映画「ナイトビジター(1970)」 を“今すぐに見るべき!”理由と考察、その感想

①今すぐ見るべき!☆5

英題:The Night Vsitor

監督-ラズロ・ベネディク 106分 1970年

脚本-ガイ・エルムズ

出演-マックス・フォン・シドー、リヴ・ウルマン、トレヴァー・ハワード、他

映画「ナイトビジター」のあらすじ

真冬にランニングシャツにパンツ一丁の男がある医者の家に忍び込もうとしている。

慣れた動きで二階の窓から侵入した男は金品を奪うわけでもなく、物を動かしただけで家の外に出て行った。

実はこの男は刑務所に服役中の囚人であり、刑務所をこっそり抜け出してはばれずにまた自分の部屋に戻るという奇妙な行動を繰り返していた。

この男の奇妙な行動には、ある明確な目的が隠されていた・・・。

“今すぐに見るべき!”理由と考察、その感想

惹きつけられる男の奇妙な行動

冒頭からのランニングシャツの男の奇妙な行動、その行動によっておこる展開に惹きつけられ、最後まで実に面白く見れた。

サスペンスであるけれど、エンターテインメント性を存分に感じられて楽しめた。

刑務所、家庭内のごたごた、刑事の謎解きなど、面白い要素が邪魔せずに調和していて、飽きずに見られる。

要素は多いものの、実にシンプルにまとめられ、余計なものがそぎ落とされているシャープな印象を受ける。

時間も程よく長くなく、楽しめるサスペンスとしてこんな作品は中々見れないと思う。

主人公を演じるマックスフォンシドーは、しゃべらずともその雰囲気が良い味を出していて惹きつけられる。

真冬の雪が残る中、痩せている男がランニングに下着で外を走っている姿が実に滑稽であり、脳裏に焼き付く。

ばれずに刑務所に戻る所も、その絶妙なアイデアと器用さが面白い。

外から刑務所に戻る時に、セイラムが刑務所の壁をロープでよじ登っている所を、下を通る警察の車が全く気付かないというシーンは、ちょっと雑なんじゃないかとは思った。

セイラムは賢く、警察としゃべる時も会話でぼろを出さないし、これだけ巧妙な脱獄を考えられるのに、妹に言いくるめられそうになったのはなんでなんだろうか?

二人にしか分からない何か秘密があったのか?

そこらへんは詳しく語られていないが、セイラムが頭が悪いような感じの描き方をされている印象も受けたが、セイラムは物静かだが確実に知的なので、妹に言いくるめられるような人間ではなく、つながらない感じがした。

これだけ知的であれば、何かここまで問題が大きくなる前に刑務所に入らずに解決できそうな気もしないでもない。

しかし、妹がかなり腹黒いだけじゃなく、セイラム以上に頭の回転が速くて、口がうまいのかもしれない。

妹は憎らしさが良く出ていて良かった。

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