ドラマ「VIVANT(2026)」が”つまらない”理由と考察、その感想

⑤つまらない☆1
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VIVANT

製作– TBS

プロデューサー -福澤克雄

監督– 福澤克雄

脚本– 福澤克雄、宮本勇人、李正美、山本奈奈、土井笑生

音楽総監督 – 千住明

出演– 堺雅人、二階堂ふみ、二宮和也、阿部寛、キムラ緑子、富栄ドラム、他

「第11話-新たな冒険始まる」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想

ついにあのビヴァンが復活

ついに、世間を騒がせたあのビヴァンの続編が3年を経て公開された。

前回から何年後かではなく、前回の話しの続きから始まる今話では、乃木以外の別班工作員達が次々と拉致され、その行方を追って海外に飛ぶ乃木の様子などが描かれた。

乃木や乃木の上司、相棒のドラム、公安の野崎、恋人の柚木、兄弟のノコルなど、前回と同じ面々が登場する、世界を股にかけたスパイ・アクションの様だ。

結論から言うと、すごくつまらなかった。

別班専用の施設が普通の路地裏に隠されているなどは面白いが、AIも含む施設の描写がチープで萎えるし、何より主人公の乃木の演技が嘘くさくて魅力がなく、安っぽいB級のスパイ映画を見ている様だった。

野崎も相変わらず滑舌が悪くて聞き取れない舐めた演技でイラッとするし、役者の演技や演出面も含め、全体的に、前回に感じた違和感そのままの印象を受けた。

序盤に前回のラストのノゴーン・ベキと乃木との対峙が再び流されが、やっぱり乃木の驚いた顔はすごくあざといし、自分の感じ方は何も変わっていない。

ここ数年で自分が見てきた日曜劇場の1話では、ぶっちぎりでつまらなかった。

前回のビヴァンの1話よりつまらなく、見どころもない。

どうすれば面白くなるのか、というのが気が遠くなるほど、様々な要素が複雑に絡み合って逆相乗効果になっている。

なぜなのか考えていきたい。

グズグズの乃木の二重人格

乃木は二重人格ということだが、前回と同じく、切り替わりもグズグズの所も多く、弱い人格だけど強い顔をしている時もあるし、切り替わってる時やグラデーションになってる時もあるし、そもそもどんな人間かよく分からない。

半沢直樹の様に、統一された感じがないので、応援もしづらいし、弱々しい顔の演技は相変わらずあざとい。

もうこの人は、弱々しい人間の演技は多分リアルにやるのは無理なんだろうと思う

そういうフリにしか見えず、全然リアルじゃない。

素がきっと強い人間が、弱々しい人間を演じるのは至難の業なのかもしれない。

それを演じるのがプロだろ、と思うが。

究極的には、弱々しい人間を演じるためには、寝起きとか、全然食べてなくて低血糖状態とか、風邪を引いてるとか、体の状態がリアルに良くない、とかじゃないと出来ないのかもしれない。

やろうとしているのではなく、リアルにそうなってしまっている様な感覚、とでも言うのか。

そりゃ、本当は健康でよく食べて、血が濃くて、元気いっぱいの人なら、どうしてもそれが漏れてしまう。

そこを超えてどうすれば弱々しくなれるのか、というのは、プロの成せる技で、モノマネのもっと奥にある特殊技能だ。

そこが見たい訳で、役者的にも、見ているこっちも興奮するところじゃないのか?

それをうわべの感じでモノマネ程度で演技されても、何も心は動かない。

その弱々しさのあざとさはひとまず置いておいても、なぜ乃木は弱々しくあるべきなのか、よく分からない。

別にずっと強くて良いだろう?

二重人格の強いやつみたいに、行き過ぎた、エキセントリックな強さはいらないが。

普通に強ければそれで良い。

そして、弱々しさと強さがどう乃木の中で混在してるのか、というのも明確化されてないので、見ているこっちも混乱するだけだ。

弱々しいのは、相手を欺くための武器であり、素である必要はない。

弱々しく見せておいて、実は強かったらめちゃくちゃ面白い。

仕事人であり、大どんでん返しになるし、この上なくスカッとする。

それをやりたいなら、もっと素直にやれば良い。

強い姿は、仲間内にだけ、もしくはこれから殺す敵の前だけで見せれば良いんじゃないか?

