ドラマ「キャスター(2025)」が”つまらない”理由と考察、その感想

⑤つまらない☆1
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  1. キャスター
  2. ドラマ「キャスター」のあらすじ
    1. 「第1話-毒を毒で制す男」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想
      1. 足で情報を稼ぐ破天荒キャスターのニュース番組ドラマ
      2. 滑舌が悪いだけでなく、中身のない進藤
      3. 本当はハードボイルドな人じゃない
      4. 悪人風で悪人だった進藤
      5. 毒を制してないラスト、スクープを取り下げる弱い理由
      6. ナチュラルな崎久保、あざとさの混在する登場人物達
    2. 「第2話-オンライン賭博とスポーツの闇」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想
      1. スポーツ賭博を報じるニュースゲート
      2. 主役の進藤がどんな人間か分からない
      3. 魅力のないアナウンサー像
      4. 薄い名和と今井の友情ドラマ
      5. 全体的に作り物感が多い
      6. あざとい裏方のドタバタ劇
    3. 「第3話-美しき科学者の罠〜新細胞は存在します!」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想
      1. スタップ細胞事件のオマージュ
      2. キャラクターが変わった進藤、オラオラは捨てるべき
      3. 一番悪い教授が成敗されず、なぜか嫌われてる栗林
    4. 「第4話-盗撮&闇サイト殺人」が”物足りない☆2″理由と考察、その感想
      1. 謎解きも人間ドラマも今一つ
      2. 引きつけられない冒頭、突飛な闇バイトの刺殺事件
      3. 薄い父と娘の物語
      4. 分かりづらい警備員の携帯2個持ち
      5. 進藤の存在感は薄い
    5. 「第5話-テレビ局の内通者は誰?」が”物足りない☆2″理由と考察、その感想
      1. 最後だけ良かった5話
      2. 噛み噛みでセリフを置く進藤
      3. 終盤で急に存在感の出てきた進藤
      4. 魅力が足りない主要キャスト達
      5. ずっとあざとい参事官
    6. 「第6話-スクープと死」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想
      1. 臓器移植がテーマだが、よく分からなかった
      2. 変な母親の訴え方
      3. 分かりづらい父娘の状況、臓器移植の問題点
      4. リアルでない崎久保の姉の話
      5. 進藤と崎久保のつまらないケンカ
      6. 崎久保の追及がゆるい
      7. 盛り上がらなかった騙し合い、母子と崎久保VS進藤
    7. 「第7話-命か?違法手術か?」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想
      1. 雪乃ちゃんの手術を邪魔しようとする進藤と崎久保の攻防
      2. 問題提議には足りない臓器提供問題の描き方、ハッキリしない雪乃ちゃんの病状
      3. 崎久保と進藤の物足りない生放送対決
      4. 後付けで雪乃ちゃんの元母が登場、大きな闇にはまだ切り込んでいない進藤
      5. 崎久保と崎久保の父との関係性が不明
      6. その他分かりづらい部分、あざとい刑事佐川
      7. 全体として薄味だった
    8. 「第8話-山火事に隠された秘密」が”物足りない☆2″理由と考察、その感想
      1. サスペンス的展開は良く、隠された謎も気になる
      2. 進藤の格好良い部分とそうでない部分
      3. ちょっと偉そうだが、頼りにならない進藤
      4. 山井には泣かないで欲しかった
      5. 所長になぜか謎をバラす進藤
      6. 謎は気になるが、ちゃんとつながるか微妙
    9. 第9話-「キャスター降板なんてクソくらえ!」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想
      1. ドラマチックだが、スカッとはしない9話
      2. 山井への嘘、実はバッシングをうけていた進藤の父
      3. なぜ資源をトンネルに隠していたのか不明、跳ね上がらない癒着の真相
      4. 教えてくれないセンターの経緯
      5. 山井に圧倒される進藤
      6. いきなりいなくなった不憫な今井、悲しみに暮れるニュースゲートチーム
      7. 迫力のある進藤の恫喝
      8. なぜ進藤の父はガス漏れに気が付かなかったのか?
      9. ついに次回が最終回
    10. 第10話(最終話)-「国民に知られてはいけない秘密」が”物足りない☆2″理由と考察、その感想
      1. ほぼ国定が主人公の10話
      2. 国定を引っ張りだしたのは偉いが、進藤の存在感が薄い
      3. 記者会見で格好良い国定、薄い進藤、お涙頂戴のニュースゲートチーム
      4. 国定に圧倒される進藤
      5. 進藤の父が記事の取り下げにすぐ応じた理由が不明
      6. 事故の第一報をなぜ描かない?
      7. トンネルに隠した理由が拍子抜け
      8. 進藤が閉じ込められるシーンは必要か?
      9. プルトニウムが落ちたのは分かったが、「処理する」が何を意味するのかよく分からない
      10. まるで良い話かのようなラスト
    11. ドラマ「キャスター」を見終えて
      1. 主役に等身大で魅力的な存在感が欲しい
      2. よく分からなく、爽快感もないミステリー部分
      3. 社会情勢は入っているが触れているだけ
      4. チーム感も特にないニュースゲート、慕われていない進藤
      5. ニュース番組のリアルな裏側ではない

キャスター

テレビ局-TBS プロデュース– 伊與田英徳、関川友理、佐久間晃嗣

脚本-槌谷健、及川真実、李正美、谷碧仁、守口悠介、北浦勝大

演出– 加藤亜季子、金井紘  音楽-木村秀彬

出演– 阿部寛、永野芽郁、高橋英樹、宮澤エマ、岡部たかし、音尾琢真、道枝駿佑、キム・ムジュン、北大路欣也、他

ドラマ「キャスター」のあらすじ

破天荒で型破りなキャスター、進藤壮一は、報道に力を入れる民放テレビ局、JBNの看板報道番組「ニュースゲート」の新キャスターに就任する。

初日から、カンペは読まない、原稿を急に差し替える、ギリギリにスタジオ入りするなど、独自のルールで番組スタッフを翻弄する進藤。

そんな中、急遽官房長官の出演がキャンセルされるが、進藤は、スクープ記事の差し止めを条件に出演を承諾させる。

ところが、進藤の目の前で倒れた官房長官は、救急で病院に運ばれることになり、向かった病院は、なぜか主治医のいる病院とは違う大学病院だった。

官房長官が倒れ、病院に運ばれる様子をいち早くスクープした進藤だったが、それに飽き足らず、病院を変更した背景を探っていくと、その裏に大きな闇が隠されていることを見つけてしまうのだった。

「第1話-毒を毒で制す男」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想

足で情報を稼ぐ破天荒キャスターのニュース番組ドラマ

破天荒なキャスターが主人公のニュース番組作成ドラマ。

普通のメディアが報道しないスクープを、忖度無しに報道していくニュース番組らしい。

進藤キャスターは、スクープのためなら、違法ギリギリの大胆なやり方もいとわず、足を使って情報を集めている感じが好感を持てる。

本当は、テレビ番組のキャスターってこうあるべきだろう。

自分で取材せずに、人から得た情報を言うだけなのは、ただのアナウンサーとも言える。

その人に他の人には言えない独特の切り口や解釈がない限り。

一見普通の官房長官の入院のニュースかと思いきや、それが子供と官房長官の命が天秤にかけられていた事にまで繋がっていくのは面白い。

しかし、今ひとつ主人公に魅力を見つけられず、面白くは感じなかった。

なぜなのか考えていきたい。

滑舌が悪いだけでなく、中身のない進藤

主人公の進藤は、外見は格好良いけど、あまり深みがない。

キャスターのクセに滑舌が悪く、所々何を言っているのか聞き取れず、イラッとさせられるのは、もう論外かもしれない。

それが、逆にリアルで、滑舌が悪いけど味があって、という訳では全く無く、ただゴニョゴニョ言っているだけで耳障りである、という感じが多い。

何を言っているのか分からない、分かったところで迫力もないまくし立ては、相手をほとんど聞く気にさせず、こいつ弱い、おバカさんなんだ、と相手に思わせてしまうので、やってはいけない。

ビヴァンの時にも言ったが、こんなに滑舌が悪いのに直そうとしないのは、これも含め自分の味だと思っているからだろう。

味でも何でもない、ただの凡ミスをずっとやっているだけだ。

自分のことを勝新太郎だとでも思ってるのか?

普通は、こんな自分の映像を見たら一発で気づくはずだ。

というか、見なくても感覚があるはずなのに、ないならそれは俳優としてどうなんだ?

これで伝わるだろう、こんなもんで良いだろう、という感じの精神が、しゃべるということを舐めている感じがして腹が立つ。

監督が何も注意しないのは、ゴマすりながら撮影してるからか?

はい、もう一回、と言えるまで撮り続ければ良いだけだ。

むしろその方が、この役者も怒りが出てきて、見応えのある役になるんじゃないのか?

俳優にダメな意味で楽をさせているだけで、それが功を奏しているわけでもない。

誰も注意しないから、裸の王様にさせられたこの俳優は可哀想だ。

滑舌の悪さだけでなく、この俳優はセリフが変わっているだけで、基本全部同じ演じ方しか出来ない。

本当はそんなことないはずなのに、最近は、このリアルでなく強くもない、声を低くし、置きにいったセリフ回しばかりで、どんな人間か見えない人格をずっと演じている。

低い声と外見は確かに格好良い、しかし、いつも見かけ倒しだ。

なぜなら、そのセリフ回しや言い方に、本当に社会や他者に対する怒り、正義感というものが、大して込められてないからだ。

本当に怒っていたら、もっと伝わってくる。

明らかに感情が動いていないまま、この人はセリフを言い過ぎている。

それでも良しとされてしまっているので、本人も変える動機がない。

例えば、崎久保が、見ている人に笑顔になってもらいたいからJBLに入ったんです、というと進藤は高笑いして、じゃあ今すぐバラエティに戻ることをお勧めします、と言ったのが、効果的でない嫌味で物足りない。

わざわざ笑ったのに、時間を使って何を言うかと思えば中身がなく、敬語も効果的でなく、なぜバラエティに戻るのか理由を言わないし、強い感情でもないから薄い。

そのバラエティの基礎となる情報集めは報道がやってる、つまりバラエティは報道の枝葉でしかない、良いとこどりして楽しいか?とか、もっと踏み込んだことを言うべきだ。

崎久保が担当した病気の子供の母親にインタビューに行った帰り、裏取りをする、と言った進藤に崎久保が、どうしてそこまでするんですか?と怒るが、進藤がゆっくり振り返って、なんでそんなに怒ってるんだ、というのも薄い。

わざわざ溜めたのに、言うことは普通で拍子抜けだ。

これも、セリフは普通だが独特な感情で見てしまう、訳でもない。

ただ言っているだけだ。

セリフも、悪者を身動き出来なくさせるために決まってるだろ、バラエティ感覚捨てろ、とか、もう一つ進んだ内容を言うべきだ。

そしてそのセリフを言う時に、本当に思っている感がなければ、それもまた薄くなる。

進藤は、中身のないセリフを、強い独特な感情で言う訳ではなく、さらっとなぞるだけなので、より薄くなる。

そのセリフが薄いならより強く、濃いなら少し弱めに、あえて濃いものに強さをたして油っこくするとか、そんな判断も何もせず、全部同じ言い方をする。

そりゃ薄くなる。

そのセリフの一つ一つの質自体を判断出来ない、というのは役者にとって致命的だ。

彼なりにやっているつもりだろうが、トンチンカンだ。

序盤で進藤が崎久保と電話で話している時、雨が降ってる、降ってない、という意見があったらどうする?と崎久保に聞き、何の話ですか?と返した崎久保に、いいから答えろよ、とキレた言い方をしていたが、キレるのが早すぎてクズに見える。

感情を使うってこういうことじゃないぞ。

どういうことですか?何の話ですか?その話関係あります?とか中々崎久保が答えないなら言っても良いが、いきなりクイズを出されて、ちょっと聞き返しただけでキレるのは、イカれている。

そこは丁寧に、報道マンとしてのテストだ、大事なことだ、答えてくれ、とか余裕たっぷりに促すべきだ。

答えも、外に出て自分の目で確かめないのか?ってふんわり言って終わりって、やっぱり聞く必要なかった。

というか、いいから答えろよって圧迫したくせに、崎久保の答えを全く利用せずに答えを言うだけって、全然会話になっていない。

自分が名言を言いたいだけか?

崎久保がイチゴって答えたって同じこと言いそうだ。

それはまずいな、どっちも報道したら視聴者はパニックになるだろう、一番やっちゃいけないことだ、と言い、じゃあどうするんですか?と崎久保に言わせて、まず自分の目で確かめに行くんだよ、と言って電話を切り、崎久保が電話越しに、もうっなんなの?みたいになっていれば面白かった。

しかし、一方的に名言を言っただけだし、わざわざ崎久保に言わせた意味もない。

会話をはしょリたかったのかもしれないが、はしょるというより意味が変わってしまっている。

アメリカのドラマみたいな会話にしたいんだろう?

彼らは感情が十分あるが、彼はそうではないので、真似になっていない。

この人は、根本的に会話が苦手で、不器用なんだろうと思う。

本人は、自分のことを会話巧者だと思っていそうな怖さがあるが。

こういう会話の問題点に、そもそも彼は気付いてなさそうな感じだ。

進藤は、こういう一見深い風で浅い、というのがデフォルトでちらつくので、長く演技をすればするほど、その印象は薄まっていく。

ラストシーンの一番重要な、崎久保と2人で真相についてしゃべる部分も、回想シーンも含めしゃべりが薄い。

良い声なだけで迫力もなく、ただセリフを言っているだけだ。

一番の見せ場でこれなんだから、セールスポイントがよく分からない。

本当はハードボイルドな人じゃない

肝心のまくし立てるセリフは、滑舌が悪くて何を言っているのか分からず、分からないけど、何かを強く感じるわけでもない。

強い感情でもなく、何を言っているのかもわからない、というダメな二枚看板で、いつも萎えてしまう。

なぜこういったことが起きるのか、というと、本人はこんな人じゃないからだろう。

本当は、仲間由紀恵主演の、トリックの上田のような、天然でぬぼっとした感じの人なんだろう?

ニコニコしてチャキチャキ元気に愛想を振りまく人でも、逆にいつも何かに怒っている人でもなく、特に世間の理不尽さや社会問題に対しても鈍感で、興味もさほどない、という様な感じの人なんじゃないか?

それがダメという訳ではなく、演技している時より、言葉を発さずに微笑んで静かにしている、素の時のほうがよほど魅力的だ。

心優しきウドの大木、というような。

それなのに、社会派のハードボイルド的な役ばかり演じるのは無理があり、自分にない人間すらも演じるのが役者だと言うなら、それに失敗している、と言える。

失敗しているのになぜ続けているのかというと、世間的には失敗ではない、バレてないからだろう。

本人も、視聴率が酷くて、直接怒られるようなことなどがなければ、自分は大丈夫だ、と誤魔化しがきく。

そうやっているうちにどんどん年を取り、もう誰も助言などしてくれない。

彼の周りが冷たいとも言える。

しゃべるのが苦手なら、もっとセリフを減らし、まくし立てるのもなしにして、ポツリポツリとしゃべるような、朴訥な感じの方がよほど合っているんじゃないかと思う。

もしくは、もう格好つけるのなど捨てて、トリックの上田のような、ちょっと抜けている人格を素直に演じる方が楽だし、魅力的なんじゃないか?

本人は、こんなハードボイルドな人ではないのに、なまじ外見がハードボイルドチック、劇画チックだから、ある時期からそういう役を求められてしまい、やってみたら世間の反応も良かったから、無理して自分を合わない型に押し込んだんじゃないか?

それは、いいね、と言ってくれる事務所や制作関係者をはじめ、自分がやることで仕事にありつける全ての人達の存在を背負って。

もしそうだとしたら、そんな物全てぶち壊して本当の自分をさらけ出せば良い。

本人がやりたくてやってたらもう知らないが。

とにもかくにも、この役者は、その演技からリアルな感情は感じず、滑舌も悪く、遠目からの外見が格好良くて低い声がたまに良いだけの、プロ風のアマチュアに見える。

自分のパブリックな役者像をなぞるのに精一杯で、本当にその役になりきる、という所までいつも行き着かないんじゃないか?

ビヴァンの時よりも滑舌も酷く、近くで見ると目に力もなく、おじいちゃんの様にも見える。

なぜこの人が日本の俳優のトップに位置しているのか、主役をやれるのか、不思議に感じるが、何も思わない人の方が多いんだろう。

それはこの人に限ったことじゃないが。

他にこのハードボイルドジャンルを演じられる人がいないからって、出来ない人に押し付けてもしょうがない。

もういい加減解放してあげたらどうだ?

でも見ている人は、ハードボイルド風なだけで満足なんだろう。

見ている方も見ている方だ。

悪人風で悪人だった進藤

進藤はダークヒーロー的な雰囲気で、さも悪を暴き、既存のぬるま湯メディアを壊す、という姿勢だったが、本当に悪寄りでどうするんだと、思った。

進藤は、上述した通り、内面も振る舞いも薄い。

普通に考えて、出した結果だけは信用出来ても、常に信用出来る人間ではない。

アシスタントの声を盗聴して生放送で流し、悪者にしてすまんかった、と裏で可愛く謝るわけでもない、気を抜いてはいけない人だ。

悪に対して追及の手を緩めないが、身内も平気で陥れる、そんな人が官房長官から賄賂をもらって、スクープ内容を変えた、というのは、なんの落差もない。

進藤の足りない演じ方も含めて、第一話では、悪そうに見えて実は良い人にしなければいけなかった。

ラスト前までで、実はすごく良い人だったんだ、魅力的な人なんだ、と思わせられていないので、その手前ではしごを外されても、何も壊せてないし、なんだよ、としかならない。

脚本では最後に進藤が裏切るまでに、ものすごい盛り上がっているはずだったんだろう。

でも進藤の聞き取りづらいだけの滑舌の悪さと、強く見せかけただけの弱い感情表現による演技で、進藤を信頼するどころか、不信感はラストまで続いていた。

そんな状況で裏切られても、やられた、騙された、となる訳がない。

だからせめて最後くらいは、進藤に華を持たせて、まだ良い人で押し切るべきだった。

そうでなければ救いがない。

脚本に演技が絡むと印象がガラッと変わり、脚本で予定していたことも出来なくなり、逆に出来ないと思われていたことが出来るようになることもあるだろう。

役者の演じ方で180度変わってしまうのは当たり前で、それも込みの脚本でなければ何の意味もないと思う。

脚本という話の流れと、役者による印象操作の二つが二本柱で互いに奏功し、化学反応が起こり、脚本以上のものが出来るんだと思う。

日本は脚本を書くのは好きな人が多いようだが、肝心の登場人物の印象の管理については、いつも放ったらかしである。

それでは仮に脚本が秀逸でも、背伸びしているように、机上の空論の様に、頭でっかちの様に見えるのは当たり前だ。

役者に演じることが出来ない脚本なら、セリフや役者を変えるか、そもそもそのシーンをなしにするか、などしなければならないのに、そこは猪突猛進の様に無理やりやらせるだけだろう。

セリフを変えてはいけない、と脚本家の権利は守られるのか?

脚本家を守りたいのか、作品を面白くしたいのか、どっちなのか分からない。

この作品もそれらの例に漏れず、登場人物の印象を操作しているつもりで出来ておらず、意図しないマイナスの印象を見ている者に与え続けた結果、制作側の意図と視聴者側が感じる印象に大きなズレが生じている。

もし、進藤の滑舌が良く、本当に社会やメディア、政治に対する怒りがリアルに感じられる、ただの嫌なやつではない、深い人間像であったら、最後のどんでん返しも効果的だったかもしれない。

残念ながら、そこまでに引き込まれていない。

こういう時に、脚本家は役者のせいに、役者は脚本のせいにするのか?

それを取り持つ監督は何をしてるんだろう?

毒を制してないラスト、スクープを取り下げる弱い理由

タイトルには、毒で毒を制す、とあるが、進藤は思い切り普通に毒にやられているので、よく分からない。

買収されて劣化版のスクープを出しただけだろう。

官房長官はトカゲの尻尾切りをしただけでノーダメージで、何が毒を制した?

本当に官房長官と少年は平等に扱われたのか、あの一人の医師だけの証言で、みっちり取材もせずに何が分かる?

進藤の言葉を借りれば、自分の目で確認したいと思わないのか?

よく調べもせず、長崎医師は最後まで平等に命を救おうとした、とよくカッコつけて崎久保に演説出来ると思う。

いくら医者だって、政府の要人の手術は、いつも以上に手厚くやるに決まっている。

そうじゃない医者ももちろんいるだろうが。

あの冷徹な秘書だって圧力をかけていた訳だろう?

崎久保の言った通り、その発言だけで糾弾するには十分だ。

少年の手術に手を抜かなくても、官房長官の手術にいつも以上に力を注いだら、それは命の選択が行われた、と言っても良い。

それを言われてもしょうがない立場で、むしろやましいことがないなら、政府側はスクープを止める必要もないし、止めてはいけない。

進藤がスクープを取り下げた理由が、官房長官と少年が平等に扱われたどころか、むしろ少年の方にたくさん血液が使われていたことが、利用記録の書面から判明したから、とかならまだ分かる。

官房長官を陥れるどころか、これが判明したら美談に利用される可能性もあり、官房長官に有利に働き、自分達の立場も危うい、とかなら。

進藤が、危ない所だった、官房長官を悪者にした後に、この書類が出回ったら俺らは終わりだった、とか言ってたら、なるほど、とはなる。

一人の医者が、手術は平等だったと証言している、それなのに少年が見殺しにされた、と嘘を報道してはいけない、だから取り下げる、では理由も証拠も弱く、モヤモヤしか残らない。

崎久保の言うように、買収されたんだ、と思ってしまう。

進藤は、官房長官が機密費からお金を出した音声を録音していて、後々スクープとして出すためにとりあえず寝かせるつもりか?

後々官房長官を失脚に追い込むつもりだとしても、今この話を面白くして欲しかった。

この話ではなく、この先で毒を制しますよってことか?

よく分からない。

面白そうなタイトルだが、このタイトル自体も中身がなかった。

ナチュラルな崎久保、あざとさの混在する登場人物達

進藤のアシスタントの崎久保は自然で悪くない。

進藤にも所々ちゃんと怒っていたし、まだそこまで存在感はないけど、そのナチュラルさが悪くない。

いそうな感じのADの雰囲気として、リアルであると言えるかもしれない。

進藤がふにゃふにゃじゃなければ、進藤とは良いコンビになり得ただろうに、もったいない。

それ以外の登場人物は、あざとい人とそうでない人、同じ役者でもあざとい時とそうでない時とがごちゃごちゃに入り交ざっていて、非常に厄介である。

あざとさがあってはいけなく、光よりもあざとさが大分目立ったので、総じてリアルでない、と言って良い。

序盤のテレビ局のスタッフ達の初登場がほぼみんなあざとい。

女性アナウンサーの過度な反応も、編集マンの嫌味な態度も、サブというのか、モニターがいっぱいある所で、局長の声掛けも、プロデューサーやディレクターの愚痴も、みんなそれぞれあざとい。

女性編集長はそうでもない。

みんな、湧き上がったセリフを自然に言っている訳ではなく、自分の中で決めた言い方のセリフを言おうとしているのが見える。

あざとい小劇団の舞台みたいだ。

名のしれたプロと言われる役者でも、なぜか日本人はセリフを置きに行く人が多く、イラッとする。

置きに行くのなんて一番やっちゃいけない素人演技なのに、日本人はプロでもよくやっている。

進藤もそうなんだから、もうしょうがないか?

日本人の人間性の、シャイと真面目さが裏目に出てるんだろうと思う。

カメラが回ってない普段から、日本人は決してずっと置きにいったしゃべりをしているわけではない。

この最初のシーンから一つ一つ全て、置きに行かなくなるまで、何回も撮り直していけば良い。

いくらあざとい人でも、疲れて言う気力がなくなったくらいの方が、変な力が抜けてちょうど良くなるんじゃないのか?

でも良いと思っているから撮り直さない訳で、撮り直す世界など存在しない。

というか、そもそもそんな人をキャスティングしてはいけないし、キャスティングする前に出来るか確認するべきだ。

政治家の秘書、官房長官の息子はずっとあざといし、強面のスポーツコンサルタントも、進藤に言われて鼻をピクピク動かす怒ってますよテクニック演技があざといし、官房長官を手術した医師もずっとあざとい。

官房長官はあざとくないが。

崎久保が間違えて入った研究室の研究員もすごくあざとい。

そういえば、冒頭で40年近く前のテレビに映っていたアナウンサーもあざとい

普通に原稿読んでいる感じではない読み方になってしまっている。

アナウンサーだからしょうがない。

カタコトの韓国人ADチェはあざとくなく、可愛くて良い。

進藤のアシスタント、本橋も、自然な若者らしさがあって悪くない。

100歩譲って、まだ第一話なので、現場に慣れていない、関係性も作れていないので、自然に見せる方が難しいのか?

それをあらかじめ構築した上で見せる方が良いに決まっているが、そこまでの労力は割きたくないのか?

役者があざとい、あざとくないも全て、基本的にはそれを取りまとめる監督の責任だ。

同じ状況であざとい人もそうでない人もいるなら、なぜその人はあざとくなるのか探り、セリフや人物設定も含めて、役者が本来の自然さを出せる環境を作る義務があるんじないか?

