ドラマ「リブート(2026)」が”物足りない”理由と考察、その感想

④物足りない☆2
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  1. リブート
    1. 「第1話-至愛」が”物足りない☆2”理由と考察、その感想
      1. 主人公が悪に顔を整形するサスペンスアクションドラマ
      2. 普通っぽさが良い早瀬、悪も普通も出来る儀堂の役者
      3. 引きつけられない序盤、30分を過ぎて面白くなる
      4. 早瀬が儀堂のフリをするのは面白い、プチどんでん返しのラスト
      5. 組織にどっぷりなぎ堂、存在感のない脇役達
    2. 「第2話-裏切り」が”物足りない☆2”理由と考察、その感想
      1. 一夜で10億を探さなければならない早瀬
      2. 大して殴らず解放してくれた合六
      3. もっと早瀬の気持ちが動く感じが見たかった
      4. あっさり回避できたデッドライン
      5. 早瀬の声を使って欲しい
    3. 「第3話-後悔」が”物足りない☆2”理由と考察、その感想
      1. 10億の捜索再び
      2. 怖くない合六、嘘くさい海江田
      3. 特に警察っぽさのない警察官達
      4. 儀堂が早瀬に見えなくなってきた
      5. SF的展開は良いが、どうなるのか怖い
    4. 「第4話-光明」が”物足りない☆2”理由と考察、その感想
      1. 早瀬は100憶の濡れ衣を着せられ、絶体絶命に
      2. ドッペルゲンガー的な怖さだけは良い
      3. ゆるい合六、信頼のない幸後
      4. マイナスな訳の分からなさ
    5. 「第5話-決戦」が”物足りない☆2”理由と考察、その感想
      1. 同じ顔の二人の対峙、明かされる幸後の真相
      2. なぜか良い人として描かれている冬橋
      3. 2人の儀堂の対峙は悪くない
      4. 払拭しきれてないままの幸後の怪しさ
    6. 「第6話-終幕」が”物足りない☆2”理由と考察、その感想
      1. 二人の義堂の絶体絶命
      2. あまり闘いのない儀堂VS合六
      3. 助けに行く早瀬、格好良い散り際の儀堂
      4. ムカつく幸後、少し物足りない早瀬
      5. 物足りない儀堂の奥さんとの別れ
      6. 薄い悪に敗北した回
    7. 「第7話-覚醒」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想
      1. 組織の人間を利用して幸後を追う早瀬
      2. なぜか闇バイトの女性リーダーが主役の話し
      3. 早瀬は幸後が妻を殺した犯人だと決めつけている
      4. コンプライアンスぐずぐずの合六
      5. 今後、警察のスパイも探していくのか?
    8. 「第8話-真実」が”物足りない☆2″理由と考察、その感想
      1. 幸後の正体が判明した8話
      2. 取って付けた様な合六の黒幕
      3. なつみが犯罪に手を染めた理由が弱く、応援しづらい
      4. どんでん返しとはただの発想で、効果的かは別の話
    9. 「第9話-夫婦」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想
      1. 早瀬夫婦の奮闘も報われない話し
      2. スパイは監察官だった、という安易な流れ
      3. 誰に魅力があるのか分からないドラマ
    10. 「第10話-再起動」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想
      1. 早瀬夫婦がついに日常を取り戻す
      2. もったいない監察官の存在感
      3. 物足りない悪達
      4. 実はおかしな早瀬家
      5. 2人はなぜ顔をもとに戻さなかったのか?
      6. 早瀬に足りないリアルさ
      7. 表面的には面白そうな雰囲気があったが、中身はあまりない

リブート

テレビ局-TBS プロデューサー– 東仲恵吾

脚本-黒岩勉

演出– 坪井敏雄、田中健太、元井桃  音楽– 大間々昂、木村秀彬

出演– 鈴木亮平、松山ケンイチ、戸田恵梨香、伊藤英明、山口紗弥加、北村有起哉、永瀬廉、他

「第1話-至愛」が”物足りない☆2”理由と考察、その感想

主人公が悪に顔を整形するサスペンスアクションドラマ

妻殺しの指名手配犯に仕立て上げられたケーキ屋の店主が、殺された悪徳警官に顔を変えて真犯人を探すサスペンスアクションドラマ。

最初の30分は少し冗長だったが、主人公の早瀬が逮捕されそうになる辺りから緊張感が出始め、顔を変えて悪徳警官の儀堂になりすます展開は少し面白かった。

早瀬の普通っぽさもリアルだし、儀堂の役者は、悪い顔も、中身が早瀬の普通の顔も演じ分けられているので、きどうに成りすました早瀬がどうなっていくのか、気になってしまった。

演技っぽい人もチラホラいるし、やたらとかかる音楽がちゃっちさを助長させているものの、主役の二人が自然なので、まだ見ていられる。

今の所そこまで面白くはないが、早瀬がどんな振る舞いをしていくのか、気楽に見ていきたいと思う。

普通っぽさが良い早瀬、悪も普通も出来る儀堂の役者

儀堂に入れ替わるケーキ屋の早瀬は、普通っぽさがとても良い。

子供をハグする感じとかも自然で、本当に優しいお父さん感があって良い。

顔を変える前に息子に会って抱き合う感じは、少し涙腺を刺激された。

息子が盾になって、逃げてーと父親を逃がす感じも悪くない。

息子の演技自体は、もっとリアルさが欲しいが、頑張ってるのでそれ以上言うまい。

早瀬のように、演技っぽくなく普通を演じられるというのは、簡単なようで中々難しいんじゃないかと思う。

悪徳警官の儀堂は、それなりに悪いやつに見えるし、早瀬になってからの普通さも悪くない。

無理矢理良い人に振る舞っている感じじゃないので、儀堂から入れ替わった時の落差があって良い。

この主役の二人が比較的自然なので、他の演者の足りなさがあっても、見ていられた。

引きつけられない序盤、30分を過ぎて面白くなる

最初の三十分ほどは、早瀬の普通っぽさは良いものの、ちょっと退屈だった。

早瀬が儀堂から電話をもらい、このままでは逮捕されるから逃げ出せ、と言われてから、やっと面白くなり始めた。

もっと早く、このシーンに持っていった方が良かったんじゃないか?

序盤で、早瀬の奥さんの映像を、感動的な音楽と共に見せるシーンは臭い。

良い人だったと印象づけたいんだろうが、まだどんな人間か分からないのに、こんなに煽られるのは違和感がある。

銃で撃たれた、という情報も引っかかるし。

せめて、音楽は無音にした方が良い。

感動的に見せたい時は感動的な音楽を入れよう、という感じが浅いし、実際クドさがある。

日曜劇場はいつも必ずこういった臭さを入れてくる。

もっと抑えた方がスッキリするのに。

このシーン以外にも、音楽は音が大きく、ちょこちょこ邪魔に感じた。

母親の情報は、最初は少なく、実は良い母親かどうか分からない、と後々に変わっていく方が面白いのに、良い人確定、みたいな描写を最初にガッツリ入れるのは、選択肢を狭めていると思う。

銃で撃たれた跡があった時点で、悪い連中と関わりがあった、でも映像を見たら良い母親なので、きっと弱みを握られて関係を断てなかったんじゃないか、とか、そこまで想像させる必要はない。

謎めいていた方が面白いので、写真だけで十分じゃないか?

そもそも奥さんは銃で撃たれた跡があった、という事実が突飛すぎるので、首を絞められたくらいの方が良い。

銃社会でない日本で、一般人が家や職場から離れた山中で銃で撃たれて殺された、など聞いたことがない。

聞いたことがない方が良いが。

その時点で、きっと何か裏があった、かなり悪い奴らと関わっていたんだろう、と思ってしまうので、邪魔な情報だと思う。

現実では起こり得ないであろう事実をドラマの中で真実に見せたいなら、それなりにリアルに見せる必要があると思うが、そんな努力は特に見られない。

そんな突飛な情報を聞いて、妻の亡き骸を前にしてすぐ受け入れてしまう早瀬はよく分からない

これ本当に僕の奥さんですか?銃で撃たれたなんて何かの間違いですよ、などと刑事に食い下がるくらいして欲しかった。

ちょっと抜けさくだっとしても、そのくらいは言うはずだろう。

それもなく、亡き骸を前にして泣く感じが、泣こう泣こうとしている感じもあるし、リアルじゃない。

これなら、まだ呆然としてる方が良い。

もし早瀬が、奥さんの仕事が実は普通のコンサルタントではないことを薄々知っているならまだしも。

仮にそうだとしても、自己紹介代わりの1話としては、余計な裏設定になってしまう。

素直に、急に信じられない事実が次々と目の前に突きつけられて、普通の父親が慌てふためいている、だけで良い。

そして、一般人女性が銃で殺された、なんて結構すごい事件なのに、儀堂はともかく、それを遺族に伝えるために一緒に付いてきた2人の警察官が普通過ぎてリアルじゃない。

まだ遺体が奥さんと完全に確定していないにしても。

もし自分が彼らなら、なんてきつい仕事なんだ、どういう顔をすれば良いんだ、と結構神妙な気持ちになるが、彼らはそうではない。

男性警察官は、儀堂にシュークリームをおごられて、普通にごちそうさまです、と言っていたし、女性警察官は、遠慮します、と断ったが、彼らは何も感じてないのか?

気まずい、とかないのか?

深刻な内容をニヤつきながら軽く話す儀堂に、儀堂さん、そんな言い方は、などとたしなめる様子も、不快感を示す様子もなく、ただ横に立っているだけなのは不自然だし、儀堂のおかしさも際立たない。

これなら、儀堂だけで入って来れば良い。

ささいと言われればそうだが、こういう要素が積み重なって、リアルから遠ざかる。

無感情でただ演技の真似事をしているだけで、目的がよく分からない。

こんなレベルの演技が普通にあるんだから、そりゃ全体で一つの塊みたいな面白さにはなり得ないだろう。

主役じゃないだけマシだとは思うが。

早瀬が儀堂のフリをするのは面白い、プチどんでん返しのラスト

早瀬が、儀堂に成りすまして警察関係者と接する感じは、少しハラハラして面白い。

早瀬は儀堂に成りすますために、儀堂の職場の人間関係や警察用語を学び、実際に同僚や上司の前でバレずに済んだが、幸後が、儀堂の情報をどの程度把握しているのか、もう少し詳しく教えて欲しかった。

儀堂の警察関係者の人間関係や、儀堂が上司と飲みに行った細かい情報は知っているのに、儀堂に目をつけてことあるごとに絡んでくる監察官の重要な情報は何もないのはなぜだ、と思ってしまった。

幸後が、私が知ってる情報は古くなってるだろうし、警察関連は全部把握してる訳じゃないから、知らない情報が出てきたら、余計なことは言わずに上手くやってよ、とか、そんな会話が欲しかった。

元恋人だから、上司とどっかのスナックに飲みに行った、などの情報は、儀堂の話とか、儀堂が飲みから帰ってきて寝た後に財布を空けて、スナックの名刺を見た、とかで把握していたのかもしれないが。

儀堂が潜入捜査をしているという五六という組織に、早瀬は幸後と共に顔を出すことになったが、消えた10億の横領を疑われ、なぜか幸後も助けてくれず、殴られて意識を失った所でこの話は終わった。

まるで幸後が早瀬をはめた様な終わり方だったが、どんでん返しというほどではない。

よく考えたら、幸後はなぜ早瀬を助けてくれたのかもあまりハッキリせず、確固たる信用もまだなく、幸後が着服していて、偽儀堂に罪を着せたかった、と考えられなくもない。

しかし、早瀬が死んでしまっては、話が終わりなので、きっと生きているはず。

何らかの理由があって、殴られる方に持っていったのかもしれない。

早瀬は主役なので死んでいない、としたら、早瀬の横で殴られた他の幹部も即死ではなく、どこかに運ばれてから処分されるのかもしれない。

その場で殺すまで殴り、ボスが大事にしているであろう、鉄板焼きの食事処を血で汚す、ということは、さすがにしないのかもしれない。

でも幸後は、早瀬の息子に強く生きるように声をかけたり、早瀬の母親が一人で切り盛りするケーキ屋の様子を見に行って早瀬を気づかったりしていたので、きっと裏切ることはないんじゃないか?

分からないけど。

それも10億のためだ、と思えば大した作業ではないが。

それか、幸後も儀堂と同じ潜入捜査官だったりして。

何はともあれ、ちょっと先が気になるが、そこまでではない、というラストだった。

組織にどっぷりなぎ堂、存在感のない脇役達

儀堂は潜入捜査官なのに、普通に警察に出入りし、早瀬の妻の死の捜査にも先陣を切って参加している理由はよく分からなかった。

潜入捜査官って、ずっと潜入している組織に入り浸りで、警察とは最小限の連絡を取る、くらいじゃないのか?

合六という組織もバカではないなら、普通にたまに警察に出勤しているぎ堂が、警察だと気付いていない訳がないと思う。

気付いてなかったらザルすぎる。

気付いているけど、二重スパイで、儀堂が組織側に寝返っていることを知っているから、泳がしているのか?

儀堂が警察に出入りしていようが、あいつが組織を裏切れるはずがない、と高をくくられていることになる。

儀堂が警察だと知っていても、ボスは儀堂を消そうとした訳で、警官殺しすら怖がっておらず、儀堂はボスの手の中で転がされている。

そうだとしたら儀堂はしょうもない小悪党だ。

ちなみに、合六の組織の連中は、誰も迫力のある感じの人間がいなくて物足りない。

メガネの弁護士のお爺さんはウソ関西弁があざといし、若手はそこら辺にいる輩で、ボスは丁寧な感じが悪くないが、もっと丁寧に振り切ってもいいくらいで、普通だ。

ボスは水谷豊くらい丁寧な感じだったら、怖くて面白かった。

まだ最初に登場した組織だから、これからどんどん重厚感のある悪達が出てくるのか?

