キャスター
テレビ局-TBS プロデュース– 伊與田英徳、関川友理、佐久間晃嗣
脚本-槌谷健、及川真実、李正美、谷碧仁、守口悠介、北浦勝大
演出– 加藤亜季子、金井紘 音楽-木村秀彬
出演– 阿部寛、永野芽郁、高橋英樹、宮澤エマ、岡部たかし、音尾琢真、道枝駿佑、キム・ムジュン、北大路欣也、他
ドラマ「キャスター」のあらすじ
破天荒で型破りなキャスター、進藤壮一は、報道に力を入れる民放テレビ局、JBNの看板報道番組「ニュースゲート」の新キャスターに就任する。
初日から、カンペは読まない、原稿を急に差し替える、ギリギリにスタジオ入りするなど、独自のルールで番組スタッフを翻弄する進藤。
そんな中、急遽官房長官の出演がキャンセルされるが、進藤は、スクープ記事の差し止めを条件に出演を承諾させる。
ところが、進藤の目の前で倒れた官房長官は、救急で病院に運ばれることになり、向かった病院は、なぜか主治医のいる病院とは違う大学病院だった。
官房長官が倒れ、病院に運ばれる様子をいち早くスクープした進藤だったが、それに飽き足らず、病院を変更した背景を探っていくと、その裏に大きな闇が隠されていることを見つけてしまうのだった。
「第1話-毒を毒で制す男」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想
足で情報を稼ぐ破天荒キャスターのニュース番組ドラマ
破天荒なキャスターが主人公のニュース番組作成ドラマ。
普通のメディアが報道しないスクープを、
進藤キャスターは、スクープのためなら、
本当は、テレビ番組のキャスターってこうあるべきだろう。
自分で取材せずに、人から得た情報を言うだけなのは、
その人に他の人には言えない独特の切り口や解釈がない限り。
一見普通の官房長官の入院のニュースかと思いきや、
しかし、今ひとつ主人公に魅力を見つけられず、
なぜなのか考えていきたい。
滑舌が悪いだけでなく、中身のない進藤
主人公の進藤は、外見は格好良いけど、あまり深みがない。
キャスターのクセに滑舌が悪く、
それが、逆にリアルで、滑舌が悪いけど味があって、
何を言っているのか分からない、
ビヴァンの時にも言ったが、
味でも何でもない、ただの凡ミスをずっとやっているだけだ。
自分のことを勝新太郎だとでも思ってるのか?
普通は、こんな自分の映像を見たら一発で気づくはずだ。
というか、見なくても感覚があるはずなのに、
これで伝わるだろう、こんなもんで良いだろう、
監督が何も注意しないのは、ゴマすりながら撮影してるからか?
はい、もう一回、と言えるまで撮り続ければ良いだけだ。
むしろその方が、この役者も怒りが出てきて、
俳優にダメな意味で楽をさせているだけで、
誰も注意しないから、裸の王様にさせられたこの俳優は可哀想だ。
滑舌の悪さだけでなく、この俳優はセリフが変わっているだけで、
本当はそんなことないはずなのに、最近は、
低い声と外見は確かに格好良い、しかし、いつも見かけ倒しだ。
なぜなら、そのセリフ回しや言い方に、
本当に怒っていたら、もっと伝わってくる。
明らかに感情が動いていないまま、
それでも良しとされてしまっているので、
例えば、崎久保が、
わざわざ笑ったのに、
そのバラエティの基礎となる情報集めは報道がやってる、
崎久保が担当した病気の子供の母親にインタビューに行った帰り、
わざわざ溜めたのに、言うことは普通で拍子抜けだ。
これも、セリフは普通だが独特な感情で見てしまう、訳でもない。
ただ言っているだけだ。
セリフも、悪者を身動き出来なくさせるために決まってるだろ、
そしてそのセリフを言う時に、本当に思っている感がなければ、
進藤は、中身のないセリフを、強い独特な感情で言う訳ではなく、
そのセリフが薄いならより強く、濃いなら少し弱めに、
そりゃ薄くなる。
そのセリフの一つ一つの質自体を判断出来ない、
彼なりにやっているつもりだろうが、トンチンカンだ。
序盤で進藤が崎久保と電話で話している時、雨が降ってる、
感情を使うってこういうことじゃないぞ。
どういうことですか?何の話ですか?その話関係あります?
そこは丁寧に、報道マンとしてのテストだ、大事なことだ、
答えも、外に出て自分の目で確かめないのか?
というか、いいから答えろよって圧迫したくせに、
自分が名言を言いたいだけか?
崎久保がイチゴって答えたって同じこと言いそうだ。
それはまずいな、
しかし、一方的に名言を言っただけだし、
会話をはしょリたかったのかもしれないが、
アメリカのドラマみたいな会話にしたいんだろう?