それを、あまりに役者に丸投げしている様な感じもするが、いつものことと言えばそうなので、もうしょうがない。

きっとポテンシャルのある役者達も含まれているんだろう?

とにかく、総じて作り物感がくさい。

少ない人数ならまだしも、人がたくさん出ると、あざとい人が増えてカオスになっていく。

日本のドラマは、3人くらいの少人数ドラマを作るべきだ。

人数が増えるとその分管理が行き届いていない。

でもやっぱり派手に見せたいから、大人数でやりたいんだろう。

もうあざとい人はいてもいいから、せめて主要キャストくらいは、あざとさゼロで、ナチュラルか、もしくは強い演技を出来る人にやって欲しい。

主要キャストに圧倒的な魅力があれば、脇役のあざとさには目がいかなくなっていく。

でもこの作品は、崎久保は良いのに、主役があんな感じだからまとめられておらず、もう崩壊している。

テレビ局がテレビ局を舞台にドラマを作っているのに、なぜこんなにちゃっちくなるんだ?

本当のスタッフにそのままやってもらった方がマシなんじゃないのか、とすら思う。

第一話でこの引きのなさなので、これがあと9話くらいあると思うと、天を見上げる感じになる。

しかし、手を出した以上は、最後まで見よう。

「第2話-オンライン賭博とスポーツの闇」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想

スポーツ賭博を報じるニュースゲート

バレーボール選手とアナウンサーのスポーツ賭博疑惑を追究する進藤

結局アナウンサーもバレボール選手も潔白で恋仲であり、バレーボール選手のトレーナーが賭博をしていた悪いやつだと分かった。

最近のトレンドであるオンライン賭博や、大谷翔平の通訳水原一平の事件を合わせたような話だった。

進藤がアドリブでアナウンサーを追究し、疑惑のバーに酒も飲まない選手と居合わせたのは、実はその選手にプロポーズされたからで、2人とも賭博に関与してないことが生放送中に発覚する、という展開はちょっと面白い。

しかし、独特の展開はそのくらいで、全体的に作り物感が強く、深い人間ドラマも特になく、物足りなかった。
なぜなのか考えていきたい。

主役の進藤がどんな人間か分からない

主役の進藤は、所々噛んだり聞き取りづらい部分はあるが、一話よりは滑舌は良くなっていた。

進藤は、局長や編成などに文句を言われながらも、自分なりの正義を貫く、孤高の破天荒キャスターだが、特に魅力は感じなかった。

全編を通して、どんな人間が分からなず、かといってそれがミステリアスな魅力を醸す訳でもない。

存在感があるようでない。

ダークヒーローなのか、本当にダークなのか、実はすごく良い人なのか、どれでもなく、演技にリアルな人間性が垣間見えないので、あまり愛着が沸かない。

そういう役だからやっているだけ、という演技の域を出ず、会話に生感も特になく、見ていて引き込まれない。

怒りや正義感、優しさ、余裕感など、どれも強くなく、もしくは弱く、リアルではない。

この役者本来の得意分野や魅力的な部分を、周りや本人すらも分かっておらず、十分に生かせていないんじゃないか?

この役を演じている楽しさの様な物も、演技からは特に感じない。

外見は格好良く、深そうな雰囲気があるだけで、見終わると何も残らない。

前話で述べた通り、きっと本人はこういう人間ではなく、このうわべの演じ方を何回見せられても心は動かない。

名和と賭博の関与が発覚したらスポンサーを降りる、と配信会社の社長に言われて、進藤は一回下を向いた後に笑顔を見せたが、余裕のある強い笑いではなく、弱まって笑っている様に見える。

一回溜めてから、カッと笑う訳でもないので、溜めが効果的でなく、ただ間延びしただけだ。

局長にどういうことだ、と強く詰め寄られた時も、何とかしますから、的なことを言っていたが、その言い方も弱い。

怒られて弱まっている感じのまま言っている感じだ。

本当に全く動じない人間の、強い心の流れから来る演技ではない。

外見は強そうだけど、内面は普通で、全然心の中で押し返せていない。

そうであってはならない、器のでかい、肝の座った役なんだろう?

こいつ怒られてるのに、全く動じてない、となれば面白い。

そういう一挙手一投足に強い雰囲気ががあれば魅力的だが、そうではない。

そんなほつれがポロポロ蔓延していては、強い人間像を作るのは不可能だろう。

別に外見はどうでも良く、小柄で優しそうな顔をしてても、内面が強く動じない演技が出来る役者にやらせるべきだと思う。

最終的に、スポーツ賭博予想サイトを運営するアランこと今井が、空港で警察に捕まり、名和と会話を交わす場面を生中継する、という大きなスクープを報じることが出来たが、それを進藤がコントロールしているリーダー的格好良さも特になかった。

進藤はこの場面では、どちらかというとアナウンサーの様で、気持ちが乗って来るが、それを秘めて抑えている感じでも、楽しくてニヤニヤしている感じでも、悪を許さない怒りの感じでもない。

淡々とMCをしている、そこに静かな深さがある訳でもなく、演じ方にオリジナリティは特にない。

ほぼ無感情と言っても良いし、この事件に興味がなさそうだ。

アランから連絡があった時は、新聞を投げ捨て、興味がある素振りを装ってはいたが。

スポーツ選手の賭博報道自体、ゴシップに近く、どうでもいい寄りであるが、この事件は進藤が率先して調べたんだろう?

なんで進藤がこんな感じなのかは知らないが、どんな奴か分からないし、非常に盛り上がりに欠ける。

もっとギラギラして、悪が暴かれるのを楽しそうに見ているくらいでも良い。

その演技もまた取ってつけたようであれば面白くはならないだろうが。

なのでこのシーンは、名和と今井のドラマの浅さ、映像自体のちゃっちさ、好きになれない小池の感じに加えて、この進藤の無感情さが相まって、クライマックスにしては全然引き付けられなかった。

せめて進藤にもっと深みがあれば、まだ締まったかもしれないが。

魅力のないアナウンサー像

ニュースゲートのアナウンサー、小池は、バレーボール選手の名和と同じバーにいて、実はプロポーズされたことを明かすことで、名和も自分も賭博に関わっていないことを生放送で証明したのは面白い。

体調管理に細心の注意を払い、酒も飲まない名和がバーに行くのは不自然で、その理由として、プロポーズをしていたから、というのは絶妙な理由かもしれない。

ただ友人の付き合いで行った、では弱く、こんなことを小池が嘘で言う訳ないし、賭博をしていた可能性を低く出来得る数少ない理由だ。

プロポーズもしたし、賭博もしていた、という可能性も無きにしもあらずだが。

それでも疑惑は再燃してしまうが、最終的にはトレーナーが名和の口座を使って賭博をしていたことが判明し、2人の仲は保たれた。

しかし、特に小池も魅力がなく、どんな人間かも分からないので、特に良い話でもない。

小池は会議に加わり、この番組をどうしていきたいか、などと熱く話している様子などもなく、スタッフとの関係性もよく分からない。

小池はギャンブル好きだ、というぐらいで情報も少なく、ツンとした感じでニュースを読んでいく、お飾りのアナウンサーという感じだ。

それがバレーボール選手と実は恋仲だった、となっても、祝福したい感じも沸かない。

もっと人間味があり、スタッフとも距離が近く、慕われているような描写があれば、一連の展開もよりドラマチックになったかもしれないが、そうではない。

むしろ、有名スポーツ選手と付き合う、というのも含め、ステレオタイプで嫌なアナウンサー像になってしまっている、と思う。

なぜ小池の人間像を魅力的に描こうとしないのか分からない。

アナウンサーってこんな程度か?

名和はヨーロッパに行くことになったが、2人の結婚は先延ばしにすることになり、小池は、まだキャスターは続けるよ、と言ってAD達が喜んでいたが、特に嬉しさもない。

よろしくお願いします、と大きな声で言っていたADのチェは爽やかで可愛くて良いが。

薄い名和と今井の友情ドラマ

名和は、アランの正体であるトレーナーの今井に、なぜ借金があることを言ってくれなかった、お前に賭けると言ってくれた、一緒に海外に行くため頑張った、復活を待ってるぞ、と声かけをしたが、2人の関係性に濃さも感じず面白いドラマではなかった。

選手とトレーナーとして世界を目指そう、という目標があり、それを達成しつつある最中、ギャンブルに手を出す、というのはあまりに唐突で、中身がない。

理由がないなら、別に今井じゃなくても、監督でも良いし、もう誰がアランでも良いだろう。

例えば、一緒に世界を目指そうと誓ったのに、世界が近づくにつれ、名和が今井に対してだんだんと素っ気ない態度を取るようになったり、他のトレーナーばかり良くする様になり、今井が疎外感を感じてギャンブルに手を出した、とかなら分かる。

それも、名和は今井と旧知の仲であることは知られているから、今井ばかりひいきしているように見えないようにわざとそうした、名和なりに気を使った結果のすれ違いだった、とかだったらまだ面白かった。

そういうドラマも何もなく、実は同郷で元ライバルで現トレーナーが犯人だった、と言われても、ポカンとしてしまう。

トレーナーだから、表沙汰にならない名和の体調の細かい良し悪しを賭博予想に反映できる、ということだけはつじつまが合っているが。

それで、名和が2人で世界に行きたかった、復活を待ってる、と言い、今井が自分が全てやりました、と素直になって告白したところで、中身のない感動話で、涙腺は何も動かない。

全体的に作り物感が多い

このドラマは、人物描写の足りなさはもちろん、その空間の緊張感のなさ、作り物感を強く感じる。

例えば、ニュースゲートのロゴ画面がもう嘘くさい。

青い画面は一見格好良いが、本当のニュース番組では見かけないアンリアルさだ。

実際のニュース番組で見かけたら、違和感を感じるちゃっちさがある。

まるでフリー素材のようだ。

番組内で映るニュース映像、賭博疑惑のあるバーの外観映像やラストの今井の逮捕劇映像もリアルじゃない。

みんなで話し合うデスクもそうだ。

バレーボールの試合映像も嘘くさい。

選手達の背が低いだけでなく、観客とコートとの間に距離があり、ついたてがまばらで、わーっと沢山いるはずの関係者や控えの選手達もパラパラとしかいないのが違和感がある。

もし、実際のコートでエキストラを入れてこんなに中途半端に撮影するくらいなら、合成にするか、CGで人を増やした方が安上がりでそれなりに出来るんじゃないのか?

配信会社の社長の、有名人とのツーショット写真達も、名和との写真はギリギリ誤魔化せても、それ以外の写真は作り物感が強い。

社長の嘘笑顔も大きいが、本当のツーショット写真はあんな浮いた感じにならないだろう。

今井が逮捕される空港のドタバタ劇も、本当にこれが空港で起こっているんだ、という緊迫感、リアル感などない。

カメラで撮ってるの丸出しの撮り方というか、撮られている側もカメラを意識している動きになってしまっているんじゃないか?

役者がカメラを意識せざるを得ない撮り方をするのもダメだし、役者はカメラを忘れるべきだろう。

どっちもどっちもかもしれない。

隠し撮りみたいな撮り方をするのが理想だが、それでも変わらずあざとい人達も多い気もする。

そんなこんなで、よくこんなにちゃっちい、嘘くさい物や空間を量産できるな、と思う。

不思議なもので、見た目は同じでも、同じにはならない。

そこに、役者の演技同様、作り手側のあざとさがたくさん含まれているからだと思う。

本当にその物を作る時の気持ちで作れていないんじゃないか?

オカルトみたいだが、実際にリアルでないんだから、そうとしか考えられない。

ニュースゲートのロゴだって、今度こういう報道番組が始まるんですよ、と作り手を騙して作らせたら、もっとシックでリアルなロゴが出来るんじゃないか?

実際のニュースのロゴには、プロデューサーやディレクター、局長、編集長、もっと言えば上層部の幹部たちの意見すら取り入れて、細かく修正しながら作る訳で、リアルな気持ちが自然とそこにこもるんだろう。

架空のロゴを作る時は、そういうプロセスを経ずにすぐにオッケーになるから、甘くなるのかもしれない。

でも、そんなことを写真一つから全て作っていては、あまりに膨大な時間と労力がかかるから、現実的には無理なんだろう。

それを短い時間で低コストでリアルに仕上げるのが演出家の役目だと思うが、機能はしてないのかもしれない。

しかし、ツーショット写真がいくらリアルでも、演技を含むドラマ部分がスカスカなら結局つまらないし、どこに力を入れてるんだ、となる。

だから、ドラマ部分以外は、少しちゃっちいくらい適当な方がハードルが下がる、とは言える。

このドラマの場合、今のところどっちもそうだと言えるが。

あざとい裏方のドタバタ劇

進藤が裏方に秘密にして生本番で勝手なことをする度、裏方スタッフがいちいち騒ぐ感じがあざとい。

局長やプロデューサー、ディレクターの怒声が特に鼻につく。

進藤は有名な破天荒キャスターなんだろう?

進藤がそんなことをするのは、この局ではなかったとしても、今に始まったことでなく、容易に想像がつくはずなのに、まるで初めて体験するかのような反応が嘘だ。

むしろ、ため息混じりに青ざめ、静まり返るような感じの方がリアルなんじゃないか?

噂には聞いていたけど、ここまでか、いざ体験するときついな、というような反応が本当じゃないか?

怒っている人もいて良いだろうが、苦笑いや苦笑したりしてる人もいる方が自然だ。

中には、いいぞ、面白い、と思って興奮する若いスタッフもいるかもしれない。

そういう多様さもなく、みんなで一緒に戸惑って怒号が飛ぶ、というのがあざとい。

大変だー、わーって感じのイメージか?

このリアルでないドタバタ劇が冷める。

多分進藤は言うことを聞かないんだから、進藤と念入りに会議で内容を確認し、これで行くんですね?いきなり変えないですね?などと釘を差し、大丈夫です、変えないですから、とちゃんと言わせて、本番でやっぱり変える、という描写があったら面白い。

変えないって言ったじゃないですか?と詰められ、あの時はそう思ってたんですけど、緊急のニュースが入ったんで、すみません、などといつもとぼけてはぐらかすお決まりの描写があっても面白い

しかし、そういう進藤との細かい会話もなく、今日は大丈夫だろう、という感じで裏方が本番に臨むのは嘘だし、何も跳ね上がらない。

進藤も、むしろそうやってとぼけたふりしてヘコヘコしながらも、勝手にやりたい放題していく方が、合っているんじゃないか?

編集長に、番組をぶっ壊す気はあるのか?などと格好つけたことを聞くのが、似合っていない。

「第3話-美しき科学者の罠〜新細胞は存在します!」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想

スタップ細胞事件のオマージュ

IL細胞という夢の細胞が大学の研究所で見つかったが、進藤はそれが不正であることを追究していき、最終的には他の研究者の協力のおかげで、その細胞が実際に存在することが証明された。

進藤が、若手ADを鼓舞し、俯瞰した立ち位置から真実に向けて報道チームを導いていく、いぶし銀的立ち振る舞い自体は悪くない。

今度はスタップ細胞事件のオマージュのような話だが、最終的にデータ改ざんを指示した教授が裁かれることもなく、その研究を継続する、という訳が分からない終わり方で、ポカンとしてしまった。

キャラクターが変わった進藤、オラオラは捨てるべき

進藤は、今まででは一番落ち着いたキャラクターで、まだ見ていられた。

スタッフがてんやわんやしながらも自分は意に関せず、本橋を鼓舞して動かしていく、リーダー的な感じは少し感じられた。

序盤の研究所を視察する穏やかな感じなどは悪くなく、やはり優しい感じの振る舞いが、この役者の味なんだと分かった。

崎久保がチェに、進藤さんの前で余計なこと言わないで、と進藤が食いつきそうな情報を与えることを制し、それを聞いていた進藤も特に何も言わず、ぬぼっとした感じが良い。

ここだけは良いコンビ感だと思う。

本当は、崎久保にいつも、しっかりして下さいとか言われ、すまんすまん、などと謝ってばかりで、いざという時にガっと力を発揮する、とかのほうが格好良い。

強いことを言ったり、怖い言い方で恫喝する振る舞いは、全く似合っていない。

その言い方に薄さしか感じず、ダメなパワハラ親父風で、見ていてムカつくだけで魅力がない。

今話では、そんなダメな言い方をするシーンは比較的少なめで、今まででは一番進藤に魅力を感じられた回だったと思う。

ただ、それでもまだ全然足りない。

滑舌は前回より悪く、聞いていてイラッとするシーンがちょこちょこあったので、これをなぜ直さないのかよく分からない。

早口で言おうとする時は、もう全部ダメだ。

自然でない、言おう言おうとする作為的な意識が入っているし、魂の早口でも何でもない。

本橋を鼓舞する時も、お涙ちょうだいか、などと強く言う一連の感じが似合わない。

そういう強がる言い方は一切せず、厳しいことを言う時も、もっと優しく、包み込む様に相手を動かす言い方が出来れば、大分深い主人公像になったと思うのに、もったいない。

多弁も合っていない。

例えば、刑事コロンボの様に、いつも優しく声を荒げないしゃべり方でも、十分すぎるほど格好良いヒーロー像になり得る。

彼は、悪さを出すのではなく、それを目指すべきだ。

悪役ならまだ良いんだろうが。

本当は、人格的にそっちの方が合っているんだろう?

時折垣間見える、オラオラして格好つける感じも薄く鼻につくだけなので、いつもぬぼっとして適当で、怒ることもなく、だけど優しい語り口で悪を追い詰めていってしまう、ならめちゃくちゃ格好良い。

オラオラしている悪人に見えるけど、実はヒーローなんて、出来ないなら無理してやる必要はない。

もっと等身大の方がよほど魅力的だ。

そして、この話の進藤は良い人よりだが、第一話で官房長官から賄賂を受け取った悪的な描写は一体何だったのか、と思う。

この話だけでなく前話も、名和と今井に話す機会を与えていたり、良い人方向に振れているのがブレていると思う。

良い人に見えるけど、裏で高い視聴率の数字を見てニヤニヤしているとか、そんな描写もない。

それなら、最初からあんなダークヒーロー感は全くいらない。

もうダークヒーローではなく、ちょっと厳しめで、言うことをあまり聞かない普通のキャスターだ。

それなら、最初からそれで行くべきだ。

でも賄賂は、終盤で使うために必要だったのかもしれない。

いずれにせよ、浮いた描写になっていて、あれで盛り下がったんだから、下手な描き方だ。

黒猫の教授とIL細胞の研究者を結びつけたのも、黒猫の教授がアメリカに100億で売った権利のいくらかをもらう約束をしていて、実は社会貢献のためじゃなかった、とかなら分かる。

崎久保に、お金とかもらってないでしょうね、と詰められ、そんな訳ないだろう、と一瞬ドギマギして怪しい返事をして、崎久保に、もうっと呆れられるとかなら面白い。

でもそうではなく、本当の善人っぽく振る舞っているのがもうよく分からない。

ブラックジャックの様に、基本全て金でしか動かない、という訳でもない。

金で動く時もあれば、金がなくても動く時もある。

自分の意図を隠すために、金でしか動かない汚い人間だ、とわざと見せ続ける、深みがある訳でもない。

そこを徹底してたら、ダークヒーローになり得るのに、普通に良い人の時もある。

進藤はどういう人間でどう見せるか、これで行こう、というのをちゃんと決めれていなかったんじゃないか?

でなければ、あれは何だったんだ?などとはならないだろう。

視聴率=金に直結するのであれば、それはそれで、高ければ高いほど進藤はボーナスがたくさんもらえる、という設定を視聴者に知らせておくべきだ。

進藤に、もっと視聴率を気にする小ささがあって良いのに、そこも大きい人間ぶっているのがつまらない。

一番悪い教授が成敗されず、なぜか嫌われてる栗林

IL細胞のデータ改ざんに関わった本橋の先輩の栗林准教授は、良心の呵責から自殺未遂をしてしまったが、データ改ざんを指示した一番悪い小野寺教授は、進藤の提案により、その責任を公にされず、罰を受けなかったのが訳が分からかった。

栗林准教授は、意識不明の重体になり、小野寺教授からデータ改ざんの濡れ衣を着せられたままなのに、小野寺は社会的罰は何も受けずに、IL細胞の研究に参加する、というのは理不尽にも程がないか?

それとも、小野寺教授の罪は報道され、本橋が篠宮を訪ねるまでの一週間でコテンパンに社会的制裁を受けた、という体なのか?

もしそうなら、その描写を省いたのはどうかしているし、小野寺からはそんな感じは一切なかった。

こんなに勘違いさせる様な描き方は、モヤモヤしか残らない。

そもそも、もし小野寺教授への制裁がなかったら怖すぎる。

世界の研究者でIL細胞を研究する、という進藤の発言を小野寺教授が研究室で聞いている描写があり、特に小野寺教授への言及は、進藤の口からは何もなかった。

誰かをスケープゴートにするより、前向きに画期的な研究を後押しする、という、従来の報道を超えた平和的なやり方が、進藤の言うぶっ壊す、ということか?

それは、部下を自殺に追い込んだ教授への制裁とは別にやればいいことで、制裁自体を無くす理由にはならないだろう。

また一話みたいに教授に金をもらったのか?

そんな描写もなかった。

本橋の不法侵入の訴えを取り下げることを天秤にかけたのか?

それは、篠宮が、実は私が招き入れたから不法侵入ではありません、と言えば済むことだ。

小野寺教授の不正が暴露されれば研究が止まるから?

栗林准教授に濡れ衣を着せたまま、黒猫の教授にIL細胞の研究を引き継がせるなんて、あまりに非人道的ではないのか?

結局、栗林准教授は犯人扱いのまま、篠宮と小野寺も協力して黒猫の教授とIL細胞を発見することが出来た訳で、そうなると、やっぱり栗林が悪いやつだった、と今以上になるだけで、自分が栗林だったら、この訳の分からない状況に、なおさら生きててもしょうがない、と思うだろう。

ここから、栗林の汚名を晴らすのは、何大抵のことでは無理だろう。

あの栗林の涙は、うれし涙じゃなくて、そういう悲しみの涙か?

栗林、かわいそうすぎないか?

もし、風評被害で研究が続けられなくなる可能性があったとしても、黒猫の教授と篠宮が研究を引き継ぐ、というニュースと同時に、小野寺教授の不正を伝えれば、何も問題はなかっただろう。

小野寺教授は、大した反省の態度も見せず、黒猫の教授の研究所にしれっと姿を現し、あきらめられないのよ、私も、と本橋と篠宮に言うのは常軌を逸している。

栗林は昏睡状態だとしても、小野寺は見舞いに、謝りに行った訳でもなさそうで、怖すぎる。

行ってたら知らないが、そんな描写はない。

ここで、ボロボロ号泣して崩れ落ちて謝罪する、とかですらない。

本橋が怒るのは当然で、本橋の助言を振り払って、小野寺教授は男性社会から私を守ってくれました、と擁護する篠宮も狂っている。

栗林、どれだけ嫌われてるんだ?

栗林を自殺に追い込んだことより、自分を男性社会から守ってくれたことの方が重要か?

小野寺の改ざん指示を知らないのか、黒猫の教授も小野寺を研究に誘い、栗林はないがしろのままIL細胞の研究は進んだ。

仮に、IL細胞の研究には篠宮だけでなく、小野寺の技術や知識が不可欠だったとしても、一回ちゃんと謝罪して、反省してから研究に参加すべきだ。

そんな描写は一切ないのが、むずがゆいというか、もう言葉に出来ない。

そして、そんな小野寺教授を成敗せずに、前向きな研究の継続をすがすがしい顔で報道した進藤は、アホに見える。

前回のバレーボール選手賭博事件では、終盤の今井の逮捕劇も、進藤は特に興味がなさそうな感じだったが、このIL細胞研究継続のニュースに関しては、その振る舞いから少し楽しそうな感じを受けた。

俺、こういうのが報道したかったんだよ、というような。

栗林をないがしろにして、そういう悦に入っている感じがアホだし、気持ちが悪い。

進藤は、栗林のことはどうでも良く、自分は良い人間だと思われたいだけの危ないやつである、という、ニュースキャスターを揶揄したような、アンチテーゼ的なメッセージでもないだろう。

ドラマとしても、このシーンはとても良いシーンだ、としてクライマックスに持ってきている訳で。

そんなこんなで、このキャスター第3話は、日本ドラマの近年稀に見る、訳の分からない不可思議なストーリーだったんじゃないか?