早瀬を助けてくれた幸後も、もっと魅力が欲しい。

あざとい感じなどは特にないが、かといって濃くもないので、この人が裏切る訳がない、嘘だろ、という驚きは特にない。

きっと何か理由があって、早瀬を助けなかったんだろうとは思うが、仮に裏切られてもあまり驚きもない。

幸後は、もっと年齢が高めの人でも良かったんじゃないか、とも思う。

ちなみに、幸後が、合六という組織について早瀬に説明している時、ポップなアニメーションが挿入されていたが、緊張感が削がれてちょっと邪魔だった。

これから早瀬はどうなるんだ、という場面なのに。

警察関係者も、特に存在感のある人は今の所いない。

早瀬と儀堂以外は、誰が誰でも大して変わらない、という様な感じだ。

なので、儀堂と早瀬がどうなっていくのか、バレないで行けるのか、鍛えた格闘術はどう役立つのか、などが気になるが、全体としては、良く言えば普通、悪く言えば物足りない。

演技や演出、音楽など、全部含め、どことなくチープな雰囲気があるのは否めない。

主役の2人は見ていられるので、2人ががどうなるのかだけ見ていきたいと思う。

「第2話-裏切り」が”物足りない☆2”理由と考察、その感想

一夜で10億を探さなければならない早瀬

10億円横領の罪を着せられた早瀬は、日が変わる前に真犯人を見つけられなければ、命を狙われることになり、少ない情報の中奔走する姿が描かれた。

早瀬の自然で人間的な振る舞いは悪くないが、序盤であっさりと死なずに済んだのも、最終的に幸後の助力もあって助かったのも、それで行けるのか、と拍子抜けで、あまりハラハラせずに物足りなかった。

なぜなのか考えていきたい。

大して殴らず解放してくれた合六

前話のラストで、早瀬は横領を疑われて後ろから気絶させられ、殺されるかと思いきや、少し殴られただけであっさりと解放されたのが、まず物足りなかった。

そもそも、消えた10億の行方を探すよう命じた警察官の部下が半年間失踪し、悪びれずに普通に顔を出してきた時点で、自分がボスだったら、色々勘ぐってしまう。

もし本当に盗んでいたら、半年間も空けた後に、盗んでいないフリをしてでも、合六の組織に顔を出して、関係を続けよう、などと思うはずがない。

10億持って逃げれば良いので、リスクが大きすぎる。

儀堂が本当のおバカさんなら、盗んでない状態でひょっこり顔を出した、となってもおかしくないが、儀堂がそんな人間ではないのは、組織も分かっているだろう。

あるとすれば、儀堂が半年間の間に警察にタレこんで準備をし、10億を奪った上で、組織を壊滅させることなんじゃないか?

儀堂に盗聴器を付けて、裏で聞いている警察官達が、タイミングを見てこの場に乗り込んで来る、ということもあり得る。

日本ではおとり捜査が禁止されているが、このドラマでは潜入捜査官が存在しているので、そんなことが起こってもおかしくない。

結局、警察は来なかったが、そういう意味でも怪しい儀堂を拷問し、10億の行方も含めて吐かせるべきなのに、盗んでません、と言う儀堂に、じゃあ探して下さい、と合六がさらっとセカンドチャンスを与えてしまうのがゆるい。

顔に少し傷があるくらいで、大して殴られてもおらず、拷問がゆるい。

ちょっとくらい顔が歪んでも、あの医者に治してもらえるだろう。

警察に寝返られたら大変なので、合六直々に拷問に立ち会ってもいいくらいで、半年間何してたんだ、寝返ったのか、10億どこだ、と激しい詰問がなくてはならない。

初めは疑っていた合六だったが、中身が早瀬の儀堂のしゃべりには誠実さがあり、本当にやってません、と言い続ける早瀬の姿勢に動かされて、しぶしぶ解放する、くらいして欲しかった。

お前本当に儀堂か?お前から悪意は感じない、くらいのセリフを合六に言わしても良い。

そんな詰問や拷問のシーンはバッサリなく、すぐに解放してしまった合六は大分甘い。

むしろ、儀堂に成りすました早瀬が最初に乗り越えるべきハードな関門で、見どころの一つにもなり得るはずなのに、大分もったいない。

激しい暴力描写が見たい訳ではなく、リアルな窮地に立たされた早瀬の闘いが見たかったのに。

もっと早瀬の気持ちが動く感じが見たかった

早瀬が自分の店の様子を見に行き、息子や母と接する時に、変に泣こうする感じがなくて好感が持てる。

しかし、もう少し気持ちが揺れ動く感じが見たかった。

息子がいじめられているのを見た時、腹が立って思わず助けようとしてしまうとか、残ったシュークリームを大量に買おうとして思いとどまるとか、さすがに家族の前では、思わず感情が漏れてしまう感じが、もう少しあっても良かった。

あからさまに息子を助けるのではなく、儀堂っぽくニヤつきながら、お前ら何やってんだ、と近づいていっても、子供は怖がっていなくなるし、そんな振る舞いを考えなくても、我慢できずに反射的に息子を助けちゃっても良かった。

そっちの方が人間的で、早瀬っぽい。

怒って助けようとした矢先に、近くにいた同級生の女子が助けてくれて、早瀬の出る幕がなくなった、という訳でもない。

むしろ、この状況を招いてしまったのは俺だから、俺が悪いんだ、と思って引いてしまっている感じに見えるので、物足りない。

そんなの度外視で助けるべき場面だろう。

優しくて普通でフンワリした早瀬でも、さすがに子供のランドセルに心無い張り紙をされて多勢に無勢でいじめられているのを見たら、体が動くんじゃないのか?

思わず助けてしまい、それを見ていた幸後から、後で気を付けるように釘を差される、とかでも良かった。

母親の前でも、律儀に儀堂を真似してシュークリームをその場で口にしていたが、まず普通に受け取ろうとして、思い出して慌ててやるとか、心が緩むが、いけないいけない、となる感じが欲しい。

誰かが外から見ているかもしれないし、感性の鋭い子供なら、中身が父だとすぐ見抜いてしまう可能性もあるので、迂闊な行動は家族を危険にさらすので、気を付けなければならないのは分かるが。

久しぶりに家族と会えて安心するが、その気持ちを振り払って儀堂になり切る辛さ的な深みはあまり感じなかった。

中身は早瀬なんだから、もっと隠しきれない早瀬っぽさがチラホラ出ては必死に消す感じにして欲しかった。

シュークリームの作り方が気になり、我慢出来ずに店に入り、作り方を聞いてしまうのは、早瀬らしい行動なんだろうが。

ソフトな儀堂という感じで、早瀬が儀堂であると錯覚させるほどの、独特な人間的振る舞いは少なく、もったいない。

あっさり回避できたデッドライン

結局早瀬は10億円横領犯の手がかりを見つけられず、合六の食事会で、幸後の助けもあり海江田の別の横領を暴露することで何とか窮地を乗り切ったが、こんなんで行けるのか、と思ってしまった。

海江田が自白している音声を儀堂が突きつけ、幸後はでっち上げた海江田の横領の帳簿記録を合六に見せ、海江田は殴られて連れて行かれた。

連れて行かれても、儀堂の様に痛めつけられるなら、儀堂や幸後の横領も知っている海江田はペラペラと色々しゃべり、決して安泰ではないんじゃないか?

儀堂は拷問されたが、海江田はもうこれでおさらばだとしたら、その決め手がいまいちピンと来ない。

合六は、幸後に全幅の信頼を寄せているから、ということか?

幸後が出した資料は、海江田が作ったデータを変えたもので、幸後のオリジナルでもない。

この程度で行けるなら、早瀬は冷や汗を垂らして奔走する必要もなかった。

合六は幸後に従順な訳だ。

なぜそこまで幸後に信頼がある?

海江田の方が合六と付き合いが長いし、幸後も横領している訳だろう?

海江田が、お前らも横領してるやろ、と真剣に激しく怒ったら、さすがに合六も話を聞きそうだが。

海江田もそこまで怒らず、でっち上げやーとは言ったものの、すぐに、数千万抜きました、と認めていなくなったので、なぜ猛然と反論しないのかよく分からない。

反論しないと殺されるのに。

なので、ほぼ幸後次第だった訳で、早瀬がギリギリで知恵を絞り出して、首の皮一枚つながった、という福本作品の様な、ヒリヒリする感じは何もなかった。

海江田の抵抗も弱いし、合六はザルだ。

合六は海江田が目障りになって、元々今日始末するつもりだった、という訳でもない。

そうだとしても、早瀬が自らもぎ取った光明にはならない。

その情報を早瀬があらかじめつかんでいて、そこに付け込んだならまだしも。

幸後は、早瀬は信頼出来ない、と言っていたが、最初から最後まで早瀬に協力的だった訳で、早瀬の奔走に心を動かされて、早瀬を助けようと心変わりした、どんでん返しにもなっていない。

サスペンスアクションとしては、平坦で物足りない。

早瀬の声を使って欲しい

てっきり儀堂になり切った早瀬の心の声は、早瀬の俳優が全て行うものだと思っていたが、それも儀堂の役者の声だったので、早瀬の役者は出番が少なくてもったいない。

儀堂の早瀬っぽさを出すためにも、心の声は早瀬の役者にやってもらった方が良かったんじゃないか?

リブートが終わって、顔を元に戻して、早瀬に戻った時にまた出演するのか?

儀堂の振る舞いは、上述した通り、物足りなさはあるものの、基本的には自然で好感は持てるし、テーマも分かりやすく、今の所大分見やすい。

サクサク見れる。

全登場人物を含めて、深い会話や振る舞いが今の所少なく、展開的にもあまり掘り下げられていないので、重厚感は感じられないが、まあ、こんなものだろう。

「第3話-後悔」が”物足りない☆2”理由と考察、その感想

10億の捜索再び

早瀬の元には儀堂と離婚寸前と言われていた奥さんが現れ困惑するが、生かされた海江田がその奥さんを人質に10億のありかを早瀬に迫り、早瀬が再び窮地に立たされる様子などが描かれた。

ラストで、儀堂の奥さんから死んだはずの儀堂が生きていることが示唆された終わり方はちょっと面白かった。

しかし、儀堂も早瀬に見えなくなって来てしまったし、合六も大して怖くなく、警察関係者の振る舞いもリアルでないので、全体として作り物感があり、物足りない。

なぜなのか考えていきたい。

怖くない合六、嘘くさい海江田

海江田は儀堂と幸後のタッグにより、横領がバレて鶏小屋に連れて行かれたが、合六がセカンドチャンスを与えるまでがゆるい。

海江田に鬼気迫る雰囲気が感じられたり、新たな暴露情報などが出て来て風向きが変わったなら、横領を見逃してまで生かしておく価値はあるのかもしれないが、海江田はただお願いしただけだ。

嘘くさくて軽い言い方で。

痛めつけられたはずなのに、何でこいつはこんなに元気なんだ?

結構寝れたのか?

ボロボロになって、憔悴して青ざめて、という感じも全くなく、リアルでも何でもない。

これで行けるなら、横領するやつ出まくりなんじゃないか?

やってませんって言い続けたらやめてくれる。

明日の12時までに金を探せ、という警告も、他のやつの横領を暴露すればそれでおじゃんになる。

ちょっと殴られるが、後は鶏小屋に朝まで寝ていれば許してくれる。

それはそれで嫌には違いないが、なんか軽くないか?

ポーズというか、お仕置きごっこしてるのか?

前回の儀堂の解放と、この海江田の扱いを見て、全然合六への怖さがなくなった。

合六は、部下の尻に火をつけてコントロールしているつもりなのかもしれないが、こんなことしてたらなめられるだろう。

1話で殴られた他の幹部も、きっとどこかで生きてるのかもしれない。

あの幹部は、俺はやってません、とひたすら強く言い続ける事が出来そうなので、何か条件をつけて解放されていたのかもしれない。

優しいというか、これが日本で一番怖い組織なのか?

横領は許さない、という口実で、裏切った奴を痛めつけて鶏小屋に入れる、という遊びをしたいだけなんじゃないか?

本当に横領が許せない、という怒りや怖さを感じないので、悪として大分物足りない。

自分は大きい人間だ、と悦に入っているのかもしれないが、ただの甘ちゃんだ。

大企業の社長が本業で、頑張ってマフィアの真似してるだけなのか?

デ・ニーロのアル・カポネの怖さの10分の1にも満たない。

最後にうまいもん食って終わった方が良いだろ、と言って、自らの手料理を振る舞った後に殴る、というのは独特かもしれないが、もう大して怖くない。

終盤で、儀堂のトランクルームから10億を見つけた早瀬と幸後は、海江田に罪をなすりつけ、奥さんも解放されて事なきを得た。

しかし、海江田は、ずっとうさんくさいので、こんな奴が処分されても、特に気持ち良さもない。

本当にいそうなうさんくさい、食えない奴ではなく、こんな奴はいない。

もっとあざとくなく、リアルな悪であれば、痛快さもあったかもしれないが。

なぜ嘘関西弁を使っているのかも不明で、誰かが海江田にリブートした姿なのか?

こんな演技で良いのであれば、もう誰だって良い。

特に警察っぽさのない警察官達

早瀬は警察で部下と会い、早瀬が会議室から出た時、男性の部下が大声で、儀堂さんがなくしたロッカーの鍵、総務に作ってもらいましたよ、と言っていたのが、アホなんだ、と思った。

会議室の周りには、他の警察官も結構いるのに、鍵をなくしたという恥ずかしい事実を大声で言うなんて、デリカシーがない。

みんな、儀堂さん鍵なくしんたんだ、と内心思ったに違いない。

普通、呼び止めてから、小声でコソッと言わないか?

儀堂の奥さんが勝手に警察に挨拶に来た時、上司が早瀬に、良い奥さんじゃないか、仲直りしたんだな、と笑いながら話していたのも、無能な上司なんだ、と思った。

奥さんとうまくいっておらず、離婚するかも、と儀堂が言っていたことを上司は知っているし、早瀬は変な顔してるのに、それにも気づかないなんてアホすぎる。

普通の会社のアホ上司だ。

奥さんの前ではニコニコしていたが、早瀬には、お前どうなってるんだ、大丈夫か?と心配する繊細さが欲しい。

こんな奴に、儀堂が早瀬であることなど、全く気付かれるはずがない。

監察官が連れてきた捜査二課の女性警部は、あまりにハキハキとしゃべりすぎて、リアルじゃない。

こんな宝塚みたいな警部いるのか?

もしいたら絶対役に立たないと思う。

人の目を意識しすぎている。

もっと落ち着いた、リアルな普通の雰囲気は出せないのか?