弱いと思って舐めてた敵の顔色が変わるなら、毎回必ず面白い。

それなら、乃木が働く丸菱商事では、乃木が上司に頭の上がらない無能寄りの、かわり者の平社員を演じている意味も分かる。

世を忍ぶ仮の姿であり、強さを悟られてはいけないからだ。

自分の素を捨てて、そういう人間に徹しなければならない。

弱々しく演じる必要があるのは、この会社関係と、敵の視線を感じる時だけで良い。

しかし、前のシーズンで、なぜか二重人格の強い奴が出てきて社内で怒鳴ってしまったので、もう台無しになってはいるが。

スパイ失格のおバカ行為だ。

そして、柚木の前では、弱々しくなる必要はないので、普通に接すれば良い。

柚木にも頭が上がらないキャラにする必要がないし、そうしてしまうと分かりづらい。

話の成り行きで尻に敷かれる感じになるなら分かるが。

しかし、そもそもこの乃木は弱々しいのが素の人間なんだろう?

なぜそんなややこしい設定の、特殊なスパイを描きたい?

ただでさえ仕事人という二重の顔を使い分ける人間なのに、そもそもナヨナヨしている、さらに二重人格である、って要素を足し過ぎだ。

二重人格にナヨナヨが含まれるなら、単純に2×2で4人格。

訳が分からない前代未聞のおバカ設定だ。

加えて、弱々しい演技が嘘くさいんだから、一体どうやって面白くなる?

単純に、半沢直樹のスパイ版って考えればまだ良かったんじゃないか?

なぜこんなことになってしまった?

007を超すような前代未聞のスパイものを作りたかった?

ある意味でそれは達成されているが。

もう後の祭りなので仕方がないが、せめて二重人格は終わらしてしまえば良いのに。

柚木と結ばれた時点で、人格の統合が始まり、乖離が徐々に少なくなっていっている、とかで強引に。

3年間、制作陣は誰もこの致命的なミスに気づかなかった訳だ。

監督が脚本も書いていて、このドラマの最高責任者であるならば、ある意味ですごい独裁の、独善的な、自己陶酔的なドラマ制作だと思う。

こんな変な設定でドラマを作りたいなら、自費でやれば良いんじゃないか?しかし、それがまた通ってしまうんだからしょうがない。

テレビ局側にそれをはじく目を持つ者はいないという証拠だろう。

そして、これを受け入れている視聴者も一定数いる、という怖い事実。

何はともあれ、この複雑な設定でどんな人間かもよく分からない主人公を、一体どう応援すれば良いのかよく分からない。

というか、単純にスッと入ってこない。

前シリーズから続く問題ではあるが、依然として解決されないままである。

ちなみに、他のレギュラーメンバーもほぼ変わらず、特に魅力的な人物はいない。

ハッカーの女性役だけ役者が変わった様だが。

中でも野崎は、また滑舌が悪くて何言ってるか分からず、相変わらず舐めた素人演技をしていることに腹が立つ。

乃木との会話でいきなりベロベロじゃないか。

なんで撮り直さないんだろう?

聞き取れないのが良い個性じゃなくて、味のないダメな噛み方だ。

直さないってことは、本人も周りも良い味だと勘違いしてるんだろう。

きっとマネージャーとか彼の事務所すらも。

実に怖い。

裸の王様だ。

芸人に真似されてるのもスターの証だとでも思ってるのか?

本当にダメな噛み方なんだから、俺滑舌悪いんですよって笑ってる場合じゃない。

そして、噛んでなくても相変わらずセリフを置きに行ってるし、棒読みに近い時もあり、感情入れるのが下手くそだ。

この数年間で、何も成長してないじゃないか?

この素人集団は何だ?

こんな体たらくなら、野崎役なんてもっと若手に譲った方が良いんじゃないのか?

ザルすぎる他の別班工作員

今話では、乃木がベキと対決している裏で、病院で療養中の他の別班工作員たちが毒を盛られて拉致されてしまい、その謎の組織を乃木が追うことになった。

工作員達の情報、顔や氏名、入院先などが漏れて、病院が爆破、放火、襲撃までされる、という体たらくで、バルカにいた黒須以外みんな同じ手口で毒を盛られて拉致された、というのが、突飛に感じて全然入ってこなかった。

乃木は、毒は口に入れた瞬間に分かるから吐き出せると言っていて、櫻井は新薬を使われた可能性があることを示唆したが、そういう問題か?