悪は成敗されず、とても良い話であるかのように終わって行った。

偽善の空気も強く感じる。

ちなみに、ADの本橋は、本当に先輩を慕うかわいい後輩の感じで好感が持てるし、栗林の濡れ衣を晴らすために奔走する感じは悪くない。

あの人が捏造なんてする訳ない、と訴える感じが、本当に必死に見える。

研究室に忍び込んで、篠宮に必死に栗林の弁明をしている時、目が右左に激しく動きながらしゃべっている感じが、演技っぽくなくて良い。

あえて外側から真似してやろうとしても、絶対に出来ない演技だ。

演技してないから、こうなったんだと思う。

演出の崎久保は自然で、進藤にも強く怒れるし、江頭に泣かされた人とは思えない。

進藤より江頭の方がリアルで怖いのかもしれない。

本橋が復帰して戻れることになり、進藤に、もう少し見てみることにした、などと言われ、崎久保が本橋に、良かったじゃん的な意味で、目配せする素振りは自然でとても良い。

一見普通の雰囲気だが、自然で、強さも出せる感じが、進藤とのチームにおいては必要不可欠な存在感がある。

それゆえに、進藤のキャラクターがちゃんとしていれば面白くなり得たのに、なんとももったいない。

「第4話-盗撮&闇サイト殺人」が”物足りない☆2″理由と考察、その感想

謎解きも人間ドラマも今一つ

めちゃくちゃつまらなくはないが、全体を通して面白くはなかった。

警察も知らない事件の裏の背景をテレビマンが先に把握している、という状況自体は面白いし、生徒をわざと犯人に襲わせたが、実は崎久保が変装していた、という展開には、安心して涙腺が少し緩んでしまったが。

今回の話も、報道番組という体を取った推理サスペンスドラマという感じだった

それはそれで、いくらでも面白くなり得ると思うが、今どきの闇バイトや盗撮がテーマなのは分かるが、話のいきさつがよく分からず、父と娘のドラマは感動的な部分はあっても特に熱い話でもなく、見終わったらポカンとしてしまった。

推理もの的様相を呈してきていて、話が少し複雑で、リアルでない展開が挟まり、見せ方も雑な部分があり、納得して進んでいく感じも、最後に全てが集約してなるほど、とスッキリする訳でもない。

後から実はこうだった、と言われても、そうだったの?という感じで、全部がバシッとつながる感じはない。

何はともあれ、プロデューサーの娘が無事で良かった、というザックリした感じしかなかった。

引きつけられない冒頭、突飛な闇バイトの刺殺事件

冒頭で若い女性が後ろから刺され、ドラマチックな音楽がかかったので、この事件が今回の主題なのかと勝手に思ったが、すぐにその事件の続報がなく、一旦置かれたのでよく分からなくなった。

刺された後に、女子高校の更衣室の盗撮事件、本橋が刑事に張り付くドラマやプロデューサーの新コーナーの提案などがあり、デスクは女子大生殺人事件の犯人が捕まった、と言っていた。

その後編集室でさらっと警察が記者会見しているのが流れたが、それがその事件かもよく分からない。

その場にいた進藤が、吉木勇也は誤認逮捕だ、と言ったが、吉木って誰だ?と、ここでもまだピンと来なかった。

ニュースゲートの放送が始まり、ようやく冒頭の女性は女子大生で、吉木という男に殺されたが、実は誤認逮捕で、闇バイトで指示を受けた長髪の真犯人によって殺された、と明かされた。

初めての情報が多すぎて、興味を持って引きつけられずに、そうだったの?という感じになってしまった。

ここまでで10分くらいだが、全然引きつけられなかった。

シンプルに、フリがすごく下手だと思う。

理想は、冒頭で殺されたのは女子大生で、吉木勇也という元恋人が逮捕された、とすぐにはっきり見せておいて、酷いやつだ、許せねえな、などというスタッフの会話くらいあるべきだった。

冒頭から連続で事件の概要をまず伝えて欲しい。

そうでなければ、進藤が、吉木勇也は誤認逮捕だ、と格好良い感じで言うのが何も効果的でない。

本当はこのシーンで、えらいことになった、と見ているものに思わす場面だったんじゃないのか?

吉木勇也という名前もここで初めて出てきたわけで、一体誰が引きつけられるんだ?

リアルというより、単純にすごく不丁寧な見せ方だと思う。

ちなみに、冒頭で教室内でカメラが見つかり、女子生徒達が悲鳴を上げて逃げる感じがすごくあざとかった。

誰かがカメラがある、と言い、近くで驚いた生徒の恐怖が、遠くにいて聞こえていない人達にまで連鎖反応して、波のように伝わるリアルなパニック感はなく、ただみんなでいっせいにわーっと驚いているだけだった。

こういうシーンすら嘘くささを作る一つの要因になっているので、もっとリアルに作って欲しい。

そして、闇バイトで指示を受けて、夜道を歩いている女性を後ろから刺すって、そんなことある訳ないだろう、と思う。

強盗とか、引ったくりとか、その延長線上で意図せず殺してしまったならまだ分かるが、完全に殺し屋として依頼されている訳だろう?

今までないだけで、これから起きる可能性もなくもないが、殺し屋として雇う闇バイトなんてあまりに残虐すぎて、ここをフォーカスせずにさらっと報道している意味が分からない。

闇バイトもここまで来たか、とスタッフ達が落胆する様な事件で、闇バイトって怖いね、くらいで済む話じゃない

どうやって金が欲しいだけの素人をそこまで持っていったのか?

殺されてもしょうがない悪いやつだと吹き込まれた、もしくは、やらないと個人情報流すと言われたのか?

それでも、さすがにこれは異常だ、と分かるはずで、強盗などの比ではない。

この異常過ぎる、真犯人が自首した、という新しい情報がさらっと付け加えられても、よりポカンとするだけだ。

自首するのも不自然で、殺し屋として雇われ、実際に殺人を犯した闇バイトの参加者が自首するか?

自首したのは偉いかもしれないが、そんな奴は、さすがに逃げ切るつもりでやったんじゃないのか?

指示役に殺されそうになっている、などという理由があるなら分かるが、何もない訳だろう。

闇バイトってこんなもんだよね的な感じで設定しているのか?

誤認逮捕とかよりも、深い闇がある怖い事件なのに、進藤は誤認逮捕の報道が出来てお手柄だ、と思っている感じなので、すごく怖い。

薄い父と娘の物語

その後に、プロデューサーが自分の娘を守るために、撮影隊を学校に無理やり送り込んで取材をさせ、進藤も同じ動機で乗り込み、結局警備員がプロデューサーの娘に盗撮を指示していたことが判明した。

娘をおとりにして、警備員をおびき出し、娘も助けに来た父も殴られ、絶体絶命に陥るが、実は娘は崎久保が変装していて無事だった、と分かった時には、安心して涙腺がちょっとだけ刺激された。

こんなパターンはありきたりでよくある展開だが、直前でスタッフが警察に呼び止められててんやわんやしているのが、進藤も含めてアホに見えたので、より騙された。

自分はそもそも進藤に対する信頼などないので、何をやってるんだ、と思ってしまったのが、逆に功を奏したのかもしれない。

ただ、娘と父の関係性が普通なので、特に起伏のない話だと思う。

娘は思春期で言葉も交わさず、家庭を顧みない父をよく思ってない、父も忙しく娘とほとんど接せられてないから距離が遠く険悪ムードで、というわけでもない。

何かとしゃべればケンカばかり、という描写などもない。

ゴシップを扱う父の仕事も嫌悪していて、闇バイトに手を出したことも相談できるはずがなく、カンニングと盗撮をしていたことがバレて、関係は最悪になり、お前なんか俺の娘じゃない、私だってあんたの娘になりたくなかった、的な激しいケンカなどをすべきだった。

そんな決裂した状況の中でも、体を張って父が助けに来てくれたなら、心から感動できたかもしれない。

弱いクセに体張って、バカ、などという父へのセリフも、より粋に感じられただろう。

娘を抱きしめる父を周りのスタッフも泣かんばかりに感動している雰囲気があったが、そういう前提ドラマもないのでゆるい。

娘を大事に思っているのは伝わるが、今ひとつ軽く感じた。

父は、娘が口も聞かないから嫌いなんだ、可愛くない、などと、常日頃から娘の悪口をテレビ局で言っている、などという描写も入れておくべきだ。

娘がカンニングに手を出した理由も何もない訳だろう。

父が、お前は良い大学に行って一流企業に行くんだ、と日頃から強いプレッシャーを与えていた、とかなら分かるし、父がその自分の非を認め、助けに来たなら感動できたかもしれない。

父は、娘を知らず知らずに縛っていたことを嘆き、娘が罪を全て告白してでも嘘をつかずに生きたい、という道を選んだことを、学歴に傷がつこうがそっちの方が大事だ、と気づいた、とかなら深かった。

最後の娘のインタビューも、闇バイトに巻き込まれることがあるので、気をつけないと行けないと思いました、などというだけでは、全く懺悔にもなっていない。

警備員の事件と娘が巻き込まれた事件が関連している、とは報じておらず、一般論として中学生も巻き込まれる可能性がある、というだけの話だ。

こんな中身のない警告なら、わざわざ本人にインタビューする必要などない。

クラスメイトにバレる可能性があろうが、カンニングしたことを脅されて、盗撮してしまいました、と言うべきだ。

そもそもカンニングしたこと、盗撮したことを、学校に言わなきゃいけないんじゃないのか?

クラスメイトにも伝えて、許しを請うべきだ。

脅されたんだから、きっと許してくれるだろう。

許してくれなくても言うべきだ。

というか、警備員は警察に捕まった訳で、盗撮しろと脅したことも当然分かるんだから、隠し通すなんて無理な話だろう。

警察に、実際に盗撮したんですか?って言われたら嘘つくのか?

脅されて盗撮したのが罪になるのかは分からないが、罪になろうが退学になろうが、自分に嘘をつかない、というのはそういうことなんじゃないのか?

そこら辺がばっさり何も描かれていないのに、良い話みたいにされているのが非常に気持ちが悪い。

進藤が裏でうまい具合に処理した、と言われても、さすがに処理のしようがないだろう。

盗撮画像は勝手に消去したのか?

盗撮された人への説明もなしで?

盗撮とカンニングの報いを何も受けずに、プロデューサーの娘は今まで通り学校に行くのか?

プロデューサーの娘は上級国民だから?

警備員が警察に捕まる映像を放送した時、ニュースゲートのスタッフが盗撮を強要した犯人をおびき出した、などと詳細を省いて説明したのか?

放送上は隠せたとしても、どうやって娘のカンニングと盗撮をもみ消したんだ?

進藤は警察内部と通じているから?

カンニングは、正直に学校には伝えたが、進藤が学校の不正をつかんでいて、それと引き換えに取引したとか?

全然分からない。

こんな中途半端な終わり方なら、進藤は悪に徹した方がまだ面白かった。

進藤が勝手に、ニュースゲートのプロデューサーの娘がテストをカンニングし、警備員に脅されてクラスメイトを盗撮した、とぶち抜きで放送してしまった方が良い。

公私混同の取材を依頼されたことも明かし、怒るプロデューサーに、報道に関わる者として隠蔽は良くないですよ、と諭すとかなら、文字通り番組をぶち壊している。

娘を守ろうとするプロデューサーに進藤は、善人ぶってんじゃねぇよ、と言っていたが、善人ぶっているのは一体どっちなんだ?

でもそんなナイトクローラー的な悪感も、深みがない進藤がやるとただの嫌なやつになりそうなので、それも難しいかもしれない。

分かりづらい警備員の携帯2個持ち

ニュースゲートの放送が終わったが、進藤は警備員が2つ携帯を持っていることを知っていて、警察から押収されていないもう一つの携帯を学校に探しに行き、警備員室の天井から見つけることが出来たが、携帯を2個持っていた、という描写が分かりづらすぎた。

2個持っていたか?と思って警備員と進藤が話す姿を見返してみたが、見返しても、ギリギリ2個持っていたのがかろうじて分かる描写だった。

2個目は進藤の目の前で、警備員が右手で右ポケットから取り出したのが分かったが、それも右ポケットから出たのははっきり映っていない。

1個目に至っては、女子生徒とすれ違う瞬間に左ポケットに携帯らしき物を入れただけなので、これが携帯かどうかも分からない。

進藤からは2つともはっきり見えていたんだろうが、視聴者でこの警備員が携帯を2つ持っていることが初見で分かったとしたら、とんでもない観察力だと思う。

難易度が高すぎて、説明されてもピンとこず、気づかなかった、騙された、という悔しさもない。

ちょっと意地悪というか、あまりに隠しすぎているので、せめて1個目の携帯に関しては、もっとはっきり見せても良かったと思う。

警備員がアップになっている訳でもないので、携帯を右ポケットにしまった描写がはっきりあっても、違和感に気づく人はほぼいなかっただろう。

警備員があからさまに携帯を2つ持っていたら、さすがに怪しくて疑われてしまうので、ギリギリ見えるように工夫したんだろうが、ちょっと隠しすぎたんじゃないかと思う。

進藤に言われて見返した時、見落としてた、というアハ体験も得られない。

こういうことがたくさんあると、実はそうだった、という事後報告をただ聞いているだけの感じになるので、興味はどんどん失われていく。

進藤の存在感は薄い

進藤の人物像は相変わらず薄いままだった。

冒頭で机に足をかけて本橋と話す感じが、ナチュラルでなく、格好つけているように見える。

プロデューサーが提案したスター発掘の新企画に、面白そうですねえ、と言っていたが、明らかに思ってないのに言っている感じが嘘くさくてあざとい。

本当に、進藤が面白いと思っている感じがあれば引き込まれるが、そうではないので、ただ言っているだけの置いたセリフで、効果的ではない。

そもそも、ありきたりなスポーツ選手の卵のスター発掘企画なんて、進藤が面白いと思う訳がないから、それをこの足りないセリフだけで興味があると思わすなんて不可能だ。

実はニュースゲートの評判が一部の人達からは悪いので、こういうゆるい企画も混ぜようかなと思ってたんですよ、などと嫌味を混ぜて付け足す、とかならまだ分かる。

それを聞いて崎久保が、もうっとため息をつくとかでも面白い。

進藤が自分からしゃべらなくても、面白いですね、は明らかに嘘なんだから、崎久保あたりが、思ってないですよね、何を企んでるんですか?などとツッコみ、進藤が慌てて弁解する、とかであれば、おかしくはならなかっただろう。

例えば、俺はこう見えても槍投げのジュニアオリンピック代表だぞ、スポーツは俺の唯一の趣味だ、などと、ちょっと怒って言う、とかなら進藤の意図はバレなかったかもしれない。

しかし嘘くさい言い方で誰もツッコまないので、意図があるんだな、としか思わず、見ている者を全然騙せていない。

エンターテイメントのドラマなんて、良い意味で演技で視聴者を騙してなんぼなのに、そこら辺はスカばっかりだ。

最後に崎久保がプロデューサーの娘に変わっていたのは騙されたけど。

進藤は、今回も滑舌が悪く、イラッとした箇所があった。

進藤が刑事と電話でしゃべっていた時、容疑者が自死した、と聞こえ、自死?自殺したのか?と思ったが、話の流れ的に自首と言っていたことが分かり、もうっとなった。

滑舌が良すぎてハキハキしすぎるのも気持ち悪いが、何度も言うが、この滑舌の悪さは中身がないので、やめた方が良い。

警備員が捕まった後、再度進藤は自分の娘に会いに行き、いきなり、あーそうそう、あの盗撮サイトは〜と娘にしゃべりだしたのがすごくあざとかった。

会う予定がなく、いきなり来てビックリしている相手に向かって、会話中ではない出会い頭に、あーそうそう、と切り出す会話はそもそもこの世に存在していない。

本当に今思い出した感じも一切ない。

会うことが分かっている相手と軽く挨拶した後、急に思い出して、とかならあり得るが。

娘と話す照れ隠しで、あえてあざといセリフ回しにしたのか?

今思い出した感じにしたが、実はそれが言いたかった、ということか?

それにしても、何か渡すものがあるとか、無理やり会う理由をつけて、会話の途中でついでに言う感じにしないと不自然だ。

そしてゆっくりしゃべっている時は、それはそれで感情が間延びしてしまっている。

たまたま進藤がゆっくりしゃべっているシーンの再生速度を1.75倍にした時、進藤のセリフからは感情を感じられ、大分マシに聞こえた。

なので、感情がない訳ではなく、あるけど感情の回転が遅い、ということだろう。

普通の速度ならその分薄く、冗長になるのは当然だ。

セリフを置きに行っている証拠の一つと言っても過言ではない。

かといって、ただ早口にしただけで感情が追いついていなければ、やはり薄くなる。

早口はゴニョゴニョで、ゆっくりは間延びするんだから、もし格好良くしたいのであれば、この人に合っているしゃべり方は、寡黙しかないんじゃないか、と思う。

たくさんしゃべらなくてはいけない、スマートで、仕事の出来るキャスターという役は合っていない。

ほとんどしゃべらず、チームを後ろから動かす、影のリーダー的立ち位置、プロデューサーや局長の様なポジションの方が合っているんじゃないか?

もし格好良くしたいのであれば。

前話でも書いた通り、崎久保にいつも怒られてうだつが上がらない、適当な男だが、やる時はやる、という柔軟なキャラクターなら十分成立すると思う。

崎久保にいつも、滑舌悪いです、と怒られ、テヘッととぼけているような、人間臭い役の方がまだ合っているんじゃないかと思う。

実はそっちの方がよほど格好良いと思う。

プロデューサーに、善人ぶってんじやねぇよ、という冷たい言い回しの苦言を今回も言っていたが、ただの薄い嫌な言い方なので、こういうのもいらない。

ちなみに今回の話も、プロデューサーの娘の間違った行いを、よく分からない感じで隠蔽し、中身のないインタビューを放送し、闇バイトに気をつけて下さい、的なことを格好良い感じで言っているのが、ダメな意味のおバカさんに見えた。

「第5話-テレビ局の内通者は誰?」が”物足りない☆2″理由と考察、その感想

最後だけ良かった5話

5話は、警察の不正とテレビ局内の裏切り者を告発する話しで、今まででは一番面白く感じられた。

今回は進藤のセリフがかなり多く、前半から進藤の滑舌の悪さ、セリフを読んでいるのが丸出しの言い方が爆発し、今話の主要キャストのディレクターは演技っぽいし、参事官はあざとすぎて、先が思いやられたが、終盤では進藤の存在感がなぜか急に出て来て、尻上がりに終わった。

終盤までは足りない演技描写ばかりだったが、話の内容的にも巨悪を暴く話としては、この終わり方はちょっとだけ面白く感じられた。

終わり方の良さを考慮しても、全体でプラマイマイナスという感じか。

なぜなのか考えていきたい。

噛み噛みでセリフを置く進藤

冒頭でプロデューサー達が会議をしていて、社会部部長の駒井が、進藤の言いなりになってたら警視庁出禁になるよ、と悪口を言った後すぐ、進藤がドアを開けて出禁上等です、と言い、ダンダンダンダンパラパララ〜、とドラマチックな音楽が鳴ったのが、バカバカしいコントみたいで萎えた。

こんな音楽流してドラマチックに見せるほどの場面か?

コントなら良いが、そうではないので、不必要なコミカルさに感じた。

わざとやっていたら、これはダメな悪ふざけだろう。

女性が後ろから刺された時も、進藤が悪口を聞いていた時にも同じ音楽を流すなら、もう何でもありで、四六時中流しておけば良いんじゃないかと思う。

進藤が席を立った時、笑った時、苦言を呈した時、ことあるごとにダンダンダンダンと流しまくれば良い。

仮にふざける意図はなく、これでも格好良く登場したつもりだとしても、その後の進藤の苦言を呈するしゃべりが、セリフを置きにいった、語尾を伸ばすしゃべりで全然迫力もなく、あざといのでさらに萎えた。

国定会長という言葉も噛んでいるし。

冒頭から、変なものを見せられている、という強烈なパンチをかまされた気分で、大分先が思いやられた。

そして、上述した通り、今話は進藤のセリフが恐らく一番多い回で、終盤までその置きに行ったセリフ回しをずっとしていて、とてもじゃないが聞いていられなかった。

例えば、内部告発者を守れなかった我々の負けだと苦言をデスクに呈するシーン、いやー面白い噂聞いたよ、と梶原に発破をかけるシーン、取材の依頼を記者に頼むシーン、駐車場で梶原に声をかけ発破をかけるシーン、本橋を酒に誘うシーン、参事官とバーでしゃべるシーン、参事官と料亭の外でしゃべるシーン、警察署で指輪を落としちゃってと言うシーン、女性警部に告発を迫るシーンだ。

ほぼ全て、ドラマの8割以上の進藤のセリフ回しが置きに行っている。

もっと細かいラリーをしていけば良いのに、少しセリフが長くなると、ただでさえ置きに行く感じがより演説化してリアルでなくなる。

特にわざとらしかったのは、いやー面白い噂聞いたよ、と梶原に発破をかけるシーン、警察署で指輪を落としちゃって、ととぼけるシーンだ。

完全な素人演技と言って良い。

こんな嘘くさい言い方で、誰が騙されるんだ?

実際にこんな人がいたら、この人なんでこんなにわざとらしくしゃべるんだろう?と怪しさが一番に頭をよぎる。

警察に嘘を付くなら、こんな言い方をしたら、怪しまれて絶対に署長室で進藤と本橋二人きりにはしてくれない。

その警察が無能ならしょうがないが。

本当に忘れ物をした時に、人はこんな言い方するわけない。

何とも舐めたしゃべり方だと思う。

なので、進藤さすがだ、なんて思うはずがない。

置きに行った演説は、内部告発者を守れなかったのはニュースゲートの負けだ、と言うシーン、梶原に駐車場で発破をかけるシーン、参事官に料亭の外で釘を刺すシーンだ。

特に、駐車場の後半と、参事官の料亭の外での長ゼリフは、まるで、少し遠くにあるカンペを丁寧に読んでいるかのような演説だ。

もはや会話でもなんでもない。

カンペを読んでないなら、頭の中にあるセリフを思い浮かべて、一つづつ順に追っているんだろう。

駐車場では、進藤はなぜか途中一瞬だけ梶原に敬語になり、梶原は立ち止まるが、ただ敬語になっただけで何も効果的でない。

丁寧なしゃべり方出来るんだ、という驚きも感じさせない言い方なので、梶原が立ち止まるのもあざとい。

普通は、そのまま無視されて歩いて行かれるくらいの迫力のなさだ。

でも、ドラマのあるあるで、無視しようとしたが、核心を突かれて立ち止まる、というよくあるシーンをやりたかったんだろう。

どこかのドラマのうわべの真似を、本番のドラマ内でやっている。

その後の長ゼリフも、会話ではない演説だ。

面白いな、君は、という最後の言葉で帳尻を合わせたつもりなのかもしれないが。

そのセリフも、面白いと思ってないし、中身のない言い方の嫌味で、薄い。

料亭の外では、参事官に顔を向けて長ゼリフを言っているが、ただセリフを読んでいるのを会話風にしただけだ。

本当の会話ではなく、生感のない会話風、というのは進藤にはびこっている悪い癖で、今に始まったことじゃないが。

なので、終盤まで、なんじゃこりゃという感じがずっと続いていた。

進藤の言葉は、平たく言えば、深いようで薄っぺらいので、耳に入ってもほぼ聞いてないに近い。

終盤で急に存在感の出てきた進藤

しかし、そんな進藤も、駒井部長をはめてみんなで問い詰めるシーンでは、初めてナチュラルで良かった。

セリフの言い方にそれぞれ感情がこもっていて、良い意味で楽しんでいる感じも伝わってきて、パァーとなった。

週刊誌の記事に出ますよ、と言うタイミングも言い方も良いし、それは私の1日署長の写真で、残念です、と言って笑っているのが、本当に笑っている感じで、こっちも面白く感じられた。

いつもの嘘笑顔とは明らかに違う。

この悪を暴き追い詰めるという勧善懲悪的な爽快な展開と、進藤のナチュラルな演技も相まって、このシーンは面白かった。

なんだ、出来るじゃないかと思わされた。

もし、この時のナチュラルな進藤で、1話から全編に渡って演技出来ていれば、おかしな展開などはひとまず置いておいても、相当見応えがあるものになったと思う。

その後、参事官を追い詰める進藤も後半は良かった。

最初こそ少し噛んでいて、演説っぽい長ゼリフの危うさがあったが、説明をしていくうちに少しづつ感情が出てきて、セリフに抑揚もつき、写真を叩きつける所などは爽快さもあった。

展開が良かっただけでなく、明らかに進藤がナチュラルになっていた。

後半はセリフが聞きやすいし、いつもの噛む様な感じもない。

最後の、今夜のニュースゲート、お楽しみに、と笑いながら言う感じも、感情がこもった言い方で、顔の表情も悪くない。

その後のニュースゲート内の演説は、放送内の演説で初めて良かった。

今までの番組内で一番長い演説で、「赤坂南署」と、「垣間見える」を「かいなみえる」と噛んでしまっていたし、他にも噛む寸前の少し聞き取りづらい部分はいくつかあったが、後半に向けてどんどん自分の言葉になっていき、引き込まれた。

権力が真実を封じ〜などという冒頭は読んでいる様な単調な感じもあったが、どんどん良くなり、皆さんも思い当たることはないでしょうか?から始まる終盤の問いかけは、自然に聞き入ってしまった。

ただ読んでいるわけではなく、ちゃんと今言っているのが分かる。

自然な細かいためや、ゆっくりした言い回しが入っている。

顔がアップになっているが、変に力んでいるわけでも、ゆるくもない、フラットな表情で、真剣さが感じられて良かった。

なので、終盤だけやたらと尻上がりに進藤が良くなり、急にまくってきた。

なぜいつもこの終盤の様な演技でいかないのか分からない。

この感じがデフォルトであれば、このドラマは別物になっていたかもしれない。

この一部分だけ演技が良かった理由はハッキリしない。

単に役者の調子が良く、ナチュラルな状態でいられたのか、この話の終盤だけ個人的に思い入れがあり、入り込めたのか?

役者も人間だから、その話ごとによって、好きじゃない、この話は面白く感じれない、という時も当然あるだろう。

この回は警察の不正も絡んだ大ごとで、この役者が個人的に面白いと感じられていたから、ナチュラルなプラスの感情が出たのか?