ちなみに、警部に追求された早瀬の、あー、今の所聞いたことはないですね、とちょっと笑いながらの言い方は、知っているのに隠している言い方だった。

早瀬は素人だからしょうがないのかもしれない。

案の定警部には、古橋に買収されている、とバレていた。

警察関係者も、もっとリアルな雰囲気を作って、緊張感を煽るべきだ。

そうでなければ、早瀬だとバレてしまうんじゃないか、というハラハラ感も生まれない。

警察官って、サービス業でも営業でもなく、普通の職業とは違う独特の空気感をまとっていて、たくさんいればなおさら独特な雰囲気が出来上がると思うが、何もない。

警察という肩書で、その場にただいるだけだ。

監察官だけ、存在感はなくないが、もっと深さが欲しい。

警察内部に裏切り者がいた所で、みんな薄いので、もう誰がそうでも驚きもない。

儀堂が早瀬に見えなくなってきた

中身が早瀬の儀堂は、最初は、落差があって良いと思っていたが、もう早瀬に見えなくなってきたので、ちょっと飽きてきた。

丁寧な儀堂という感じで、フェイスオフの様に、中身が入れ替わったんだ、という感じには見えない。

難しい演技なのかもしれないが、早瀬っぽく振る舞っているだけで、早瀬独特のラフで抜けた感じはほぼ見られない。

今話では早瀬のリブート前の姿も映っていたので、なおさら別人に見える。

早瀬を演じようとしてる感じもあるので、自然な早瀬らしさは出せないものか?

そこは、主人公としての演技の肝の様な部分だと思うので、徹底的に作り上げて欲しかった。

まず最初に現場で早瀬の役者が演じた後、それを真似して儀堂の役者が演じるくらいしても良いんじゃないか

きっと早瀬ならこんな振る舞い、言い方、仕草をするだろう、という推測には限界があるので、狭い、早瀬のうわべの物真似になってしまうと思う。

実際やってもらった方が、なるほどそうやってしゃべるのか、などと自分の頭を超えられるだろう。
せめて、心の声は早瀬の声にして欲しい。

早瀬が、自分のケーキ屋の前で、自分が早く妻の苦しみに気付いていたら、こんなことにならなかった、と泣く演技はあざとかった。

しゃべりながら声が震えて、泣いてるのか?くらいで良いのに、本当に感情が込み上がってないのに、顔をくしゃくしゃにして、涙をぬぐう感じが嘘くさい。

込み上がってないから、涙をぬぐって誤魔化した、とも言えるが。

なので儀堂は、一部のあざとさに目をつぶれば概ね自然で見やすいが、早瀬らしさは少なく、物足りない。

SF的展開は良いが、どうなるのか怖い

ラストで、儀堂の奥さんに、早瀬が儀堂ではないことを見破られ、本物の儀堂は生きている事が示唆された展開は、ちょっと面白かった。

死んだ儀堂は、本当の儀堂ではなく、誰かが儀堂にリブートした姿だったのか?

そうだとしたら、儀堂はいつからいつまでがリブートだったのか、本当の儀堂の居場所はどこで、何をしているのかなど、少し興味をそそられる。

そして、儀堂は早瀬を追っていたらしいから、早瀬は記憶をなくしているが、10億盗んだ悪いやつなのか?

リブートした儀堂が何人もいる、というSF感は好きだが、実は早瀬は悪い奴で、などとなってくるともう訳が分からなくなりそうで、怖い。

実は最初の段階で、儀堂が早瀬になっていて、早瀬が儀堂だった、とかだったらどうしよう?

演技やリアルさがおざなりで、そういった謎解き要素ばかり入れ込んだドラマや映画は、ろくなことにならないので、怖い。

ちょっとしたSF感は興味をそそられた反面、今後の展開によからぬ不安を感じてしまった。

ちなみに、エンディングにかかる音楽は格好良いが、必ずしも場面と合っておらず、ちょっと浮いた感じになる時もある。

2話は拍子抜けの話だったので、音楽が空回りしている感じに聞こえた。

毎回ラスト前で同じ曲を入れなきゃいけない、としたらきつい縛りだと思う。

しかもその曲の途中からでなく、最初から流さなきゃいけないんだろう?

そういう契約だからやっているのか、そんな契約はないけど、流したいから自主的にやっているのか分からないが、いずれにせよ、アタマが固く、古い慣習に従った作り方をしている、と思う。

音楽無しで終わる、というのがたまにあった方が、逆に興味が湧かないか?

流さなきゃいけない、という強迫観念なら、それがどこから来るのか分からない。

合っていれば良いけど、合ってないなら無理に流す必要ないのに。

「第4話-光明」が”物足りない☆2”理由と考察、その感想

早瀬は100憶の濡れ衣を着せられ、絶体絶命に

儀堂の奥さんから、幸後が何かを隠していることを示唆された早瀬は、幸後を調べようとするが、早瀬のフリをした本物の儀堂が組織の金を奪ったことで、早瀬は濡れ衣を着せられ殺されそうになる様子などが描かれた。

実は儀堂が生きている、という展開はサスペンスホラー的な怖さがあり悪くないが、早瀬がケーキを1ホール作って殺されずに済む展開はゆるく、幸後が早瀬への嘘を告白する演技も薄くて信頼がないので、あまり驚きもなく、全体としては物足りなかった。

ドッペルゲンガー的な怖さだけは良い

実は儀堂は生きていて、早瀬の知らぬ間に上司と飲みに行っていた、という展開自体は、ドッペルゲンガー的な怖さがあって面白い。

きっと、これから幸後を騙すために、早瀬と自分がどれだけ同じなのか、気付かれないのかどうか、上司の感じを見て確認したかったのかもしれない。

でも、以前に書いた通り、あの上司は勘の鈍いおバカ上司なので、何の参考にもならないだろう。

結構バレそうなことをしても、きっと気づかない。

なので、この上司だけでなく、実の奥さんとかでも試す方が良かったかもしれない。

儀堂の部下たちの前にも現れ、ドッペルゲンガー現象が早瀬の身の回りで頻発してたら面白い。

今回の話で面白かったのは、この怖さの部分だけだ。

ゆるい合六、信頼のない幸後

儀堂が早瀬のフリをして100億を盗み、濡れ衣を着せられた早瀬は、合六に自分がリブートした早瀬だと打ち明け、身の前でケーキを作ってパティシエの技術を見せ、何とか首の皮一枚つながる、という展開自体は面白い。

しかし、ケーキを作る時に、格好良い音楽がかかっていたのが、安いコントみたいでダサかった。

自分が助かるためという目的なので、このケーキ作りにあまり格好良さはない。

このケーキを作ることで、直接的に誰かの命を救える、ということならヒーローだが、命乞いの手段として使っているだけだ。

無闇に煽らずに、もっと普通に見せてくれたら良いのにと思う。

そして、このケーキを合六が食べ、ひとまずは信じてくれたが、こんなんで許してくれるのか、と思った。

100億も盗まれて、そこまで感動するほど美味しそうでもないのに、大分ゆるい。

せめて、合六が懐かしい昔ながらの味に感動して、母親が買ってきたケーキを思い出す、なんだこのケーキ、とか言ってちょっと涙ぐむとか、演技で何とか強引に持って行ってほしかった。

完全に態度が変わり、味はずっと変わってないのか、とか、クリームの配合を尋ねだしたり、驚いて前のめりになっている感じとかがあったら、まだ少しは気持ち良かったかもしれない。

味は悪くないが、古臭い味だな、程度の感想のケーキなんて、半年間失踪している間に勉強すれば、作れるようになるんじゃないか?

それで100億の疑いが一時的にでも晴れるとしたら安いもんだ。

せめてめちゃくちゃ美味しくないなら、自分が合六なら、だから何だ?と思う。

ケーキが美味しくてもすぐに信用せず、他のも作ってみろ、と冷蔵庫のあり合わせの物を使って次から次に作らせるべきだ。

テーブルはスイーツだらけになって、早瀬とスイーツの話をしながら、気付いたらちょっとした宴会みたいになっている、とかだったら面白い。

早瀬はスイーツ以外のツマミも作り、もうこいつは儀堂じゃない、と分かっているけど、美味いから作らせてる、という様な。

合六を納得させるリアルなプロの手さばき的な描写も特にない。

役者の顔を映さず、プロのシェフを使って、手際の良さをじゃんじゃん入れる、とかして欲しかった。

そんな感じもないのに、そこそこ美味しいケーキを1個作らせただけですぐに認めてしまう合六は、100億も大して痛手じゃないのか?

10億も100億も大して態度は変わらない。

そして、幸後は、実は早瀬のリブートは儀堂に脅されてやったことで、儀堂が生きていることも知っていた、と告白したが、口先で言っているだけで真実性が感じられないので、そうなんだ、という感じだ。

どんでん返しにはなっていない。

今回ばかりは本当の本当なんです、という演技からにじみ出るリアルさがないので、これでいいなら、後からいくらでも理由付けして、実はこうでした、と出来てしまう。

本当だと思った、嘘か本当か怪しい、どうせ嘘でしょ、と演技に段階があるとするなら、幸後の演技は、最下層から中間をさまよっている。

騙し合いのどんでん返しサスペンスをやりたいなら、もっと演者の演技に幅があり、色んな顔があるがどれも真実にしか見えない、くらいの濃いポテンシャルがないと、中々難しいと思う。

極端な話、全員棒読みで無感情で、実はどんでん返しでこの人が犯人でした、というドラマがあったなら、何も面白くはないだろう。

それならまだ小節を読んでいる方がはるかに面白い。

こういうドラマは見ているこっちを騙してなんぼだと思うので、薄く、表向きの形としては騙した体です、程度の騙し方では、やられた感もなく、のめり込むまでいかない。

そこは演技でどうにでもなる部分なので、展開以上にもっと配慮して欲しかった。

これから何が起こっても、こんな感じなのかと思うと萎えてしまう。

ワクワクしないまま、ただ、どうなるのか?と展開を見守るだけだ。

マイナスな訳の分からなさ

幸後が儀堂に脅されていたから早瀬をリブートさせたとしても、その後はどうするのか、儀堂からどういう指示を受けていたのかよく分からない。

早瀬に10億の罪を着せる、という体なら、幸後は早瀬を助けずに見殺しにしなければいけないのに、葛藤したり悩んだ末に、妹を守る保証をした上で助けた、とかでもない。

早瀬を殺すまでが指示なら、生きている早瀬を見て、儀堂が幸後の妹を殺してしまうことになる。

儀堂は姿を隠していても、そこら辺の情報を把握してないはずがない。

でも幸後は早瀬を生かしたことで、焦っている、追い込まれている様子もなく、いつもと変わらない普通の感じなので、もやもやが残る。

早瀬も、そこを突っ込んで、じゃあ何で僕を助けたんですか?妹さんを守る対策したんですか?とか聞いて幸後に説明させないと不可思議なままだ。

脅されていたからしょうがない、ということとは別だ。

妹の病室には誰でも入れる感じなので、対策などしていない。

本当に脅されていたら、仮に妹の命を守る対策を水面下で行っていたとしても、早瀬は生きているので、本物の儀堂が自分に接触してくる可能性は高く、今目の前にいるのが儀堂か早瀬か警戒するのが普通だ。

それなのに、早瀬のフリをした儀堂にホイホイと金のありかを教えてしまうのもおかしい。

合言葉などを決めていて、それをかいくぐって幸後を信じさせた訳でもない。

脅されていた、という体なら、そこもちゃんとそう見せて表面上のつじつまを合わせてほしい。

というか、そうでなければ面白くならない。

仮に、幸後もグル、もしくは主犯で、最初から儀堂と結託して100億を盗むつもりだったとしても、本当に儀堂に脅されて仕方なく早瀬をリブートさせたんだ、とこの段階ではこっちに思わせないといけないのに、そうはなっていない。

要するに、幸後は嘘くさい。

これでは、実は儀堂とグルだった、となったとしても何も跳ね上がらないし、そのまま、本当に脅されていたけど、やぶれかぶれで早瀬を助けて、たまたま妹が助かった、としても物足りない。

1話1話着実に見ている者を騙し続ける先にしか、雪だるま式に大きくなるどんでん返しはやってこないはずだが、もうすでに騙せていない。

話が入り組んできて、マイナスの意味で訳が分からないのに、それを考察が盛り上がってる、とすり替えて満足してるとしたら、何ともおめでたい。

「第5話-決戦」が”物足りない☆2”理由と考察、その感想

同じ顔の二人の対峙、明かされる幸後の真相

儀堂を探す早瀬は、冬橋の運営する施設を尋ねた後、幸後の妹の病院に現れた儀堂を追うが、儀堂に拘束され、幸後が早瀬に嘘をついている事などが明かされた。

儀堂から次々と早瀬の思いもよらない新事実が語られる、同じ顔をした2人のやり取りはちょっと面白かったが、幸後にそもそも信頼がないので、幸後の真実自体には特に驚きもなかった。

そして2人の儀堂は悪くないが、どちらかというと悪の儀堂の方が早瀬の儀堂よりも板についているので、早瀬の儀堂はもっとナチュラルさが欲しい。

演技部分もミステリー部分も含め、全体としては物足りなかった。

なぜなのか考えていきたい。

なぜか良い人として描かれている冬橋

序盤で冬橋が運営する児童養護施設に早瀬と幸後が訪ねるシーンは、感動的な雰囲気にされているのが薄ら寒かった。

冬橋が施設の子供達と接している時に感動的な音楽がかかっていたし、昔子供のために活動していた冬橋が合六に拾われた回想も、良い話しかの様にドラマチックに演出されていたのが鼻につく。

冬橋達が闇バイトに陥れるターゲットは、その養護施設に来るような、行場のない若者たちもたくさん含まれているんじゃないのか?

