デスハント 英題:Death Hunt
監督-ピーター・R・ハント 1981年 97分
脚本-マイケル・グレイス、マーク・ヴィクター
出演-チャールズ・ブロンソン、リー・マーヴィン、他
“見て損はない☆3”理由と考察、その感想
ブロンソンの孤独な戦い
チャールズ・ブロンソンが理不尽な村人と戦う。
ブロンソンは血の気が多く野蛮な村の若者に目をつけられ、理不尽に命を狙われる。
正当防衛としてしか撃ち返さず、攻撃を受けても怯えていない感じが実に格好良い。
怒りや憎しみを持って反発する訳ではなく、ただ来た火の粉を振り払うかのようなブロンソンの振る舞いは相変わらず味わい深い。
自分は悪くないと主張するわけでもなく、ただひたすら目の前の問題に対処していく。
悪くないんだから、自分が孤独になっても闘って死んだ方がマシだと言わんばかりだ。
ブロンソンの態度や行動、そのシンプルだが強い姿勢は、やがて悪者達をも動かしていく。
この人は本当に悪さを働いたのか?と頭の良い人間なら気づかないはずがない。
最後にブロンソンを逃がすという警察の隊長の行動も粋だ。
ブロンソンがこういう人格でなければ、命は狙われ続けていたかもしれない。
微妙な隊長の立ち位置
しかし、ブロンソンを狙う警察の隊長が最初からブロンソンのことを悪いやつじゃないと分かっているので、立ち位置が非常に中途半端だ。
絶妙に村人達に騙されて、ブロンソンのことを悪だと思わされる状況で、次第にブロンソンが善か悪か分かっていく、というのなら良かった。
ブロンソンの行動を見ていくうちに、彼の潔白がよぎり、葛藤した末のあのラストなら気持ち良い。
途中でブロンソンに敬意を払い始める感じになるが、最初からやってないことを知っているわけだから、しらじらしく感じる。
それならいっそのことブロンソンの潔白を知っているけど、それでもブロンソンを排除しようとする筋金入りの悪の方が、最後の行動も気持ち良いものになったんじゃないかと思う。
相容れない悪と善だけど、闘い合ううちに分かりあえたというような。
隊長の立ち位置が中途半端な分、面白さが半減してしまった気がする。
せっかく面白くなりかけているのに、もったいないと思う。
まあそれでも話しはシンプルなわりに、ブロンソンのおかげでそこそこ楽しめた。
男臭い作品だ。
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