映画「マラソンマン(1976)」を“観ない方が良い”理由と考察、その感想

④物足りない☆2

マラソンマン  英題:Marathon Man

監督-ジョン・シュレシンジャー 1976年 125分

脚本-ウィリアム・ゴールドマン

出演-ダスティン・ホフマン、ローレンス・オリビエ、ロイ・シャイダー、他

映画「マラソンマン」の簡単なあらすじ

マラソン好きな大学院生ベーブには優秀なビジネスマンの兄ドクがいるが、兄は実は工作員で、ユダヤ人からダイヤを盗んだ元ナチスの残党を追っていた。

ニューヨークで久々に再会したベーブとドクだったが、ドクが重傷を負ってベーブの家に転がり込み、そのまま息絶えてしまう。

一時は警察に疑われたベーブだったが、政府の組織を名乗る人物から、兄の本当の職業とベーブにも身の危険が迫っていることを告げられるのだった。

“観ない方が良い☆1”理由と考察、その感想

超有名な歯医者の器具を使った拷問シーン

おじさんのダスティンホフマンが大学生を演じている。

若々しいしゃべり方の、老けた学生だなって感じ。

ちょっと古めのこのぐらいの映画は、とても雰囲気が好きだ。

今では感じられない当時の雰囲気を感じられる。

話し自体は、なんかよくわからないうちにどんどん展開していく。

マラソンがキーポイントになっている訳では決してない。

見どころは、ローレンス・オリビエの老獪な演技。

残虐な悪党を、紳士的な感じで演じているのが、こいつは本当に悪い奴だなと思わしてくれる。

特に、ホフマンを拷問するところは、見ていて実に痛々しい。

たけしの「アウトレイジ」でも、組長が歯医者で拷問されるシーンがあるが、こっちが本家なんじゃないかなとも思う。

制作は、ロバート・エヴァンズというプロデューサー。

この映画でも、ダスティンを説き伏せて出演させたらしい。

ダスティンとは仲良しで、「くたばれハリウッド!」という映画で、そこらへんを本人が語っている。

ローレンス・オリヴィエの怪演は見どころだが、話の進み方が少し雑な感じがして物足りなさを感じた。

惹きこまれる箇所がない

正直、どこに惹きこまれればいいのかよく分からない映画だった。

ホフマンも大学生に見えないし、話がどんどん進んでいくのは分かるが、人間的なドラマはなく、気持ちが入らない。

ホフマンの軽快な演技がサスペンスにあまり向いていない感じもする。

人間的ドラマがないのはサスペンスなのでしょうがないかもしれないが、演出も下手で、どんどん張り詰めていく怖い感じがしない。

そもそも、出演する人々の大げさであざとい演技、不必要なアップなどの見づらい素人的カメラワーク、いちいち流れる大そうな音楽など、これも味だ、と言えばそうだが、作り物感がすごくて、惹きこまれない。

映画ですよ、感を出そう出そうとしている感じが鼻に付く。

唯一面白かったのは、ローレンス・オリヴィエの歯医者の器具を使った拷問シーンくらいだ。

あと、ローレンスが街中を歩いている時に、道端の知らないおばさんに、ナチスの残党だとばれて大声で指摘される部分も良かった。

当時は本当に、まだナチスの残党が生きている時代だろうから、時代を感じられる、という意味で良い。

この作品は全編にわたって演出が下手で、話にも引き込まれないのにそこそこ時間も長いので、退屈である。

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