裏で犯罪を犯している金持ちから搾取する、などではなく、自分が愛情を注いでいるのと似たような人種に犯罪行為を行っている訳で、実は良い人なんだ、とは全くならない。

早瀬は冬橋を見て、普段見せない顔をしていますね、などと言っていたが、マイナスの背景が吹き飛ぶほどの、自然で魅力的な振る舞いなども何もしていない。

犯罪者が良い顔を見せているだけの話だ。

それなのに、感動的な雰囲気にしているのがおバカ演出だと思った。

感動っぽかったら、とりあえず感動的な音楽を流せば良いと思っていたとしたら、何とも短絡的だ。

そして、なぜ合六に協力しているのか、と問われた冬橋は、金のためですよ、と悪びれる様子もなくさらっと言う感じが薄い。

俺だって協力したくはないんですよ、でも子供を救うには金がいる、そのためには多少の犠牲はしょうがないんです、などと激しく怒って、矛盾した独特のポリシーを提示する訳でもない。

早瀬も、そんなのはおかしいですよ、この子たちが将来合六にハメられても同じこと言えるんですか?ぐらい言うラリーをして欲しい。

この一連のシーンは、何もなっていないので、バッサリいらなかったんじゃないかと思う。

実は良い人に見せておいて、後でこの子供達も全員合六の餌食になる、という怖いどんでん返しにしたかった訳でもなさそうだ。

2人の儀堂の対峙は悪くない

早瀬は儀堂に拘束され、同じ顔の二人が言い合うシーンはちょっと面白かった。

どういう技術か知らないが、ほぼ違和感なく同じ顔の二人が空間に存在出来ている。

2人のキャラクターもコントラストがあって悪くないが、もっと別人感が欲しい。

上述したが、どちらかというと、悪の儀堂の方が板についているので、早瀬の感じが演技っぽく、もっとナチュラルだったら良かった。

儀堂の、人を見下した感じのしゃべり方や、早瀬に殴られた後に握手を無視する素直じゃない感じとか、ムカついて悪くない。

悪くないが、儀堂ももっと怖くて冷徹な、嫌な感じが強くても良かったと思う。

悪くないシーンだが、この2人が別人か、というとそこまででもない。

早瀬が儀堂を殴ったのは、頑張った。

ちょっとだけ気持ち良かった。

この儀堂の偉そうなしゃべり方で、幸後の真相が次々と明かされる感じ自体はサスペンスチックで悪くない。

しかし、前話でも述べた通り、幸後にもう信頼がないので、そうなんだ、程度にしか思わない。

儀堂の奥さんは、女の勘で幸後は嘘をついている、的なことを言っていたが、この奥さんの勘違いなんじゃないか、と思わずほど、幸後に隙のない振る舞いをさせて欲しかった。

早瀬がザルすぎるので、早瀬は視聴者と一緒に戸惑う代弁者的な役割にはなり得ておらず、びっくりも少ない。

早瀬が驚くのと同じレベルで、見ているこっちも驚きたいし、そうであれば毎回ハラハラ出来て釘付けだったかもしれない。

早瀬があんまり鋭すぎては話しがおかしくなるのかもしれないが、妻の仇討ちのため、息子と会うために、覚醒して多少敏感になってきている、ということでも良かったんじゃないか?

払拭しきれてないままの幸後の怪しさ

前話でも述べた通り、もし儀堂が幸後を脅して早瀬に罪を着せるためにリブートさせたなら、早瀬は生きていては妹が殺される訳で、そこも早瀬に突っ込ませて、つじつまを合わせておくべきだ。

今話でも儀堂が幸後の妹の部屋に普通に侵入していて、幸後が早瀬を生かしてから、妹がずっと無防備にさらされて放ったらかしだ。

実際には脅されてなかったからだが、表面上つじつまを合わせないのはなぜだ?

ちなみに、幸後は、儀堂に出し抜かれてから、ようやく合言葉を決めたが、そのきっかけの言葉が、暗号、と呼びかけるのは稚拙だな、と思った。

それすら隠さないと、相手が適当に何かをやった時に、たまたま当たる可能性がなくはない。

携帯どこにあったの?とか、一見関係ない会話形式のきっかけとかにしないといけないんじゃないか?

しかし、幸後が儀堂が生きていることを知っていたなら、合言葉を決めようと提案すること自体が怪しいので、前話の段階では、合言葉を決めることは出来なかった訳だ。

あんたは見た目が儀堂に似すぎて、本当に早瀬か不安になる時がある、この世界では誰が誰にリブートするか分からないから、合言葉を決めよう、と提案した所で、まだ怪しい。

それに、儀堂に100億盗ませるには合言葉を儀堂に解かせなければならないので、儀堂にも解けるであろう合言葉をどう設定するのか、というのは難問だ。

そこはミステリー要素も入れているんだから、何とか知恵を絞って作ってくれたら面白かったかもしれないが、突飛になるくらいなら、設定しないほうが良い。

騙し合いで幸後が一枚上手だった、となれば面白いが。

無理なら無理で、合言葉を決める流れに出来なくても、何とか儀堂と幸後の自然な演技で、強引に持って行って欲しかった。

前話の振り返りになるが、まず儀堂は完璧に早瀬に成りすますべきだった。

それは、後で幸後に、全く気付かなかった、と言い訳させるために。

一香さんという呼び方や、丁寧な態度やしゃべり方は早瀬らしいが、まだ足りない。

儀堂は幸後の前で実際には熱いコーヒーを飲んでも早瀬のように熱がらなかったが、熱がるべきだった。

幸後が儀堂であることをここで見抜いた、ということなんだろうが、こんな簡単な早瀬ではない証拠に、妹を殺されるかもしれない幸後が気付かない訳がなく、言い訳が効かない。

早瀬はこの現場を見ていないかもしれないが、見ている視聴者を完全にだます必要がある。

儀堂は、ドーナツを食べて美味しいですね、と甘いものが嫌いな儀堂が言わないであろうことを言っていたが、もっと細かく、カスタードと生クリームの配合が独特ですね、とか、詳しく言わせるべきだ。

じゃあどこで儀堂と気付いたのか、というのは、携帯の位置情報で常に早瀬の居場所を確認していたから、とか、もしくは全く明かさずに秘密のままでも良い。

さらに、幸後は金のことを聞く儀堂に金のありかを案内するが、せめてもう数回2人のラリーが欲しい。

一緒に組織の金を見に行くか誘うが、思い直して、ごめん、やっぱ止めよう、組織の秘密を奥まで知ったら、あなたも危うくなる、などと真剣な顔で断るが、ありがとうございます、でも僕は一回死んだ身なんで、もう怖いことはないです、などと儀堂が返し、幸後が、分かった、と覚悟した感じで受ける、などという会話が欲しかった。

もう真犯人捕まえるまで、本当に戻れないよと再度しつこく念押しし、覚悟は出来てます、などと言わすくらいして欲しい。

ちょっとしたケンカっぽくなる方が理想だ。

そうではなく、すっと金のありかを案内するのはやはり不自然だ。

そして、合六の前で、本物の儀堂に金を盗まれた、と報告する時に、淡々とさらっと言うのではなく、悔しさに満ち、怒っている感じにもしなくてはいけない。

嘘をつくのは1回目じゃないんだから、なおさら同じ感じで告白されても嘘くさい。

早瀬にも、何で儀堂だと気付かなったんですか?と突っ込ませ、私も最初は疑ったよ、と怒り、呼び方は一香さんで、スイーツに詳しくて、猫舌だった、あいつ全部調べ上げてきてた、合言葉決めとけば良かった、甘かった、などと苦々しく言って悔しがる感じにすれば良かった。

実は合言葉は決められなかったことは隠したまま。

それでもまだ怪しさは完全に拭えないかもしれないが、演技が重厚でリアルであれば、概ね見ているこっちは騙せただろうし、騙して欲しかったし、騙さなければならない。

役者の腕の見せ所で、ここの演技が出来るか出来ないかだけで、キャスティングを決めても良いくらいのこのドラマの肝だ。

最初の話から、幸後にはさほどの信頼感もないので、今に始まったことではないが。

なので、今話で実は幸後から早瀬のリブートを呼びかけた、偽の100億を儀堂に盗ませ、幸後が100億を奪った、と儀堂から聞かされても、そうなんだ、としか思わず、跳ね上がらない。

これでいいなら、実はこうだった、といくらでも出来るので、つまらない。

よく練られているようでそうでもなく、穴を演技でカバーも出来ていない。

幸後だけの問題ではなく、早瀬に、見ているこっちが疑問に思うことをいちいち幸後にぶつけ、幸後が説明して不信感をなくしていく、などという作業をして、みんなで作り上げる必要があるんじゃないか?

ここまで見て、口先だけのどんでん返しという感じで、ビヴァンと似た違和感を感じる。

主役が概ねあざとくはなく、比較的見やすいが、謎部分がスッキリせず、中々振り切れない。

トリックや複雑な設定だけでどんでん返しするのではなく、演技が肝になってどんでん返しをするからスカッとして面白いはずなのに、そこはあまり重要だと思ってないんだろう。

「第6話-終幕」が”物足りない☆2”理由と考察、その感想

二人の義堂の絶体絶命

家で待ち構えていた警察に捕まった早瀬は監察官の協力で解放され、合六の家に突撃するも捕まった儀堂と、人質の儀堂の奥さんを助けに向かうが失敗し、絶体絶命になる様子などが描かれた。

窮地に追い込まれた早瀬と儀堂がどうなるのか、という展開はちょっとハラハラしたし、儀堂の散り際もそれなりに格好良く、幸後が早瀬に真相を明かしてマウントを取るシーン自体はムカついて悪くなかった。

最悪に近い形で早瀬の尽力は無下にされ、組織からも逃げられず、振り出しに戻る絶望感も悪くないが、全体としては振り切れず、もっと面白くなったんじゃないかと思う。

なぜなのか考えていきたい。

あまり闘いのない儀堂VS合六

早瀬が警察に捕まり、追い詰められた儀堂は、合六の家に無理矢理押し入り、幸後が金を奪ったことを直談判したが、もっと迫力が欲しかった。

奥さんを人質に取られて、何するのか分からない、怒りに満ちている感じがあったら面白かった。

警備をやっつけて、拳銃を持って押し入ったにも関わらず、奥さんに挨拶したり、合六と話す感じがちょっと弱々しく、スカッとしない。

元はと言えば、実際に100億を盗むという行為は実際にやった訳で、自業自得ではあるが、家まで押しかける、という後戻りの出来ないことをやっているんだから、そんなことは考えずに、やぶれかぶれで開き直って欲しかった。

奥さんにはニカッと笑って、突然すいません、お気遣いなく、と余裕のある感じにしているが、二人きりになった途端に、合六の口に拳銃をツッコむくらいして欲しかった。

奥さんからもらった毒入りの飲み物をすぐに飲んでしまう、というのも迂闊だ。

怒りすぎて笑顔が怖い様な演技が見たかった。

このまま子供を人質に取って奥さんの所まで行く、と言って聞かない儀堂を、合六が口八丁手八丁で、何とか一回落ち着かせてから隙を見て優位に立つ、などという闘いが見たかった。

どうやら本当の様ですね、と合六が態度を変え、親身に話を聞く感じにして落ち着かせ、毒入りの飲み物やピザを食べさせる、とかだったら面白かった。

そうではなく、結構あっさりと合六の手中にハマってしまったので、面白くなりそうだったのにもったいない。

そして、立場が逆転した合六も儀堂が自分の家族を危険に晒したことを怒り、怖い感じで顔を踏みつけるなどして欲しかった。

合六はいつも淡々としていて、それが逆に怖い、というよりは、薄い。

淡々と怒らない感じにしたいなら、もっと丁寧な感じの方が怖いが、あまり怒らないけど、ちょっと偉そうな感じもあるので、どっちつかずで普通だ。

怖っというその片鱗を見せつけて欲しかった。

助けに行く早瀬、格好良い散り際の儀堂

早瀬は警察に捕まり、拘留され、どうなるのかと思ったが、監察官が裏で手引きして助けてくれる、という展開はちょっと面白い。

監察官は儀堂の敵だと思っていたが、冷静に早瀬であることを見抜いていたこと自体は格好良い。

早瀬が真相を告白しても助けてくれない冷たい感じなど、リアルで悪くない。

悪くないが、特に人間的に深みのある感じはないので、もっと存在感があれば、このシーンも跳ね上がったんじゃないかと思う。

早瀬は、一人で儀堂と奥さんが捕まっている場所に乗り込むが、もう少しアクションがあっても良かった。

せっかく半年間儀堂になるため体を鍛え、拳銃の使い方や格闘術も学んでいた訳だから。

怖がる自分を奮い立たせて、現れるなり手下の足を撃ち、後ろから羽交い締めにしてきた手下を投げ飛ばし、直後に合六に銃を頭に突きつけられて結局うまくいかない、とかだったら面白かった。

強すぎてはもうそれで解決なので不自然だが、ちょっとは、おっと思わして欲しかった。

ただ拳銃を持って突っ込んで行くだけ、というのはちょっと物足りない。

そして、儀堂と幸後が二人で話をした後、儀堂が罪を被り、刑事としての正義を示そうと思ってよ、などと言いながら散っていく感じは格好良かった。

覚悟した感じで、この死ぬ場面で本当に余裕がある感じでしゃべっているように見えるので、良い。

思ってよ、という言い方が味があって良い。

儀堂はちょっと巻き舌になる感じが似合っている。

罪を被った理由は、幸後に、奥さんにお金の一部をあげるから、などと言われて、その場で送金したのを見せられた、とかなのか?

