映画「トレインミッション(The Commuter)」(2018年)のあらすじ・感想

③見て損はない

監督-ジャウム=コレット・セラ 2018年 105分

脚本-バイロン・ウィリンガー、フィリップ・デ・ブラシ、ライアン・イングル

出演-リーアム・ニーソン、ヴェラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、ジョナサン・バンクス、レイ・スミス、他

簡単なあらすじ

家族とささやかながら幸せな生活を送っていた元警官のマイケルは、突如として会社からクビを言い渡される。

これからどうするのかと途方に暮れるその帰り道、電車の中で見知らぬ女性から、ある頼みを受けてもらえば10万ドルを渡すと言われる。

その頼みとは、あるカバンを持っているプリンという人物を乗客内から探すというものだった。

半信半疑だが、引き受けてしまったマイケルは、次第に後戻りの出来ない事態へと追い込まれていくのだった。

感想

リーアム・ニーソンのマンパワー爆発

リーアム・ニーソン演じる会社をクビになった主人公が、家族を人質に取られて、電車の乗客の中から事件の目撃者を探し出す、というサスペンスアクション。

序盤から引き付けられ、久々にアクションでハラハラさせられ、見終わると爽やかな気分になれる作品。

これはひとえにリーアム・ニーソンの力が大きい。

正直、おかしな所はそこそこあるので、これがもしリーアム・ニーソンでなかったら、見てられなかったかもしれない。

リーアム・ニーソンが、誰にも協力を得ずに、一人で奔走し、その真摯な姿勢に、次第に乗客の心が動かされていく所など、実に気持ちが良い。

仕事をクビになった男が、家族を人質に取られながらも、乗客を守るために、脱線した電車の中で指示を出し、「大丈夫だ!」となだめている所など、なんとも涙腺を刺激される。

きっと初対面でも、この人に言われたら大丈夫だと思えてしまえそうだ。

リーアム・ニーソンは、誠実さが演技に現れる独特の俳優であり、他の俳優では出せない味がそのまま作品の魅力になっている。

最終的に警察に復帰し、黒幕に詰め寄る所なども、なんとも格好が良い。

この作品の時は66歳くらいだが、いくら年をとっても、この人に変わる人はいなんじゃないかと思う。

リーアム・ニーソンのおかげで、最後までアクションとして久々に楽しめた。

楽しめなかった人は、きっと他のアクションを見ても何も楽しいとは思えないんじゃないかと思う。

つじつまが合っていない、穴だらけ、組織の作戦が浅いなど、確かにそうだが、リーアムの誠実な気持ちは真実で、見ていてバンバン伝わってくるのは確かだ。

つじつまが完璧で、良く出来たストーリーに、魅力のない若さだけの俳優や、ベテランでも薄味の俳優が出るアクション作品より、多少穴だらけでも魅力的な俳優が出るアクション作品の方が、よっぽど心動かされ、見終わって得るものが多い。

アクションに出る他の俳優は、リーアム・ニーソンに比べてしまったらはるかに魅力のない人達ばかりなので、他のほとんどのアクション作品がこれに優っているとは思えない。

というか、そもそもアクションというジャンルで、これは良いと思える作品自体めちゃくちゃ少ないので、この作品は大分面白い方だと思う。

それこそ、不自然な浅いストーリーに、魅力のない俳優の組み合わせのアクションなど、見終わったらすぐに忘れてしまう。

最近の薄めのアクションは、全てリーアム・ニーソンを主人公にして作れば、面白く見れる作品がたくさん出来るかも知れない。

リーアム・ニーソンはもはや俳優ではなく、リーアム・ニーソンという一つの作品である。

しかし、リーアム・ニーソンが出たらなんとかなる、という気持ちで使って欲しくはない。

昨今、彼はやたらとそういったアクションに駆り出されている気がするので、リーアム・ニーソンのマンパワーにおんぶに抱っこではなく、もっと力を入れて、徹底的に作り上げた作品に出て欲しいとも思う。

それこそ、クリストファー・ノーランの様な監督に、リーアム・ニーソンを主人公にしっかりととってもらいたいとは思う。

あの組織や終わり方が物足りない

目撃者を始末したいあの組織は、一体なんであんなに回りくどい作戦を取ったのかが分からない。

目撃者を電車の中で始末する、最悪列車事爆破するって、そこまでしなくても警察内部にスパイがいるんだから、仮に保護されてからでもいくらでも毒殺したりとか出来そうなもんだと思う。

むしろ、列車の中で主人公に探すように仕向ける、などという工作の方がよっぽど手間で、駅で待っていて、綿密に計画を立てた方が確実な気はする。

あの組織があそこまでしてあの場で始末したい、という理由をはっきりさせて欲しかった。

多分ないんだろうと思うが。

目撃者が犯人を特定したら、すぐ芋づる式に組織が壊滅するのか?

脱線した電車の中で最後にスパイの警察官が紙一重で射殺されたが、あんなたまたま助かった行き当たりばったりの警察の対応は非常に気持ちが悪い。

せめて、もみ合いになったとき犯人の録音装置を主人公がオンにして、罪を認めてしゃべっている所を外の警察が聞いていて、主人公を殺そうとして銃を構えたら、逆に犯人が撃たれた、とかの方が良かったと思う。

そうだったら、もっと気持ち良かったのになと思った。

まあ、しかし、昔の洋画劇場的な、正義感溢れるエンターテインメントなので、そういう意味で楽しい気分になれることは確かである。

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