どのくらい入院していたのか知らないが、敵は時間をかけて入念な準備をしていた、とAIハヤトは言っていたから、工作員達も同程度入院していたなら、それぞれ自分の病院に大分慣れていたはずだろう。

毎日他の患者や見舞客、看護師、医師や医療関係者、警備員等と接して、顔見知りも増え、いつもの病院のルーティンも把握でき、怪しい人物が入ってきたらすぐ分かるはずだろう。

ましてや、日本でトップ、世界でも優秀とされるスパイ達じゃないのか?

毒を口に入れた瞬間に分かるくらいすごいのに?

人の顔なんて瞬時に覚えてしまえるんだろう?

それが、敵が入念に下見をし、爆弾を仕掛けることや毒を盛ることを許すなんて、致命的なミスじゃないのか?

そこを素早く察知して逃げるくらいの能力がないのであれば、一般人に混じった大病院の一般病棟になんて入院しちゃいけない。

ずっと昏睡状態ならまだしも、凄腕の乃木に急所を外されて撃たれただけだろう?

一流のスパイにとったらかすり傷じゃないのか?

そもそも入院する必要があるのかも分からない。

彼らにとって大した傷でなく、周りを比較的余裕を持って観察できる状態で長く入院し、まんまと不審者の病院への侵入を4人全員が許してしまうって、不可解にもほどがある。

全員無能ってこと?

トップクラスのスパイだけど、敵はもっとすごいスパイ集団ってこと?

そんな雑な設定で良いならもう何でもありだ。

もっとすごい、もっとすごいってずっとやってれば良い。

もしくは、乃木の銃弾は思いのほか傷が深くて、みんな昏睡状態だったのか?

そうなると乃木は全然凄腕じゃない。

もうこの、全員拉致されたという情報が嘘くさいので、何も入ってこない。

一人だけ拉致された、その人はそもそも乃木の銃弾で重傷で意識がなかった、一人は敵ともみ合って殺された2人は事前に敵を始末したとか、バリエーションがあるならまだ分かる。

意識がない工作員を拉致するメリットはないのかもしれないが。

思い返せば、こういう雑な説明ベースの進め方は、シーズン1にもちょこちょこあって萎えたことを思い出した。

これが櫻井の大嘘で、乃木もそれに気づいていたが、知らないふりをして従った、とかなら分かるが、全然そうじゃない。

本当に拉致された、という体なんだろう?

この不可解な話しを櫻井から聞いて、納得してしまう乃木もザルすぎる。

この1話は、この嘘くさい情報を元に乃木が動くんだから、もう面白くなるはずがない。

子どもが作った様な、リアルでない単純な話で、子どもなら可愛くて良いが、長年ドラマ作りで食べてきたドラマの筋金入りのプロが作ってこれなんだろう?

今まで一体どうやって作ってきたんだ?

よくバレずに来れたもんだ。

バレてるけど誰も言わないだけなのか?

黒須は拉致される前に敵がやってくるのを事前に察知したものの、多勢に無勢でやられてしまったが、ちゃんと返り討ちにしようとしてやられたので、まだ腑に落ちる。

他の工作員も、もっとリアルな詳細を細部まで作り込んで欲しかった。

こんな程度で良いだろうってか?

なんでそこを雑にするのか、何がしたいのかよく分からない。

リアルって、むしろそういう細かい作り込みの末に、ようやくボンヤリと浮かび上がってくるもの様な気がする。

なので、黒須が拉致された、だけの方が突飛でなくて良かったのに。

貨物機で人を密輸なんてあり得ない

薬で工作員達の意識を失わせて、貨物に紛れさせて空輸するなんて、そもそも不可能だし、そこまでするメリットはなんだ?

新薬って都合よく言ってるが、そんな17〜20時間とか、ガタガタ貨物で揺られることもあるのに、注射1本でぶっ続けで眠らせられる夢の薬なんてある訳ない。

女性工作員は、中部国際空港からイスラエルに運ばれ、所要時間約18時間、ある男性工作員は、関西国際空港からトルクメニスタンに運ばれ、所要時間約17時間、いずれも直行便はない。

トルクメニスタンに至っては、乗り継ぎによっては28時間くらいかかるらしい。

薬を使っても流石に個人差あるし、途中で起きる可能性が高く、あまりにギャンブルすぎる。

新薬だからか?

長い期間綿密に準備していたから?

