映画「デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2(2005)」が“物足りない”理由と考察、その感想

④物足りない☆2

デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2 英題:The Devil’s Rejects

監督-ロブ・ゾンビ 108分 2005年

脚本-ロブ・ゾンビ

出演-シド・ヘイグ、ビル・モーズリイ、シェリ・ムーン・ゾンビ、ウィリアム・フォーサイス、他

「デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2」のあらすじ

白昼、ある家がパトカーに囲まれる。

警官隊が突入、その家の住人たちは戸惑いながらも応戦し、激しい銃撃戦になる。

その家に住むファイアフライ一家は、75件の殺人を犯して警察から指名手配され、悪魔と呼ばれていた。

母親のファイアフライは警察に捕まったが、息子のオーティスと娘のベイビーは地下の抜け穴から逃げ出していた。

ピエロのフェイスペイントをしている父親のスポールディングはその場に不在だったが、息子たちに呼び出され合流、そこから狂気じみた三人の逃亡劇が始まる。

三人は自分たちをかくまってもらうため、スポールディングの弟チャーリーの経営する売春宿に向かう。

人を殺すことを楽しみの一つとしている一家は、道中でもことあるごとに殺人を犯していく。

この一家に兄を殺されたワイデル保安官は、時には保安官の裁量を超えることもいとわず、憎しみに燃えながら、一家の足取りを追う。

果たしてワイデルは、この三人を捕まえることが出来るのか?

そして、この三人を待ち受けていた衝撃の結末とは?・・・

“物足りない☆2”理由と考察、その感想

加害者目線のストーリー

アメリカのミュージシャンでもある、ロブ・ゾンビ監督の二作目の作品。

本職はミュージシャンらしいのですが、映像作品の監督もやるらしいです。

前作、「マーダー・ライド・ショー」の続編です。

前作で若者を襲った殺人鬼一家が警察に追われます。

前作はまだ見ていないのですが、前作の方が残酷なシーンなどがたくさん描写されているみたいです。

今作はホラーというより、ドラマの様でした。

まるで追われる一家が主人公かのように話は進んでいきます。

不思議な感じです。

一家に腹立たしさを覚える

普通中心に描かれている人物たちには、見ていてなんとなく親しみを感じていくと思います。

一家の性格もなんとなく分かっていくのですが、なんせ悪魔のような一家なので、親しみを感じたくない・・・。

一家自体には慣れるのですが、見ていて腹立たしくなります。

人の命をもてあそぶような感じですね。

そんなことを平気で出来ても、家族同士は傷つけることはせず、お互いきずなもあり、普通の家族と同じような距離感です。

笑いあったり喧嘩しているところを見ても、まさか悪魔の一家だとは思わないでしょう。

そういうところはリアルだと思います。

ホラーなのですが、ロードムービーの様な雰囲気もあり、殺していく側の悲哀も描かれています。

決してポリシーを持って殺しているわけではなく、そこまで楽しんで殺しているようにも見えず、ままごと程度の感じで殺してしまうというような感じ。

やられる側としてはたまったもんじゃない・・・。

そして、自分たちが危なくなると普通に怖がります。

自分たちが殺されることすら楽しんでいるというほどではない。

狂っているけれど、狂いきっているわけでありません。

そういう普通さがリアルだと言えばリアルなのですが・・・特にゾッとするような感じは受けませんでした。

一家全員清潔感がなく、頭も悪そうなので、この人たちはバカなのかなあ?と思ってしまいます。

決して特殊な思考をしているわけではなく、ただバカだからこんなことするんだろうな~というような。

だから一家の行動を見て腹立たしさを感じても、決して怖くはありません。

もし何かしら常人には分からないポリシーを持っていて、表向きはよく出来た家族が実は殺しまくっていた、とかの方が怖いんじゃないかと思います。

別物になってしまいますが。

存在感のあるウィリアム

一家を追っているワイデルも、もっとおかしくなっても良かったのかな?とも思いました。

ワイデルの家族があんな目に合っているので、ワイデルの行動はあれで常軌を逸しているとは言えません。

ところでウィリアム・フォーサイスの演技は味があってとても惹きつけられますね。

非常に存在感があります。

印象的なラストシーン

一家の悲哀もラストで表現されていますが、それでも一家のやったことにはおつりが来ます。

自分的にはもっとひどい目にあってほしかったのですが・・・。

しかし、悔しいながら最後のシーンはなぜか格好よく見えてしまいます。

美しくすら見える・・・。

ぜひ、ラストで何を感じるか、見てみて下さい。

コメント