タイタニック 英題:Titanic
監督-ジェームズ・キャメロン 1997年 194分
脚本-ジェームズ・キャメロン
出演-レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、他
映画「タイタニック」のあらすじ
トレジャーハンターが、84年前に沈没した豪華客船タイタニック号の金庫を海底から見つける。
その中には、トレジャーハンターが捜していたダイヤではなく、そのダイヤのネックレスをつけた女性の裸体が描かれた紙が入っていた。
それをテレビで公開すると、ある老婆が「その女性は自分だ」と名乗り出る。
老婆は自分がそのタイタニック号に乗船していた時のことを語り始める。
老婆=ローズは若かりし頃、親の計らいで好きではない相手と無理やり婚約させられる。
その婚約相手と乗船したタイタニック号で、ポーカーで出航直前に手に入れた切符で乗船した画家の青年ジャックと出会う。
自分の行く末に絶望したローズは自殺を図り、ジャックがそれを止め、運命的な出会いを果たした。
上流階級のローズは自由奔放なジャックに惹かれ、ジャックもまたローズに恋をする。
二人は自分達の境遇など顧みず、愛を誓い合った矢先、船は氷山に激突し、船は海水に飲み込まれていくが・・・。
“観ない方がいい☆1”理由と考察、その感想
ジャックがどうも好きになれない
歴史に残る超豪華客船タイタニック号の沈没事故をモチーフにした作品だが、主体は二人の恋愛だ。
状況もとてもロマンティックだし、言いたいことは分かるが、感動するというところまでは行かなかった。
ジャックの感じをもっと素朴な雰囲気の青年にしてほしかった。
ディカプリオがどうも軽い感じがするから、感動させようというムードをあんなに出されてしまうと、二人の関係がなんかママゴトのような印象を受けてしまう。
一夜の遊びというか。
二人の世界だから、というのは分かるが、初めて出会ったのに二人は相性がぴったしだ、という感じもしない。
もともと知り合いで、お互い好きだったのだけれど、別れ別れになってまた出会ったという設定だったらまだ分かる。
ジャックがどんな人間か分かり、見ているこっちが好きになるまで描かれていない。
もちろん悪い人間ではないと思うが、頑張れ、と言いたくなるような人間ではない。
それはローズにしてもそうかもしれない。
だから、もうこの時点でほとんど、この作品は自分を心動かす所にはいかない。
それは、音楽や派手なアクションなどの演出が増せば増すほど乖離していく感じすらある。
なので、この作品は、ジャックを格好良い、ローズをきれい、と思ってアイドルを見る様な目で見れる人向けだ。
もっと言えば、ディカプリオの壮大なプロモーションビデオとも言える。
そういう意味で、当時のティーンエイジャー向けの映画であると思う。
どちらかというと女性向けの映画だと思う。
無理やりジャックを殺さなくても良かったんじゃないか?
そして、最後に二人が海に投げ出されて、ジャックが身を犠牲にしてローズを守るところ。
良いシーンではある思うが、ジャックだからなんか入ってこない。
他にもたくさんの人が乗っていて、ジャックのような行動をとった人もたくさんいるだろう。
その人たちの中でも、もっと深みのある人たちはいたはずで、そっちのドラマの方が感動するんじゃないか?
夫婦でお金に苦労して共に歩んできて、結婚記念日にやっとこの船に乗ることが出来た、という夫婦もいたかもしれない。
これは、女性からの支持が非常に多いが、恐らく自分の中でジャックを誰かに、ローズを自分に当てはめ、頭の中でうまい具合に作品の足りないところを補って想像したりできているから、感動できるんじゃないか。
欲を言えば、二人とも助かって欲しい。
だから、もっとジャックが自分の命を犠牲にせざるを得ない状況をちゃんと作り上げて欲しかった。
あれだと、木もたくさん浮いているから、ジャックもなんとか助かると思ってしまう。
そこらへんの沈没のリアルな怖さの表現が雑だと思った。
これは、ディスカバリーチャンネルが実際に実験して、あのサイズの板なら大人二人は助かるらしい。
救助が来なければ、いずれ低体温症になって命は危うくなるかもしれないけど。
監督は「助かったかどうかは問題じゃない、ジャックは死ぬ運命だから死ななければならなかったんだ」とユーモアを交えて釈明している。
あれはジャックが死んだのか?あれだけでは分からない。
だから、最後の最後に、おじいちゃんになったジャックがテレビを見て、それは自分だと名乗り出て再会してくれたらすごい良かったと思う。
無理やり恋愛を引き立てるために、ジャックを殺す必要はない。
可愛そうなジャック。
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