映画「未来世紀ブラジル(1985)」が“物足りない”理由と考察、その感想

④物足りない☆2

未来世紀ブラジル 英題:Brazil

監督-テリー・ギリアム 1985年 142分

脚本-テリー・ギリアム、チャールズ・マッケオン、トム・ストッパード

出演-ジョナサン・プライス、ロバート・デ・ニーロ、マイケル・ペイリン、他

“物足りない☆2”理由と考察、その感想

近未来都市

人々は様々な最新機器に囲まれて生活している。

朝起きると自動で朝食が出来たり、服が壁から出てきたり・・・。

30年前に想像した、皮肉った未来かな。

現代では結構自動のもの多いので、機器に関してはそれほど皮肉に感じない。

公開当時見たらより滑稽だったんじゃないかとは思う。

印象的な視覚イメージ!

たびたび描写される主人公の夢だったり、部屋いっぱいに広がるエアダクトだったり、映像が印象的だ。

どちらかというと、言葉や会話よりも映像からくるイメージでこの作品のほとんどが形成されている気がする。

主人公の働き先は、2か所ともおかしなオフィスで、実に狭苦しそうだ。

滑稽さを増すために色々と誇張したであろう描写がたくさん出てくる。

全編に渡って流れているブラジルという曲が印象的で耳に残る。

デニーロが格好良い!

デニーロがタトル役でちょこちょこ出てくるが、格好良い。

3回出てきたが、出てき方が全部格好良い。

ポイントを抑えてるデニーロ。

出て来る時間は少ないが、非常に良いスパイスになっている。

感覚映画?

142分の長いバージョンを見たのだが、思っていたより長く感じた。

デニーロの登場シーンや、主人公が何かを突破したときなど、ぐっとそこでは惹きつけられるが、それ以外はきつかった。

話として、先が見えない雰囲気が多く、全体として退屈に感じた。

社会に対する皮肉が込められているのは全編通してよく分かる。

しかしよくある発想で、さほど強烈なメッセージでもなければ、皮肉の度合いもまだ足りない気もする。

感覚で感じる映画にしては、ちょっと落ち着いているのかなとも思う。

賛否分かれるラスト

長いバージョンのラストシーンはハッピーエンドではない。

賛否が分かれるらしいが、自分としては、ハッピーエンドの方が分かりやすくていいと思った。

ラスト手前でようやく惹きつけられて、「こういうことだったのか」と思ったが、そこで終わらなかった。

ギリアムが伝えたかったことは社会への皮肉だけじゃなく、「想像力を奪うことは出来ない」ということらしい

今までが十分わかりづらいので、最後のひねった感じが頭でっかちにも感じてしまった。

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