いずれにせよ、これが出来るのであれば、最初からずっとやって欲しかった。

言いたいことを言っているせいか、途中から噛む回数も少なく、聞きやすくなっている。

普段いかに言いたくないことを言っているか、ということだろう。

仮に言いたくなかろうが、そんなことを感じさせずに工夫してしゃべるのがプロだと思うので、言い訳にはならないが。

それか、この終盤のシーンは噛んじゃダメだ、と思って撮り直したのか?

もしそうなら他のシーンでも撮り直さない意味が分からない。

撮り直してこんなに聞きやすいなら、ぜひ撮り直すべきだろう。

何はともあれ、この進藤の終盤の振る舞いは良く、主役として存在感があった。

しかし、終盤までの演技がかなりいまいちなので、盛り返しはしたが、これでもまだプラマイマイナスである。

ここだけ良くてもしょうがない。

今までの足りない演技はあえてで、この終盤の演技によって全ての点と点がつながった、などというわけでもない。

単に質の良し悪しがバラバラというだけだ。

ただ、前半が良くて後半がイマイチよりも、終わり際が良い方がまだ救いがある。

魅力が足りない主要キャスト達

今話の主要キャストのディレクターの梶原は、ずっと演技してるように見えるので、ほぼ何も引き付けられなかった。

怒って大声を出す時など、本当に怒っているようには見えず、演技感を強く感じてしまった。

プロデューサーもしかり。

梶原が署長からもらったノートのメッセージに終盤まで気付かないのも、おバカさんに感じた。

せめてもっと悔しそうにして欲しかった。

他に何も記入がない、新しく用意したノートなら、メッセージ以外にあり得ない。

社会部記者の安藤は深みがなく、梶原とのケンカは、2人ともしょうもなく見えた。

終盤で怒って駒井に記者の正義を説いていたが、序盤で警察の肩を持つようなこともしていたし、信用出来る感じでもないので、なんだかあという感じだった。

局長は特に威圧的ではなく、優しい雰囲気があるが、怒る時はちゃんと怒り、急に手のひらを返す感じも含め、テレビ局のお偉いさんという感じで良い。

結果オーライであれば何でも良い、という様な人間で、ドライであり、後腐れもなさそうだ。

深くはないけど、それっぽい感じはある。

編集長は露出は少ないが、ナチュラルで良い。

崎久保は、このチームの中では、一番作っている感じがなく、自然で良い。

普通っぽい、実際にいそうなAD感があり、あざとくもない。

しかし、進藤に突っかかったり、釘を差したりは悪くないが、進藤とのコンビ感がまだ足りない。

これは、進藤の似合っていない固いキャラのせいで、もうこれ以上は進展しないだろうと思う。

進藤の助手になることはあっても、お互いがお互いを高め合う、悪口を言いながらも協力して助け合っていく、などという面白い関係にはならなそうだ。

崎久保にはその幅があるのに、進藤は柔軟性のないカッコつけキャラなので、進藤が踏み込めず、距離は縮まらない。

今の進藤は、崎久保がガンガン踏み込んでいったら、プライドが傷つけられ、耐えきれずにキレてしまいそうだ。

本当は、それでも崎久保が止めずに進藤を責め続けていたら、いつの間にか進藤は崎久保に頭が上がらない感じになるだろう。

いつも周りには格好つけているけど、崎久保にだけは弱い、なら面白い関係性だが、それは進藤を演じる役者的にもやりたくなさそうだ。

格好良い感じで行きたそうに見える。

崎久保は、進藤さんって警察の内部情報にも詳しいんですね、と言うと、進藤に、何が言いたい?と詰められ、いえ、と引いたが、引く必要はない。

何が言いたいかは明白なのに、何が言いたい?と聞くのは中身のない弱い反論で、威圧している感じがダサい。

なので、ニコっと笑って、何にもないです、と言うとか、またお金もらったんですか?しょうがない人ですね、と決めつけて周りにも聞かすように言うとか、もっと闘って欲しい。

面白い関係性は、そのさらに先にしかないと思う。

この進藤にそれを受け止められる懐の深さはないので難しいが。

いずれにせよ、もう5話で、まだ味のあるコンビ感、チーム感が確立していないのは遅い。

確立しないまま終わりそうな気もするが。

しかし、この話で、終盤までに主要メンバーの中で唯一魅力があったのが、強いて言えば崎久保くらいだと思う。

編集長は良いが、露出が少ない。

主役の進藤は上記で述べた通り、終盤までは酷かった。

しかし、崎久保は梶原や進藤のサポート役的立場なので、崎久保だけで全てを面白く見せれるほどの力はない。

そして、悪役の村崎も全くリアルではないので、誰にも引き付けられないまま終盤まで来てしまった。

ずっとあざとい参事官

今話の悪役の村崎参事官は、ずっとあざとかった。

さすがにあざとすぎないか?

まるでコントの悪役で、リアルでも何でもなく、冷めてしまう。

この世に実際に存在している人間が全てリアルではなく、普段の素があざとい人も少なからずいて、村崎参事官がそうである可能性がない訳ではない。

むしろエリートになればなるほど、変わった振る舞いを普通にしている人間も増える様な気もする。

地位や権力があればなおさら、それが背中を後押しして、変な自信に満ち溢れていくんだろう。

だから村崎の様な人間も全くいないとも言い切れないが、それにしてもあざとい。

しゃべり方全部を意識して一言一言力を込めてしゃべっている感じだ。

自然とは対極の振る舞いだ。

終盤で進藤が写真を叩きつけた時も、ゆっくりと驚いた顔で膝から崩れ落ちる感じが、めちゃくちゃ嘘くさかった。

このシーンの前に、頭の中でこれをやろうと描いた間違った絵を、そのままやっているようにしか見えない。

仮に、これがアドリブだと言われても同じことだ。

作り物をぶつけているだけで、生の会話でも何でもない。

それでもピタッとハマればまだ良いが、その決めた絵が実際の空気感と合っていなくても、そのままやってしまうなら、おかしくなるのは当たり前だ。

決めた演技が途中で出来なくて控えめになったり、むしろ決めていた演技以上に激しいものになった、など、その場の空気感で変わるなら、まだ生感も出るだろう。

しかし、あるはずの空気感に作用されずに、間違っている決めた絵を強引にそのままやり通してしまうのは、演技とは言えないと思う。

どちらかというと、不条理をテーマにした前衛芸術に近いんじゃないか?

そうであれば、リアルなど全無視で好きにやれば良いだろう。

もしくは、コントならこれでも成立するかもしれない。

しかし、そうではないので、せっかく進藤もナチュラルに振る舞えているのに台無しだ。

変なリアクションなので、爽快感も薄れる。

こんな人間はいない。

悪側の人間が、驚いたリアクションを作為的にやってくれている様にも見えるので、もうそれは悪ではなく、目的が分からないし、リアルなやり取りからは大きく逸脱している。

いずれにせよ、こんなに変な人間としてではなく、嫌な部分は残しつつ、もっとリアルな人間感がある演じ方にして欲しかった。

なので、終盤の進藤の巻き返しまでは、村崎も含めて、これは何を見せられているんだ、という感じだったし、村崎は最後までずっとあざとかった。

ちょこっと進藤が終盤に良かっただけでは、全体の印象をひっくり返すにはほど遠い。

せめて、進藤と村崎が全編ナチュラルであれば、面白い方に振り切れただろうと思う。

そのナチュラルというのは、まだかなり遠いところにあるが。

「第6話-スクープと死」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想

臓器移植がテーマだが、よく分からなかった

6話は、崎久保が臓器移植をしようとしている母子を助けようと、ニュースゲートチームにも真実をあざむき、奔走する話だった。

後半は、崎久保の突然の行動やそれを追うニュースゲートチームの攻防が描かれ、これはどうなっていくんだ、と思わされ、進藤が母子の前にバイクで現れたらしきシーンで終わった。

序盤から、なぜ子供が父の臓器移植を受けられないのかが分かりづらく、子供の病気の深刻度も不明なので、よく分からないまま話しが進んでいき、人間ドラマもあるようでハッキリせず、ガツンと来ないまま終わった。

崎久保がこの話の主人公的立場で、特にあざとい訳ではなく、比較的見やすかったが、面白いとは感じれなかった。

なぜなのか考えていきたい。

変な母親の訴え方

冒頭で、子供の移植手術を待つ母が、助けて下さい、夫と娘が殺されてしまいます、とテレビ画面に訴えていたが、リアルではない。

YouTubeの釣りのような、動画の文字タイトルなら分かるが、もうすでにテレビ局が取材に来ているのに、インタビューの最初にいきなりこんなことを言うか?と思う。

しゃべっているうちにだんだん怒ってきて、これで娘が長い移植待ちになって死んだら、間接的な殺人ですよ、などと言うとかならまだ分かるが。

怒った言い方でもなく、冒頭でいきなり言う感じなど、言うと決めていた作為的な意識が入っていて、この母親の立場になったら、こんなことを言う人はいないだろう。

腹が立って怒っているのが普通なのに、怒りはさほど感じられず、ひたすら必死に訴える感じは、少しズレた演技になってしまっていると思う。

そもそもこの娘が今どれほどの健康状態で、すぐに移植をしなければ危ないかどうかすらも教えてくれないので、仮に母親が怒っていても、その態度が状況に見合っているかどうかも判断できない。

なので、この母親のリアルな態度を作るためのリアルな設定や作り込みが足りていないと言って良い。

丸投げされた役者もどうすれば良いか分からないだろうから、不憫ではある。

分かりづらい父娘の状況、臓器移植の問題点

脳死状態になった父の臓器を、移植手術を待つ娘がもらえない、という序盤の状況ががすごく分かりづらかった。

一応、なぜ受けられないのか、なぜ移植登録をしていないのか?などと番組内で質問され、崎久保がそれに答え、局長も疑問を呈していたシーンがあったが、それでも分かりづらい。

父はどうしていれば臓器を提供できたのか、なぜその準備が出来ていなかったのか、などの議論を、もっとハッキリと番組内でして欲しかった。

臓器提供の問題がテーマの話しで、進藤や崎久保の過去にも関わってくる大事なテーマなのに、さらっとしてよく分からない。

大画面を使っても良いが、ディベートなども交えて、後5分は割いても良かったんじゃないかと思う。

もしこれが本当のニュース番組だとしたら、大分説明不足のニュースだ。

要するに、今まさに父の臓器を娘にあげる矢先に父が死んで臓器があげられなくなった、という話なのは分かるが、事前の意思表示と移植希望登録というのが分かりづらい。

娘に臓器をあげるためには、局長もちょっと言っていたが、父は、自分の臓器を娘に優先してあげる、という明確な文を、免許証やマイナンバーカード、意思表示カードなどに書いておく必要があった、ということらしい。

ただ臓器提供を許可する、という部分に丸をするだけでなく、親族優先、などと書かなければならない。

さらに移植希望登録というのがややこしい。

父が明確な意思表示をした上で、娘は移植希望登録をしておかねばならかなったが、調べてみると、この登録とはあくまで死んだ人から臓器をもらう順番待ちに入るための登録であり、生きている人から直接臓器をもらう時には、登録する必要はないとのことだ。

この、移植希望登録は死んだ人から臓器をもらうためのものである、という事実をもっとしっかり教えてもらわねば、なぜ登録しなかったんだ?としか思わない。

崎久保は、手術をする予定だったから、と補足していたが、それでも分かりづらかった。

そして、モヤモヤしたのでさらに調べると、生体移植をするには、移植希望登録をしてはいけない、という訳ではないそうなので、やっぱり登録をしていなかったのはなぜなのか?となってしまった。

まず、父が娘に臓器を確実にあげるためには、万全を期して、自分が死ぬことも想定した上で明確な意思表示を書き、さらに死んだ人から臓器をもらう娘の移植希望登録も済ましておき、登録したまま生体移植手術をする必要があった。

移植希望登録は、登録した部位の移植が行われたら、それが生体か死体かに関わらず勝手に抹消されるらしいので、登録しっぱなしの方が安全である。

なので、その登録をしなかった理由がよく分からない。

免許証に臓器提供の意志を書き込むような人なら、そこまで考えられない訳がないし、そもそも娘は移植手術が必要だ、となった時に、病院側から生体移植か、脳死もしくは心臓死した人からの移植か、どうするのか話があったはずだろうとも思う。

そこで、念のため移植希望登録をしておけば確実ですよ、などとは言われなかったのか?

病院がずさんで詳しく説明しなかったのか、単にまさか父親が死ぬとは思わず、登録をする緊急性などは感じないから勧めなかっただけで、こんなレアケースを病院側もそもそも想定していなかった、のかは分からない。

ちなみに、移植登録をするためには、大部分を補助金で賄える地域もあるようだが、登録料の3万円を払い、毎年体を検査して更新料5千円を払う必要があるらしいから、父親が死ぬとは想定していない状況で、安易に勧めづらかった、ということか?

それも全て含めて、制度を把握した上で最悪に備えておくべき病院の不手際とも言えるので、臓器提供の制度の矛盾、などという法律や制度上の問題だけでなく、病院側の落ち度としても、ニュースゲートは病院側を追及して欲しかった。

それこそ、良い問題提議になったんじゃないのか?

そして、崎久保も言っていたが、生体移植をせず、脳死もしくは心臓死の死体から臓器を提供してもらう場合、日本では約16000人が移植待ちをしていて、実際に受けられるのは年間で600人ほどという少なさである。

日本では毎年3000人ほどが交通事故で亡くなるが、臓器提供の意志を表示しているのは10%ほどらしく、交通事故死からの移植でも全然足りない。

アメリカでは年間約14000人の亡くなった人から臓器が提供され、実際の移植件数は約35000件、日本では年間亡くなった人100人ほどから臓器提供され、実際の移植件数は約600件という、とんでもない数の違いがある。

亡くなった人の人数より多い件数が手術されているというのは、脳死の場合は使える部位が多いから、それだけ増えるのかもしれないが、詳しいことは分からない。

いずれにせよ、日本は世界の先進国で見ると異常に少ない移植率で、日本の制度がいかに患者を助ける気がないのか、というのがよく分かる。

アメリカは、そもそも亡くなる人の数が多い、というだけでなく、臓器提供の意思を確認しておくことを義務付けている州が多く、日本では意思表示は放ったらかしでほとんどの人がやっていない。

政府の啓蒙活動が少なく、マスコミも大して騒ぎ立てず、一般市民もあまり関心がない、というのがずっと続いているんだろう。

なので、もし家族が臓器移植をしなければならない立場になり、親族からもらえない部位を待つ場合、日本を脱出することを真剣に考える必要がある。

お金と時間があればアメリカに行ったり、中国や韓国でも日本よりはるかに高い率で臓器提供は行われている

外国人が優先される訳でなくても、日本で待ち続けるよりははるかに可能性が高い。

そういった現状の理不尽さも、冒頭でドラマを利用して教えて欲しかったが、あまりにさらっとしていて、自然に関心を持つには大分足りない。

崎久保の話を聞いていた進藤は、とても澄んだ目で、優しく崎久保の話にうなずいていたが、それどころの話じゃない。

これこそ、進藤がえぐり出すべき日本の闇であり、この母子が違法な臓器提供を受ける受けないは、問題の枝葉に過ぎないと思う。

そもそも日本の制度が機能していれば、外国人が臓器を売りに来る隙間などないだろう。

ちなみに、この時の進藤の優しいうなずきの感じは、もうキャラが変わってしまっていて、統一感がない。

この役者本来の優しさが出たのだろうが、進藤のダークな雰囲気など何もなく、まるでお客さんのような反応で、何も考えていない様に見える。

せめて真剣な顔をして見つめるだけとか、素直にうなずいてしまってはいけない。

こういう感じが漏れ出てしまうなら、以前も言ったように、格好をつける感じはなしにして、棘のある態度も取らず、優しく寡黙な人間で全編やれば良い。

そして、その後の崎久保との言い合いも何も中身がなかった。

崎久保がしゃべりだした時の第一声の、あ?という感じが中身のないおバカさんに見えた。

あえておバカさんを演じているというより、本当にそうだと思わせる反応だ。

あえて演じる理由もこのシーンにはない。

番組をぶっ壊す、ということを掲げ、スタッフをあざむきながら番組を作っているクセに、ちょっと崎久保が暴走しただけで、この反応はしょうもなさすぎる。

プロとしてもダサい。

顔色一つ変えず、あたかも台本にあったかのように取り込んでしまう、とかなら格好良かったが、戸惑ってしまった。

そして、いかに理不尽でも法律を守らないわけにはいきません、という誰でも言える薄い反論をしていて、何も見応えがない議論だった。

そういう普通のことを一番言ってはいけないキャラクターじゃないのか?

崎久保の方がよほどぶっ壊そうとしている。

崎久保に花を持たせるためにわざと言い負けた、という深みもない。

進藤さんダセぇなあ、ともし同僚ならそのまま思ってしまう弱い振る舞いだ。

あえて悪役の振りをしたいなら、怒って、老害のように崎久保の意見をねじ伏せようとする感じの方がまだ良い。

いつも同僚にやっている嫌な言い方を崎久保にしたら、きっと炎上して、みんな崎久保の味方になってくれたんじゃないのか?

しかしそうではなく、弱く崎久保に反論しただけで、何がしたかったのか分からない。

リアルでない崎久保の姉の話

昔の話で、崎久保の姉が臓器移植を受ける直前に、進藤のスクープにより違法な医者が警察に摘発され、姉は手術台に放置されたまま亡くなったということだが、これは一体何死なのかよく分からなかった。

手術中に医者が逃げ出し、その影響で亡くなったなら分かるが、手術前になぜ亡くなったんだ?

もともと体調が悪化していて手術前に亡くなったのであれば、それは手術も出来ない体調だったかもしれず、無理して手術した所で、やはり亡くなったかもしれない。

全身麻酔で亡くなったとしても同じことだ。

せめて、手術が出来ずに数日後に亡くなったとかなら、進藤のせいだと言えるかもしれないが、手術当日に亡くなった、というのが、ドラマチックにしようとしたのか知らないが、とても嘘くさい。

というか、なんで死んだのかをボヤけさせているので、明確に進藤が悪い、と思わせてくれないのが、モヤモヤする。

手術当日の死因が、医者の物理的な影響ではないなら、完全に進藤のせいではない。

この話を、雪乃ちゃんの母の前でした時点で、それは進藤のせいなのか?という疑問符が頭に残るので、崎久保に感情移入も出来なかった。

通夜に来た進藤に、崎久保の母が、あんたのせいで娘が死んだ、と詰め寄る回想シーンも、ポカンとして見てしまった。

進藤はスクープを求め、それは臓器を取られる人を守るためでもあり、母は娘を守るためで、それぞれ自分なりの正義にのっとって行動し、お互いが正しく、対立してしまうという不条理を描きたかったのかもしれないが、うまくいっていない。

こっちも、偽善的な正義感を振り回す進藤よりも、何としても娘を助けたかった崎久保の母を応援したかった。

偉そうなことを言っても、現状は何も変わっていない、一般市民を違法な臓器売買に走らせるほど、理不尽な世の中を放置してきたのは進藤達大人だろう、と思いたかった。

それでもやってはいけないんだ、なぜなら、と進藤がスクープを止めない深い理由を提示して、進藤への怒りをひっくり返すような展開にして欲しかった。

一回悪になってから裏返ったら面白い。

しかし、グズグズでそうはなっておらず、ひっくり返す展開など、土台がしっかりしてないのでうまくいくはずがない。

進藤はマスコミのトップなので、社会を変えられていない責任は相変わらずずっと背負い続けてはいるが、上述した通り、崎久保の姉を直接的に死に追いやった訳ではないので、進藤この野郎、といまいち思えない。

そう思うために、崎久保の姉の死を進藤のせいになすりつけなければいけなかったのに。

この世の理不尽は全て進藤のせいだ、と思えるほどに。

でも進藤は悪くないから、盛り上がらない。

もちろん、今の現状を作った間接的な悪さはあるが。

なので、この崎久保の姉の話しは、もっと現実を踏まえてリアルに作り込んで欲しかった。

進藤と崎久保のつまらないケンカ

進藤と崎久保は、進藤の部屋で口論していたが、崎久保が弱く、物足りなかった。

本橋が会話を全て聞けていたほど、声が筒抜けの構造になっている変な部屋で大事な話をする、という2人のおマヌケさはひとまず置いておこう。

口論では、進藤は終始普通の浅いことしか言っていない。

こんな普通のことを言うなら、よほどマンパワーがあり、感情豊かな人間で迫力がないと、見ていられない。
案の定大分薄かった。

貧乏人から臓器を取っても良いのか、将来金持ちから貧乏な日本人が臓器を奪われる日が来ても良いのか、人の物を取ってはいけないと幼稚園で習わなかったか、イスタンブール宣言を知らないのか、臓器売買は犯罪だ、だって。

例えがピンとこないし、後は普通のことをゆっくり言っているだけ。

幼稚園って他でも言ってたけど、こんなありきたりな表現を言いたいあたりがナンセンスだ。

ちなみに進藤よりも、多くの幼稚園児の方が、ナチュラルで強い感情を出せる。

進藤の感情はほとんどが演技のためのもので、人工的だ。

崎久保は、そういう問題じゃない、臓器売買が犯罪なんて誰でも知っている、法を犯して臓器をもらわざるを得ない、と思わす社会を作った進藤さんが悪い、と言ってやれば良かった。

マスコミとして、法律が変わってからの意思表示を全然広められていない、もし広まってたら、そもそも雪乃ちゃんは生体移植を試みる必要すらなかった、臓器売買をスクープするだけなんてただの枝葉切りで世界は何も変わっていない、枝葉だけ切って満足して、人の物は取ってはダメと幼稚園で習わなかったか?と偉そうにこれからもずっと言い続ければ良い、みんな白い目で見てる、所詮裸の王様で、進藤さんに社会を変える力なんてない、とかいっぱい言って欲しかった。

そのくらい、進藤は中身がないことを言っている。

それを、どうだすごいだろ、みたいな感じでしゃべっているのがまた鼻につく。

崎久保もなぜこんな中身がない意見にもっと強く感情をぶつけないのか分からない。

徹底的に進藤に怒り散らして、激しく口論して欲しかった。

ここでしっかりケンカしておけば、後々、結局実は進藤は悪いやつじゃなかった、となった時に、跳ね上がったかもしれない。

どうせ、進藤はあの母子も助けるわけだから。

進藤は大したことを言っておらず、死んだ姉の恨みを持つ崎久保の方が強く出れるにも関わらず、なぜか進藤に言いくるめられる、というつまらないケンカだった。

崎久保の追及がゆるい

崎久保は、ニュースゲートチームに嘘をついてでも母子を助けようとしていたが、母が、海外に行くのはやめて正式に移植登録待ちをする、と崎久保に伝えると、崎久保は安心して、この問題を追及するのをやめてしまった。

なぜそれで、じゃあ良かった、みたいに溜飲が下がったのか全然分からない。

雪乃ちゃんは、何年も、下手したら10年以上も順番待ちに入っても問題ない体調なのか?

父親からの移植をする寸前だった、ということは、出来るだけ早く移植する必要がある状態には違いないのに、よく崎久保は許せたなと思う。

そんな程度なら、一体何にこだわっていた?

母子が違法な手術に手を出さず、姉の二の舞いにならないだけで満足か?

違法手術を受けないだけで、移植が間に合わず亡くなることは考えていないのか?

今回の父からの移植を逃したことで、下手したら一生順番が回ってこない可能性だって十分あり得る。

国が、今回に限り特例として対応する、という措置を取らなかったことに怒りなどはないのか?

生体移植手術をする寸前であったということは、娘への臓器提供の明確な意志表示と同等であるとみなし、今回は特別に娘を優先して移植が実行される、などという柔軟な判断があってしかるべきだろう。

そうはならず、臓器提供が少ない現状もほぼ何も変わっていないのに、もう特に怒っていない理由が全然分からない。

スタッフがニュースゲートのおかげでドナー登録者が増えたと言っていたが、ドナー登録とは骨髄や血液を提供する登録のことで、臓器提供とは全く別のものだ。

それが増えたのは良いことだろうが、副次的な効果だ。

それも含め、自分の発言が世間で話題になったからもうオーケーなのか?

姉のような人間を出さないための手助けを出来たと思っているのか

そうだとしたら何ともゆるい。

最初の方でも書いた通り、崎久保の問題提議は大分ざっくりしていて、制度が抱える矛盾点、などという表面的な言葉では語れないほど臓器提供の問題は根が深い。

崎久保には、姉の件を胸に、その闇に徹底的に食らいついていく感じを出して欲しかった。

そうでなければ、ただドラマとしてこの題材のうわべに触れただけで、問題提議にはなり得ないし、そもそも面白くならない。

崎久保は、本橋と女性アシスタントに、2人とも臓器提供の意思表示してる?免許証に丸するだけだから考えてみてね、と言っていたが、返事をしてもいない相手に一方的にしゃべる感じ、正面から撮影されている感じも含め、誰かに言わされているような気持ち悪さを感じた。

なぜこんな不自然な撮り方をしたのか?

まるで政府広報のプロモーションビデオみたいで、ちょっと薄ら寒い。

いや、政府広報もさすがにこんな撮り方はしないんじゃないか?

