映画「夕陽のギャングたち(1971)」を“見て損はない”理由と考察、その感想

③観て損はない☆3

夕陽のギャングたち Duck You Sucker

監督-セルジオ・レオーネ 157分 1971年

脚本-ルチアノ・ヴィンセンツォーニ、セルジオ・レオーネ、セルジオ・ドナティ

出演-ジェームズ・コバーン、ロッド・スタイガー、ロモロ・ヴァリ、他

映画「夕陽のギャングたち」のあらすじ

革命で国が混乱しているメキシコを舞台に、山賊のフアンと元IRAの爆弾魔の奇妙な交流を描く。

山の中を貴族たちが乗った馬車が走っている。

そこに、身なりの汚い中年の男が頼み込んで馬車に乗り込む。

貴族たちは見下した目線をその男に送り、侮蔑の言葉を浴びせながら優雅に食事をしている。

しばらく走った時、突如馬車が強盗に襲われ、貴族たちは全て身ぐるみはがされてしまう。

その強盗を仕切っていたのは、途中で住民のふりをして乗り込んだ男、フアンであった。

馬車を手に入れ、意気揚々と走っていた時、爆発音とともに一人の男がバイクでやってくる。

怪しげに思ったフアンは拳銃でバイクをパンクさせ、そのバイクの男は怒り、フアンに修理させようとする。

ちゃんと修理しないフアンに対して、その男は爆弾を巧みに使い脅しをかけていく。

その男こそ、革命のために戦う元IRAの闘士で指名手配されている爆弾魔、ジョン・マロリーであった。

男の能力を知ったフアンは、その爆弾で一緒に町の巨大銀行を襲おうと提案するが、ジョンは一向に首を縦に振らない。

それでもしつこくジョンをつけ回すフアンに、ジョンはしぶしぶ協力することを約束する。

協力することにした理由は、ジョンがこれから行おうとしてる計画にあった・・・。

銀行強盗どころか、もっと大きな事件に巻き込まれていくフアン。

果たして銀行強盗は成功するのか?フアンが巻き込まれたジョンの本当の目的とは?

土埃舞う混乱のメキシコを舞台に、クールなコバーンと見た目暑苦しいスタイガーが織りなす男くさい人間ドラマ。

“見て損はない☆3”理由と考察、その感想

ヒゲのコバーンはダンディさが増す

ジェームズ・コバーンがとても格好良い。

にこっと笑った時の真っ白い歯がとても印象的だ。

派手に動き回ったり、たくさんしゃべるわけでもなく、大人の魅力で語る感じが素敵である。

フアン役のロッド・スタイガーはアメリカ出身のアクターズスタジオ俳優らしい。

いかにも現地の盗賊という汚らしい感じがよく出ていて良い。

男女の恋愛シーンなどは回想シーンをのぞいてほとんどなく、とても男臭い映画と感じた。

ジェームズ・コバーン演じるジョンの生き様は格好良い。

みんながあきらめても決してジョンはあきらめない。

そして、それを自分一人でやろうとする姿勢なんか・・・。

最後のシーンも必見だ。

あまり多くを語らず自分の信念を貫き通す感じが、どこか哀愁もあり、男として見習いたい。

本当にひげが良く似合っている。

すこし長く感じる

作中の音楽がとても耳に残る。

と、思ったらエンリオ・モリコーネだった。

話としては決して難しい話ではなく、楽しめたが、全体としては少し長めに感じた。

回想シーンが何回も繰り返されるが、それがちょっとしつこく思ってしまった。

全体的に味がありとても良い雰囲気なのだが、もっと凝縮されてても良い気もする。

しかし、アクションあり、ドラマありの重厚な作品だった。

ジェームズ・コバーンの、知的で寡黙でどこか怪しげな雰囲気をぜひ見てみて欲しい。

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