自分がやったと言った後、隙を見て近くにいた手下の銃を奪ったが、すぐに蜂の巣にされて殺されてしまった。

せめて合六に一発被弾させるくらいさせても良かったんじゃないか

もう少し、行けるのか?と思わせて欲しかった。

儀堂は悪徳警官で自業自得だが、早瀬を守ろうとしたり、そこまで悪いやつじゃないので、もう少し華を持たせても良かったと思う。

むしろ、悪だと思っていた儀堂が味方になり、正義側に立って少し活躍するから面白いのに、そういう痛快さもない。

合六側は薄っぺらいのにずっと強いままで終わる感じが、一方的で気持ち良くない。

合六がもっと重厚で深みがあれば、まるで歯が立たない感じでも面白かったかもしれないが。

手下も若い輩2人で、薄っぺらいし。

ムカつく幸後、少し物足りない早瀬

結局、早瀬は助かり、幸後が早瀬の妻の地位が欲しかったと告白し、早瀬の妻を殺したことも否定せず、おかげで100億手に入った、ありがと、と言った感じはムカついて悪くない。

頑張ってね、儀堂、と笑いながら言う感じもムカつく。

今までで一番板についたしゃべり方で、感情があり、本当のことを言っている風に見えるので、悪くない。

実はこうだった、と無感情で説明するより、言葉が少なくても感情豊かの方が、より多くのことをダイレクトに伝えられる。

この状況のこのセリフ自体が、言いたい、言っていて楽しいセリフだったんじゃないかと思う。

今までが嘘くさかった分、より本当っぽくてムカつくが、今までが嘘くさくなかったら、もっと重厚なムカつきになって、もっと良かったはずだ。

嘘くさい奴がやっと感情豊かに本当のことを言って裏切るより、ずっと本当だと思わされてきた奴に裏切られる方がダメージがでかい。

どちらもムカつくとしたら、前者のムカつきは薄っぺらく、後者の方が言葉に出来ない憎悪になるだろう。

幸後は前者なので、ムカつくけど、深くはない。

そして、幸後はこれからも合六の下で金稼ぎに早瀬を使う、だけではなく、合六を潰すと言ってるので、本当に悪い奴かどうかまだ分からない。

儀堂の命と引き換えにしてまで、本当に100億が欲しかったのかはハッキリしないし、このタイミングで何がしたかったのかもよく分からない。

合六から早瀬が逃げれた所で、合六によって被害を被る、殺される一般人は変わらず存在し続けるので、組織丸ごとなくなることが、正義感の強い早瀬にとっては一番気持ちが良い結果ではある。

それに、早瀬の奥さんを殺した、とは幸後はハッキリと明言していないし、組織の金に興味が湧いた、というのも本当かどうか分からない。

そう考えると、早瀬の奥さんを殺した犯人は結局不明で、早瀬は合六の組織からまだ逃げられないので、合六の組織がなくなり、安全も保証してくれるなら、悪い話じゃない。

というか、むしろそれしかなく、幸後が協力してくれるだけありがたい、とも言える。

なので、決めゼリフには感情があるのは悪くないが、嘘でも私が殺した、とハッキリ言ってしまって良いし、もっと悪に見せて欲しかった。

リアルに汚い言葉で罵倒して、嫌な顔を見せ、憎悪を煽って欲しかった。

笑いながら、なつみさん、死ぬ時命乞いしてきてダサかったよ、とか、旦那は私の意図に気づかないボンクラだし、お似合いの夫婦だよね、とか、甘いもんばっか食べてるから頭もそうなんだ、とか、色々言って欲しかった。

ゆくゆく合六を潰すとか、安全は保証する、とかは言わなくて良い。

振り返ると、この人実は悪くないんじゃないか、と思わせる隙間がまだ大きい。

そして、幸後の前で、儀堂を守れなかったことで、泣くような怒っているような感じで激しく悔しがる儀堂は、ちょっとあざとかった。

本当に心が引き裂かれてしまうような、魂の叫びには見えない。

泣こうとして、悔しがろうとして振る舞っているように見えるので、こんなうわべ寄りに大げさにするくらいなら、静かでも心からこみ上げてくる感じの方がリアルで良い。

幸後に、おかげで100億手に入った、ありがと、と言われて掴みかかろうとする感じも、一拍置いてから行く感じがリアルでない。

もうはらわた煮えくり返ってるんだから、ありがとの瞬間に飛びかかるべきだ。

本当にキレた感じもしない。

幸後も、私に何かあったらお店が燃えるよ、というセリフが長く、早瀬は飛びかかったにも関わらず、そのセリフを聞いて待つというお互い変な感じになっている。

早瀬は、待つ必要はなく、首を絞めてしまえば良かった。

首を絞められながら、私に何かあったら、と声をかすらせながら幸後が早瀬をなだめる方がリアルだ。

幸後は、ここで早瀬に殺されるかもしれないんだから、早瀬が来た瞬間に、ヤバいと思って、お店燃えるよ、と短い言葉で牽制して、その後に、私に何かあったら、と、言って欲しい。

私に何かあった、と言ったくらいで強く首を絞められたら、もうそのまま殺される可能性もある。

なので、幸後が早瀬を煽ること自体は悪くないが、そこまでは引き込まれなかった。

そして、ラストで早瀬が監察官と会い、幸後への怒りをあらわにして、俺が儀堂歩だ、と宣言して終わるが、上述した通り、幸後はそこまで悪く見せられていないので、その怒りも取ってつけたように見えてしまう。

よく考えたら実は悪くないんじゃないか、と思ってしまったら、そもそも怒りようがないので、無理がある。

もっと幸後に本当に心の底から憎悪するほど太い悪どさがあれば、早瀬も怒りやすかったし、次につながる感じになったんじゃないかと思うが、この話以前からも幸後は騙せていないので、もう今さらしょうがない。

隙のない、大きい塊の悪としては見せられていない。

物足りない儀堂の奥さんとの別れ

早瀬が儀堂の奥さんに儀堂のことを話す時も、嘘泣きに見えてしまい、感動は出来なかった。

早瀬がプリンを食べて、儀堂の奥さんに顔を背けて突っ伏して泣くのは嘘の泣き真似だし、儀堂さん、まゆさんを誰よりも大切に思ってました、と涙ぐみながら言う感じも、泣こう泣こうとしている感じなので、ちょっと萎えた。

実際に泣きそうになったら、涙を本気でこらえようとしている逆のアプローチの方がよほど感動する。

大泣きしなければいけない訳でもなく、ちょっと涙ぐむぐらいで十分だ。

そもそも、そこまで儀堂に感情移入するほど、儀堂は良い人間ではない。

確かに、儀堂は助けに来ようとする早瀬に来るな、と警告したり、散り際のセリフは格好良く、自分の身を犠牲にして早瀬を助けることになった。

しかし、根本は儀堂が悪の組織に所属していたことが原因で、100億も盗もうとしたし、早瀬を助けたのだって、自分に利益があると思ったからの行動の結果で、最後まで生きれると思って抵抗もしたし、無条件で早瀬を守ろうとした訳ではない。

儀堂が奥さんのことを大事に思っていたのは分かるし、奥さんが献身的に早瀬のケーキ屋を手伝ってくれたことを含めても、人目をはばからず大泣き出来るほどの感情に持っていくことが、そもそも難しいと思う。

早瀬の助言を受けて美味しくなったプリンを食べ、こんなにしてくれた奥さんに合わせる顔がない、と涙が込み上げてきて、俺は嘘をついたままで良いのか?と葛藤したら、そのまま素直にしゃべれば良い。

改めて泣きながら言う必要はない。

涙なんてCGで後からなんとでもなるし、不自然でない、感情がこもった人間的な会話をすることの方がよほど重要なはずなのに、ほとんどの役者は、泣くシーンでは泣いているように見せることが重要だと勘違いしている。

涙など出なくても、感情が激しく動いている人の振る舞いは自然と深くなるはずだ。

泣けなければ泣けない理由があるはずなのに、それを誤魔化して泣いたフリをするのは嘘で、心には響かない。

監督がそうさせているとしたら、何とも不憫な話だが。

嘘だとは感じてないからオッケーを出してるんだろうし。

一方奥さんは、早瀬から儀堂が女を作って海外に逃げた、と伝えられ、儀堂は無事なんですか?と聞いたくらいで、離婚届を渡されても何も言わず、まゆさんのことを大事に思ってました、と伝えられても、ちょっと涙ぐんで、ありがと、と言う感じが、ちょっと物足りなかった。

離婚届を渡された時点で、儀堂は死んだんだ、と全てを察して受け入れた演技だったとしても物足りないし、どこまで何を考えているのか分かりづらい。

早瀬がプリンを食べたら、儀堂を忘れられる気がする、と言っていたが、なぜ忘れようとしているんだ?

早瀬につきまとい、儀堂は優しい人間だと説き、死体を見てないなら儀堂は死んだとは限らない、幸後は嘘をついていると訴え、早瀬のケーキ屋で勝手に働きだすほど、ストーカーとは言わないが、バイタリティ溢れて儀堂に執着していた人間が、自ら急に身を引くのはよく分からない。

もう忘れようと思ったきっかけも描かれていないので、不自然だ。

なので忘れる必要はなく、儀堂が女を作って逃げた、離婚届を渡してきた、ということが、本当かどうかもよく分からず、多くを語れないであろう早瀬に聞いてもしょうがないので、今は早瀬を気づかうことを優先したとしても、最後の早瀬の言葉で、ハッとするべきだったんじゃないか?

早瀬が、去ろうとする奥さんを呼び止めてまで、ネックレス返しましたから、儀堂さん、まゆさんのこと誰よりも大事に思ってました、と泣きながら言ったことの意味は、もう儀堂は死んだ、ということだろう。

本当は儀堂が、あえて早瀬に離婚届を渡させ、女と逃げた、もう関わらないで欲しいと言わせたんだ、と頭を駆け巡って、驚き、感情がドバッと込み上がってくる感じが欲しい。

でも何も知らない方が良い、という儀堂の最後の気づかいだし、根掘り葉掘りも聞けないので、真相に直接触れずに早瀬と言葉を交わす感じだったら粋で良かった

奥さんは儀堂の死を悟り、へたり込みそうなのを我慢して早瀬に近づき、儀堂優しい人だったでしょ?と聞いて、早瀬が頷き、奥さんは、やっぱりね、などと笑って、ありがとう、と握手して去っていくが、歩きながら涙が込み上がってくる、とかだったら、涙腺は刺激されたかもしれない。

良いシーンになりそうで、そこまででもない、もったいないシーンだった。

薄い悪に敗北した回

今回の話は、早瀬の努力や思いが水の泡になったかの様な、絶望感漂う終盤の展開自体は悪くない。

しかし、合六も含め、儀堂が思っていたよりも強大で深い悪に、全力でもがき、暴れて敗北した、という訳ではなく、薄い悪にそこまでのた打ち回わらず、成り行きで何となく敗北した感があるので、ダメな意味で、少し嫌な気分になる回だった。

早瀬は、のた打ち回っている感を出そうと出そうと頑張っているな、という風に見え、リアルよりも一歩手前の演技にとどまってしまっている。

早瀬だけにそれを押し付けるのは酷で、悪の表情一つ、仕草や振る舞い、醸し出る雰囲気、隙のない展開など、悪側もリアルに早瀬をねじ伏せる重厚さがなければ、自然とそうはならないだろうと思う。

悪も含めて、全体でそういう雰囲気を作れていない。

儀堂の最後の雰囲気は悪くなく、良い部分もあり、やりたいことは分かるが、振り切れないもったいない回だった。

「第7話-覚醒」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想

組織の人間を利用して幸後を追う早瀬

今話では、監察官の標的の政治家が明かされたり、早瀬が幸後の身辺を調査するため、早瀬の奥さんを慕っていたマチに幸後の監視を頼み、100億の隠し場所を探る様子や、組織の関係者同士で刺殺事件が起き、末端の組織が警察に摘発される様子などが描かれた。

今回の話は主に、組織の末端の、冬橋が束ねる闇バイトの名簿作りを行うメンバーを中心に描かれ、なぜか犯罪者が良い人風に描かれた感動話で何も心動かされず、つまらなかった。

なぜなのか考えていきたい。

なぜか闇バイトの女性リーダーが主役の話し

今回の話の主役は、冬橋が運営する児童養護施設を手伝う、闇バイトの名簿作りのリーダーであるマチで、早瀬はマチが妻を慕っていたことに目をつけ、マチに幸後の調査を依頼し、100億のありかを探る。

名簿作りの拠点が摘発された時に、面倒を見ていた部下の一人が階段から落ち、死亡したことで、金があれば命を救えた、と悔やみ、早瀬に黙って100億を盗もうとした所を、警護していたと思われる幸後の部下に殺されてしまった。

冬橋がマチのもとに向かう途中、冬橋とマチの出会いや成り行きが感動話かのように回想され、血を流したマチは、冬橋に、家族になってくれてありがとう、と言って死んでいき、冬橋は泣き叫びながらマチを強く抱きしめていた。

犯罪者であるマチがさも良い人間かのように描かれ、感動話に仕立て上げられているので、何一つ心動かず、めちゃくちゃつまらなかった。

マチが出てくる冬橋の回想中にテーマソングもかかって格好良くされていたし、一体どう思わせたいのか不明の、変な話だった。

闇バイトをあっせんする側の人間にも実は良い人もいるんだよってことか?

こんな話放送して良いのか?

作り物だから別に構わないといえばそうだが、違和感がすごい。

合六に従っているフリをして、ずっと記録を残し続け、合六を潰すために機を見て全員で警察にタレコむ、という計画を立てていた訳でもなく、現在進行形で刹那的に犯罪を犯し続けている人間に、一体誰が共感できる?

児童養護施設を運営していたから何だ?

その施設に来なければいけない子供の親は、闇バイトの様な悪の仕事に関わって家庭が崩壊した人だっているんじゃないのか?

以前も言ったことだが、その子供達と同じか、似たような境遇の若者達が、組織があっせんする闇バイトにはまる可能性も往々にしてある訳だろう?

むしろ、一般的な問題のない家庭の子供達よりも、マチの施設に来るような若者達の方が、闇バイトにはまる可能性は高いんじゃないのか?

マチは、施設の子供達を家族と呼んでいるようだが、その家族を搾取して金を儲けていると考えると、訳が分からない。

犯罪者って所詮は想像力がないから、そこには気づかないんです、という皮肉か?

金があれば子供を、部下を救える、だから犯罪絡みの汚い金であると分かっていても100億が欲しい、さらに窃盗という犯罪を犯してでも、とにかく手にすればことが丸くおさまる、と思ったのか?

マチが盗んだとバレたら、マチの愛する家族も危険にさらされるだろう。

盗まなくても、結局組織と関わっていたら、家族も危険なままなので、マチがやるべきことは、どうやって自分達に手出しをさせない形で組織から離脱するか、決定的な弱みを握っておくか、そして施設の運営費を調達するための合法的な仕組みをいかに構築するか、ということだろう。

幹部に抜擢されて喜んでいたから、そんなことは考えてないだろうし、あまりに短絡的で想像力も欠如しているので、マチの気持ちが分かる、殺されてかわいそう、などと微塵も思わない。

そして、しょせん汚い仕事をしている人間は、悲惨な末路を迎える、という突き放すようなシビアな描き方なら分かるが、感動させようという意図が見えるので、臭いを通り越して、ちょっと怖い。

近年稀に見るおバカ演出だと思う。

これ見て泣いている人とかいたらどうしよう。

マチの演技自体も、感情の表現の仕方に堅さがある、置きに行く棒読みに近い素人的演技で、何も引き込まれないが、それ以上に背景や人物設定に問題がある。

そして、マチは100億を一体どうやって盗みに行こうとして、なぜ殺されたのかもよく分からない。

厳重な金庫を目の前にして、金庫破りが出来ないなら行ってもしょうがないし、実際返り討ちに合ったように、屈強なガードマンがいたらどうするんだ?