なんとも都合が良い。

それならちゃんと、そんな薬あるのか?とか、もしかしたら大手の製薬会社がバックにいるのかもしれない、普通のテロリストに作れるはずがない、とか誰かに言わせたりして、おかしな点を普通まで落とし込んで欲しかった。

大型貨物なら検査をかいくぐりやすいってAIハヤトが言ってたが、さすがに人間運べる訳ないだろう?

そんなことが簡単に出来たら、犯罪し放題じゃないか。

まず公安はそこをなんとかしないと、別班とか作る以前の話だ。

プライベートジェットですら検査は厳しくなってるのに、普通の貨物を検査しない訳ないし、奇跡的にかいくぐれたとして、100回に一回もないだろう?

それが4人全員見事に貨物に紛れて出国、他国に入国出来たって、どのくらいの天文学的確率だ?

突飛に突飛を重ねて、これぞまさにビヴァンって感じだ。

推理小説家がキーポイントの様なトリックを作るために、なんとか脳みそからアイデアを絞り出す様な面倒な作業を全部おざなりにしている。

良いとこ取りしたいのか?

サスペンスアクションなら、そこも視聴者が楽しめる重要な要素の一つだと思うが、いつも逃げている。

案の定、ありえないが重なり過ぎて、良いとこ取りどころか、薄っぺらい、変なサスペンスが出来上がっている。

輸送に使われたトラックが上げ底になっていて、人が入れる、とかその程度のトリックが限界か?

なんで全部ちゃんと細部まで決めないで、所々雑に済まされているのか、目的が分からない。

そっちの方が絶対面白くなるのに。

有名なミステリー作家に監修してもらえば良い。

監督だって、待望の続編なんじゃないのか?

なぜこんな穴だらけの虫食いの作り方をする?

監督は、ゴリゴリの体育会系で、学生時代はそこそこ有名なラグビー選手だったんだろう?

いい加減なプレーをしたら、先輩からとんでもなく怒られる、後輩に叱咤される、チームの失点につながるんじゃないのか?

今、彼はそれをドラマでやっている。

誰も怒る人なんていないから、ある意味幸せなのかもしれない。

もっとちゃんと作り込んだトリックを含む、リアルなサスペンスを見たかった。

チープなSF的世界観

このドラマが始まってすぐ、風景の左下に、ピロピロッという音と共に黄色いテロップが出るのがもうちゃっちい。

安っぽい音と文字の出かた、フォント、全部組み合わさってダサくてチープだ。

日曜大工で素人が作ったテロップって感じ。

一方、乃木が別班の施設に行くために、街中から独特の手順を踏んで入っていく感じは面白い。

街の路地裏の奥のドアを暗証番号で開け、中の倉庫の壁を決められた手順で触ると、別班工作員のためのロッカールームに入ることが出来る。

地下駐車場の奥の掲示板の紙をめくると赤い光がつき、そこに目を当てると右側のドアが開き、そこから洞窟のような通路を通って、櫻井司令がいる巨大な作戦司令室に行くことが出来る。

こういうのはスパイっぽくてちょっと面白い。

しかし、掲示板の紙をめくったら赤い光がつくのは、他の人がやっても光るならすぐ見つかるし、わざわざ目を当てる行為を見られたらどうするんだろう?

そこは、ロッカーに行く時みたいに暗証番号で良いのに、わざわざ複雑にしてリスクを高めたおバカな行為だ。
もし防犯カメラがあるなら、男がキョロキョロしてから紙をめくって赤い光に顔を近づけるんだから、明らかに怪しすぎる。

それでドアが開くのも映ってるなら、もう終わりだ。

よくこんなアホなことを乃木は真顔で出来るなと思う。

二重人格の強いやつが、このバカな鍵のシステムは何だ?とかツッコませるとかして欲しい。

ロッカールームでは、シルバーのロッカーに、赤と青の光りがついている感じがすごくちゃっちく見えた。

後半に出てくる天井の高い、180°近い大きなモニターがある、AIハヤトのいる司令室もそうだった。

まるで、日曜の朝にやっている仮面ライダーとかウルトラマンの中に出てくる、チープな作りの施設みたいだ。

なんでこんなおもちゃみたいな、見てすぐ作り物だ、と分かる仕上げにするんだろう?