こんなことをせずに伝えてなんぼのはずなのに、なぜこんな偽善的雰囲気になってしまうんだ?

まだ詰問した方が良かった。

意思表示したの?と2人に聞いて、してない、と言ったら、怖い、結局人ごとなんだ、雪乃ちゃんと同じ状況になったらどうするの?口だけじゃん、怖い、怖い、などと嫌味を言う方がまだ面白い。

崎久保のその機嫌が良い感じもゆるい。

ニュースゲートがきっかけで、国民の半分が臓器提供の意思表示をした、とかなら分かるが。

崎久保には、もっと強い姿勢で臨む報道マン的振る舞いを見せて欲しかった。

盛り上がらなかった騙し合い、母子と崎久保VS進藤

その後、母親が崎久保を利用してマスコミをあざむき、違法な臓器提供による手術を受けようと国内のどこかに向かっている所を、進藤が先回りするような描写で話は終わった。

あざむき合戦自体は、どうなっていくんだ、と思わされたが、上述した通り、雪乃ちゃんの状態が不明だし、崎久保に強い姿勢が欠けているので、よく分からず、あまり引き込まれなかった。

雪乃ちゃんの状態が悪化してきているから一刻を争う、それを崎久保が仕方なしに手伝うが、それを進藤が非情にも阻止しようとする、というなら、進藤は悪だ、となって母親と崎久保を応援できたし、面白くなったかもしれない。

正義と正義のぶつかり合いのような感じで。

そして、進藤の狙いはただ阻止するだけではなかった、ということが次の話で判明しそうな展開であれば、次の話で跳ね上がる可能性もあった。

しかし、そうではなく、母親は二転三転して、やっぱり海外で手術をする、となっているので、そうなの?となってしまう。

もし、今すぐにでも手術しなければ雪乃ちゃんの命が持たない、ということなら、その切迫感を伝える描写がなければ、こっちはポカンとしてしまう。

なぜ母親はこんなに焦っているのか、と思うし、崎久保がクビ覚悟でも手伝う理由がよく分からない。

きっと緊急を要するテイなのかもしれないが、普通に見ていて盛り上がりに欠ける。

理解しようしようとする必要があり、かといって理解した先にアハ体験もない。

ただ単に分かりづらい。

ちなみに、本橋からの暗号の連絡を理解できず、電話してみるか、と言って女性2人に止められているプロデューサーは、本当にITが苦手なおじさん感があって良かった。

位置情報アプリのパスワードだと言われても、まだピンと来てなさそうだった。

初めてプロデューサーに人間味を感じれた気がする。

些細なミスを描いた方が、良い人物像になることも往々にしてあるだろう。

次回では、進藤が母子の前に現れ、悪と見せかけて善い行いをするのか?

今回の進藤は、母子の臓器移植に立ちはだかる悪としては、薄い悪なので、それがひるがえった所で、跳ね上がりも大してなさそうだ。

今話では進藤は前回より大分露出が少なかったが、少ないながらも深く味のある人物描写は何もなかった。

薄く、人間味が感じられない嫌な人間、という感じで、あえて悪を演じている深みもない。

今話の主役と言える崎久保の人物描写も、上述した通り中途半端なので、面白いと感じられる部分はなかった。

無理に騙し合い的サスペンス要素など入れずに、シリアスなドラマとして、臓器提供制度の闇について掘り下げてもらった方が、まだ良かった様な気もする。

変にお堅く、教育ドラマの様になってはつまらないが、真剣な議論やリアルな人間ドラマが入っていれば、自然と面白くなるだろう。

今後はどういう話が展開されるのか分からないが、まだあと数話残っているので、5話のラストの様にまくって欲しい。

「第7話-命か?違法手術か?」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想

雪乃ちゃんの手術を邪魔しようとする進藤と崎久保の攻防

7話は前回に引き続き、娘に臓器移植をさせたい母親と崎久保、それをスクープしたい進藤との攻防が描かれた。

崎久保が生放送で進藤を追及するという展開自体は面白かったが進藤の歯切れが悪く、崎久保親子のドラマも物足りず、ミステリー要素は分かりづらく、結局娘は手術を受けられて良かったんだろうが、何が言いたいのかよく分からなかった。

崎久保を含め、魅力的に感じる人物は誰もおらず、つまらなかった。

問題提議には足りない臓器提供問題の描き方、ハッキリしない雪乃ちゃんの病状

結局、臓器提供の問題に一石を投じたかったのか、崎久保と進藤の人間ドラマを見せたかったのか、ミステリーを見せたかったのか全然分からず、どれも中途半端だった。

色々詰め込んで全体で深くしたかったのかもしれないが、それも上手くいってない。

前話で書いた通り、臓器提供の問題の掘り下げが浅いので、問題提議にはまだなり得ていない。

臓器提供の仕組み自体の説明だけでなく、その現状に対してどう思っているのか、大物病院関係者や政治家にしつこく取材し、むしろ裏には利権があり、臓器提供が進まない方が彼らにとってありがたい、などというフィクションでも面白かったかもしれない。

それなら、本当にそうなんじゃないか、とこの問題により興味を持たせられたかもしれない。

違法な手術を斡旋する医師はもちろん悪いやつだが、それよりも悪いのは、患者にそうせざるを得ない状況を強いている医療制度や国の方だろう。

そこはさほど追及しないで、違法な臓器提供だけを追うのは、ニュースゲート、JBNは報道機関としては未熟なんじゃないか?

崎久保の父は、あの組織への上納金が払えると深沢に言っていたから、今後の話で深沢よりも上の立場にある、悪い組織を進藤が追及することになるのか?

それが政府と関わっていたりするのか?

そうだとしても、今の所このニュースゲートの姿勢に魅力は感じない。

雪乃ちゃんの病状の切迫度も相変わらず明確ではないので、どう思えば良いかよく分からない。

今回の話で崎久保は、雪乃ちゃんには時間がないんです、と言っていた。

しかし、その割には前回の話で、母親が移植の順番待ちに入ることを聞いたら、崎久保は安心してトーンは大分下がっていたから、そこまで緊急性がある様に見えなかった。

でもやっぱり容態が悪化して急を要するのか?

もしそうなら、それはそれで逐一分かりやすく見せて欲しい。

母親は、崎久保がやろうとしていたクラウドファンディングを断った、と言っていたが、その理由は特に示されず、容態が悪化してそれじゃあ間に合わない、とも言っていない。

お断りしたんだけど、という普通の言い方で、切迫感も特になく、断った理由も分からない。

仮に病状が悪化してきていようが、とりあえずクラウドファンディングをやる以外に、今存在し得る、合法的に早く助かる道はないんじゃないのか?

それとも、新たな道を作るなら、特例で雪乃ちゃんの移植手術を国に認めさせるよう、ニュースゲートが大々的にこの問題を痛烈に報じ続け、世論を動かす以外にない。

崎久保が本来やるべきことは、クラウドファンディングと、報道で国を動かす、というこの2つを強烈にまず推し進めることで、それでも間に合わなければ、違法な臓器移植もやむを得ない、という選択ならまだ腑に落ちる。

それも、この話の軸となる雪乃ちゃんの病状がいまいちよく分からないので、そこまで緊急ではないからそうはしないのか、それとも、緊急性があり、母親も崎久保も、違法な手術を受けさせようともう決めているから、クラウドファンディングをしないことに抵抗がないのか分からない

違法な手術をやると決めていても、それが成功するかも不明なんだから、クラウドファンディングをやっておこうとは思わないのか?

崎久保は、やっておいた方が良いですよ、と母親に勧めないのもよく分からない。

状況が不明瞭で、とにもかくにも分かりづらい。

理想は、まず雪乃ちゃんの状態の変化を明確に示していき、それに伴って周りの大人の切迫感が上がっていき、怒ったりパニックのようになったりして緊迫感を出すことだろう。

そして、崎久保が違法な手術に協力するのは、あくまでもうこれ以上打てる手がないとなってからで、それまでは姉の二の舞にならないように、母親を説得しつつ、お金集めと報道に力を入れることだった。

進藤との対決よりも、制度を批判すべきだ。

それでも間に合わず、いざ最終手段の違法な手術をする時に進藤が邪魔をしてくる、しかし進藤はただ邪魔してきた訳ではなかった、となったら面白かったかもしれない。

緊急性が高いなら、全てすっ飛ばして違法な手術を手伝うのも分かるが、そこがよく分からないので、崎久保の行動も応援出来ない。

緊急性が高いテイなんだろうが、そうだと思い切れない描写が、上述した通りチラチラあるので、いまいち入り込めなかった。

崎久保と進藤の物足りない生放送対決

唯一面白くなりかけたのが、崎久保が生放送で進藤を追及するシーンだが、このやり取りも物足りなかった。

崎久保の追求が弱いだけでなく、進藤は具体的なことはほとんど何も答えておらず、恥じることは何もやっていない、と言っているだけなので、格好良くはなく、不誠実に見えた。

崎久保の、犯人をなぜ取り押さえなかったのか?という質問には理由を答えず、脅しに屈したんじゃないですか?という問いには、そうは思いません、としか答えず、ジャーナリストとして間違っていると思わないか?18年前のスクープは間違っていたと思わないか?という問いには、まっすぐ崎久保を見つめて、思いません、と言うだけだった。

進藤が脅しに屈して娘を守るのと、母親が違法でも臓器移植を娘に受けさせるのと、何が違うのか、という質問には、一切何も答えなかった。

この最後の質問は、長いセリフの一部分として流れで言ってしまっているので、質問が際立ってない、というのはあるが。

追及されても何も答えない、不祥事を起こした会社の社長や大物政治家のように、ただ逃げる連中と大差はない。

思いません、とちゃんとまっすぐ言うのは良いが、聞きたいのはその先なのに、そこは一切言わないのが不誠実だ。

なぜ脅しに屈したと思わないのか、なぜ崎久保の姉の件に対して間違ってないと思うのか、確固たる理由を堂々と述べるべきだろう。

言えないことがあるなら、上手く隠しつつ、崎久保の追及を全部論破して、真っ向から議論して闘ったら面白かった。

ただ交わす、答えない、なぜ答えないのかも言わないのは、薄いやり取りだ。

崎久保の追及も甘い。

進藤が答えないなら、なぜ答えないんですか?と聞いて、言えない、と言ったら、なぜですか?人にはいつも言わせてますよね、などとしつこく丁寧に批判も交えつつ聞いていかねばいけない。

相手が答えないから、と言ってそれを受け入れたら、答えないのが答えだ、という2人の空気感における既成事実を作られ、聞いている側はそれ以上踏め込めずに会話は終わる。

政治家がよくやる手法で、聞き方が甘いからだ。

自分の質問に答えてくれなかったことで傷ついたから、瞬時にもう一度聞けない、深く追求できない、という心理状態にもなってしまう。

シンプルに子供みたいに、なんで?なんで?と聞きまくれば良いのに、何となく、この少ない回答に意味があるのかも、なんて騙されて引いてしまう。

崎久保は、答えない進藤に、進藤さんも聞かれる側になったらダメな政治家と同じ事するんですね、説明するまで終わらないですよ、番組をぶち壊せっていつもあなたに言われてきたんで、などと、何でもいいが、とにかくもっと責めて欲しかった。

進藤は進藤で、もし、崎久保の追求が弱いなら、その責め方じゃあ甘いですね、もっとこう聞かないと、と言って、自分で自分に質問し、どんどん勝手に深く答えていく、とかがあっても良い。

相手の追求が甘いからそれ以上言わない、というのは十分卑怯だ。

なので、崎久保の追及も今ひとつで、進藤は隠しただけなので、せっかく面白くなりそうだったのに、何も見応えがなかった。

さも面白いやり取りみたいに音楽も鳴っていたが、なんだかなぁという感じだった。

わざと悪役になって炎上して話題を集め、雪乃ちゃんのクラウドファンディングのお金を集めるため、とかでもない。

偽のクラウドファンディングしかやっていないし、この進藤の発言がすごく炎上して苦情が殺到している、などという描写も特になかった。

もし実際にこんな歯切れの悪い回答をしたら、めちゃくちゃ炎上すると思う。

進藤は善人でもなければ、悪役の振りをした、というほど振り切った訳でもなく、紳士ぶった薄い悪だった。

崎久保の姉に関して、実は進藤のせいでは全くなかった、ということを終盤で明かしたいがために答えなかったとしても、なおさら明かさない形で悪方向に振り切っておく必要があったと思う。

後付けで雪乃ちゃんの元母が登場、大きな闇にはまだ切り込んでいない進藤

最終的には、進藤が雪乃ちゃんの生みの母親と水面下で連絡を取っていて、その母親の臓器を、崎久保の父の執刀によって雪乃ちゃんに移植することが出来た。

進藤は違法な臓器移植をする深沢を逮捕するため、雪乃ちゃんを囮に使ったということのようだ。

まさか実の母親の承諾を得ているとは思わなかった。

確かにその手があることには気づかなかった。

崎久保も、私がいくら探しても見つからなかったのに、と言っていたが、これも初めての情報で、ちょっとズルくないか?

崎久保が実の母親を探そうとするが見つからない、という描写も入れておくべきだし、離婚してアメリカにいる人をどうやって進藤が説得したのかも闇の中だ。

進藤がこのドタバタの騒動の最中、渡米して誰かに会った、という描写も入れないと、後付けで何でもありじゃないか?

そういうフリがないから、点と点が全てつながった、なるほど、さすがだ、とは全く思わず、そうだったの?となってしまった。

そもそも別れたということは家庭に問題があったからで、死んだ夫が実は妻に暴力を振るっていたとか、もしくはその逆で元妻が雪乃ちゃんを虐待していた、元妻が浮気して夫が怒ったから、とか、いずれにせよ、一悶着あったであろう元妻がわざわざアメリカから来て臓器提供を決めた理由もバッサリないので、感動に至らない。

何らかの理由で、元妻は雪乃ちゃん家族と関わりたくなかったが、それを進藤が何とか説得した、という描写も入れるべきだろう。

そういうのも何もなく、よく分からないけど帳尻は合った、というだけにしか感じない。

そして、雪乃ちゃんが助かったのは良いが、結局闇の深い臓器移植問題には何もメスが入ってないので、進藤のこの行動は、今のところ、大きいが表面的なスクープを取っただけだと思う。

むしろ、移植待ちの待機問題に直面している人にとっては、やってはいけないが、藁をもすがる時の最後の手段すら奪われた訳だろう。

後は、とにかくお金を稼いで外国に行くか、奇跡的な確率の運に頼るしかない。

雪乃ちゃんが手術を受けられたのは、たまたまスクープを取りたい進藤との利害が一致しただけで、運が良かっただけだ。

このスクープのおかげで、世論が動いて、臓器提供の意思表示を義務付ける法改正の動きが出る、ということなのか?

なんか弱くないか?

昔にもスクープしたはずなのに、何も変わらなかった訳だろう。

ドナー(骨髄や血液の提供者)が増えたのは臓器提供に関係ないし、意思表示する人が仮に少し増えた所で、焼け石に水だろう。

大臣のスキャンダルをつかんで、法律を変えないとバラすと脅して、政治家を動かす、とか、進藤なら全然出来るんじゃないか?

それこそダークヒーロー的なのに、馬鹿正直にスクープを追うだけか?

こんな報道マンがいて欲しい、格好良い、と思えるほどの人格では、今のところない。

やっぱり、警察の汚職を摘発した時のように、普通のキャスターでは恐れをなすような、大きいものに向かっていく姿勢を見たい。

もちろん、違法な臓器移植を追及するのは正義に違いないが、爽快さや気持ち良さなどは特になかった。

このあとの話で、深沢の上の組織と対決するのか?

じゃあ爽快さはそこまでお預けか?

ぜひこの後の話では、深沢の上の悪い組織をコテンパンにして欲しい。

崎久保と崎久保の父との関係性が不明

崎久保は、病院の前で進藤と一緒にいた医師が自分の父であると確信し、母の病院に来た所を捕まえ、父と7年ぶりの再会を果たした。

そして、父に進藤と深沢のやり取りをビデオカメラの前で告白させ、逮捕される前に雪乃ちゃんの手術を行うことを約束させることが出来た。

しかし、なぜすぐに崎久保の意見を素直に聞いたのかよく分からない。

この7年何をしていたのか、ずっと違法な手術をし続けてきたのかも再会した時点では不明だし、もしそうだとしたら、なぜ今回だけ深沢を裏切るのか?

娘を死なせてしまった罪悪感から、違法な手術に手を染めることになったのかもしれないが、父も自分なりの信念を持ってこの7年過ごしてきたわけだろう?

その7年分の思いを崎久保にぶつけ、崎久保と激しく口論になるくらいはして欲しかった。

一瞬は言い合ったけど、7年分の重みなどなく、あまりにあっさりしていた。

父は、崎久保の姉が受ける違法な手術に、当時は強く反対していたことが明かされ、それにも関わらず雪乃ちゃんの手術に関わる父に、崎久保は、今回は一線を超えられたの?とたずねた。

父は、娘を死なせてから、あの時の自分の選択は間違っていたのかずっと考えてる、と言っていたが、よく分からない。

あの時の自分は間違っていた、と判断したから、娘のような人を出さないために、出来るだけたくさん、違法でも移植手術をこの7年間やってきたんじゃないのか?

一線を超えたのは今じゃない、7年前から手術はやってる、などと腹に落ちた感じでなぜ言わないんだ?

自首して、と言った崎久保に、俺が自首したら一体誰が手術をする?日本の制度は腐ってる、また姉のような被害者を出したいのか?もう手が汚れた俺がやるしかないんだ、くらい言って欲しかった。

この歪んだ正義に対して、崎久保がちゃんと説得出来て初めて熱いドラマになるんじゃないのか?

私が報道で世の中を変えるから、もう止めて、そのためにこの仕事を選んだ、とか、分からないけど、とにかく強い気持ちでぶつかるやり取りが見たかった。

報道では変わらないのは知ってる、だから俺は手術し続けてる、雪乃ちゃんがまだ手術を受けられてないのがその証拠だ、などと言ってくる父の意見をねじ伏せて、初めて説得に至るはずだろう。

崎久保が、特例を認めされるために、取り引き材料にする大物の病院関係者や大臣達のスキャンダルを今集めてる、だからもう少しだけ待って欲しい、と言い、もう少しってどれくらいだ?と父が激昂するとか、熱いぶつかりが見たかった。

そういうやり取りもなく、すんなり娘と和解し、母も交えて一緒にご飯を食べ、家族団らんを思い出すという展開は、何もドラマがなくつまらない。

崎久保は、なんとか父を説得し、合法的な手術を模索するが、それでも雪乃ちゃんの状態が悪化し間に合わず、泣く泣く父に手術を頼んだ、とかなら良かった。

父との人間ドラマも薄く、崎久保の奔走もなく、何となく流れで父に手術してもらった感じなので、父の逮捕を崎久保が撮影する、というドラマチックな展開も表面的に感じた。

その他分かりづらい部分、あざとい刑事佐川

序盤で警察の佐川が進藤に、進藤の奥さんを昔刺した犯人は左利きで、崎久保の父も左利きで背格好も同じ、と言っていた。

なので、崎久保の父がそうなのか、と思っていたら、たまたまで関係はなさそうだった。

この先にその犯人が新たに出てくるのか?

崎久保の父に、この人は進藤の母を刺した犯人ではない、と思えるほどの人間性を感じられなかったので、犯人なのか犯人じゃないのか、ハッキリしないモヤモヤが残った。

そして、進藤がその医師については答えられない、と言うと、佐川は防犯カメラの男を追うぞ、と言いながらその場を離れたが、そこには覗いている本橋しかいないのに、一体誰に言っているのか分からない不自然なシーンだった。

佐川は、最初に登場した序盤の話からずっとあざとい。

電話で話している時も進藤と話している時もずっとだ。

警察独特の厳しいリアルな雰囲気などなく、佐川が出ると緊張感に欠ける。

警察の代表としての役どころなんだから、ミステリーやサスペンス要素を盛り上げるための良いスパイスにはなり得ておらず、邪魔に感じる。

進藤は、街の情報屋的なおじさんにお金を渡し、警察をミスリードさせていたが、なぜ警察が都合良くここに来たのかよく分からなかった。

佐川は、本当にここなのか?と言っていたから、進藤に指示されたのか?

なんとも分かりづらい。

それなら、進藤が言ってた場所はここか?くらい分かりやすいセリフを入れて欲しかった。

おじさんは、深沢が偽造パスポートを作って高飛びしそうだ、という情報を警察に与え、警察は国際線を押さえる指示を出した。

結局、深沢は進藤の計画により、高飛びする前に国内の病院で手術を斡旋することになり、結果的にこの情報は役に立たなかった様だが、深沢を逃さないために、進藤が一応手を打っておいたということか?

別に進藤が指示しなくても、さすがに警察だって、深沢が海外逃亡を企てていることくらい予想がつくだろう。

なので、佐川が、深沢は海外逃亡の可能性がある、と騒ぐのもあざとい。

それとも、他に何か深い意味があったのか?

いずれにせよ、必要不可欠で効果的なミステリー要素ではなく、混乱するので、この一連のシーンはなくても良かったんじゃないかと思う。

ちなみに、オネエの編集マンの尾野もあざとく、ずっとコントの演技みたいで、緊張感に欠ける。

編集長は感情豊かで存在感があるが、露出が少なくもったいない。

全体として薄味だった

今回の話も、崎久保が主人公の様な話で、その演じ方自体は登場人物の中では一番ナチュラルであざとくはないものの、上述した通り、人物描写に魅力がなく、大分物足りなかった。

進藤は自業自得をじおうじとくと言っていたり、他にも噛んだり聞き取りづらい部分もあり、同じく人物描写に深みもない。

土台となる人間ドラマが希薄なので、そこにミステリーやサスペンス要素を足していっても濃くなる訳ではないし、より分かりづらくなってしまうんだろうと思う。

主要人物の演技自体や人物描写、ミステリー要素、全て合わせて相乗効果は生まれておらず、よく分からず、引き込まれる訳ではなかった。

これからどうなっていくのかは分からないが、まだ数話あるのでなんとかもがいて欲しい。

「第8話-山火事に隠された秘密」が”物足りない☆2″理由と考察、その感想

サスペンス的展開は良く、隠された謎も気になる

今回の話は山火事の報道にてんやわんやするニュースゲートチームが描かれ、プロデューサーの山井の親子の物語を軸に、進藤が以前から追ってきた事件の謎に迫る、進藤が主役の話だった。

ただの山火事でなく、裏には過去の自衛隊機の墜落事件とのつながりがあり、山井の父が殺されかける、というサスペンス的展開自体は面白い。

闇が深そうな謎に立ち向かう進藤の姿勢に格好良さは感じるものの、進藤の振る舞いも含め、もっと面白くなったんじゃないかと思う。

なぜなのか考えていきたい。

進藤の格好良い部分とそうでない部分

今回はプロデューサーの山井父子の物語が描かれるが、進藤の露出が多い、進藤が主役の話だった。

露出が多い分、それだけセリフを噛むシーンは増えるし、演じ方に良い部分とそうでない部分が混在していた。

一番良かった部分は、進藤と崎久保がトンネルの南京錠を解き、発電所の所長に怒られ、外で崎久保に、色々ありがとう、後は俺一人でやる、と言って軽く頭を下げて去っていったシーンだ。

噛んでないだけでなく、本当に感謝しているのが伝わってくる言い方で、後は俺一人でやる、という言い方も格好つけてない、覚悟を決めたような気持ちの良い言い方だった。

軽く会釈をしたのも自然な謙虚さがあって良い。

終盤で所長と話した時の、自衛隊c-1輸送機墜落事件の取材でね、というセリフの、自衛隊の言い方が良かった。

見ていて引き込まれた演技は、これくらいだ。

後はいつも通り、置きに行っているか、良さそうな所で噛んじゃうか、ちょっと偉そうで鼻につくか、という感じだった。

こういう、崎久保に頭を下げれるような真摯的な人間性があるんだから、全てこのくらいフラットな気持ちのまま演じてくれたら、どれだけ魅力的なのかと思う。

ちょっと偉そうというのは、薄い人間性の裏返しでしかないので、魅力にはならない。

この演じ方の様に常に謙虚で、いっそのこと年下にも敬語でしゃべるくらいの方がよほど魅力的だ

それでは強い印象がなくなるかというと全くそうではなく、きついことを言う時も嫌な言い方ではなく、丁寧に優しい口調で詰めていけば十分怖いし、深みがある。

表面的な態度で威圧するのではなく、行動が強ければ強く見えるので、進藤はそっちの方が合っていると思う。

以前も言ったが、刑事コロンボじゃないけど。

強いセリフを強い態度で言えたら一番スカッとするし、格好良くは見えるが、そんな難しいことは、一部の稀有な人に任せておけば良い。

進藤が出来る闘い方で闘えば良いのに、もったいない。

それをやっているつもりだとしても、徹底されていない。

丁寧にするなら、薄い嫌な感じは、徹底してゼロにしなければならない。

破天荒なのか、丁寧なのか、どっちにも振り切れず、統一感がない。

その統一感のなさに味がある訳でもない。

その演じ方は、最初から固められていなかったんだろうから、もう今さらしょうがないが。

格好つける感じも、薄い嫌な感じと表裏一体なので、それもなくすべきだ。

薄い嫌な感じは全て、格好つけようとしている、とも言える。

ちょっと偉そうだが、頼りにならない進藤

進藤は、山井プロデューサーを、崎久保の前であいつと呼んでいたのが違和感があった。

自分の直属の部下ならまだしも、上司でもあり、年齢も上の可能性もある人間をあいつ呼ばわりするのは、不必要な偉そうさだと思う。

それほど、山井はおバカさんでおっちょこちょいで抜けていたり、進藤が嫌悪するような嫌な人間なら分かるが、そうではない。

崎久保の様に距離感が近い訳でもないので、常に山井さんと言う方が自然だ。

こういう、不必要な偉そうさは、今に始まったことではなく、あちらこちらに散らばっている。

山井に、あなたもジャーナリストの端くれなら、自分で調べてみたらいかがですか?と言っていたが、端くれという言葉が引っ掛かる。

ジャーナリストなんですから、という包み込んだ言い方の方が、相手を不快にさせない言い回しだ。

端くれとか、幼稚園児とか、ボンボンとか、そういう格好つけた言葉使いは進藤には似合わない。

まだ20代で血気盛んな記者なら分かるが、もう50過ぎのいぶし銀の年齢だろう。

そういう言葉を言いたいのはまだ成熟していない。

破天荒に見せたいから、こういう言い回しなのか?

