パルプフィクション 英題:Pulp Fiction
監督-クエンティン・タランティーノ 1994年 154分
脚本-クエンティン・タランティーノ
出演-サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・トラボルタ、ユマ・サーマン、ブルース・ウィルス、ヴィング・レイムス、ティム・ロス、アマンダ・プラマー他
映画「パルプフィクション」のあらすじ
マフィアの下っ端ジュールスとヴィンセントの二人を中心に、下らなくも非日常なマフィアの世界を描いたオムニバス作品。
聖書の一端を口にしながら裏切り者を拳銃で脅すジュールスと、それを冷静に見守るヴィンセント。
ヴィンセントがマフィアのボスの妻を食事に連れていくことになったが、あわや大惨事に。
八百長試合を依頼されたボクサーは相手をノックアウトしてしまいマフィアから追われる。
車内で銃を持っていたヴィンセントが一緒に乗っていた青年を誤って殺してしまい、その処理を伝説の掃除屋ウルフに頼むことに。
ジュールスとヴィンセントはたまたま行ったレストランで強盗と出くわすが・・・。
“今すぐ見るべき!☆5”理由と考察、その感想
個性豊かなマフィアや登場人物たち
オムニバス形式になっていて、時系列には沿っていないのが、気にならずに見れる。
2時間30分以上あるが、それぞれの話がそれぞれスパイスが効いていて、飽きずに見れた。
出てくるキャラクターがまあ個性的で良い。
ジュースも含めそれぞれのキャラクターが、重厚というよりも個性が強く、しかしお互いを邪魔していない、全体としてどんどん厚身を増して行くような珍しい作品だなと思った。
サミュエルの感じも異様だし、トラボルタもとても味があり、名コンビである。
殺しに行った相手の家で、相手がいないからと言って、台所にマシンガンを置いてトイレで本を読んでいたヴィンセントが良い。
殺しの仕事を、ヴィンセントにとってはまるで普通の仕事の感覚。
ヴィンセントの性格もあるだろうが、殺し屋って殺すということに緊張感がなくなってくるんだろう。
そんな感じが見てとれて面白い。
誤って死体を殺してしまって、それを処理するときもそうだった。
一般人が誤って人を殺してしまったら想像もつかない大ごとで、怖いし、グロテスクだし、なんてことをしてしまったのかと落ち込むのが普通だ。
しかし、彼らにとってそれは落ち込むというよりも、むしろ「やっかいだな、どうすんだ」という感情が働く感じ。
死に対する感覚が違うという、そんな非日常の人間達のやりとりに惹きつけられる。
その処理自体にもスポットを当ててちゃんと見せているのも面白い。
そして、そんな連中に起こるハプニングの数々。
殺し屋の裏を描いているが、決して格好良いところばかりではない感じも、殺し屋だが人間味を感じる。
ボスの奥さんに起こったことでヴィンセントが大慌てするところや、ブッチが見てしまったボスの見られたくない姿、ジュールスの心変わりなど、見どころがたくさんある。
これはカンヌでグランプリを取ったらしいが、こういうエンターテインメント満載の内容でもグランプリ摂れるというのはすごい。
タランティーノ監督作品では、今のところこれが一番好きだ。
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