ロッカールームの赤と青の光の感じとか、ウルトラマンっぽい感じもする。

ちょうどたまたまダニエル・クレイグの007シリーズを流し見していたので、その落差がすごい。

天井の高い作戦司令室は、客席のないアイマックスシアターの様で、画面を見るのに見上げたり、横を向いてキョロキョロする必要があり、首も痛くなるし、なんともバカバカしい。

櫻井司令と2人だけで話すのに、どう考えても不必要だ。

普通の画面では表示しきれない多くの情報を出すための大スクリーン、というよりは、スクリーンが遠くて大きい分、画像も拡大されているので、情報が必ずしも凝縮されている訳でもない。

というか、そもそもここまで大画面で見る必要がないだろう。

バットマンシリーズのダーク・ナイトでも、モーガン・フリーマンがバットマンのアジトで沢山の画面を見てバットマンに指示をしていたが、全部合わせても、背丈よりちょっと大きいくらいだ。

大画面の余白に砂嵐みたいな映像を流すのも必要か?

無理矢理使ってないか?

公安は一体どこに金をかけている?

そして、AIハヤトという人工知能がその大画面を操っているが、その声はちょっと可愛らしいアニメ的声で、全然リアルじゃない。

プロの声優を使ってるんだろうが、そのプロ特有のアニメ的な雰囲気が実写から遠ざけ、実写とアニメの融合みたいな変な雰囲気になる。

日曜の朝のヒーローものでよくありそうだ。

アニメ声でも良いが、なんかちょっと感情の込め方おかしいな、微妙に日本語不自然だな、とか、ミスを認めずしゃべり続けてイラッとさせるとか、そんな工夫があればいい。

そうではなく、ただ普通に上手にしゃべるだけだ。

声の仕事はプロに頼めばそれでいいよね、という、何も考えてないイイ加減な采配で、声優に対するムチャブリだ。

そこら辺のAD捕まえてきて、演技しなくて良いから、いつも通りのADとしてしゃべるだけで良いから、ってしゃべらせた方がよほどリアルで面白そうだ。

ぶっきらぼうな感じとか。

これは、ドラムの超高性能翻訳機の声にも言えることだが。

たまに変な日本語になったり、トンチンカンなことを言うことも一切なく、見事に日本人ネイティブとミスなく柔軟に会話出来るなんて、そんなものすごい翻訳機ある訳ないだろう。

いいわ、ダメよ、そうね、考えさせての4つで全部の会話を回してる、とかなら可愛いが、そうじゃない。

女口調で誤魔化しているだけで、長い文章の精度もあまりに正確すぎてつまらない。

そこは長くなると意味が不明になり、乃木とのラリーが増える、とかの方がリアルで面白い。

ユーモアに転がれない野崎の滑舌の悪さとは意味が全然違う。

時々設定がズレて、急にドスの効いた親分みたいな口調で乃木に話しかける、などというミスもない。

聞き取りやすさを優先した結果か?

なんでリアルを捨ててでも体裁を繕おうとするんだろう?

まだ合成音声の方がよほど安くてリアルで良いだろう。

プロの声優に依頼してお金もかかるし、リアルじゃなくなるし、デメリットしかない。

声優に、もっと機械っぽくして欲しいと相談し、声優がそれに対応し、雇った甲斐があった、という所まで、この監督は持っていけなさそうだから、声優も気の毒だ。

このアニメっぽいAIハヤト、不必要にバカでかい指令室、バレてもおかしくない秘密のドアの解錠、戦隊モノ的ロッカールームなど、全部ひっくるめてチープである。

007とか、ダーク・ナイトとかに比べたら、ごっこ遊びそのものだ。

比べなくても、違和感がすごい。

小さい子供がこれで心から楽しいならそれで良く、むしろほっこりして微笑ましく見てしまう。

ボス・ベイビーみたいに子供が主人公のスパイものだったら、むしろこれで十分すぎるし、おかしな点もユーモラスに変換される。

しかし、金かけて苦労して良いもの作ってますよ感を、監督も役者も匂わしてくる、インタビューとかで聞いたこともある、下手したらドヤ顔してるので、どうしてもイラッとしてしまう。

見比べたら一瞬で分かる段違いの質を、分からない、と言うのか?

全く分からず、むしろ同じものを作れたと思ってホクホクしてるのか、違いは分かるけど、資金力が違うから、というせいにしてすり替えてるのか?

