、若きポール・ニューマンの代表作!

“オススメ☆4”の理由と考察、その感想

ハスラーの意味

白黒映画で、いかにも昔の映画って感じがするが、古臭いわけではなく、とても味わい深い映像になっている。

流れているジャズの音楽なども相まって、オシャレな感じもする。

ハスラーというのは、ビリヤードをやる人という意味ではなく、プロの賭博師という意味らしい。

わざと弱いふりをして賭け金をあげさせておいて最終的に自分が勝ったり、ありとあらゆる手を使って騙してでも金を巻き上げていくプロの賭博師のことをハスラーというようだ。

とても深い意味がある言葉だ。

危ういエディ

ポール・ニューマン演じるエディは、血気盛んで強気な若い青年の感じがよく出ている。

確かに腕はあるし、勝負にも強いけど、調子に乗っていて自分に敵はいないと思っている時期というか。

落ち着いて地に足がついた人間性が伴っているわけではなく、何かのきっかけで崩れてしまう様なもろさもはらんでいる。

それが若者の魅力でもあるとは思う。

そんな欠点を自分でもうすうす分かっているけど、どうしていいか分からないから、ついつい危ない橋を渡ってしまう。

勝負に勝とうとすることのみにとらわれてしまう。

そんなもやもやした自分が変わるきっかけをサラは与えてくれる。

そのきっかけが衝撃的ではあるが・・・。

エディは自分の大事なものと引き換えに精神的な強さを手に入れる。

ジャッキー・グリーソン演じるミネソタ・ファッツもいい味が出ている。

落ち着いていて、強いが決して偉ぶることのない振る舞いに深みを感じる。

苦悩するエディ

ラストは手放しでハッピーな終わり方ではないですが、それがリアルだと思います。

本当に強くなるためには、まだ若い青年が簡単に手に入れられるものではないという厳しさというか。

すぐに成長していく様が見られるわけではないので、そこは劇中のエディ同様見ているこっちもじれったい。

そのじれったさが安易でなく、いいんじゃないかと思う。

娯楽要素もあるが、どちらかと言えばドラマの方に重点が置かれている。

すこし退屈に感じるところもあるかもしれないが、重厚な作品だ。

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