映画「アウトロー(2012)」が“物足りない”理由と考察、その感想

④物足りない☆2

アウトロー 英題:Jack Reacher

監督-クリストファー・マッカリー 2012年 130分

脚本-クリストファー・マッカリー

出演-トム・クルーズ、ロザムンド・パイク、ロバート・デュバル、他

映画「アウトロー」の簡単なあらすじ

昼間に川沿いを歩く市民がライフルで無差別に撃たれるという凄惨な殺人事件がおき、警察は現場に残された証拠から、すぐに容疑者として元狙撃兵の男を逮捕する。

容疑者は護送中に他の囚人から暴行を受け、「ジャック・リーチャーを呼べ」というメモだけを残して昏睡状態に陥っていた。

ジャックリーチャーとは元軍人で、今や生存すら確認の取れないゴーストであったが、事件を聞きつけ突如警察の前に姿を表す。

容疑者の犯行を誰もが疑わない中、ジャックは容疑者の弁護士と協力して事件を洗い直して行くうち、事件に不可解な点があることに気づいていく。

事件に隠された真相とは?ジャック・リーチャーとはどんな人物なのか?そして、ジャックリーチャーがとった行動は?

“物足りない☆2”理由と考察、その感想

惹きこまれる序盤だが・・・

ショッキングな始まり方から、ジャック・リーチャーの登場まで、序盤から非常に引きこまれた。

ジャックの謎多き感じも悪くない。

しかし、中盤からはそれほど真新しい描写はなく、比較的普通なアクション作品に感じた。

ジャックの謎な魅力が中盤からは消えてしまった感じで、あとは事件の動向がどうなるのか見ていく感じだ。

確かに、爆発や銃を撃ちまくりのど派手なアクションはなく、体一つで敵と対峙いていく様は味があるし、一匹狼のジャックの言動行動は格好良い。

それでも、見終わってみると、不思議とあまり内容が印象に残っていない。

ジャックと行動を共にする女性弁護士も別段変わった所はなく、悪役達もなぜこんなことを起こしたのか、という掘り下げられた深みもない。

過度に真相を説明する必要はないが、ものすごい悪役感がある訳でもないので、悪役は外見と事件の内容の割にあっさりとした印象を受けた。

とってつけた悪役のように感じる。

130分という時間の割には、中身が薄い気がする。

終盤のロバート・デュバルのサポートは良かった。

デュバルの味わい深さはもちろん、ジャックの味方が年老いた一般人のデュバルだけという展開は面白かった。

ジャックがあまり謎ではない

ところどころ面白いシーンなどはあるが、ジャック・リーチャーという人間に、もうすこし惹きこまれたかった。

途中から、謎多き伝説のアウトローというより、元軍人の正義感の強い変わった人という感じで見てしまった。

やりたい感じは分かるが、そこまで謎めいている訳でもなく、神秘的でもなく、かといって人間味に溢れる訳でもない。

ジャック・リーチャーというより、トム・クルーズそのものという感じがした。

派手な描写がなく、ジェームズ・バー以外の登場人物の描写が掘り下げられていないだけに、トム・クルーズのマンパワーに頼るところが大きいと思う。

全体の作り方が、主役に比重が大きい、難しい役どころにしてしまっていると思った。

トムのイメージはアウトローというより、好青年感が強いので、中々難しいんじゃないかと思う。

むしろトムの素に近い感じで、常にニコニコさせていた方が不気味で面白かったんじゃないかとか思う。

原作の設定とは違ってしまうが・・・。

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