もうここまで来たら、資金力関係ない。

なくても出来る工夫もやってない。

あえて、バカバカしさ満載のコメディとして狙ってやってる方がまだ良い。

そうだとしても、もっとバカバカしくする必要があるが。

例えば、乃木が壁を触って秘密のドアを開けるが、そのドアが10枚あり、一つクリアするごとに難易度が上がっていき、最後の10枚目が難しすぎて全然中に入れず、乃木が癇癪を起こして暴れる、とか。

駐車場で目で秘密の鍵を開けている時に、近くにいた一般人に目撃されてしまったらすぐ射殺するとか。

ロッカールームで、ロッカーを開けるために手を機械にかざすと、例の期待感を煽るビヴァンのテーマソングがその場で流れてドアが開く、とか。

司令室の大スクリーンでは、あまりに遠すぎて櫻井司令官も乃木も双眼鏡で見ている、とか。

そういう要素が少しでもあれば、自覚してるんだ、と分かって溜飲が下がるが、そうではなく、そこも目指してはいない。

結果としてリアルでもなく、かといってバカバカしさ爆発のふざけたコメディもない、中途半端で、よく分からないスパイアクションである。

まさにこれぞビヴァンと言える、歴史に残る奇妙な作品である。

ずっと浮いている変な乃木

上記で乃木の弱々しい演技が嘘くさいと言ったが、特に弱々しくなくてもあざとい。

まずは、前シリーズから言ってきたことだが、驚いた顔が特にあざとく、今回もしかり。

本当に驚いてるというより、私いま驚いてますよアピール顔なので、これを見る度にすごい冷める。

演技というか顔芸だ。

今話では、櫻井司令に、黒須も拉致されたと聞かされた時の驚いた顔がすごくあざとい。

えーっ、そんなまさかって顔で表現してますよ、的な感じというか。

他の優秀な4人だってすでに拉致されてるんだから、黒須だってその可能性は十分考えられるだろう。

怪訝そうな顔になって、ため息をつくくらいが自然なんじゃないのか?

黒須は乃木に次ぐナンバー2で、そんなことあり得ないくらい優秀なのか?

前シリーズからの印象ではそこまでには感じなかった。

この驚いた顔は、一体どう思っているのか知りたい。

悪く言うと、乃木はそんなことも想定できないアホなのか?と思ってしまう。

演技的には、とにかく強く驚けば良いとでも思っている様な安易な演技。

007ってこんなビックリした顔するか?

何かある度に度肝を抜かれた顔をするスパイなんて全然格好良くないぞ。

だからむしろ新しいスパイ像ってか?

誰もやらないマイナスなことを新しいとは言わない。

半沢直樹ってこんな顔してるの見たことがない気がするが。

半沢は怒りに満ちた人で、乃木は弱い人格もあるから、その弱さに引っ張られてこんな顔が出るのか?

堺雅人主演のナヨっとした弱めの主人公の映画ゴールデンスランバーでは、こんなウソ驚き顔を連発していた。

しかし、これが強い人格の時の表情なのか、弱々しい人格の時の表情なのか、どっちもこんな顔するのかハッキリしない。

櫻井司令としゃべっている時は、特に弱くもなかった。

もし強い人格ならこんな顔はしないかも知れないから、弱い人格だったのか?となるが、驚く時だけ急に弱い人格が出てくる、というのもおかしいので、これは強い人格だったのかもしれない。

いずれの人格にせよ、この顔はあざとい。

そして、そういった乃木のウソ驚き顔やあざとい弱々しい演技は置いておいても、全体の話が嘘くさくてチープな世界観なのに、乃木が真剣に立ち居振る舞ったり、しゃべる感じは、ずっと上滑っている。