表面的な破天荒だ。

進藤は、崎久保が発電所の所長から、住人へのインタビューに対して激しく抗議された時、崎久保に事情などを一切聞かずに平謝りをしていたのが、情けなかった。

どうすれば良いのか分からない、頼りない上司のようだった。

時に理不尽でも、人は謝る必要がある時があるのは分かるが、そういう格好良さもない。

原子力関連施設がすぐ近くにあるのは事実だし、あえて触れないのも不自然で、崎久保がしつこく何度も言わせた訳でもない。

どっちが悪いのかも調べずに部下がすいません、というのは、報道マンとしてどうなんだ?

崎久保は絶対に失礼なことをしない、とは言い切れないが、進藤の言葉を借りれば、雨が降ってるか外に出て知りたいとは思わないのか?

崎久保の言い分を聞き、崎久保に落ち度はないと判断してもなお、謝った方が後々この人を利用出来る、と思ったなら謝る意味はある。

そういう深みもなく、怒られたからただ謝っているだけだった。

むしろ、彼女はおかしいことは言っていません、なので言いたいことがあるなら、今全てしゃべってもらえますか?と言ってカメラを回すくらいして欲しかった。

過去にバカな記者がリークしたから、などと言われ、自分達も同じ様な目で見られたことに怒りもないのか?

怒りを噛み殺している訳でもない、あまり何も感じずに謝っている感じはなんとも薄かった。

自分が崎久保なら、いつも偉そうなことを言ってるくせに、守ってくれない、頼りにならない、と思ってムカつくと思う。

そんな崎久保の目線を感じて、バツが悪くなって進藤が言い訳する、みたいな味のある関係性でもない。

わざと頼りないやつに見せているわけでもなく、リアルに頼りないので、見せたい進藤像を邪魔しているんじゃないか?

この所長も明らかに急にマックスで怒り過ぎなので、あざとい。

誘導尋問じゃないんですか?原発関係ありますか?などと会話し、崎久保の返答が雑で、徐々にヒートアップするならまだ分かるが。

実際、所長がいた原子力発電施設は、近くの火事でてんやわんやになった訳だし、崎久保が聞いたことは普通だ。

こんなに怒るのはむしろやましいことがあるからだろう。

娘の補足では足りない急なブチ切れだ。

実際やましいことがあり、それが後々の闇に繋がってくるから、ということなら、なおさら、なんでこの人はそんなに怒ってるんだろう、過去に記者に嫌な印象があったとしても怒り過ぎじゃない?という微妙な空気感にするべきだった。

そうすれば、だからあんなに怒ってたんだ、と上手くつながったんじゃないか?

その後、進藤は山火事の映像をバックに、現状を報告し、原発には一切問題はなく、デマを流すのは止めて下さい、と言っていたシーンは途中まで格好良かったが、あしね村をあしな村と、原子力発電しせちゅへの延焼はありません、と言っていたし、最後は、冷静に判断してくどぅさい、と言ってしまったので、格好良くなりきれなかった。

これを、崎久保が見ていて、なんで肝心な所で噛んじゃうんだろう、と愚痴をこぼし、本橋が、進藤さんに言ってもしょうがないですよ、などという会話があれば面白かった。

そうでなければ、進藤が噛むことを当たり前に受け入れているこの世界観は不自然のままだ。

進藤の滑舌の悪さは、感情がノリノリで、噛んでいることなんかどうでも良いからとにかく伝えたい、という強気の噛みではなく、セリフを置きに行って噛んじゃった、という弱い姿勢の噛みがほとんどなので、基本マイナスである。

悪役の前で同じ様に噛んでしまい、なんだって?と強く聞き返されたら、きっと怯んでしまう様な噛み方なので、これを放置している理由がよく分からない。

山井には泣かないで欲しかった

山井は認知症の父が行方不明になったが、特に父の安否を優先する訳でもなく、番組運営を優先するのは粋だが、ギリギリまで泣かないで欲しかった。

山井は進藤と酒を飲みながら、父の思い出を語るのは良いが、まだ死んだか不明なので、涙ぐむ感じもなくて良い。

進藤も、酒を山井に勧めるのは良いが、普通すぎてつまらない。

まだ亡くなったかどうか分からないですよ、とか諭して欲しかったし、僕がお父さんだったら山井さんの行動は誇りに思います、迷惑をかけたくないから俺には構うな、と思います、とか言って欲しかった。

そういう会話をして、涙がこみ上げてくるなら仕方ないが、山井はまるで父を死んだかのように捉えて昔話をするだけで、進藤もただ聞く、という普通のシーンだった。

山井は、翌日ニュースゲートチームの前で、父への思いを語っていたが、誰に言っているのかよく分からない演説で、少し不自然だった。

今井のしゃべり方は、いつも会話感がなく、どんな人間か非常に分かりづらい。

そして、感傷的になるのではなく、爽やかに振る舞って欲しかった。

その後、父が見つかった、という電話を受けると、一目散に走っていったのは、少し涙腺を刺激された。

普段あまり走らなそうなおじさんが、家族のために必死に走っている姿は味があって良い。

肉離れになる危険性を顧みず。

ここまでで、もっと今井の人間描写が深ければ、もっと感動できたんじゃないかと思う。

涙ぐむ感じもなく、本当迷惑な親父ですよ、みんな気にしないで、などと周りを心配させまいと粋に悪口を言ったりして、笑って気丈に振る舞っていたら、電話が来て一心不乱に走り出し時、こっちの涙腺は崩壊したかもしれない。

父親に会った時も、何をやってんだよ、と叱って欲しかった。

今井の感傷的な感じが、父が見つかった時の跳ね上がりを邪魔しているので、もったいなかった。

今井の父が、男が泣くでねえや、と山井を叱る演技は、味があって良かった。

きっとこの俳優は役柄の年齢と実年齢が近いのかもしれないが、だからといって老人を演じられるとは限らない。

本当に認知症とそうでない狭間をさまよっている感じに見えるので良い。

所長になぜか謎をバラす進藤

進藤は、終盤で所長に、一連の謎について詰め寄ったが、最初はまだ2人の会話があって良かったが、途中から進藤の1人しゃべりになっているのが冗長だった。

43年前に自分の父もここにいたんですよ、という進藤の話を所長が聞くのはまだ分かるが、それを聞いた所長は何も言わず、その後、話は変わりますが、と言った進藤の話を聞き続けるのが不自然だ。

進藤の、自衛隊c-1輸送機墜落の取材でね、という言い方は悪くない。

特に自衛隊という言葉の言い方は、その後ももう一回言っていたが、感情がこもっていて良い。

相手がドキッとする言い方だ。

優しかった父は何も言わずに命を絶った、と言った時は、なぜか格好つけていて鼻につく。

謎を解説してくれているのはありがたいが、進藤は、部分で悪くない箇所はあっても、全編に渡って強いしゃべり方、怒りが伝わってきたり、もしくは丁寧だが感情が乗っていて、思わず聞いてしまうほどではないので、ちょっとダレてしまう。

長ゼリフは、そもそも相当感情豊かでないと、聞いてられない。

ゆったりとした間を使って、笑いながら格好つけてしゃべっている感じもすっと入ってこず、スカッともしない。
もっと真剣さがあったほうがスカッとする。

所長も、ヤバい、こいつどこまで知ってるんだ、と焦るのは分かるが、何が言いたいんですか?お父さんに何があったのかは知りませんが、失礼します、などと、ことあるごとに切り上げようとして欲しかった。

もっと細かく会話にしてもらわないと飽きてしまう。

行こうとする所長に、山井さん昔のこと思い出したみたいですよ、などと言ってドキッとさせ、いちいち引き留める様な闘いが欲しかった。

古畑任三郎やリーガルハイの古美門の様に、長いけど聞いてられる質ではなく、ぬるっと、のべっとしている。
格好良く見せたい、振る舞いたい、ということに意識がいって、集中し切れていないんじゃないか?

もっと飾らずに、素朴で朴訥で良いのに、と思う。

進藤の責めが圧倒的でないのに、所長も、図星を言われているから動揺している、という演技があざとい。

このくらいのしゃべりなら、強い悪なら全然振り払える。

というか、こんなにあからさまに、全て知ってますよ、という雰囲気で、相手を小馬鹿にして余裕ぶって笑いながら、真相に近いことを敵にひけらかすのは、おバカさんである。

古畑のように、最終確認をするために聞いている、相手が逮捕される時に、最後にネタばらししている、とかなら分かるが。

進藤は刑事でもなく、自分が所長だったら、いかに進藤を黙らせるか、消すかしか考えないだろう。

山井の父の命は依然として危険にさらされたままだ。

所長に疑念を伝えて、うろたえるのかどうか反応を見たかったのか?

それなら、あくまで違う取材のテイでついでに真相をちらつかせて様子を見るとか、お金をもらえれば黙っておきますよ、とお金目的であることを匂わせるとかしないと、あまりにダイレクトすぎる。

この会話を録音していた所で、決定的な言質も取れていないので、ほぼ無駄足だろう。

俺を消すなら消してみろ、という強い姿勢なのかもしれないが、周りを危険にさらしている不用意な行為だ。

悪を追い詰める自分に酔っているのか?

俺一人でやると言うなら、番組などに所属せず、辞めてフリーの記者として取材すれば良い。

見ている者に説明するために必要だったのかもしれないが、ニュースゲートチームに説明すれば良いことで、全体としてはよく分からないシーンだった。

謎は気になるが、ちゃんとつながるか微妙

山火事も鎮火し、山井の父が無事であることが確認され、話は終わるのかと思いきや、山井の父が足裏を火傷していないことに気づいた進藤が、発電所の所長が嘘をついていることを見抜き、この山に隠された深い闇が示唆される展開自体は面白い。

口封じのために父が殺されかけるなど、一気にサスペンス要素が出てきて、どんな謎があるのか気になってしまった。

発電所の所長が消防署が来る前に輸送した何か、それと自衛隊機墜落事故がどうつながるのか、全然分からない。

防護服を来ていたから、あのトンネルにあったのは放射性物質なのか?

進藤と崎久保は知らなくても、所長も一緒に普通の服で入っていたので、そうではないのか?

いずれにせよ、きっととんでもない物が保管されていたんだろう。

山井の父はセンターの前にいたら足を火傷していた、と進藤が言っていたから、火事はトンネルよりもセンターの方に近かったのか?

そうだとしたら、原発が危ないかもしれない、と思う意見はあながち風評でも何でもない。

そこの地形がどうなっているのか不明なので、よく分からない。

進藤と崎久保は、トンネルの奥にあるのと同じ南京錠を山井の父に渡し、ダイヤルを回してもらったが、この南京錠は一体どこで手に入れたんだ?

地元のホームセンターに売ってたとしたらあまりに警備がゆるい。

そして、同じ南京錠を買うより、業務用の大きいボルトカッター的なものを買った方が早いんじゃないか、とも思ったが、そうしたら器物破損になるからダメなんだろう。

勝手に入るのはどのみち不法侵入なんだろうが。

そして、この南京錠を山井の父の病室に置き忘れたのは、所長をおびき出すためか?

こんな大事なものを、崎久保もさすがに置き忘れたらまずいと分かるはずなので、そういう指示が進藤からあったんじゃないかと思ってしまう。

確かに、そのせいで所長がすぐに追いかけてきて、このトンネルが所長にとって重要であることは判明した。

答えの数字が入った南京錠を所長が見たことで、山井の父にこれ以上謎を暴露されることを怖がり、山井の父は命を狙われたが、それと引き換えにしても知りたかった、ということか?

進藤は、100回もこの村に来ている、と言っていたが、100回も来ている割に、このトンネルの存在を知らないのはザルだと思った。

100回も来てたら、そこそこ昔からあったであろうそのトンネルの存在を知らないはずがない。

住人総出で進藤に隠し続けたのか?

百歩譲って100回も来ていたのに本当に知らなかったなら、もっと悔しがらないと嘘だ。

何で気づかなかったんだ、くそ、という様子もなく、こんなとこがあるんだ、という感じなので、不自然だ。

そして、進藤は、父は優しかったが、墜落事故の取材に行った後、何も言わずに命を絶った、と言っていたが、あまりに突飛に感じてしまった。

進藤の父は、その風貌から、進藤と似たような破天荒っぽい、少なくとも真面目なサラリーマン的な記者ではないようだ。

そんな人が、取材に行ったきり一言もしゃべらなくなり、息子もろとも命を絶とうとするって、そんなことあり得るか?

進藤には優しいが、真面目で気弱な新聞記者だった、とかならまだ分からなくもないが、そんな感じではなさそうだ。

自分のせいで人が死んだ、殺してしまった、それを揉み消してもらう代わりに、自衛隊機墜落事故の闇に関しては、黙ったままにする、などと取り引きした、とかか?

あまりに詰め込みすぎて、そんな訳はなさそうだ。

発電所の所長は、センター設立当初、バカな記者のおかげで苦労した、と言っていたし、今井の父も新聞記者にだけはなるな、と息子に言っていて、それと進藤の父が何か関係しているのか?

自衛隊機墜落が43年前で、センター設立が42年前らしいから、センターが出来た時にはもう進藤の父は亡くなっているので、少なくとも何かをリークした記者ではない。

進藤の父が自殺した理由、自衛隊機墜落の謎、リークされた内容、発電所の所長が隠したもの、全てが違和感なく一本につながったら気持ちが良いが、多分そんな理由はないんじゃないかと思う。

無理やりつなげるなら、自衛隊機は未発表の宇宙人を運んでいて、宇宙人に操られて墜落した、いち早く駆けつけた進藤の父も操られて自殺した、とかか?

翌年に作られた原子力関連施設は、実は宇宙人研究所だった、所長がトンネルから運び出したのは宇宙人の遺体で、見つかったら大騒ぎになるから、とか、急に安っぽいSFになってしまう。

一体どんな謎があるのか気にはなるが、ちょっと大風呂敷を広げすぎてしまっている気がする。

原子力関連施設と、地元企業の癒着もあるので、それらも全てつながるか疑問だ。

そんな懸念を吹き飛ばし、そういうことだったのか、とアハ体験に至るくらい、点と点を見事につなげる謎を今後の話で見せて欲しい。

ちなみに、進藤がこの話で利用した政治家の羽生真一はずっとあざとかった。

さすがにあんな政治家はいないだろう。

序盤の話で登場した時もずっとあざとかった。

きっと、この政治家も後々成敗してくれることだろう。

第9話-「キャスター降板なんてクソくらえ!」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想

ドラマチックだが、スカッとはしない9話

9話では、進藤の裏金スキャンダルが表沙汰になり、芦根村のトンネルに隠された謎、山井の父が知っていることを進藤が探るも、山井が進藤の代わりに殺され、景山重工と政治家の癒着の内容が判明し、さらに、進藤の父は自殺ではなく、JBNの国定会長によって殺された可能性が示唆され、物語は終わった。

今までで一番ドラマチックな内容で、特に山井が死んだのはビックリした。

しかし、ドラマチックな割には、そういうことだったのか、というアハ体験もなく、点と点はつながらず、実はこうだった、と後付けで言われているばかりで、大風呂敷を広げた割にはまだ全然スッキリせず、モヤモヤしか残らなかった。

なぜあれがああなのか、という部分が多すぎて、考えるのも面倒くさくて、素直に楽しむにはほど遠い。

見終わって、中身のないドラマチックさだけが頭に残った。

今までで一番迫力のある進藤のセリフ回しもあったが、心には響かなかった。

なぜなのか考えていきたい。

山井への嘘、実はバッシングをうけていた進藤の父

序盤で、進藤は山井に、センター長に山井の父が殺されかけた理由を告げたら、誰かが自分のスキャンダルを公にして口封じをしようとした、と言っていたが、なぜ嘘を付くんだろう?

山井を動かすために、あえて省略したのか?

進藤の言っていることが本当だとしたら、センター長に話し、その帰り道にセンターの敷地と思われる場所で、政治家からスキャンダルが出ることが告げられるなんて、あまりに早すぎないか?

センター長が進藤と別れてすぐに政治家に電話し、もしくは直接伝え、じゃあスキャンダルを出そうと決めた、としたらいくら何でも時間がなさすぎる。

進藤はあの政治家にマークされていて、記事の内容も全てあらかじめ準備されていたとしても、進藤と別れてから5分もないんじゃないか?

車に乗って近くにいたのは、偶然、もしくは待ち伏せしていたから?

そして今決めたばかりのことを敵本人にすぐ言うのか?

仮にそうだとしたら、レアケースにもほどがあり、分かりづらすぎる。

センター長が、慌てて誰かに電話している、携帯をいじっている、などの描写も入れなければ、そもそも不丁寧すぎる。

それでも、都合良く車が近くにいるのも不自然だ。

せめてその日の夕暮れに、違う場所であの政治家からスキャンダルが出ることを告げられる、くらいの時差がなければおかしいし、スッと入ってこない。

なので、ここはちょっとしたおバカ演出なんじゃないか?

進藤の言っていることが本当であるとするならば。

センター長に言ったことがスキャンダルへのダメ押しだったのか、それ以前に嗅ぎ回ったことがすでにキッカケだったのかで、大分敵の心理も変わってくるから、些細に見えて重要だと思う。

進藤がそこをどう思っているのかも不明だ。

普通に考えれば、トンネルの鍵を開けようとしていたことを政治家にチクられた時点で、もうスキャンダルが出ることは決まっていたんだろうから、センター長に言う言わないは関係ない。

それを進藤が、自分がセンター長に言ったことが原因で口封じにあった、と省略のためでなく、本当に言っていたとしたら、おバカさんになってしまう。

敵の行動を見誤っていて、自分の行動に酔っている。

でも、見ている者に向けては、進藤がセンター長に言ったことが原因で口封じに合う、というストーリーの方が分かりやすく、格好良いから、そう説明させたかったのかもしれない。

センター長に言う前からスキャンダルが出ることは決まっていたんじゃないかと思うんですよ、と山井に言うと格好がつかない。

山井に対しても、視聴者に対しても。

別にそれで何も問題はなく、むしろリアルで良いと思うが。

でもそれが嫌なら、なおさらセンター長と別れた後に少し時間を置けば良かったのに。

この進藤の一言で、混乱させられ、よく分からなかった。

進藤は山井に、自分の父は、自衛隊機の取材後にいきなり父へのバッシングが噴出した、と言っていたが、これも初めての情報だ。

今まで、取材後に何も言わずに命を絶った、と言っていたのに、これも嘘だった。

正確には、取材後にバッシングが噴出し、取材直後ではなく、少し時間が経ってから自殺をした、ということだろう。

父はバッシングと闘い、進藤を守ったりしていた訳で、何も言ってないはずもない。

何も言わず、という意味が、事件について何も言わなかった、という意味なら、言葉上は嘘ではないかもしれないが、騙そう、もしくは勘違いさせよう、という意図があった時点でそれは嘘だ。

父はバッシングを苦にして自殺した、という可能性があったなら、最初からそう思わしておけば良かった。

その方がむしろ、取材後に何も言わずに自殺した、という突飛な事実よりスッと入ってくる。

そして、それは実は自殺じゃなかった、と明かすなら、良い意味での裏切りだろう。

一見何の引っかかりも抱かせない描写を提示し続け、それがひっくり返るから面白い訳で、すでに引っかかる様な事実は邪魔だし、その事実も、実は違っていた、というのはミステリーでも何でもない。

嘘つき前フリの事実後出しミステリー風ドラマだ。

進藤の父はバッシングを苦にした自殺ではなかった、という真相があったとしたら、それをさらに隠したら盛り上がると思って、わざと、父は取材後に何も言わずに命を絶った、という嘘の印象をつけたんじゃないか?

もうそれはただ欺いただけで、真相を知った時に何も跳ね上がらず、はてなマークしか出ない。

より面白くしようとしたのかもしれないが、隠し方が稚拙だ。

序盤のこの時点で、もう萎えてしまった。

なぜ資源をトンネルに隠していたのか不明、跳ね上がらない癒着の真相

進藤と仲の良いゴシップ記者が、トンネル前にあった土のタイヤ痕を追って車種を特定していたが、ここもよく分からない。

なぜ山火事が消えるほどの雨が降ったにも関わらず、まだ土の上にタイヤ痕が残っている?

トンネルの中ならまだしも、外のタイヤ痕を手掛かりにしていた。

雨が止んで、進藤がトンネル内をチェックした後、また同じ車で隠してあった物を中に戻し、再度運び出したってことか?

この時点で、隠したものは再びトンネル内に存在している、ということか?

そういう雰囲気も説明もなく、全然分からない。

それならなぜ一言、また中に戻された、とか誰かに言わさないんだ?

進藤の車をおとりにして、ゴシップ記者の車が明らかにセンターから出る車を尾行していたから、トンネルにあったものはもうセンターに戻されていたんだろう?

実は直前までトンネルに保管されていた、ということか?

なんとも分かりづらい。

そして、景山重工とセンターが癒着し、放射性レアアースをトンネル内に隠していたことが判明したが、なぜトンネルに隠していたのか全然分からない。

センターの従業員は恐らく全部知っている訳で、センター内に置く方がはるかに安全に保管出来るだろう。

定期的に査察が入るから、センター内には置けなかったのか?

違法に横流ししているものはセンター内に置けないということか?

じゃあ、ちょうど査察が入るから、などという情報を出しておくべきではないのか?

センター内に置けない理由をもっと明確に説明すべきだ。

そして、進藤と崎久保が防護服もつけずにトンネルの奥に入った時に、センター長は、被ばくを恐れてとにかく進藤と崎久保をまず外に出す、という振る舞いがあっても良かったんじゃないか?

被ばくするから、という言葉が今にも出そうなるのを抑えて、センター長が急いで2人を外に出させる感じがあれば、進藤は、なぜあんなに急がせたんだ、と考える余地もあっただろう。

センター長は悪いやつでも、娘もいるし、少なくとも崎久保に被ばくはさせたくないだろう。

とにもかくにも、トンネルに隠す理由が不明なので、実は放射性レアアースが隠されていた、と判明した所で、なんじゃそりゃ、となってしまった。

トラックを止めて、中を確認したゴシップ記者は、これはスクープだと言っていたが、一体何がスクープかもよく分からない。

横流ししていた、というのは別の話で、放射性レアアースをトラックで運ぶこと自体が何がいけないのか全然分からない。

進藤は、プルトニウムだ、と言っていたが、それが仮にプルトニウムだったら何だ?

厳重に運ぶこと自体に問題はないだろう。

法律的に何か問題あるのか?

核弾頭を運んでいた、となったら、なぜここにあるのか、という意味も含めて、大分怖いが。

横流しが問題で、仮にトンネルに隠す必要があったとして、実は放射性レアアースが隠されていた、という真相は大分弱い。

ミサイルに搭載可能なプルトニウムを違法に開発、もしくは密輸し、それを売っていた、とかなら大スクープだが、放射性レアアースは一応資源として使えるものだろう?

というか、放射性レアアースってなんだ?

それが違法かどうかも全く一般的でなく、彼らが持っていてはいけないものかどうかすら分からない。

調べてみると、レアアース自体、放射性物質とくっついて存在していることが多く、抽出する際に放射性廃棄物が出るらしい。

じゃあ隠して運んでいたのは、抽出前のレアアースと放射性物質を含む鉱石、ということか?

だから何だ?核弾頭級に危険な訳でもないんだろう?

全然分からない。

単に横流しがダメってだけじゃないのか?

知識がある人から見たら、なんてことだ、と頭を抱えるハラハラ感なのか?

多分、見ている人ほぼ全員よく分かっておらず、みんなポカンとしていると思う。

知識がない人もその専門性の一端に触れて、深いと思わせるような必要不可欠な説明が抜けているので、緊迫感が高まっていかない。

政治家達とセンターと景山重工は、なんか悪いことしてたんだ、というだけだ。

ちなみに、JBNの編成の滝本が景山重工側に付き、進藤と敵対するかと思いきや、最終的に進藤側について、闇を糾弾した。

しかし、滝本がなぜ進藤側に味方したのかハッキリしない。

外部の人間の自分が見ても不正が明らか、汚い金は入りません、と涙ぐんでいたが、今までずっと見て見ぬふりしてきたんじゃないのか?

