英題:Life on the Line
監督-デヴィッド・ハックル
脚本-プリモ・ブラウン、マーヴィン・ピアート、ピーター・I・ホートン、ディラン・スコット
出演-ジョン・トラボルタ、デヴォン・サワ、ケイト・ボスワース、シャロン・ストーン、他
映画「アルティメットサイクロン」のあらすじ
電柱の電線を通したり、修理したりする架線作業員、通称ラインマン。
高所での作業が求められる死と隣り合わせの仕事で、毎年多くの作業員が命を落としている。
電力会社で働くベテラン架線作業員のボーは、新人の頃仕事中に自分のミスから兄を亡くし、残された姪のベイリーを我が娘のように育ててきた。
姪の恋人のダンカンはボーの会社に就職したが、ボーはダンカンをよく思っていなく、衝突もしばしばだった。
そんな中、過去最大級の嵐が町に襲来し町は次々に停電、ボーはダンカンを連れて、倒れた電柱の復旧に向かうが、嵐によるダメージは予想を超えた物だった・・・。
原題の意味
「life(ライフ)」=「人生、命、生命」という意味の名詞です。
「on」=「上に」という意味の前置詞です。
「the」=「その、あの、例の」という意味の定冠詞です。
「line」=「線、綱、電線」という意味の名詞です。
「on the line」=「電線の上の」という意味になりますが、慣用句のような感じで「危険にさらして」という意味もあるので、きっと二つの意味が掛っているのだと思います。
なので、「Life on the Line」=「電線の上の人生(危険にさらされた人生)」という意味になります。
“見て損はない”理由と考察、その感想
男臭いトラボルタ
ラインマンという、電柱に電線を取り付けたり、修理したりする、電気のライフラインを守る男たちの生活を描いた作品。
ラインマンとは過酷な仕事で、電柱から落ちたり、感電したりで、毎年かなりの人数の職人が仕事中に命を落としている。
そんな死と隣り合わせの仕事をこなす職人たちは、みなごっつく男臭い連中ばかりだ。
トラボルタ演じるボーは、ひげ面で寡黙で、いつも怒っているような感じに見えるベテランの職人で、味があって実に良い。
この作品は、超巨大な竜巻が街を破壊している画像がDVDに印刷されていて、この画を見て、災害のパニックアクションドラマだと勘違いして借りてがっかりした人も多いみたいだ。
確かに勘違いするだろう。
そんな映像はそもそも作品中どこにも出てこなく、実際はラインマンやその家族の生活を中心に描かれていて、災害でてんやわんやになるのは終盤のちょっとだけだ。
かなり誇張したパッケージで人目を引こうとしたのだろう。
自分も確かにそのパッケージを見て面白そうだなと思ってはいたが、どちらかというと、トラボルタが出演するという方が比重が大きかった。
仮に普通の災害アクションだとしても見たいとは思わないが、トラボルタがやるから見たいと思った。
シンプルなストーリーでも、俳優によっていくらでも跳ね上がる可能性がある。
だから、作中トラボルタのひげ面を見ているうちに、途中からパッケージのことなど忘れて見ていた。
実にひげも似合うし、常に怒っている感じが味があって、トラボルタらしくて良い。
こんな味、存在感は、普通の俳優では中々出せないと思う。
言ってみれば、もうそれだけで十分だったから、期待外れだ、とはならなかった。
最後のボーの粋な振る舞いも格好良い。
物足りなさがあるとすれば、ラインマンの仕事ぶりをもっと見せて欲しかったと思う。
仕事上のトラブルや、専門的なむずかしさ、上役とのぶつかりなど、そういった男臭い連中の仕事ぶりを描くのがベースにあり、家族の話がそれに絡んでくるという感じならもっと良かったと思う。
ラインマンの仕事というよりは、ラインマン本人ではない家族の話し、もしくは仕事とあまり関係ない家族の話しが主体という感じで、ラインマン本人のことがあまり描かれていない。
しかも、どの話も上層をちょっとだけ描いているという感じで、分散してしまった感じがある。
ボーのことももっと知りたかったし、ボーと娘の婚約者とのドラマなどももっと見たかった。
せっかくこの仕事は何だ?と興味も湧いているし、トラボルタも良いだけに、もったいないなと思う。
作る時には最後のボーの行動がありきで、それ以外は後付けで足していったのかな?という感じもする。
これは、もしトラボルタが出ていなかったら、きっと箸にも棒にも引っかからないものになったんじゃないかと思う。
トラボルタのおかげで、これでもまだかなり見れるようになった方だと思う。
コメント