門やドアの鍵を開けたり、金庫破りが出来るとして、金にたどり着いた所で、巡回してきたガードマンに殺されたのか?

100億を守っているにしてはガードが甘いし、そもそもなぜそこそこ大きい建物内で100億の場所までたどり着けたのかも不明だが、マチは実は凄腕の窃盗犯なのか?

そこら辺を全カットで、もう死にかけている場面だけ見せられても、ふーん、としかならない。

なぜ殺されたのか、具体的な描写を入れて欲しかった。

そして、幸後の携帯にGPSアプリを付け、10日間行動確認しただけで、あっさり100億の場所が判明する幸後もザルすぎる。

儀堂の携帯を盗聴して位置確認してるんだから、自分だってされる可能性もあるとは思わないのか?

いくら顔見知りの多い事務所だろうと、100億につながり得る情報の入った携帯を置いて席を離れるなど、あり得ない。

わざとたどり着かせた、にしては早瀬に告発されて逃げているし、目的が分からない。

早瀬は幸後が妻を殺した犯人だと決めつけている

早瀬は、幸後が100億を盗んだ、妻を殺した、と言っているが、妻を殺したかはまだ分からない。

100億を盗んだのは、儀堂が目の前で偽のジュエリーを早瀬に見せ、言っていたことも合わせて本当そうだし、幸後本人もはっきりと、手に入った、と口にしていたので、盗んだんだ、と思えるが、妻を殺したのは曖昧だ。

せめて、はっきりと殺した、と言ってくれないと、早瀬が、あいつが妻を殺した、と言うたびに、まだ分からないのになあ、と頭をよぎって、早瀬とこっちの温度差が出来て、早瀬を応援しづらい。

殺した体で進めるなら、その体裁を保てる要素をしっかり作って欲しい。

後で、結局殺してなかった、となって早瀬に驚かれても、何で驚いてんだ、となるし、本当に殺してたら、あれで本当に殺してたんかい、となって、どっちも下がる結果になる。

コンプライアンスぐずぐずの合六

組織には、殺されたと思われた海江田が復活し、合六に、横領した数千万は少しづつ返しますから、と言って、合六も笑っていたのが、何ともゆるいと思った。

疑惑が晴れたならまだしも、実際に横領していても、殺さずに生かされていた訳で、まだ返してないのに復帰させる、というのは、コンプライアンスがグズグズだ。

基本的なコンプライアンスなんて守らない悪の組織でも、そこは厳しくしないと、なめられるだろう。

現にもう怖さはない。

せめて倍にして返したくらいじゃないと、筋が通らない。

それなのに、1話で早瀬の隣で一撃で殺されたあの幹部は何だったんだ?

10回目とかだったってことか?

1回目であの仕打ちだったら、あまりに可哀想すぎる。

悪いことしてるからしょうがないけど、殺され方がマチより酷く、カスみたいな扱いをされている。

早瀬は、自分の隣で殺された、と言っていたが、映像では即死だったかどうかもハッキリ分からなかったのに。

部下をひいきしたりしなかったりで、殺したり生かしたりする、という意味では怖いが、もう一貫した怖さはない。

悪にも最低限の一貫性がないと薄っぺらく、重厚な深い悪にはほど遠い。

部下がみんな多かれ少なかれ横領している、しようとしている、というのは、合六のゆるさから来ているものだろう。

エセ関西弁で嘘くさい海江田が返り咲いた、というのは、ちょっと萎える。

今後、警察のスパイも探していくのか?

監察官が追うクジラとは、監察官の兄の政治家であると明かされた。

早瀬は、逃げた幸後を追跡しながら、合六と政治家とのつながりを探していくことになるのか?

そして、警察のスパイは誰なのかも謎のままだが、すでに登場している警察関係者に存在感のある人物はいないので、誰でも大して驚きはない。

まさかこの人が、何でだ?と思わずほど、魅力的な濃い人物は一人もいない。

全員がそうならまだ面白かったかもしれないが。

監察官はまだ存在感がある方だがそこまででもないし、スパイなら、既に早瀬と秘密を共有している仲だし、なんじゃそりゃ、となりそうだ。

意外という意味で強いて言えば、儀堂の部下の悪そうな感じのない女性警察官くらいか?

存在感はあまりないけど、若々しく邪悪さがないので、一番ノーマークというだけだが。

物語は折り返しを過ぎたが、またこの先、何かどんでん返しが待っているのか?

マチが殺されたことで、冬橋が早瀬の味方になってくれるのか?

全体としてガツンと引き込まれていないので、気になるようで気にならない、というフワフワした感じだ。

特に今回の話は、ただ話しが前に進んだだけで、良いと思えるシーンは何もなかった。

「第8話-真実」が”物足りない☆2″理由と考察、その感想

幸後の正体が判明した8話

実は幸後は早瀬の妻のなつみであることが判明し、幸後が実は早瀬に会えて嬉しかった気持ちを必死に隠していた、などの描写の状況自体は感動的ではある。

しかし、合六が裏で糸を引いていた事も含め、隠されていた謎は取ってつけたように感じ、全体としては物足りなかった。

なぜなのか考えていきたい。

取って付けた様な合六の黒幕

今話では、なつみと早瀬のリブートも、10億と100億の紛失も全て合六が仕組んだことであると明かされたが、合六の人物描写が薄く、一貫性も深みもないので、取ってつけたようで今ひとつだった。

リアルで説得力のある人物像を見せられていないキャラクターが、実は裏でこんなことしてました、と言われた所で、そうなんだ、としかならない。

まさか嘘だろ、という驚きも、なんて悪いやつなんだ、という悪方向への跳ね上がりもない。

合六は、冷酷さとゆるさが混在していて、どんな人間かよく分からず、魅力が薄い。

徹底的に冷酷で隙がないなら、より怖っ、となったかもしれないが、小物の海江田を横領されても殺さず、10億の疑惑でも早瀬を殺さず、100億の疑惑でもケーキが作れただけで認める、等々のゆるさが邪魔だ。

意図的にわざとゆるく見せていた、と言われても、ダメな萎えるゆるさだ。

仮に後々利用するため早瀬を殺せなかったとしても、表向きは冷徹で怖く、他の部下と対応も変わらない厳しい一貫性を出すことは出来たはずだ。

かといって、早瀬の横にいた幹部を一撃で殺したり、早瀬と儀堂どちらかを躊躇なく殺そうとしたり、冷徹さもあるので、どっちつかずで、それらが共存出来ている訳でもない。

どっちつかずなのは、合六に隠れた目的があったからだとしても、前話までにそれを感じさせてはいけない。

今話のどんでん返しの効果が薄まってしまう。

怖いけど、従順な部下には優しく人情深いとかでもなく、そもそも怖さに統一感がないので、部下の家族にプレゼントを渡す、などの気づかいも浮いてしまっている。

横領したり裏切ると怖いけど、問題のない仲間には優しく守ろうとする、人情家の親分としてリアルに描かれていたら、合六が全て裏で糸を引いていた、と判明した時、ゾッとしたかもしれない。

部下を殺す時には、本当に残念そうに、泣かんばかりに殺す、とかだったら、全部自作自演と分かった時に、悪いやつだ、となる。

だから海江田を、10億盗んだなら仕方ないです、と悔しそうな感じで殺してしまっていたら、怖かったかもしれない。

終盤に来て、ずっと嘘くさい海江田を返り咲かせたメリットは、ストーリー的にも、ドラマ的にもほぼゼロだと思う。

むしろ、合六の怖さを出すために使った方が良かったんじゃないかと思う。

しかし、海江田が嘘くさい時点で、合六が悔しがる、というのも嘘になりかねないので、嘘くさい演技なんて本当に邪魔にしかならない。

そもそも、合六の演技自体も、かなり感情豊かでなくてはならず、今の合六には、そのポテンシャルがある様には見えないので、中々難しい。

要するに、冷徹な悪、人情家の悪、どっちで行くにしても、魅力がなければ裏切った時に跳ね上がらないし、それまでの話し自体に対しても、良いスパイスにはなり得ず、実際なり得ていない。

合六の中途半端な人間像では、黒幕だと言われても、よりよく分からない、となっただけで、合六が何枚も上手だったんだ、深いな、などとは全く思わない。

海外の作品でも、取ってつけたようなどんでん返しはなくはないが、特に最近の日本作品は演技が薄いことが多く、よりなんじゃそりゃ感が強い。

演技は適当でも、どんでん返しのストーリーだから、どんでん返しになるだろう、と思ってるんじゃないか?

同じセリフでも、違う人が言ったら感じ方がまるで違う、この人の言い方なら本当っぽくて騙されてしまう、という自然の神秘とも呼べる現象をも駆使するから面白く、思わず騙されることもあり、そうでなければ、ただの机上の空論だろう。

演者を選ぶ側も、この役者ならどんでん返しは出来るが、この役者だと厳しいかも、ということまで考えてないんじゃないかと思う。

何となく、そんな感じ、こんな感じ、ぽいでしょ、でやってんじゃないかと思う。

そう考えると、ヴィヴァンからあまり変わっていない、とも言えるが、主要キャストの演技的にも、ヴィヴァンより引っ掛かる部分ははるかに少なく、大分マシではある。

なつみが犯罪に手を染めた理由が弱く、応援しづらい

幸後が実はなつみで、早瀬に会った時に喜びを噛み殺していたり、こっそり添い寝したり、など、実は嬉しい気持ちがあった、という描写自体は、可愛らしいし、少し感動的で悪くない。

幸後が、儀堂の奥さんとバチバチとメンチを切り合って女の闘いをしていたのも、ああいう人好きなんだ、キレイだもんね、と焼きもちっぽいことを言っていたのも、全部本当だった訳だ。

早瀬が、妻が犯罪に手を染めていたことに気付けず情けない、と幸後の前でボロボロ泣いていたあの時も、一体どんな気持ちだったんだ、などと走馬灯のように振り返させられる感じは悪くない。

しかし、今まで何回も言及してきたことだが、そもそも幸後一香としてこっちをあまり騙せていないので、衝撃もほぼなく、跳ね上がりも少ない。

幸後がなつみのはずがない、まさか、と思わせられていれば、この回で涙腺は崩壊したかもしれないが、ただ自分の利益のために動いている嫌な奴、という印象には振り切れておらず、ほぼずっと怪しかった。

上述した合六の件と似ているが、真相が判明するまでの人物描写が薄ければ、真相が何であれ何も効果的でない。

そして、そもそもなつみがなぜ犯罪組織に手を貸し続けていたのか、まともな理由がなさそうで、応援しづらい。

最初から脅されて、犯罪の手伝いをさせられ続けた、と思いたかったが、そうでもなさそうだ。

3年前にリブートさせられたのは、家族を人質に取られていたから仕方ないとして、それ以前はなぜ合六の組織で働き続けていたのか?

早瀬の店が傾きかけて、それを補うため?

会計士として共働きなら、あの程度のケーキ屋を支えるくらいは十分に出来るんじゃないのか?

なぜ闇の組織に入って莫大な資金を稼ぐ必要がある?

早瀬の母親は、冷蔵庫を入れ替える時や先代の借金も含めて、総額1500万くらいなつみに借りた、と言っていた。

緊急手術で今すぐに必要、とかではないなら、会計士で頑張って稼げば、何とかならなくもないんじゃないか?

それなのに、危険で、犯罪の可能性も高い高給な仕事にいきなり手を出す動機がよく分からない。

水商売とかもすっ飛ばして。

元々合六の下で働く犯罪者で、ケーキ屋で早瀬に心奪われてしまい、足を洗おうとしていた、とかならまだ分かるし、そっちの方が人間的で面白い。

そうではなく、早瀬を支えるために犯罪を犯し始めたなら、明らかに不自然でおかしな行動だ。

会計士として働こうとするが、何らかの理由で誰も雇ってくれず、合六だけが拾ってくれた、ならきっかけとしてまだ分からなくもないが、そんな理由もない。

なつみはまだ若く、一見健康そうで、会計士という重宝される資格も持ってるのに、年齢や病気など、会社から雇用を断られる理由など、何もなさそうだ。

働こうと思えば、普通の会社の会計士としていくらで働ける。

むしろ、ルックスも良いから、見栄を張りたい社長には重宝されそうで、早瀬の店を支えるくらいの金など、すぐに賄えるんじゃないか?

それを本人だって分かってるはずなのに、そこら辺をすっ飛ばしてなぜ犯罪に走ったのか全然分からない。

ちなみに、なつみからの1500万の補填に全く気付かない早瀬はアホにもほどがあるし、いくらなつみに言わないで欲しいと言われようが、それを早瀬に隠し続ける母親もイカれている。

そういった腑に落ちない前提が連鎖してるので、なつみもあまり好きになれない。

なつみは元々犯罪者で改心しようとしていた、もしくは、合六がなつみに一方的に目をつけ、出会い頭にいきなり家族を人質にして従わせ続けた、ということにして欲しかった。

夫のこじんまりした家族経営のケーキ屋を援助するために、日本の裏社会のトップの犯罪組織に自ら加入した、というのは、変な話だ。

たまたますごい闇組織だっただけだとしても、そこら辺をもっと詳しく描かないといけない。

合法な会社と間違えて応募してしまい、逃げられなくなったとかならまだ分かるが、犯罪と分かっていて応募したなら言語道断で、何も応援出来ない。

この回は、なつみがいかに誰にも言えない気持ちを抱え、辛かったかなどが描かれた感動回だと思うが、この回までのなつみの人物描写は、合六や幸後と同じく薄くしか描かれておらず、どんな人間かよく分からないので、感動しづらい。

なんて不憫な境遇なんだ、かわいそうに、とも思えず、どっかの遠い国の話の様に感じる。

早瀬の店が潰れそうになる度に、4人で相談して、必要とあらばなつみが会計士として働く時間を増やすとか、大手の業者にケーキを売り込みに行くとか、いくらでも合法に乗り切ることは出来たんじゃないのか?

カツカツでも、こんなことにはならず、4人で幸せな生活をずっと送ることが出来たはずだ。

なつみがそれを選ばなかった強い理由は提示されておらず、よく分からない。

夫を助けるため、という名目で、楽して金を稼ぎたいという気持ちがあったんじゃないか?