進藤が言っていたことが本当なら、かなり長い間企業とセンターと政治家は癒着してきた訳で、滝本がいつから編成にいてどのくらい昔からそれを知っていたのかは不明だが、急に態度を変えるのは、あまりに都合が良すぎる。

進藤にはかなわない、立場が危うくなる、と保身でつく側を変えたようにしか見えない。

そんなやつと言えばそうだが、不信感があるので、進藤の味方になった所で、大して気持ち良くもない。

例えば、滝本が実は今井と仲が良かった、とかなら良かった。

ニュースゲートがどんなに荒れても、2人は同期でよく語らう間柄で、今までは癒着を見て見ぬふりしてきたが、今井が死んだことで目が覚めた、さすがに許せない、とかなら、寝返る理由はある。

それなら、俺が殺したんだ、くらいに思って反省していてもおかしくない。

そのためには、今井と滝本の関係性をあらかじめ描いておく必要があったが、今さらもうしょうがない。

教えてくれないセンターの経緯

そして、自衛隊機と放射性レアアースは、もしかして何も関係ないのか?

山井の父がトンネルに向かったのは、自衛隊機を思い出したからで、トンネルと自衛隊機の事件は何かしらで関係があるのは間違いない

しかし、自衛隊機の事件で関係があったトンネルを利用してレアアースを保管していただけか?

まだ謎で、何もスッキリしていないし、なんとも分かりづらい。

そもそもセンターの詳細もよく分からない。

43年前に自衛隊機が墜落し、42年前にセンターが出来たなら、墜落事件で進藤の父が連絡を取った山井の父は、一体どこの原子力関連施設に所属していたんだ?

山井の父は自衛隊機墜落現場にいたんだろう?

センターの前身となる原子力関連施設が、墜落現場の近く、もしくはセンターの場所にあり、そこに勤務していた、ということか?

全く教えてくれず、それは、教えてくれなければ絶対に分からないことだろう。

そもそも現センターの場所か、その近くに原子力関連施設があり、43年前に施設近くに自衛隊機が墜落し、その翌年にセンターが新設、もしくは名前を変えてリニューアルオープンした、ということか?

もしそうなら、明確に示さないと分かりづらい。

謎の真相に関わることだから隠しているのか?

最終話で一気に施設の詳細が明かされるとしても、また新たな情報がたくさん出てきたら、こっちはポカンとするだけだ。

もう少し、伝える部分は伝えないと、全くスッと入っこない。

表向きの施設の経緯くらいは、明かしても問題ないだろう。

それでも、墜落事故がその施設の変遷にどう関係しているのか、ということは謎のまま残しておけるんだから。

これに限ったことではないが、最小限の布石を見せているのではなく、そもそも布石すら見せずに隠しているだけ、というのがこのドラマのミステリー部分には多い。

全てオープンソースで、勘の良い人は謎にたどり着ける、解けるものなら解いてみろ、という真っ向勝負ではない。

どうせ後付けでまたボロボロ新しい事実がわんさか出てくるんだろう、と思うと萎えてしまう。

何でもありで、アハ体験に至らないミステリーもどきだ。

謎を解きたい訳じゃなく、単純にドラマが面白くなるためのワクワク感が、その足りない見せ方により大分阻害されていると思う。

必要な情報も最低限提示していて、分かりそうだけど分からない、という絶妙なくすぐりには全く至っていない。

情報のこぼし方がすごく下手くそだと思う。

山井に圧倒される進藤

進藤は山井の父の持っていた資料を見るために山井と交渉し、一緒に手掛かりを探していたが、山井の進藤に対する反論が良かった。

交渉している時も、裏金をもらっている人にジャーナリズムだとか言われたくない、と言っていたのも最もで、進藤にぶつかる態度が強くて良い。

進藤に、センター長に真実を詰め寄ったら口封じにあった、このままで良いのか、と言われ、嫌味な男だ、と言い放つ感じも悪くない。

そして、進藤の父と今井の父も含めた3人で結んだ約束が破られた、と分かった時、裏切ったのはあなたの父親じゃないですか?と進藤に言われた今井が、逆に反論して進藤を黙らせていたのが気持ちが良かった。

今井は、進藤の父が政府の圧力に屈した、だから帰ってから様子がおかしかった、もしくはあんたの様に金をもらったんじゃないか、そんな様子にがかっかりしたから父は新聞記者にはなるな言ったんだ、とこけみそに言っていた。

進藤は、親父が真実をねじ曲げるはずがない、と言うと、父親を美化し過ぎで、記事を出さなかったのは事実だ、と言われ、進藤は返す言葉がなくなった。

こんなに進藤に強く言えるなら、もっと事あるごとに進藤と喧嘩して欲しかった。

崎久保とだけでなく、局長も編集長も、きっと本当は言い合いが出来るポテンシャルはあるんだろうと思う

もっと進藤にみんなでぶつかっていく感じがあり、すったもんだでチーム感が出てくるなら、よほど面白かったかもしれない。

進藤には言っちゃいけない、みたいな感じにされているのが、大分物足りない。

そんなものはチームでも何でもない。

でも、進藤は言い合いに強くなさそうだから、そうすると存在感がなくなっていってしまうのかもしれない。

表面的なうわべの強いしゃべり方ばかりだから、感情を思い切りぶつけられたら引いてしまいそうだ。

一回局長には詰め寄られた時も、反応が弱々しかった。

いきなりいなくなった不憫な今井、悲しみに暮れるニュースゲートチーム

山井は、進藤と待ち合わせする予定の食堂で進藤と間違われ、ガス爆発に巻き込まれて亡くなった。

重症でもまさか死ぬとは思っていなかったので、結構びっくりした。

特に山井に思い入れもないので、ただびっくりしただけで、涙腺が緩んだりは一切なかった。

山井にもっと魅力的な人間描写があれば寂しさは感じたかもしれないが、いまいち山井がどんな人間か、全編通してよく分からなかった。

部下に寄り添うわけでも突き放すわけでもない、熱いのか熱くないのかもよく分からず、愛着が湧くようで湧くまでいかなかった。

特に何もないおじさん上司という感じだ。

女性陣にトレンドについていけない感じを怒られる、可愛げのあるダメ上司の様な感じとか、何かミスをして落ち込んでいる崎久保や本橋に、急に飲み連れて行って励ます粋な感じとか、愛着を感じられる描写をもっと入れるべきだった。

そういう意味で、山井を上手くチームとして取り込めていなかったので、このいきなりのカットアウトはちょっと不憫ではある。

前話でも、本当はもっと山井の人間味を感じられる話であれば良かったが、前話で言った通り特に何もなく、普通だった。

それなのに、ニュースゲートチームは、山井が亡くなったことを聞いてしくしくしているので、全員ではないが、どっちかと言うとうわべのお涙頂戴だった。

編集長はあまりメソメソせず、生放送することしか私達には出来ないのかも、などと言ってみんなを奮い立たせ、気丈に振る舞う感じはリアル寄りで良かった。

しゃべる言葉の中にメソメソ感がなくて良い。

欲を言えば、もうちょっとこみ上げてくる感じを抑えた方が格好良い。

普通は泣く方向に気持ちを持っていこうとするのであざといが、編集長は泣かない方に気持ちを持って行っている演技なので、リアルに見える。

ちなみに、今井の事件の生放送を担当する女性アナウンサーは、そのニュースの伝え方が本当のアナウンサーの様に見えた。

セリフの言い方に、プロのしゃべり感が感じられて良い。

前回も本当のアナウンサーのように見えたが、今回の方がより良い。

人物描写が深いかどうかは置いておいて。

肝心の生放送の進藤は、今井に対しての気持ちを出してしゃべっている風だったが、あまりに嚙み過ぎて、全然入ってこなかった。

プラデューサー、せんじちゅ、ちちょおや、しちゅよう、しゅごと、しゃあつ人事件、ゆすわけにいかない、など、他にも細かくちょこちょこ噛んでいる。

辺りが暗くなって夜遅そうだったから、より疲れていたのかもしれない。

噛んでいるのを忘れるほど引き込まれはしないので、噛んでなくても、大したことにはなってなかったんだろうとは思う。

でも、聞いていてイラっとするので、全部とはいかなくても、8割くらいは修正した方が良い。

元々こういう人なら何も言うまいが、噛まずにしゃべれる、もしくは少し噛んでいるけど気にならないしゃべりを他で出来ている箇所は少なからずあるので、怠慢だと思う。

それを注意しない周りも冷たく、彼を裸の王様にしてしまっている。

それにしても、これだけ噛んでいたら、普通は自分で止めるはずだと思うが、全然気になっていないのがすごい。

自分の噛みが気になって、普通は続けられないはずだと思う。

これだけ噛んでいて自分から言わないのであれば、確かに声はかけづらい。

ごっそり気づいてない人に、気づかせるほどしんどいことはない。

なんすか?と怖い顔で聞き返されたら、これはしんどい闘いが始まるな、と天を見上げて覚悟しなければいけない。

でもそういう仕事なんだから、言わなければならない、お互いのために。

爆破のシーン自体は、火はCGに見えたが、爆風の感じとか、爆発の仕方とか、それなりに迫力があったので、頑張ったと思う。

迫力のある進藤の恫喝

そして、山井の遺体を確認した後、テントを出た進藤をセンター長が見て驚き、進藤がセンター長に恫喝するシーンは、その後半の叫びはすごく迫力があった。

誰の差し金だ、言えーと叫ぶ言い方は鬼気迫るものがあった。

言えーと言った後の顔が鬼みたいで、顔自体は大分怖かった。

しかし、俺を殺したいなら俺を殺せ、というセリフをゆったりと格好つけて言ってしまっていているので、その後の、間違えんな、というセリフが唐突になり、ちょっと噛んでしまっていた。

格好つけた言い方は、誰に言っているのかよく分からないので、相手に効かせている感がなく、真剣に言わないと、その後の怒鳴りとつながらない。

間違えんな、という怒鳴り自体にもさほど迫力はない。

ほぼ一方的な一人しゃべりで声を荒げられても、そこまで怖さは感じない。

怒っているな、というのが分かる程度だ。

そして、俺を殺したいなら俺を殺せ、という言葉は、一見格好良いようで格好良くはない。

相手が自分を殺す行為を容認している発言なので、容認した時点で、間違えることも起こり得るだろう。

それを間違えんな、と言った所で、間違えてすいません、としか言えない。

そもそも進藤がいなくなればいいので、その過程で周りも多少被害を被ろうが構わず、むしろ重要な進藤の関係者も消えてくれればありがたい、と頭の片隅で思うはずで、あながち間違えたとも言えない。

なので、絶対に許さない、一生かけても追い詰める、的な方向で怒るほうがまだ自然だ。

その後の、誰の差し金か言え、言えーというのは、言い方にちゃんと段階を踏んでいて良い。

しかし、誰の差し金だ、といくら強く詰めた所で、ドキッともせずに逃げやすい。

政治家の〇〇の差し金だろ、と当たりをつけてイエスかノーか迫る方が、図星だったらその反応を見て確定かどうかも引き出せる。

そうではないので、黙っていればやり過ごせる。

警察もいるので、暴力も振るえないだろう。

それに、誰の差し金かもう大体分かってるだろう?

なので、後半の言い方自体に迫力はあるものの、このシーンで特に格好良さや爽快さは感じなかった。

そして、センター長の演技はずっとあざとかった。

前話では強気な時もあり、それもあざとかったが、今話では、怯えている感じがずっとあざとい。

それだけセンター長の上にいる存在が怖い、ということだろうが、これなら前話の様な高圧的な感じで行ってくれたほうがまだ良かった。

弱々しく怯えているのと、あざといのとで、進藤の詰め寄りのシーンはより不発に終わった。

強くふてぶてしい感じの悪に、進藤が強く言う方がまだスカッともする。

さらに、こんなに進藤の怒号が飛び交っているのに、全て言い終わってから崎久保がテントから出てくるのが不自然だ。

警察から説明を受けていても、さすがに聞こえるだろう。

間違えんな、で崎久保は出てこなければ不自然だ。

警察も一緒に。

そして、言えーと詰め寄った所で、見守っていた警察と崎久保に止められる方がドラマチックだし、振り上げた拳を下げる良いきっかけになる。

そうではなく、2人きりの状況で、言えーと言った後、警察が、どうしましたか?と入ってきたら、進藤は何もしなかった。

こいつが殺したんです、逃げんな、とまだ詰め寄り続けなければ、ちょっと怒鳴った程度で終わりか、と思う。

それを崎久保が止める描写があればまだ良いが、そうではないので、物足りなかった。

なのでこの一連のシーンは、進藤の部分的な言い方は良いものの、全体としてガツンとは来なかった。

なぜ進藤の父はガス漏れに気が付かなかったのか?

終盤で、進藤の父は自殺ではなく、家のガスの管を切られた状態で、タバコを吸おうとした時に窓の外からジッポーが飛んできて、それが引火してガス爆発で死亡した、と明かされた。

今井が爆発に巻き込まれた時は、ガスが漏れ出ている台所に近付き、そこにジッポが飛んできたので、引火したのは分かる。

しかし、進藤の父の場合、飛んできたジッポーが机の上に転がってから爆発したので、そんなことあるか?と思ってしまった。

机を通過し、台所に飛んでいったなら分かるが、机の上で引火するなら、そこそこガスが室内に充満していたはずじゃないのか?

それなのになぜ進藤の父は匂いに気づかなかった?

1962年にガスに匂いをつけることが義務付けられたらしいから、43年前の1982年には、当然家庭用ガスには匂いが付いているのが一般的だ。

このドラマの年号が2025年ではなく、古かったらもう分からないが、スマホも普通に使っているので、最近だろう。

台所からは進藤の父は2メートルくらい離れて座っていた。

ちなみに、都市ガスは空気より軽く上にたまり、プロパンガスは下から溜まるらしい。

机は2メートルくらい台所から離れていたが、机の上は空間の真ん中より少し下の辺りだ。

プロパンだと考えても、そこそこ充満していたはずなのに、記者であり、普通の人より危険に敏感そうな進藤の父は、なぜ匂いに気づかなかったんだ?

仮に充満はしておらず、2メートル離れた台所からダイレクトにガスが机の上付近に流れて来ていたとしたら、なおさら匂いに気づくだろう。

疲れ切っていて酒を飲んで酩酊し、鼻が馬鹿になっていた、ということか?

そして、ジッポーが飛んでくる前に、父はタバコに火をつけようとしていたので、ジッポーが飛んでこなくてもどのみち爆発はしていた可能性は高く、まだ自殺ではないとも言えない。

自殺ではない、とはっきり見せるなら、タバコに火を付ける前に、今井の様に匂いに気づき、ガス漏れか?危なっと匂いをスンスンしている時に、ジッポーが飛んでくる、ということにしなければならない。

飛んでくるジッポーを見て顔面蒼白していたら分かるが、まだ焦る様子もなく、転がるジッポーを見守っていた。

なのでこのシーンは、この状況でもガスが引火し得る、と考えても、訳が分からず、そうだったのか、とはならなかった。

最終話で、実は進藤の父はやっぱり自殺を試みようとしていた、と明かされるのか?

複雑すぎてよく分からない。

ちなみに、進藤の父を殺したのに、まだとぼけ続ける国定会長は怖くて良い。

ちょっと偉そうに見えて、崎久保を褒めたり、味のある人間像で味方だと思っていたが、悪役としても手強そうで期待出来る。

これからぜひ、深みのある悪役として、進藤に立ちはだかって欲しい。

ついに次回が最終回

次回は最終回で、進藤は父の仇をどう取るのか?

自衛隊機墜落事故やトンネルの謎もついに明かされるのか?

今までの感じを見ても、きっと謎の部分はスッキリはしないんだろうな、と思ってしまう。

唐突に新しい情報がたくさん出てきたり、真相も弱かったりして、またポカンとしてしまいそうだ。

6、7話に出てきた、違法な臓器売買を斡旋していた深沢の、さらに上の組織も成敗されるのか?

深沢は、あの組織に上納金を納める事が出来る、と崎久保の父と話していたが、まだ放ったらかしなので、出てこなければおかしい。

その組織も、国定もろとも芋づる式にやっつけるのか?

仮に謎部分がすっきりしなくても、せめて進藤と国定の戦いは、重厚で熱いものにして欲しい。

第10話(最終話)-「国民に知られてはいけない秘密」が”物足りない☆2″理由と考察、その感想

ほぼ国定が主人公の10話

ついにキャスターが最終回を迎えた。

進藤は再び芦根村に向かうがトンネルに閉じ込められ、命の危機にさらされ、編集長の身内に反社会勢力がいる、国定会長が官房長官を殺した、という疑惑にJBNは窮地に追い込まれるが、国定の真意が判明し、43年前の真相も語られた。

最近話題になったフジテレビの会見をオマージュして、進藤が無理やり会長を会見に引きずり出す、という展開自体は面白い。

そして、すっかり悪と思わされていた会長が実は善だった、とひっくり返っていく終盤の展開も、会長の迫力も相まって悪くはなかった。

しかし、明かされた謎はよく分からない部分が多く、全然スッキリはしない。

この回は、もうほとんど国定が主人公であると言っても過言ではないほど国定に存在感があり、進藤は大分霞んでしまっていた。

そして、良い話かのように終わっていった感じにも違和感があり、全体としては物足りなかった。

なぜなのか考えていきたい。

国定を引っ張りだしたのは偉いが、進藤の存在感が薄い

ついに進藤と国定会長との対決が描かれたが、進藤は終始圧倒されているような感じで、負けてしまっていた。

見終わったら、ほとんど国定のことしか覚えていない、と言っても過言ではない。

国定は顔の表情に作っている感じがたまにあり、演技っぽさがない訳ではないが、セリフの言い方に味があり、深みのある真摯的な人間に見えるので、とても良い。

それに相対する進藤はいかに薄いのか、というのが露呈してしまっていた。

国定の迫力を全然押し返せていない。

国定に比べたら、進藤もそこそこの年齢であるはずが、進藤は若者に見えてしまった。

そのくらい、一つ一つのセリフの言い方、振る舞いの重みが違う。

国定が、テレビ局の前で大勢の報道陣から逃げずに、あえて車を止めて正々堂々と降り、逃げ隠れせずに対応する感じは格好良い。

そこに進藤が割り込んできて、もう少し質問に答えてあえても、バチは当たらないのでは?と早速噛んでいた。

暗殺疑惑を突きつけた進藤に、国定はバカバカしい、と突き放すが、それは全ての報道を否定していることに他ならない、会見が開かれなければ、自ら報道局であることを放棄し、死を選んだということになります、と進藤は実に最もなことを言っていた。

セリフ自体は格好良いが、いつも通りの格好つけた冗長な長ゼリフ回しなので、特に格好良くはなかった。

否定していることに他なあない、あなたはすつもんに答える義務がある、などと所々噛んでいて、やっぱり聞きづらく、ガツンともこない。

セリフを言うことに満足している、というか、もっと真剣にぶつけてくれる感じがないと、よく言ってくれた、という気持ち良さは永遠に得られない。

良いセリフを言ってやった、と思っているのか?

前話の言えーとセンター長に迫った時の様な真剣さなどない。

余裕がないのに余裕ぶってる人間のしゃべり方に見えて、スッと入ってこない。

今に始まったことじゃないが。

国定を引きずり出す、という、行為自体は格好良いのに、いまいちスカッともせず、もったいない。

記者会見で格好良い国定、薄い進藤、お涙頂戴のニュースゲートチーム

その後の会見でも、国定は格好良かった。

反社を身内に持つものを主要なポストにつけたことは事実だ、と認め、親兄弟がどの様な思想、経歴、職業についているかは関係ございません、その人物の能力だけを見て人選致しました、という言い方が強く、気持ちが良い。

反社の人間を採用するのはどうなんだ?と記者に聞かれ、ちょっとお待ち下さい、反社の人間ではなく、反社を身内に持つ人物です、誤解のないようにお願い致します、という言い方も堂に入っていて良い。

ちょっとお待ち下さい、の言い方がスッと言っていて、全くセリフではなくリアルで良い。

こんな堂々とした人が、全ての会社の社長であって欲しい。

その後、編集長が出てきて真摯に答えようとする感じは、感情豊かで良かったが、スタッフが一人づつ編集長を擁護するのはありきたりのお涙頂戴で、最後に進藤が締めたが、何を言ってるんだと思った。

どこにでもコネ入社はある、コネ入社で簡単に出世は出来ない、出来たとしたら彼女に実力があるから、だって。

そもそも、編集長の知らない所で入社出来るよう裏でゴリ押ししてたらどうするんだ?という、最もな記者の質問には答えず、コネ入社を認めてどうするんだ、と思う。

それは、反社会勢力とJBNが少しでも関わりがあった、と認めた様なものだ。

なぜ全否定しないんだ?

そこも当時のことを徹底的に調べておいて、入社に何も影響していない、と調査結果を提示しなければ、記者会見の意味がない。

そもそも、編集長は祖父とは物心ついてから会ってもいない、絶縁している、などと家族関係を提示する必要もあるんじゃないか?

調べる時間がなく、それでも即日記者会見を開かせたくせに、コネ入社で何が悪いと強く言うだけか?

これで何も言えなくなり、黙る記者もリアルでも何でもない。

コネ入社で簡単に出世は出来る人もいるし、実力がなくてもコネで重要なポストについている人なんて腐るほどいるだろう。

新卒じゃないけど、天下りだってコネ以外の何物でもない。

そんな、何の潔白の証明でもない、薄いことを偉そうに言うだけの進藤は、アホにしか見えなかった。

黙らせたつもりか?

これで、サブにいるスタッフが歓声を上げるのが何とも薄ら寒い。

現実の記者会見でこんな態度を取ったら、非難轟々だろうと思う。

せめて、コネ入社を認めるなら、記者の出版社と個人名を挙げて、あなたは伯父さんが政治家でコネ入社しましたよね、あなたはあの大企業の社長の親戚でコネ入社ですよね、などと次々に記者を逆に詰めていくなら、ダーク的な感じでまだ面白かったかもしれない。

というか、これはあくまでも序章で、進藤は、景山会長を糾弾するために実はこの会見を開いたんだろう?

じゃあこんな中身のない、薄いフジテレビ会見オマージュはバッサリいらなかった。

編集長の身内のスキャンダルもなくて良い。

最初から、国定を糾弾するだけの方がよほどスッキリしている。

編集長が主役の話はなかったから、華を持たせたかったのか?

進藤のうさんくささが爆発しただけだ。

その後、激しい糾弾にも、強い口調で返答していき、真実を語っていく国定は存在感があり良かった。

国定に圧倒される進藤

そして、国定といよいよ真相について闘うが、進藤は薄い。

言うまでもなく、ずっと格好つけているし、この記事を保管していたのは、あんたにも罪の意識があったからだ、違うかー、と叫ぶのはなんとも薄かった。

ただの輩の急な叫びで、深みも何もない。

その後も国定を追及していくが、国定が進藤の父の真実を語り始め風向きが変わっていき、その時の一連の進藤の振る舞いに味もない。

真実を知って、短冊を渡され、驚きやショック、父への改めての尊敬の念や、リアルにやりきれない葛藤など、込み上げてくる複雑な感情が全然表現出来ていない。

ほぼ何も感じていない人の素人演技に近い。

驚いている感じにしているが、あざとい。

全体としては、ただ真実を知ってしぼんでいっただけで、全然国定の存在感に対抗できていない。

墜落事故には実は米軍も絡んでいて、この真相は公に出来ない、と国定に言われると、ふざけるな、親父は死んだんだ、山井もだ、と叫ぶのも薄い。

何も思ってないのに無理やり叫んでる演技だ。

俺が今まで何十年も追いかけてきたのは一体何だったんだ、俺はアホか、なんて未熟なんだ、しかし、それでも真実を隠すのは間違っている、とか、リアルに思えそうなことはいくらでもあるだろう。

そんなことは何もやっておらず、ただセリフを演技風にやり取りしているだけだ。

最後のひと噛みで、JBNの会長職を退いてもらう、と国定に言った所で、どの道辞めるつもりだった、と言われ、羽生との熱いエピソードを語られ、最後には、いつの日かこの国を根底からぶっ壊してくれ、と迫力のある言い方で凄まれ、むしろ激励されて包みこまれて終わった。

全く進藤の良いとこなしで、全部まくられて終わった。

ストーリー的にも演技的にも。

どっちが主役か全然分からない、情けない対決だった。

対決といっても、ただ言い負かせば良い対決ではなく、存在感の強さであり、進藤の感情がリアルであれば、相当見応えがあるものになっただろう。

それには、自然に流れる喜怒哀楽が必要不可欠で、進藤には決定的に欠けている部分だ。

進藤が表面的な薄い言い方でしゃべっていく、反応していくのに対して、国定はフワついてない、ドシッとした物良いと深い感情で対応していくので、このシーンは、終わりに向けてどんどん進藤の存在感がなくなっていった。

羽生先生ありがとうございます、と言って写真に会釈するとか、大スクープだろと、言って笑うとか、国定の振る舞いには幅があり、柔軟で強い。

セリフっぽい部分はちょこちょこあっても、気にならない。

今まで勝手に弱まる敵ばかりとしか対峙してこなかったのもあるが、国定の様な存在感が進藤から出るには、とんでもなく大きな壁を感じてしまった。

まるで大人に子供が噛みついているかのような差を感じた。

そして、景山重工に雇われた一連の犯罪組織も逮捕され、ラストシーンで、こんばんわ、ニュースゲートの時間です、と爽やかにしゃべる進藤がなんとも物足りなかった。

ここで、43年前に自衛隊機がプルトニウムを運んでいたことが判明しました、とぶち抜きで放送してしまう、などという終わり方にして欲しかった。

それを見た国定が飛び上がり、進藤がニヤリと笑って終わるくらいして欲しい。

そうでなければ、まるでやられっぱなしで、あまりに主役として存在感がない。

進藤の父が記事の取り下げにすぐ応じた理由が不明

国定から43年前の真実が語られたが、なぜ進藤の父が記事を出さないことに応じたのかいまいちよく分からなかった。

米軍に自衛隊機がプルトニウムを運んでいたことが公になれば、昔の安保闘争の様に混乱に陥るから、羽生や山井の父からもお願いされたから?