これをあざといと言って良いのか、まだちょっと検証が必要だが、何も格好良いとは思わず、違和感がある。

この真剣な感じは、こういった現実離れした世界とは相性が悪いのかもしれない。

半沢直樹の様な一般社会、銀行などが舞台であれば、まだ浮かないのかもしれない。

真剣な顔をしようとすればするほど、滑稽さが浮き彫りになる、というか。

別班工作員が盛られた薬の名前を瞬時に言う感じとか、格好つけている様にも見える。

もっとさらっと言えば良いのに、力を込めすぎというか。

野崎としゃべっている時、ノコルとドラムと大田と一緒に黒須の監視カメラを分析しながらしゃべっている時も、その真剣さに違和感がある。

気になりだすと、真剣な顔してる時全部ってなってくる。

半沢直樹の時は特に気にならなかったのに、ビヴァンでは浮いて見える。

堺雅人の真骨頂の、激しい怒りを言葉に乗せて相手にぶつける、という必殺技も一つも炸裂してない。

その手前の、堺雅人節風味でずっとしゃべっているだけで、一つもガツンとくる演技はなかった。

一つもだ。

これはスパイアクションであり、半沢直樹の様に会話で相手を論破する劇ではないから、しょうがない。

堺雅人は苛烈な会話ゲンカに特化した役者であり、そんなシーンは今後も出てこないだろうから、半沢直樹が好きで期待している人には、拍子抜けはなはだしい。

かといって、鎌倉物語ほどの、弱いけど強いという堺独特の良さもない。

そして、ささやくようにしゃべるその独特の節回しも、以前に比べて腹から声が出ていない様に感じた。

必殺技前の通常の堺雅人節風味自体が、もう声が少しかすれたり、以前ほどの迫力がない。

堺本人は、同じと思ってやってるのかもしれないが、同じじゃなく、違和感を感じる。

もう何かが通り過ぎてしまったのか?

もしかしたら、今半沢直樹をやらした所で、前ほどではなくなっている可能性もある。

後は、なぜ乃木の振る舞いに違和感があるのかは、乃木はどこに怒りをぶつけて良いのか分かりづらい、ということは結構大きいような気もする。

半沢直樹の場合、基本的に敵は自分の会社で、上司だったり、怒りの矛先を向ける先がハッキリしているので、怒りを表現しやすい。

ビヴァンでは、乃木がそこまで怒りをぶつける敵は今まで出てきていないし、国のため、民衆のため、というボンヤリした理由では、怒りづらい。

それよりも、同じ会社内で不正をしている嫌な上司をやっつける方が、どう考えても気持ちがドバドバ出るのは当たり前だろう。

乃木は基本的に命令されて動き、あくまで従っているスタンスなので、自分から動いている訳ではない。

半沢直樹では、会社を背負ってはいるけど、命令されたとかではなく、半沢自身が主体となって敵の成敗に向かう。

その主体性の違いも、感情の出方は大分変わる。

自分から動く方が出るに決まってる。

乃木は命令されて動くので、真剣度や怒りも劣るのに、無理に真剣なフリや怒るフリをしたら、自然からは外れてしまう。

とにもかくにも、堺に良さをほぼ感じられなかった。

過度に真剣な感じは浮いてるし、弱々しい感じに良さもない、敵を論破するシーンもない、独特の節は衰えが見える、では、一体どこに堺の良さがある?

乃木は弱くも強くもどっちにも振り切れない、どんな人間か分からない。

二重人格って何だ?

改めて、半沢直樹って一体何だったんだ?と強烈に思い知らされた。

2シーズンもやって、どっちも面白かったのに。

池井戸潤の脚本が100だったのか?

それ抜きのコンビで独立しようとしたら、こんなボロボロになるか?
この役者は、会話のケンカで相手を圧倒することに比べたら、他はやることなすこと全て劣ってしまうんじゃないか、とも思ってしまう。

見どころのない話

最終的に、なんだかんだ乃木はドラムとキルギスに飛び、久しぶりに会ったかつての敵の家に突入して、話しは終わった。

ここでは乃木の強い人格が表に出てきて叫んでいた。

この敵は、一度対決したが、和解したヤツだっけか?

これが実は敵だった?

なんのどんでん返しでもない。

すごく演技があざとい、嘘外国人の敵でしょ?

こんな嘘くさいヤツが寝返ろうがなんだろうが、何も驚かされない。

新庄だって、そもそも前シーンで公安を裏切った訳だから、情報漏洩元としてわざわざ後半に引っ張るほどの謎じゃない。

お得意のどんでん返しは、今話は何もなかった。

なくて良い、無理矢理になるし、地に足つけてればそれで良い。

しかし、どんでん返しもないが、見どころもなかった。

アクション、ドラマ、サスペンスとして、全部いまいちで、魅力的な人物もいない。

元々期待してはないが、それを下回ってきた。

少しは改善されてカムバックするのかな、と思ったが、シーズン1より悪化している。

ここ数年の日曜劇場の1話で間違いなく最下位だ。

むしろ、そうそう、この違和感だ、と思い出させてくれた。

これを待ち望んでた国民って何だ?

このドラマのファンが国民全員では全然ないのは分かるが、これでも大ヒットドラマの続編なんだろう?
これも大ヒットするのか?

この内容で?

前回がしたんだから、しないとは言い切れない。

今後どうなっていくのか全然分からない。

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