ラスベガスをぶっつぶせ 英題:21
監督-ロバート・ルケティック 2008年 122分
脚本-ピーター・スタインフェルド、アラン・ローブ
出演-ジム・スタージェス、ケイト・ボスワース、ケビン・スペイシー、ローレンス・フィッシュバーン、他
映画「ラスベガスをぶっつぶせ」のあらすじ
アメリカでも屈指の秀才が集まるマサチューセッツ工科大学に通うベンは、ハーバード大学医学部への進学を目指していた。
男友達と大会に出場するためのロボットを作ったり、洋服店でアルバイトをしながら素朴な日々を送っていた。
成績は優秀だが、進学するための高額な学費が足りないベンは、奨学金をもらうためにハーバードに交渉に行く。
そこで面接官にロボットコンテストの話をするが、「何か驚くような経歴がなければ・・・」と言われ取り合ってもらえなかた。
家計が苦しい一人親の母には、とてもじゃないが頼めることじゃない。
どうすればいいのかもんもんとしながらも数学の授業を受けているベン。
教師のミッキーは、そんなベンに難問をぶつけるが、ベンはいともなくあっという間に答えを出してしまう。
それに目を付けたミッキーは、ある夜ベンを空き教室に呼び出す。
しかたなくベンが行ってみると、そこには4人の学生とミッキーが待ち構えている。
なんでも、数学の理論を使ってラスベガスのカジノにみんなで乗り込み、莫大な金額を稼いで大儲けをしようじゃないかということだった。
学校でも優秀な学生が集め、ミッキーが統率するそのチームに、ベンも才能を見込まれ誘われたのだった。
自分にはロボットコンテストがある!といって断ったベンだったが、そのチームにいた憧れの女性ジルに再三誘われ、学費を稼いだらやめるという約束でしぶしぶ参加することになる。
勝負するのはブラックジャック、みんなで決めごとや合図を練習し、4人のチームをミッキーが監督しながら、いざラスベガスへ。
次々起こる様々なアクシデントを乗り越え、チームは成功を収めることが出来るのか?
“今すぐ見るべき!☆5”理由と考察、その感想
ケヴィン・スペイシーが引き締める
カジノをだまして大金をせしめようとする話だが、チーム内での対立や、大金を目の前にして心が変わっていく様など、人間ドラマもしっかり描かれている。
ケヴィン・スペイシーがとてもケヴィン・スペイシーらしく、いい味を出している。
善にも悪にもなりうるという、超人的な雰囲気がケヴィンはぴったしだ。
チームの監督役だが、決してチームのためにとかではなく、成功させるために時には冷酷に突き放したりする。
チームはまだ大学生なので、やはり目先の欲に踊らされてしまう。
それをケヴィン演じるミッキーがぴしゃっと抑えていく感じだ。
青年の心の成長記
ベンもかなり踊らされる。
最初の目的を忘れて散々な目に合い、自分は何がしたかったんだと嘆き、後悔し始めた時には時すでに遅し、もうすべてを失ってしまっているという。
変わってしまった心は、かつて仲の良かった友達にも見透かされ孤独になり、なんだかんだカジノに行く前よりもマイナスになっているんじゃないか?と…最悪である。
非常に若者らしい調子ののりかたという感じがする。
そんなドラマ要素が面白く、ベンの心の成長記でもある。
ベンと同じ部屋に住むロボット仲間の友達が、いかにも良い友達だなって感じが良い。
ロボットを作っている仲間からしたら高嶺の花の女子学生に、ベンがバーで話しかけに行くシーンがある。
ベンが親しげにその女性と話しているのを見た友達は、「お前、すげえな!」と素直に喜びベンを祝福する。
普通だったら「抜け駆けしやがって!」とか妬んだりすることもあると思うが、むしろ喜ぶという。
ベンが心変わりしたときにはそれを敏感に感じ取る。
ローレンス・フィッシュバーンも存在感があり、良いスパイスになっている。
強烈なキャラクターというのはケヴィンくらいかもしれないが、各々がそれぞれ個性的で味があり、登場人物のバランスが実にいい。
非常に見やすく、娯楽作品として良い意味で軽く楽しめる作品だと思う。
最後にはちょっとしたどんでん返しもある。
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