なつみを応援出来るような設定にいかに仕立て上げいくか、というのは、このドラマの肝の一つだと思うが、作る側はあまり重要だと思ってなさそうで、グズグズだ。

なつみの優しそうな映像を流すだけでは物足りず、その映像を見ただけで、語らずとも全てを物語っているほどの、ものすごく濃い演技をしている訳でもない。

どんでん返しとはただの発想で、効果的かは別の話

今話は、クライマックス前についに幸後の正体や組織の黒幕が判明する、謎に対するアンサーの様な回だったが、どんでん返しというのはしょせん発想でしかなく、ひっくり返すそれまでの方がいかに重要であるか、ということを再度確認させられた。

仮にどんなに良い発想の斬新などんでん返しがあったとしても、振りが効いていなければ、面白くは見えず、凡作になる。

振りというのは、深い人物設定と実際のリアルな演技で、ここに命をかけて作らない限り、一生どんでん返しは出来ないんじゃないかと思う。

どんでん返しもどきばかりが世に氾濫しているのは、その面倒くさいが重要な作業を怠っているからだろう。

そんな難しいことではないと思うが。

こういう連続ドラマは、話数が多く、終盤のどんでん返しまでにたっぷり時間があるので、その分ほころびもたくさん出てしまうんだと思う。

振り返ってみたら、一話ごとにどんでん返し要素があっても、その一話ごとですらどんでん返しになってない、もしくは弱い、ということばかりなので、長い時間を使ったどんでん返しなど、かなりハードルが高いんじゃないか?

役者も監督も、製作陣もみんなで1つのテーブルで頭を突き合わせて、ここおかしくないか、足りなくないか、どうしたら良いんだ、などと議論して、一個一個おかしい部分を潰しながら着実に先に進んでいく、様な作り方は全くしてないんだろうと思う。

やればすぐに、問題点はじゃんじゃん見つかるはずだ。

それぞれが、ちょっとおかしいな、と思っても、仕事もらってるから良いか、と口にしないで、与えられた仕事をこなす、という連鎖なのか?

何はともあれ、終盤の謎判明回でもこんな感じなんだから、今後もあまり期待は出来ない。

後はみんなで合六を倒すだけなのか?

少しはスカッとするラストにして欲しい。

「第9話-夫婦」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想

早瀬夫婦の奮闘も報われない話し

早瀬はなつみと再会を噛み締め、2人で合六を潰すために奔走するが、監察官も合六側であることが分かり、早瀬となつみは絶体絶命に陥る様子などが描かれた。

監察官の裏切りも効果的でなく、初登場した監察官の兄の政治家も含め、悪側に魅力的な人間は誰もおらず、早瀬となつみが薄い悪に追い詰められる、痛快さのない盛り下がる回だった。

なぜなのか考えていきたい。

スパイは監察官だった、という安易な流れ

早瀬となつみは、監察官と連絡を取り合い、なつみが逮捕されてでも合六を潰すことを計画するが、結局監察官は合六とつながっているスパイであることが判明し、早瀬もなつみも捕まり、絶体絶命に追い込まれてしまった。

監察官がスパイである、という真相は、普通でつまらず、萎えてしまった。

なぜなら、そのままというか、確固たる信頼もなく、味方の様で味方ではない、味方でない様で味方である、というフワフワしたラインをさまよっている薄い人物だったからだ。

クジラを見つけるんだ、という熱い想いが煮えたぎった熱血漢、というほどでもなく、この人なら信頼出来る、というラインを超えていない関係性だ。

ケンカし険悪になるが、一緒に難事件を解決し、戦友の様に絆が生まれた、と思っていたが裏切った、とかでもない。

そういうドラマもないのであれば、少ない登場シーンで、圧倒的な存在感を出し、信頼出来る様な重厚な雰囲気が溢れ出ていなければならないが、そうではなく、薄っぺらい。

例えば、正義も悪もどっちの顔も見せられる武田鉄矢とかであれば、面白かったんじゃないか?

この監察官の様に、マイナスからのスタートの印象の人物なら、どんどん主人公に寄り添い、善として活躍して行くほうが、人物描写の展開として、よほど痛快で面白い。

枯れたと思っていた木から新芽が出て、花が咲いていくかの様な。

何度も言うが、薄っぺらい人物が、実は悪でしたと言われても、ああ、そうですか、という感じで、驚きもなくつまらない。

これは、前話でも述べた、合六、幸後、なつみのそもそもの印象の与え方の失敗に似ている。

要するに、善悪どっちに転んでも面白くなるほど、演技や設定で濃い人物描写を作っておかねばならないが、誰もそこまでに至っていない。

みんな、ぽいだけでふんわりの人物描写だ。

監察官が合六側であることに備えて、監察官の裏切りに早瀬もなつみも全く驚かず、もう手は打ってある、などと笑って対峙する、とかだったら痛快さがあって面白かっただろう。

監察官の兄の悪徳政治家は、棒読みっぽく、怖い迫力などもなく、大分物足りない。

かしこまった雰囲気で、セリフを言っているに過ぎず、薄い。

監察官も兄も薄いし、合六も薄いから、全然悪に見応えがなくてつまらない。

分からないけど、みんな50歳近辺くらいなんじゃないのか?

今の50歳ってこんな薄いのか?

全員重厚な雰囲気にはほど遠い、ただのイケオジ。

全員もう一回り年を取れば、少しはマシになるのもかもしれないが。

しかし、年齢うんぬんよりも、全て監督の演出不足だろう。

何はともあれ、その薄い悪達に正義の早瀬が負けたんだからモヤモヤする。

早瀬も頑張っていたが、アクションもグズグズで、なぜか冬橋を人質に取っていたはずなのに、わちゃわちゃして冬橋に捕まってしまうし、痛快的な部分はほぼ何もなかった。

息子を拉致しようとした輩をやっつけるのも慣れてない感じでギリギリだったし、冬橋を脅した後は、首にナイフを突きつけたままにしとけば逃げられた。

ケーキ屋だから、戦うのは苦手なのはしょうがないが、もう少しアクション的に良いところがあっても良いんじゃないか?

せっかく格闘も学んだんだから、1回くらい、儀堂の部下の女性警官のように、相手を華麗に投げ飛ばす感じがあっても良い。

結局悪の方が上手であることを描くのは良いが、もう少し、行けるんじゃないか?いいぞ、と思わしてくれないとつまらない。

早瀬は冬橋に、こんなことしてもマチが喜ばない、とけしかけ、何とか殺されずには済んだが、ほぼ良いところなしで、弱い正義が薄い悪の手のひらで踊らされているストーリーだ。

もっと早瀬も、家族を守るんだ、と鬼気迫る雰囲気を出し、隙がない振る舞いを連発してもがき、行けるんじゃないか、とこっちを煽るに煽って欲しかった。

そういった、行けるのか、行けないのか、というハラハラ感はほぼなく、平坦に感じた。

ちなみに、海江田の復帰と共に組織の会合に顔を出し始めた幹部のキクチは、いつもリアルでない演技で萎える。

基本的にいつも置きに行ったコント演技であり、リアルな雰囲気からは大分距離がある。

なので、海江田とキクチがいることで、その空間が作り物の様に感じてしまう。

なぜ彼らにこういう演じ方をさせているのか、よく分からない。

あえてわざとらしくさせることで何かを狙った、とかでもなく、そのままわざとらしい。

誰に魅力があるのか分からないドラマ

最終話では、儀堂の部下の女性や冬橋が味方になってくれて、何とか合六をやっつけて終わるのか?

取って付けた様な謎が明かされ始めてから、特に興味が薄れてきている。

もう、多分感動出来る様な展開はないんじゃないかと思う。

魅力的な人物がいないので、もう飽きているし、期待感もない。

このドラマで、魅力的な人物の振る舞いは、死ぬ直前の儀堂ぐらいか?

多分それを超えるシーンはもう出てこないんじゃないか?

後は作り物か、物足りない。

儀堂の顔をした早瀬は、最初は、悪くないと思っていたが、今や物足りない。

概ねあざとくなく、自然で見やすい方だが、ヌケサクだし、自然な割には、演技を超えたリアルな感情はそこまで見られず、ガっと心は掴まれない。

早瀬を演じようという所でストップするのか知らないが、もっと等身大の濃い感情が感じられてしかるべきなのに、今話でも存在感があるようであまりない。

このドラマは、前回の日曜劇場の競馬のドラマに比べて大分見やすいので、そういう意味で良さを感じていたが、ここまで見て、薄っぺらいサスペンスドラマだな、という印象になってしまった。

登場人物には一見色んな個性的な人がいる割に、最初の印象から、成長したり、育っていく様な人物などほぼいない。

出落ちに近いというか、表面的にはキャラクターを一応作ったが、そこから人物描写が展開せず、話数だけ増えていく感じだ。

合六や組織関係者は、何度も言っている様にずっと薄いままだ。

警察関係者は、監察官は深みを見せると思いきやもう終わったし、部下の女性警官は味方になってくれるかもしれないが、特に信頼を築いた訳でもなく、他の警官関係者とは、これといった交流もない。

早瀬の息子は、可愛らしいがリアルな雰囲気でもなく、足が悪い早瀬の母親は、一番自然かもしれないが、普通で特別感はない。

母親は、早々に儀堂を早瀬だと見抜いて分かっているが、知らないふりをしている、という深い演技だったら、涙腺は刺激されたかもしれないが。

ちょっとしんどそうにしている感じもそこそこ見えるので、周りに気を使わせないように、弱さを見せずに太陽の様に笑顔を振りまいている、とかでも深かった。

でも、あざとくなく普通を演じられる、というのは一番重要なことなので、この母親がこのドラマの中で一番ムラがなく、統一感のあるキャラクターかもしれない。

本来、仮に脇役達が光らなくても、主要キャストが光っていればそれで良いが、何度も言っている様に、主役の早瀬と幸後のタッグがそもそもうまく機能していない。

早瀬の物足りなさと、幸後の薄い騙し方では、人物描写は深くなっていかない。

早瀬は、幸後がなつみだと判明してから話をする時、なぜ犯罪に手を染めた、俺が喜ぶとでも思ったのか、くらい詰めても良い。

元々犯罪者なら分かるが、そうでないなら腑に落ちない、一番重要な部分だからだ。

1500万の補填に気付かない早瀬も不自然すぎるので、お前に詰める資格があるのか、となるが、言わなくてはいけない。

早瀬がお金にあまりに無頓着過ぎるなら、会計士のなつみが、コンコンとお金管理の大事さを説くのが夫婦だろう?

それもせずに勝手に汚い金で損失を補填する、というのはイカれている。

なぜそうしたのか、なつみは言わなくてはいけない。

ケーキ作りに集中して欲しかった、ではぼんやりし過ぎて弱いし、仮にそのおかげで早瀬は集中出来ても、たくさんの人を涙させるとんでもないケーキを作っていた、とかでもなく、素朴なケーキを作り続けていただけだ。

泥仕合になってもいいから、お互いがお互いに感じる違和感を吐き出す様な描写があったら、面白かったかもしれない。

そうはならず、主要キャストの振る舞いすら足りないので、このドラマの登場人物は総じて誰に魅力があるのか分からない、となってしまう。

リブート前の早瀬のラフなお父さん感や、散り際の儀堂など、悪くない描写もあるが、断片的だ。

もうここまで来てしまったので、今さらしょうがない。

最後は手術して2人とも元に戻るのか?

なつみは幸後の妹のためにそのまま生きていくのか?

どうなるのかは分からないが、ただただ見守ろう。

「第10話-再起動」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想

早瀬夫婦がついに日常を取り戻す

冬橋を仲間にした早瀬は、合六に家族を人質に取られながらも、監察官の助けもあり、合六と政治家のマキタを捕まえることが出来た。

家族の命も紙一重で助けることができ、なつみは服役した後、再び家族に合流し、顔は変わってしまったが、父と母、息子と祖母の4人が久しぶりに揃い、物語は終わった。

感動的なハッピーエンドのはずだが、涙腺もあまり刺激されず、スカッともせず物足りなかった。
なぜなのか考えていきたい。

もったいない監察官の存在感

前話で敵だと思わされた監察官が、実はずっと早瀬の味方のままで、合六との取引の時に発煙弾を使って、合六と政治家のマキタを逮捕したシーンは、ちょっと格好良かった。

てっきり敵だと思い込んでいた分、少し跳ね上がった。

思い込んでいたし、そう思うように持っていかれて、まんまと騙された。

騙された、という意味では初めてで、この流れは頑張って騙した方かもしれない。

まさかスパイが二人いるとは思わない。

しかし、この騙し方はどうなんだろうと思う。

前話の時点でもう絶望感しかなく、監察官は完全に冷酷な悪にしか見えなかった。

合六の前で見せた監察官の悪の顔は、彼が今まで見せてきた顔の中で一番リアルで、上記の状況証拠も合わせて、悪だと確定せざるを得ない。

リアルと言っても薄いリアルで、魅力のないリアルさだ。

そのシーンの前に、もっと濃い、人間臭さのある正義感が見えていれば、裏切られても、嘘だろ、監察官がなぜ?とざわつき、今話のどんでん返しで、やっぱり監察官は味方だったんだ、とかなり跳ね上がったはずだ。

