映画「トレーニングデイ(2001)」を“今すぐ見るべき!”理由と考察、その感想

①今すぐ見るべき!☆5

トレーニングデイ 英題:Training Day

監督-アントワーン・フークア 120分 2001年

脚本-デビッド・エアー

出演-デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク、スコット・グレン、他

映画「トレーニングデイ」のあらすじ

出世を期待して交通課から麻薬取締課に転属したジェイクは、新しい職場での初日を迎える。

朝早く起き、電話で上司から喫茶店に呼び出され、妻から「きっとうまくいく」と励まされ家を出る。

喫茶店で顔を合わせた上司アロンゾは、数々の事件を解決してきた伝説の刑事で、ジェイクも期待に胸を躍らせていた。

しかしおよそ刑事とは思えぬギャングそのもののような格好をしていて、「オオカミにはオオカミを」という独自の考えを展開するアロンゾにジェイクは圧倒される。

今日から新人としての訓練日「トレーニングデイ」が始まるが、ジェイクはアロンゾの独特過ぎる捜査のやり方に翻弄されていく。

ジェイクは一緒にアロンゾの車、シボレーモンテカルロに乗り込む。

そこでアロンゾから捜査で押収した麻薬を吸うように促されるジェイク。

冗談だと思いながらも、自分は警官だからと拒否するジェイクだが、勧めを数回断られたアロンゾの顔が一変する。

車を交差点の真ん中で急停車させ、ジェイクのこめかみに銃を突きつけるアロンゾ。

「捜査の現場では、麻薬を吸わなかったら命に関わる」と凄むアロンゾ。

しかたなしに、なれない煙にむせながらも吸ってしまうジェイク、それを見て笑っているアロンゾ。

雲行き怪しくはじまったジェイクのトレーニングデイ、悪を倒すためには悪になりきると言っているが、限りなく悪に近いアロンゾの言動・行動。

果たしてアロンゾは悪か正義か?

混乱するが、次第につのっていくジェイクの疑念。

アロンゾの目的とは?そしてジェイクの取った行動は?

“今すぐ見るべき!☆5”理由と考察、その感想

珍しいデンゼルの悪役

知的な演技が光るデンゼル・ワシントンの珍しい悪役。

これはデンゼル・ワシントンがやるからこそ、良い。

悪か正義か、序盤は本当にどっちか分からない。

目的を達成するためにあえて悪を本物以上になりきっている感じもするし、しかしそれはただの表でやはり悪なんじゃないか?

と、もし自分だったら訳がわからない。

しかもそれは、デンゼルが繊細な感じがするし、妙に説得力があるからなおさらだ。

多分薄い感じの悪そうな人間に同じことをされても揺らがないかもしれない。

デンゼルは何と言うか、緩急がうまいとでも言うのか、色んな顔を持っているから、悪だと安易に決められない。

こういう役も演じられるし、演じようと思ったデンゼルの精神がとても好きだ。

自分のイメージというものをしっかり把握しているからこそ出来るし、それを壊していくことも出来るという。

イーサン・ホークも正義感に溢れる警官、という感じが自然で、とても良いコンビネーションだと思った。

最初から悪か正義かはっきりしている映画は多いが、これは決してどんでん返しでもなく、徐々に浸食されていく、非常にリアルな悪だ。

どっちだ?と思ってみるのは楽しい、非常に楽しめた。

デンゼルの怖さが一番出ている作品 追記:2023/05/13

デンゼルは数々の役を演じていて、迫力がある役柄なども多いが、その中でも一番デンゼルの怖さが出ていると思う。

この悪の感じ、明確な悪いやつ、ギャングや殺し屋という分かりやすい悪ではなく、良いことをしていると本当に思っている辺りも質が悪い。

その善悪の境界線がズブズブになっている感じが、デンゼルを通して非常にリアルに描かれていて、非常に怖い。

デンゼルが演じてきた悪役史上、一番怖く、リアルな悪なんじゃないかと思う。

悪が主役であるが、犯罪者をヒーロー化している訳ではなく、最終的に報いを受ける、所まで描かれているので、勧善懲悪としてスカッとする感じもある。

ただのアクションではない、リアルさを伴ったエンターテインメントとして、バランスが良い作品だと思う。

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