ソウルキッチン 英題:Soul Kitchen
監督:ファティ・アキン 2009年 99分
脚本:ファティ・アキン、アダム・ボウスドウコス
出演:アダム・ボウスドウコス、モーリッツ・ブライブトロイ、ビロル・ユーネル、他
映画「ソウルキッチン」のあらすじ
ソウルキッチンという大衆食堂を舞台に、様々な人間模様が交錯していくハートフルコメディ。
ソウルキッチンという大衆食堂を経営している青年ジノス。
そこでは冷凍食品などのインスタントの食品を適当に調理して提供しているが、味は気にしない常連客たちでそこそこにぎわっていた。
決して有名店ではないが、この店に愛着を持っているジノスは今日もキッチンで忙しい日々を送っていた。
そんなジノスの前に様々なトラブルが巻き起こる。
偶然家路で出会った幼馴染の不動産屋トーマスは、ソウルキッチンの立地の良さから、なんとか店を自分のものにしようと画策し始める。
トーマスの通報により衛生局の査察が入り、店は大幅な回収を命じられるがそんな資金はない。
資金に頭を悩ましている最中ジノスはぎっくり腰になってしまい、料理が出来なくなる。
代わりに、プライドが高く高級料理店をクビになったが腕は確かな天才シェフのシェインを雇い、料理は高級なものになったが、食べなれた味を求める客にはいまいち不評である。
そんな中、ジノスの兄が刑務所を仮出所してきて、表向きの働き先として雇ってほしいと頼まれ、しぶしぶ雇うことに。
やがてジノスの恋人は上海で男を作ったり、店は客が入らずにバンドの練習や集会に貸し出したり散々な始末。
にっちもさっちもいかない中、イリアスがウェイトレスのルチアの気を引くために盗んできたDJのセットで店の中で曲をかけ、そこにバンドも加わり店内はクラブの様な雰囲気に。
シェインの料理の腕も相まって、若者が集まりだし、やがて店は大繁盛。
店も改修し、評判を呼ぶが、不動産屋のトーマスはあきらめていなかった・・・。
再び店を手放す窮地に陥ったジノス。
果たしてソウルキッチンはどうなってしまうのか?
店を救うためにジノスや仲間たちが取った行動は?・・・
“物足りない☆2”理由と考察、その感想
店はなぜ繁盛した?
ドイツ・フランス・イタリアの合作らしい。
料理もたくさん出てきて、音楽と相まってどこかオシャレな雰囲気がある。
コメディ要素満載で、軽快なリズムで進んでいく。
期待していた内容とはだいぶ違った。
潰れかけた店を再建していくというのは非常に興味を惹かれるのだが、繁盛するきっかけになったのが何なのか、ざっくりしていてよくわからなかった。
試行錯誤の末にどこも提供してないサービスに行きついた、とかではなく、たまたま感を強く感じる。
ごちゃまぜになったら繁盛したというような。
ジノスがヒントを得て、こうすればいいんだ!とつかんで開眼していく感じもなく、流行ったのをそのまま受け入れて平坦に進んでいく。
もう少し細かく描いてもいいんじゃないかと思った。
登場人物は個性的ではあるが・・・
登場人物はそれぞれ個性的だが、あまりうまく絡み合っていないように思う。
絡み合っていないなら無理に個性的にする必要もなく、素朴でも十分にストーリーの根幹をなしえる。
クビになったシェフもただ変わっているだけで、魅力を感じれない。
本当に美味しいものを作ることが好きというよりか、そんな自分を愛してしまっている感じがして、それは果たして一流の料理人なのか?
出てくる人物たちのほとんどが表層の人間性だけ描かれていてる感じで、本当は何を思っているか?どういう人間なのか?という所が希薄だったように思う。
コメディなのである程度のテンポは必要で、多少コミカルに人物もデフォルメする必要はあるかもしれないが・・・。
ジノスはどうしたかったのか?
ジノスは最終的に料理がうまくなったが、果たして成長したかどうか分からない。
ジノスは何が好きで何を目指しているのか?これからどんな店になっていくのか?というのがぼんやりしているように感じた。
ジノスは一貫してジノスのままだ。
それは決して悪いことではなく、変わらない良さもあるが、どこか物足りなさを感じた。
もともとなぜこの店が好きなのかがよくわからない。
冷凍食品を調理していて、その日暮らしに近い生活をしていたのに・・・。
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