運んでいた自衛隊員達やその遺族も批判の的にされる、芦根村への風評被害も含めて?

それでも、真相を隠すのは記者失格だと思う。

その事実が明るみになり、米軍が撤退させられ、守ってもらえず、日本はどこかの国に占領されてしまうということか?

本当にそうなるかは分からず、もしそうなったら、それは国民が選択を間違えたからで記者は悪くないし、そういう選択を絶対にする、という決めつけは、国民をバカにしている、とも言える。

うわべの不必要な、下品なゴシップ記事とは全く性質が異なり、その事実を知って国民がどうするのか、国民自身に委ねるべき事で、いちいち記者が忖度して隠すなどあってはならないだろう。

山井の言っていた通り、権力に屈したんじゃないのか?

芦根村への風評被害がある、自衛隊員が浮かばれない、では到底看過できない、国民に知らせるべき真実を、進藤の父は報道しなかった。

芦根村はむしろ被害者で、芦根村ってプルトニウム落ちたんでしょ、怖いから行きたくないね、などと言っているやつはアホで、普通の風評被害と意味が違う。

確かにそんなことを言う奴もいるかも知れないが、それどころではなく、矛先は米軍や自衛隊、アメリカや日本の政治家達に向かうはずだ。

芦根村を守れ、という連中だってたくさん出てくるはずだろう。

百歩譲って、当時はそのニュースを出したら大パニックになり、国がなくなる可能性が高い、芦根村が風評で壊滅する、としても、記者のプライドと影響力の狭間で揺れ動く、進藤の父の人物描写などほぼない。

ちょっと頭を抱えた後、羽生の言う事を仕方なしに聞いてしまった感じだ。

よく笑って写真など撮れるなと思う。

これは権力に屈している以外にないだろう。

どんなに国が分断されようが、パニックになろうが、国民に真実を隠してはいけない、と思うのが記者魂じゃないのか?

様々な影響を考えた上で、タイミングを見て、書き方にも注意して記事を出す必要はあるだろうが。

それを羽生にぶつけ、国定も含めて連日激しく議論し、羽生からどんな悪影響があるか告げられ、自分は記者としてどうするのか、と葛藤している最中、景山一派に殺された、とかなら分かる。

そんな描写もなく、羽生の言う事をすぐに受け入れた感じは、大分物足りない。

事故の第一報をなぜ描かない?

そして、この事故の第一報はどう伝えられたが全く分からないのも気持ちが悪い。

落ちたプルトニウムや、放射性物質の処理などをした後、政府がプルトニウムを隠して、墜落事故が起きました、と羽生にでも発表させた映像などがあるなら分かるが、何もない。

進藤の父が、プルトニウムには触れずに、東都新聞から第一報を出した訳でもない。

それだと、命を狙われる理由がなくなるなるから、進藤の父はこの事件に関して何も記事を出さなかった、ということにしたんだろう。

あるのはニュースで流れていた墜落事故の続報と、進藤の父が読んでいた、進藤が持っていた、10月29日の東央新聞だけだ。

この東央新聞の記事も、5日に起きた事故の調査で、パイロットが飛行高度を誤ったことが示唆された、事故現場は山深い場所にあり、地元の消防や警察による救助は困難を極めていた、などと書かれていたので、この新聞記事は、明らかに第一報ではなく、続報である。

それを見て、進藤の父が泣いていた理由が全然分からない。

これが第一報であり、俺が先に出したかったのに、と悔しがっているなら分かるが、事故から24日も経った記事だ。

第一報じゃないけど、この記事を見て悔しさが込み上げてきて泣いたってことか?

第一報ではないなら、なぜ進藤が、自分の父の新聞でもない、事件から日が大分経ったこの記事を、後生大事に持っていたのかもよく分からない。

この新聞記事は、進藤の父の会社ではない新聞の、第一報でなければめちゃくちゃ分かりづらい。

何かこの日の記事でなければならない理由があるのか?

進藤の父が死んだ日だから?

その記事を見て取り乱していたのを進藤が目撃したから?

続報なのになぜ取り乱す?

きっと意味があっても大したことじゃないんだろうと思うが。

そして、この新聞記事が第一報ではないかどうか、普通に見ていては全く分からない。

いつもちらっと映るだけで、崎久保に日にちや内容を読み上げさせたりなども全くないので、見ている人は、これが第一報なんだ、と思うだろう。

すごく分かりづらく、スッキリさせない要因の一つになっている。

ちなみに、中盤の話のちらっと映った10月29日のものと思われる東央新聞を見返して見たら、事故当日は現場一体は濃霧に包まれ、小雨と強風で、現場を特定するのにも時間がかかり、救助隊が墜落現場に着くまで数時間を要した、と書いてあった。

進藤の父と国定の事故現場の回想では、晴れていて雨も降っていなかった。

この記事は政府が捏造させたものなのか?

読んだら余計訳が分からなくなった。

国定が進藤の父を殺した、という回想も結局進藤の妄想だったので、回想シーンが正しいとは信用できず、詳細は闇の中だ。

どんどんつじつまが合ってきて、そうだったのか、となるのではなく、考えれば考えるほど訳が分からなくなる。

仮につじつまが合う事実が隠されていたとしても、それで全体のドラマが面白くなるわけではないから、追うだけ損だろう。

トンネルに隠した理由が拍子抜け

トンネルに放射性レアアースが隠されていた理由がセンター長から明かされたが、横流しをしていることは一部の人間しか知らなかったから、という理由には拍子抜けした。

火事が起きた時、センター長は焦った様子で、7人ほどスタッフがいる部屋で、あれを運び出せ、絶対通報するなよ、と大声で言っていた。

そして、5、6人でトンネルからレアアースを運び出していた。

一部の人間とは彼らのことか?

採掘してきたレアアースをセンターで処理し、横流しする分だけあのトンネルに置いていた、ということか。

なるほど、じゃあそういう風に見せてくれないと、分かるわけない。

そういうことだったのか、ともならず、引っ張るほどの謎じゃない。

センター長が焦った様子で通報を阻止し、近くにいる部下に耳打ちして、あれを運び出せ、と秘密っぽく指示するとかにしなければならない。

その場にいる他のスタッフには、確認事項があるから、まだ通報するな、と言っておいて。

それとも、この場にいた7人全てが、秘密を知る一部の人間だった、ということか?

そんな偶然あり得るか?

分かりづらいにも程がある。

センターには何百人も働いていて、秘密を知ってるのはこの7人だけなら、それが分かるように見せるべきだろう。

そんな大規模な施設で、この7人だけが悪いやつだった、という描写などない。

もし知らない人も混じっているなら、どういうことですか?と言って戸惑うスタッフもいるとか、温度差がなければ不自然だ。

せめて、センター長以外に2人だけが知っていて、何があったんですか?という知らないスタッフに、うるさい、黙っとけ、などと高圧的な態度を取る、とかにしなければならない。

その二人もちゃんと決めておいて、センター長とその二人だけで運び出す、ということなら、隠してなんか悪いことやってるな、とスッと入ってくるし、ワクワクする。

運び出すスタッフも何も言わずに普通に手伝う、というのが、不可解さに拍車をかけている。

みんなでくのぼうか?

必要な描写が欠けているし、ちゃんと描いていれば、わざわざセンター長が、一部の人間しか知らなかった、と言葉にする必要もなく、見ていれば分かっただろう。

わざと分かりづらくしたとしたら、盛り下がる隠し方だ。

進藤が閉じ込められるシーンは必要か?

進藤は序盤で再びトンネルを訪れ、閉じ込められて殺されそうになったが、このシーンの必要性がよく分からない。

進藤は閉じ込められる時、おい、おい、と言っていたが、弱々しい言い方で情けなかった。

弱々しい可愛さがあるわけでもなく、ただのキャラクター崩壊だった。

十八番の強い怒りを出すときなんじゃないのか?

実際の命の危機には弱まるやつか?

ちょうど市ノ瀬が近くにいて助かったが、市ノ瀬は20年ぶりに芦根村の近くに住む親に挨拶してきた、というのは訳が分からない。

せっかく反社会勢力の祖父とつながりがある可能性のある家族と、20年も会っていなかったのに、この疑惑が出たタイミングで会ってしまったら、それが言えなくなるだろう。

祖父どころか、親とも20年も会っていません、絶縁状態です、って記者会見で言えたのに、アホなのか?

なので、前半のこの芦根村の一連のシーンは、終盤の国定が真相を明かすシーン辺りではもうすっかり忘れていた

センター長が、横流ししていたことは一部の人間しか知らないから、レアアースをトンネルに隠していた、というのも大した謎じゃないので、進藤はわざわざ芦根村に行く必要もなかった。

ちなみに、前話で進藤は山井に、自分がセンター長に疑惑を追及したらスキャンダルが出た、と言っていて、センター長と話してからあまりにもスピードが早すぎるのが不自然だったが、実は編集長がリークしたらしい。

なるほど、だから早かったのか、とはならない。

編集長がリークしようが、もう少し時間が経ってからスキャンダルを出した方がリアルで、つじつまが合って良いだろう。

そもそも編集長はなぜリークしたのか?

命が狙われるであろう進藤のために、あえて問題のないスキャンダルを出すことにして、景山重工の目をあざむき、安心させ、時間稼ぎをして進藤を助けた、動きやすくしたなら大分格好良い。

でも、それならそうと、本橋に隠す必要もないし、羽生の息子がスキャンダルを知るのが早すぎて、景山達とつながっているのか、とも思ってしまう。

記者会見を通して、問題ない、味方である、ということになったから、きっと良い目的のためにリークしたんだろう、と思いたい。

そうだとしたら、本橋には本当のことを言って良いし、隠しているのが邪魔で面白くない。

もう最終回なんだから、そうなら明かすべきだ。

次回作への布石とかだったら知らないけど。

プルトニウムが落ちたのは分かったが、「処理する」が何を意味するのかよく分からない

43年前に自衛隊機がプルトニウムを米軍基地に運んでいて、それが墜落し、特殊作業班だった山井の父がプルトニウムを一時的にトンネルに隠した、だから山火事を見て山井の父はトンネルに向かった、というのは、つじつまが合っていて、よく分かった。

こんなたいそうな真相があるなら、なおさらちゃんと丁寧に、見せる所は見せ、変に隠しすぎず、分かる最低限の説明も入れながら展開すれば、話自体はもう少し面白くなったかもしれない。

進藤の父は、事故の取材の後に、人が変わってしまい、何も言わずに命を絶った、などという嘘も入れるべきではない。

マスコミに囲まれ呆然とする進藤に、ちゃんと父は手を差し伸べていただろう。

あくまで全て本当のことで勝負すべきで、セリフや情報自体の嘘だけでなく、隠し過ぎや見せ方が、ダメな詐欺師のようでは、何も面白くない。

見事、などとはならない。

仮に話が面白くても、主役はもっと存在感があり、感情も豊かでなければ、たかが知れているだろうが。

しかし、墜落した翌年にセンターが墜落現場の裏に出来た、というのは、なぜなのかよく分からない。

プルトニウムを処理するのに、今から建物を建てる、などと悠長なことは言ってられないだろう。

でも、羽生は、放射性物質は何年かけてでも安全に処理するって言っていた。

急ピッチで工事して1983年の1月にセンターが出来たとして、2ヶ月もプルトニウムをトンネルに放置するなどあり得ないし、そっちの方が大分問題がある。

プルトニウムは機を見て運び出したとしても、放射能はまだ残っているから、それを完全に処理する、という意味か?

放射能が検出されても違和感がない様、誤魔化すためにもセンターを作ったとか?

そんなに放射能が残っていたらとしたら、後から助けに来た救助隊や警察や消防は被ばくしてしまっていることになる。

そうだとしたら非人道的だし、プルトニウムがトンネルにあろうがなかろうが、いずれにせよ、それを報じない進藤の父は腑抜けである。

山井の父は、どこかの原子力関連施設で働いていたのかどうかは知らないが、とにかく自衛隊の特殊作業班として事故現場に駆けつけ、トンネルにプルトニウムを移し、その翌年にセンターで働き出した、ということのようだが、やっぱりよく分からない。

現場の放射能を除去しつつ、表向きは再処理センターとして稼働していた、ということか?

大して山深くもない、高齢の山井の父が歩いて行けるくらいの距離にある墜落現場の放射能を除去するために?

村の人が狩猟のためや、山菜採りとか、何かの作業のために簡単に近づける場所が放射能で汚染されていて、それを隠蔽したのか?

それがどのくらいの濃度かは知らないがが、被爆している住人も少なからずいるはずで、もしそうなら羽生は悪以外の何物でない。

ちなみに、墜落現場が山の向こうではなく、ふもとから近く、墜落時の回想シーンと、救助隊が駆けつけるまでに数時間を要した、という記事が本当なら、墜落した時点ではギリギリ夜明け前だとしても、特殊作業班がいたのは夜明け後なので、他の住人も墜落に気づく、もしくは見に行って、プルトニウムを運び出すのを見ている可能性もなくはない。

仮に見ていなくても、怪しいトラックなどは目撃している住人は絶対にいるはずで、100回も行っているのに、墜落現場のすぐ近くのトンネルにすら気付かず、何の手がかりも得られていない進藤は、取材能力がないんじゃないか?

でも、前話ではプルトニウムか?などと言っていたので、それなりに取材して手がかりは得ていた、ということか?

もしそうなら、進藤が取材して得た手がかりもちょっとづつ小出しにしないと、100回も取材に行っている進藤はアホに見える。

まるで良い話かのようなラスト

そして、最終的に、JBNの国定と官房長官の羽生が結託して秘密を隠し、日本の安全を守った、という良い話のようになっていたのは、やはりすごく違和感がある。

結局、進藤の父を犠牲にし、日本の分断を守った、と言いながら、景山一派をのさばらせ続け、違う犯罪を防げなかったのは、羽生と国定のせいだろう。

違法な臓器売買の斡旋が金にならないほど、日本では臓器提供の意思表示が世界で一番高くなるよう、政府の中枢にいる羽生と、マスコミのトップである国定は頑張った訳でもない。

日本の分断を守ったから、今も守り続けているから、それも含めた他の犯罪は許せということか?

国定は変えようとしたが変わらなかった、などと自分で言っていたが、本気で変える気があるようには見えない。
羽生もしかり。

良い話をしている自分達に酔っているだけ、とも言える。

進藤の父との約束を口実に、今ではもう国民に真実を隠し続けているだけの国定に、進藤は息子として、報道マンとして、激しい怒りを覚えるべきだ。

なので、国定が全ての真実を進藤に暴露し、進藤が何も言えなくなって、話しが終わった時、国定は振り返って、ニヤリとする描写があれば面白かった。

上手く丸め込めた、しめしめ、と言うような。

そして、ラストのシーンで、上述した通り、自衛隊機は実はプルトニウムを米軍基地に運んでいた、今もなおそれは続いている、と暴露し、国定が真っ青になり、いつものドゥンドゥンドゥンドゥン、という音楽と共に、進藤がニヤリとして終わる、とかなら面白かった。

ドラマ「キャスター」を見終えて

主役に等身大で魅力的な存在感が欲しい

ラストシーン近くで、進藤の娘を追いかけていた不審な人物が映り、進藤の奥さんを刺した人物の組織のボスは足が悪い、という情報が南から明かされた。

これは序章で、進藤の奥さんを刺した犯人と闘う続編が作られるのか?

今のところ、続編には特に興味もないが、どんな話になるのか、進藤がどんな演じ方をするのか、確認したい気もしなくもない。

このドラマの主人公である進藤は、愛着が全く沸かなくはないが、好きにはなれなかった。

進藤がどういう人間なのか、というのが、これだけたくさん見てもよく分からない。

強いて言えば、似合わない強がる振る舞いや口調を使い、格好つけながらしゃべり、怒ると輩みたいになる、という人間か?

そんなのは見せたい人間像じゃないだろう。

良い部分もあるが、全体を通して少なすぎる。

その良い部分が全編に渡っていれば、もう少し面白かったかもしれないが。

強く見せようとしていても、リアルにに強い部分は少なく、意図していないであろう弱い部分が目立ち、統一感もない。

ほとんどが強く意識をして、人工的な演技ばかりなので、普通に見ていて引き込まれることは少ない。

変に強く見せたり、荒ぶる感じなど見せずに、もっと等身大で、ナチュラルな存在感であって欲しかった。

もっとリアルな人間味が欲しい。

前にも言ったが、常に謙虚で、年下にも敬語を使うくらいの方が、よほど魅力的だっただろうと思う。

そっちの方が、タイプ的に合っているんじゃないのか?

破天荒にはなり切れていないから、一度全部捨ててみる、というのも手だろう。

例えば、古畑任三郎が、常に偉そうでオラオラしていたら、全然面白くなかったんじゃないか?

古畑と比べるのは、ちょっとヨイショしすぎかもしれないが。

でも本人がそうしてるつもりだったら、もう何も言えない。

このドラマには、悪役兼善役として国定がいてくれて大分助かった。

もし、国定に存在感がなかったら、見応えはほとんどなかったんじゃないかと思う。

本来は主役にも国定と同等かそれ以上の存在感があり、国定とも対等に渡り合って欲しかったので、進藤を主役のドラマと考えると大分物足りない。

最後は上述した通り、国定に食われてしまっていた。

よく分からなく、爽快感もないミステリー部分

ミステリー部分も全体を通してスッキリする見せ方ではないので、爽快感もなかった。

仮に進藤の演技がすごく良くても、なんか変な話だな、となっていただろうと思う。

両方秀逸でなければ、面白くはならない。

いや、すごい仕組みのトリックとか、とても思いつかない深い謎とか、そんなものを望んでいるわけではない。

面白くなれば良いので、最低限まずは変でなければ良いと思う。

しかし、謎の隠し方や明かし方などもすごく下手だ。

例えるなら、大した誕生日プレゼントでもないのに、渡す前にわざわざオーケストラを使って盛り上げ、盛大なドラムロールが長時間鳴るとか、逆にもらう側が欲しかったプレゼントを渡す時は、なぜか雑に裸のまま素っ気なく渡したりとか。

なんかくれそうな雰囲気だからと待っていたら、何もくれなかったりとか、はっきりとあげるって言っていたのに、そんなことは言ってない、と嘘をつかれたりとか、誰かと腕時計の話をしているな、と思っていたら、プレゼントが腕時計だったとか。

とにもかくにも、悪い意味で色々と翻弄されたことが多かったように思う。

素直に見せれば良いのに、自然ではない。

せっかく面白くなりかけたシーンも、いつもしぼんで終わってしまう。

きっと、ミステリーってこんな感じでしょで作っているんじゃないかと思う

ミステリーに詳しい訳でもなんでもないが、全然スッと入ってこない。

すごい話風だが、よく分からなかった、というのが率直な感想だ。

社会情勢は入っているが触れているだけ

社会情勢を取り入れた話は、取り入れている割に、深い見解などもなく、ただ取り入れているだけ、という感じだ。

せっかく立派な報道局を持つテレビ局が作っているんだから、さすがだな、と思えるほどのリアルな社会情勢をぶち込み、深みを出して欲しいが、そうは全くなっていない。

現役のアナウンサーも何人か出ていて、別にただ出ているだけで、テーマが深くなっているわけでもない。

彼らはアナウンサーの役として出ただけなので、何も非はないが。

進藤とリアルに討論させても面白いんじゃないのか?

さすがに本当のアナウンサーには勝てないか?

そういう使い方をする訳でもないので、彼らにとっても、この作品はただのお祭り騒ぎ、思い出作りでしかないんじゃないかと思う。

社会情勢にただ触れるだけで深く掘り下げないなら、そもそも触れなくて良いんじゃないか?

アメリカが日本に核を持ち込んでいる、という様な、いっそのこと全部フィクションがテーマの方が気持ちが良い。

社会情勢を痛烈にえぐっている訳ではない。

メッセージ性がなければいけない訳ではないが、ないけどその分面白い話でもない。

どっちで行きたいのか、どっちも中途半端で、これならもっとお堅くなっても、リアルな社会情勢の問題提議になり得るストーリーでも良い。

リアルな社会情勢を取り入れつつ、爽快なエンターテイメントでもありますよ、としたかったのかもしれないが、どっちも上手くいっていない。

チーム感も特にないニュースゲート、慕われていない進藤

話が進むにつれ、レギュラーメンバーにチーム感がどんどん出てくれば、それも面白くなり得る一つの要素だったと思うが、そうでもない。

進藤は、表向きは冷徹で破天荒だが、実は誠実で皆を見守り、時には助けてくれる深い人間で、周りがどんどんその魅力に巻き込まれ、気づいたらすごいニュース番組に成長している、という訳でもない。

進藤の意図を先読みして動き、進藤が驚く、というような描写も特にない。

進藤の魅力がいまいち分からず、皆も慕いようがなく、最後まで進藤とニュースゲートチームは距離があるまま終わっていった感じだ。

王様の進藤に翻弄されながら、何となく従っていった、というか。

最終話で、進藤が編集長を擁護している演説を見て、サブでは歓声が上がっていたが、上述した通り、グッとくる一体感ではない。

崎久保は唯一進藤と距離が近く、一番の理解者であったが、崎久保だけは進藤に強く物を言うことが出来て、進藤も崎久保の言うことだけは聞く、などという味のある関係性までは届かず、成り行きで味方になっている感じだ。

そもそも主役の進藤に味のある人間臭さがないので、チーム感を出す、というのが至難の業なのかもしれないが。

ニュース番組のリアルな裏側ではない

ニュース番組というテーマ自体は面白そうな割に、報道の裏側を初めて知れた、というほどの新鮮さは特になかった。

ニュース番組作りというより、タイトル通りニュースキャスターとしての進藤を見せたかったのかもしれず、詳細な番組作りが描かれている訳ではない。

ディレクターによる疑惑の警察官へのしつこい取材、社会部記者が警察幹部とバーで話して情報をもらう、ADが刑事と仲良くなって情報をもらう、などという取材のやり方の描写はあるが、特にリアルな描き方ではなかったし、ちょっとだけだ。

あの人が取材に行っても無理だったのに、違うあの人が行ったらすんなり教えてくれた、なぜだ?とか、ベテランは聞き方を知っている、などという描写があったら面白い。

山火事の取材も、特に何も新鮮ではない。

きっと、本当に山火事の取材に行ったクルーに同行して、その裏側を撮影したら、それだけで大分面白いんじゃないか?

炊き出しは食べないで、持参した弁当を食べようとしたら、地元住人から、あんたらも食べなさいと、強く勧められて泣きそうになったりとか、避難先の体育館で、お泊り感覚で楽しそうにはしゃいでいる子供達に仕方なく遊びにつきあわされたとか、分からないけど、普通は放送されないであろう、味のある裏側の描写があれば面白いが、何もない。

センター長のインタビューへのキレはリアルではないので、当てはまらない。

プロデューサーの父が事件に巻き込まれた、というのはレアアースなのでそれも違う。

ただみんなで、一生懸命山火事を取材に来ただけだ。

メインの進藤自身、実はこんな大変なことをしていたのか、と思わす様な、泥臭い取材をしていた訳でも特にない。

ほぼ全てのスキャンダルは、事前に南を通して、もしくはどっかの情報網から進藤の耳に勝手に入るし、証拠もいつの間にか手に入っていたりする。

進藤も自ら動いて、足を使って取材している部分もあるが、刑事ばりの聞き込み量で、粘着力で、情報をもぎ取る凄みは感じない。

強いて言えば、自衛隊機墜落事件の芦根村での取材くらいか?

しかし、せっかく足を使って、山登りして得た情報は敵に全部ひけらかして流してしまった。

老人ホームにいるおじいさんが一夜で行ける距離なので、大した行程でもないが。

トンネルに閉じ込められたり、爆破されそうになったり、命の危機にさらされてはいたが、それも自身の不用意さもあるし、エンタメ部分で、記者って大変な仕事だ、とも思えない。

大それたスキャンダルばかり出てくるよりも、もっと地味な事件でも良いから、同取材するのか、どう話し合うのか、どうトップニュースが決まっていくのか、など、ニュース番組作りがリアルに描写されたドラマの方が面白かった様な気もする。

そっちの方がリアルに作りやすいんじゃないか?

たまに大きな事件もあって良いだろうが、事件が派手だから面白いとは限らない。

その見せ方が、そもそも地に足がついていなければ、派手になればなるほど、リアルから遠ざかっていく。

あまりに平凡なニュースばかりの番組の裏側のドキュメントになってしまうと、場合によってはリアルでも物足りなくなる可能性もあるので、少しドラマチックに脚色する必要は出てくるかもしれないが。

それもベースがしっかりしていれば、おかしなことにはならないだろう。

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