そうではなく、味方だったの?というキョトンも交じるので、ちょっとしか跳ね上がらない。

前話で述べた通り、そもそも監察官は薄いので、正義の方がまだ好感が持てるし、悪であればそのまま薄い悪になるだけだ。

監察官が悪であるはずがない、と食い下がるほどの材料は何もない。

それは、状況証拠やセリフがどうの、というより、この人はきっと良い人だ、と思わせる、仕草や振る舞いも含めた身体全体からにじみ出る雰囲気の方が重要だ。

要するに、感情豊かかどうかで、どんな人間かはっきり分かる、ということだ。

なので、もし一度悪に見せたかったのなら、この人は信用出来ると思わすほどのプラスの濃い印象を、前半で散々つけてから裏切るべきだった。

そうはなっておらず、悪の方が真実味を帯びてしまい、付け入る隙がなく、取り返しがつかない。

実はドッキリです、全部ウソでした、と明かされた所で、気持ちは晴れず、そっちの方が本当の顔なんでしょ、と思うだけだ。

騙せたのは良いが、騙せば何でも良い訳ではない、ということが今回改めてよく分かった。

その俳優によって、見せられる顔、得意な顔が全く違う、と思う。

悪しか出来ない、善しか出来ない、両方出来る、両方物足りない、など、その俳優が出来る顔を適所に使ってドラマを作らないと、嘘になるんだと思う。

両方深く出来るのが俳優であるべきだが、そんな濃い俳優は日本にはあまりいないか、いてもなぜかあまり使われていない。

監察官の俳優がどんな顔を出来るのかはよく知らないが、このドラマにおいては、悪の顔しかちゃんと見せられていない。

その顔は全体を通すとかなり少ないし、薄い悪だが、それでもこっちが真実だと思わせるリアルさがある。

もし監察官が濃い善の顔を見せることが出来ないなら、悪の顔を見せること自体をゼロにするか、そもそも違う俳優にするしかない。

善も悪もどっちも演じる事の出来る俳優に。

そうでなければ、やりたいどんでん返しは成立しない。

どんでん返し前の印象がどれほど重要か分かっておらず、足りないならちょっとしつこいほど振る、ということも必要だろう。

今回に限ったことでなく、このドラマの全編に渡って言えることだ。

このドラマというか、日本のドラマはこんなのばっかりだ。

監察官は早瀬の味方で、政治家の兄に、あなたがずっと嫌いだった、と言い放ち、逮捕に成功するが、結局兄と不倫関係にあった妻からは離婚を突きつけられる、という何とも不憫な結末になってしまった。

正しいことをしているはずなのに、家庭が壊れ、孤独になる、というのは哀愁しかなく、このドラマにおけるキーパーソンで、登場人物の中で一番魅力的な設定のキャラクターかもしれない。

早瀬は家族を誰も失うことなく、むしろなつみも戻ってきて、プラスで物語が終わるが、監察官は家族を二人も失った。

酷い妻と兄なので、悲しむ必要もないんだろうが、哀愁を感じさせる味のある人物設定だ。

なので、この監察官にもっと深い豊かな感情表現があれば、大分魅力的なキャラクターになっただろうと思う。

それこそ、主役を食ってしまうくらいの。

残念ながらそこまでは全然行っていない。

兄に、あなたのことがずっと嫌いだった、と言い放つシーンも、憎々しい感情爆発とかでもなく、物足りない

物足りない悪達

早瀬ファミリーを崩壊させ、他にも数々被害者を出してきた悪の権化の合六をどうやって倒すのか、と思っていたが、普通に逮捕され、自白する代わりに家族の安全を約束する、という結末は何ともゆるく、全然スカッとしない。

合六は逮捕されたが、合六に恨みを持っているかつての部下や関係者に刑務所内で殺される、くらいの報いがなければ、全然足りない。

監察官も、そうなることを知っていたけど、あえて知らないふりをしている、という様な。

それはそれで、日本の刑務所では起こり得なさそうな感じなので、リアルでなくなっては元も子もないが、そのくらいの報いが欲しい。

監察官の兄も、格好つけたような、すました感じで去っていったので、もっと感情が高ぶって弟を怒鳴りつけるくらいあがいて欲しかった。

今ならまだ許してやる、計画を変更しろ、と醜く怒って弟に迫るくらいの悪あがきが見たかった。

合六も監察官の兄の政治家も、悪としての立ち振る舞いがかなり物足りない。

大げさにあざとく悪あがきする必要はないが、あまり声も上げずに、ちょっと痛そうな感じだけで死んでいく様な、全然切り応えのない切られ役の様だ。

見ていて痛快さ、爽快さはなく、あいつら捕まったな、というだけだ。

以前から言っていた様に合六は薄いので、もう今さら急に深くなる訳はなく、しょうがない。

海江田は、なつみに頼まれて幸後の妹のケアをしていたが、嘘くさい人間なので、良い人とも思わない。

出所したなつみを迎えに来たリブートした冬橋は、顔は変わっているが、冬橋っぽくて悪くない。

むしろ冬橋より感情豊かで、味があった。

実はおかしな早瀬家

早瀬は何とか窮地を乗り越え、合六を倒し、なつみも服役から帰ってきて家族団らんを迎えることが出来たが、そこまで応援出来ず、あまり感動も出来なかった。

以前から言ってきたことだが、儀堂の顔をした早瀬は概ね自然で見やすいが、優しい儀堂であり、早瀬の様には見えない。

この人は中身が早瀬なんだ、と思って頑張って見ているが、素のようには見えず、あえてちょっとなよっとしたしゃべり方や振る舞いを演じている感じもあり、リアルな強い感情もあまり感じられない。

リブート前の早瀬、本物の儀堂と比べると、一番リアルではなく、強い魅力がない。

どんな人間か分からない、と言っても良いかもしれない。

なので、やっとハッピーエンドになって家に帰れた所で、あまり込み上がってくるものがない。

時々出てくる、粘り腰が早瀬の取り柄だ、というセリフも、分かるようでよく分からない。

家訓なのか、なんなのか、その粘り腰という言葉がどう早瀬に関係しているのか不明だ。

早瀬が力士で、粘り腰が有名、とかなら分かるが、パティシエにとっての粘り腰って何だ?

粘り腰とか言っているクセに、店が潰れかけているのにも気づかず、妻が犯罪を犯して1500万立て替えていた、それを母親も早瀬に黙って容認していたって、一体何が粘り腰だ?

店が先代の借金も含めて潰れかけてもギリギリ合法的にやりくりして生き延びたなら、それは紛れもない粘り腰だが、そうではない。

いくら金がないからといっても黙って犯罪に走るなつみも、なつみに1500万も払わせてしれっとしてる母親も、そこまで店が傾いているのに全く気付かない早瀬も、みんなクズと言っていいんじゃないか?

早瀬が、なぜ俺に黙ってた、なつみも母さんも、と3人で激しいケンカになったシーンを描いて処理する訳でもなく、放ったらかしなのが気持ちが悪い。

というか、1500万の補填に気付かない早瀬も不自然すぎて、そもそもそんな奴はいない。

アホすぎるし、リブート前の早瀬はちょっと頼りないけど、そんなおかしな奴の雰囲気はなかった。

だから、そもそもの主要人物の設定が破綻している。

そこら辺のおかしさを、終盤に向けて消火する訳でもなく終わっていった。

そんなリアルでない家族がメインのサスペンスなんて、一体誰がどう感動出来るというんだ?

ハッピーエンドになった所で、何が嬉しい?

早瀬家はあくまで一般家庭的な人達で、一歩間違えればみんなこうなる、と親身に思わせてくれたら面白かったかもしれないが、全然そうではない。

一見普通に見える分たちが悪い。

むしろ、早瀬は亭主関白で怖く、ギャンブル好きで、いつも金に困っている、くらいの方がリアルだった。

それならなつみが犯罪に走ったのも分からなくもないし、そもそもクズであれば分かりやすく、それが悪を倒していったら痛快さもある。

普通の一般人が活躍する、というヒーロー像を作りたかったのかもしれないが、そもそもの設定作りに失敗している。

自分も、ただの一般人が悪を成敗していく痛快サスペンスアクションを見たかった。

2人はなぜ顔をもとに戻さなかったのか?

早瀬となつみは、事件が解決してからも顔を直さず、儀堂と幸後のままだったのはなぜなのか分からなかった。
どれだけ手術の精度が高いんだ?という批判を避けるためか?

そもそもリブートという、声までそっくりな精巧な誰かになる、という手術自体がSFなので、そこはもう元の顔に戻してしまって良かったんじゃないかと思う。

フェイスオフの様に。

リブート前の早瀬となつみの俳優ではなく、このドラマを引っ張ってきた俳優2人に締めてほしい、という気づかいか?

そっちの方がむしろ長く演じてきた分演技に味が出るだろう、という判断か?

物理的に手術が出来ないのか、出来るけど、死んだ儀堂、幸後の分も背負って生きていくんだ、という意思表示としてそのままにしているのか?

顔を変えたら、2人も完全に死んだことになるから、ということか?

顔に愛着が湧いているし、意外に他人の顔も居心地が良いのか?

よく分からない。

幸後の妹には、もう幸後の中身は本当のお姉ちゃんじゃない、とバレていたんだから、なつみは幸後のフリをし続ける必要もない。

儀堂と幸後はちゃんと弔ってやれば良い訳で、自分を犠牲にしてまで背負う必要はないと思う。

そして、儀堂の奥さんにとっても、幸後の妹にとっても、全く同じ顔と声のの別人がこの世に存在している、というのは、精神衛生上良くないんじゃないか?

見る度に思い出して、やり切れなくなるだろう。

そこら辺を早瀬夫婦がどう考えているのかよく分からず、モヤモヤする。

幸後の妹はどうなったのか、描かれていなかったが、その後は早瀬家が面倒を見てあげれば良いと思う。

犯罪で作った汚い金で命を救われたので、その後は、慈善事業に人生を捧げる、とかにしたらダメなのか?

早瀬に足りないリアルさ

小さいケーキ屋を営むパティシエの早瀬は、日本を裏で牛耳る悪の組織を壊滅させ、何とか家族と過ごす日常を取り戻すことが出来た。

しかし、全体としてストーリーも人物設定も演技もリアルさが足りず、特に魅力的な人間もおらず、今ひとつだった。

一番魅力的だったのは、死に際の儀堂の振る舞いくらいで、その他は特に目を見張る描写はない。

主役の儀堂の顔をした早瀬は、所々あざとい部分があるものの、基本的には見やすい。

本当は、あざとさゼロで行って欲しい所だが。

そして、悪と善の演じ分けは出来ていても、まだ物足りない。

早瀬の役者の本質は、きっと早瀬のような、ちょっと気弱でヌケサクな人間ではないんだろうと思う。

どっちかというと儀堂寄りで、実際儀堂の方がリアルに見える。

役者本人が本当はしっかりした勇敢な人物ならば、気弱でヌケサクな人物を演じるのは、基本的にはかなり難しいんじゃないかと思う。

実際には頭が回転してしまっているのに、回転してない振りをするのは、嘘になるだろう。

そもそも頭を回転させず、いつもの自分と一線を画し、常にぼーっとしている様な状態を保つとか、体の状態を丸ごと変えるくらいしないと難しんじゃないか?

そこは役者の腕の見せ所で、どうやるのかはその役者次第だろうが、儀堂の顔の早瀬はそこまでは行っていない。

気弱な人間の物真似ではなく、気弱な人間そのものを見たい。

これは、出来る俳優とそうでない俳優がいて、そこを確認してからキャスティングするべきなんじゃないか?

もしこの俳優が、ケヴィン・スペイシーのユージュアルサスペクツの様に、気弱も悪の帝王もどっちも本当の顔として演じられれば、それだけでこのドラマはそこそこ見応えがあるものになっただろうとは思う。

リアルでないセリフや演出、人物設定やストーリー展開が邪魔だが、それでもまだマシになっただろう。

演技だけでも見る価値がある、となる。

その存在感に引っ張られて化学反応が起きて、全体のクオリティも自然と底上げされたかもしれない。

そういう演じ方も含め、良い方向に持っていけてないのは、全ての責任者である監督の力不足ということだろう。

もし難しくなく出来ることがあったとしたら、早瀬っぽさは頭から捨て、この役者の素でいれば良いだけだったかもしれない。

儀堂の様な悪ではない、というだけで十分で、早瀬っぽくしようとする必要はない。

無理に気弱で抜けている感じにしなくて良い。

それはそれで早瀬でない、となるかもしれないが、早瀬の物真似よりはマシだ。

表面的には面白そうな雰囲気があったが、中身はあまりない

何はともあれ、演技も含めて、全体としては大分物足りなかった。

そもそも銃を使った攻防自体が日本に合わない、というのは置いておいても、ずっとフェイク感が拭えない。

どんでん返しがある騙し合いの欧米の何かのアクションドラマを頑張って表面上真似してみました、的な。

1個1個嘘くささや足りなさを完全に潰してから次のシーンの撮影に行けば良いだけなんじゃないかと思うが、大分ザルのまま話が進んでいく。

ドラマの体をなすのに精一杯なのか、色んな意味でリアルにする気がないんじゃないかと思う。

そもそも何が浅いか深いかもよく分からず、分かった所で変える箇所が多すぎて、劇的に変えるためのしんどい作業が待っている。

制作の裏方のみならず、俳優たちも特に声も上げずに、与えられた仕事をそのままこなす。

別にそれでも十分過ぎるほど食っていける。

一度キャスティングさえされてしまえば。

意見が食い違って途中降板した、なんて熱い話は最近一切聞いたことがない。

何でもパワハラとされる時代に、作っては間違いを指摘して壊し、また作り直す、という作業にも限度がある。

俳優はもちろん、監督、脚本家、演出家、大道具、カメラマン、音楽家などの全ての裏方も含め、リアルを表現出来る、同じベクトルを持った精鋭を、わざわざオーディションで一から集める、くらいしないと難しいかもしれない。

そのくらい、デフォルトのレベルが低く、素人感が至るところに散りばめられている。

黒澤明など、先人が追求してきたイズムなど何も継承されては…。

別に先人の名監督達も奇人変人と見なされてきた少数派の人達ばかりだから、継承なんてそもそもされてないか。

この作品が日本の全ドラマや映画の代表でもない。

しかし、見終わってみれば、いつもの日曜劇場で、自分が観ている作品のレベルは、ここ数年あまり変わっていない。

まあ、こんなもんだろう。

良いシーンがいくつかあっても、全体として面白い印象に転がらなければあまりにももったいないが、これでも頑張った方なのかも。

半沢直樹は面白かったが、今となってはどうやって面白くしたのか、もう誰にも分からないんじゃないか?

同じスタッフも関わっている訳だろう?

監督と堺雅人のタッグが良かったから?

じゃあなぜヴィヴァンはあんなことになってしまった?

半沢はワンシーズンのみならず、続編すら面白かった訳で、そう考えるとたまたま面白くなったとは思えないし、思いたくなかったが、もう、たまたまと言わざるを得ない。

たまたまというか、超がつくほどの奇跡だ。

このリブートの様なクオリティが、通常運転と言える。

半沢の様に面白くすれば良いだけだが、そのやり方がもう何も分からないんだろう。

わざと面白くしない理由などない。

自分は半沢直樹が生んだ亡霊の様なものであり、ヴィヴァンやリブートでは全然物足りない。

早く成仏させて欲しいものだが、来たるヴィヴァンの続編も怪しい。

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