彼らは感情が十分あるが、彼はそうではないので、
この人は、根本的に会話が苦手で、不器用なんだろうと思う。
本人は、自分のことを会話巧者だと思っていそうな怖さがあるが。
こういう会話の問題点に、
進藤は、こういう一見深い風で浅い、
ラストシーンの一番重要な、
良い声なだけで迫力もなく、ただセリフを言っているだけだ。
一番の見せ場でこれなんだから、
本当はハードボイルドな人じゃない
肝心のまくし立てるセリフは、
強い感情でもなく、何を言っているのかもわからない、
なぜこういったことが起きるのか、というと、
本当は、仲間由紀恵主演の、トリックの上田のような、
ニコニコしてチャキチャキ元気に愛想を振りまく人でも、
それがダメという訳ではなく、演技している時より、
心優しきウドの大木、というような。
それなのに、
失敗しているのになぜ続けているのかというと、
本人も、視聴率が酷くて、
そうやっているうちにどんどん年を取り、
彼の周りが冷たいとも言える。
しゃべるのが苦手なら、もっとセリフを減らし、
もしくは、もう格好つけるのなど捨てて、
本人は、こんなハードボイルドな人ではないのに、
それは、いいね、と言ってくれる事務所や制作関係者をはじめ、
もしそうだとしたら、
本人がやりたくてやってたらもう知らないが。
とにもかくにも、この役者は、
自分のパブリックな役者像をなぞるのに精一杯で、
ビヴァンの時よりも滑舌も酷く、近くで見ると目に力もなく、
なぜこの人が日本の俳優のトップに位置しているのか、
それはこの人に限ったことじゃないが。
他にこのハードボイルドジャンルを演じられる人がいないからって
もういい加減解放してあげたらどうだ?
でも見ている人は、ハードボイルド風なだけで満足なんだろう。
見ている方も見ている方だ。
悪人風で悪人だった進藤
進藤はダークヒーロー的な雰囲気で、さも悪を暴き、
進藤は、上述した通り、内面も振る舞いも薄い。
普通に考えて、出した結果だけは信用出来ても、
アシスタントの声を盗聴して生放送で流し、
悪に対して追及の手を緩めないが、身内も平気で陥れる、
進藤の足りない演じ方も含めて、第一話では、
ラスト前までで、実はすごく良い人だったんだ、
脚本では最後に進藤が裏切るまでに、
でも進藤の聞き取りづらいだけの滑舌の悪さと、
そんな状況で裏切られても、やられた、騙された、
だからせめて最後くらいは、進藤に華を持たせて、
そうでなければ救いがない。
脚本に演技が絡むと印象がガラッと変わり、
役者の演じ方で180度変わってしまうのは当たり前で、
脚本という話の流れと、
日本は脚本を書くのは好きな人が多いようだが、
それでは仮に脚本が秀逸でも、背伸びしているように、
役者に演じることが出来ない脚本なら、セリフや役者を変えるか、
セリフを変えてはいけない、と脚本家の権利は守られるのか?
脚本家を守りたいのか、作品を面白くしたいのか、
この作品もそれらの例に漏れず、
もし、進藤の滑舌が良く、本当に社会やメディア、
残念ながら、そこまでに引き込まれていない。
こういう時に、脚本家は役者のせいに、
それを取り持つ監督は何をしてるんだろう?
毒を制してないラスト、スクープを取り下げる弱い理由
タイトルには、毒で毒を制す、とあるが、
買収されて劣化版のスクープを出しただけだろう。
官房長官はトカゲの尻尾切りをしただけでノーダメージで、
本当に官房長官と少年は平等に扱われたのか、
進藤の言葉を借りれば、自分の目で確認したいと思わないのか?
よく調べもせず、長崎医師は最後まで平等に命を救おうとした、
いくら医者だって、政府の要人の手術は、
そうじゃない医者ももちろんいるだろうが。
あの冷徹な秘書だって圧力をかけていた訳だろう?
崎久保の言った通り、その発言だけで糾弾するには十分だ。
少年の手術に手を抜かなくても、
それを言われてもしょうがない立場で、
進藤がスクープを取り下げた理由が、
官房長官を陥れるどころか、
進藤が、危ない所だった、官房長官を悪者にした後に、
一人の医者が、手術は平等だったと証言している、
崎久保の言うように、買収されたんだ、と思ってしまう。
進藤は、官房長官が機密費からお金を出した音声を録音していて、
後々官房長官を失脚に追い込むつもりだとしても、
この話ではなく、この先で毒を制しますよってことか?
よく分からない。
面白そうなタイトルだが、このタイトル自体も中身がなかった。
ナチュラルな崎久保、あざとさの混在する登場人物達
進藤のアシスタントの崎久保は自然で悪くない。
進藤にも所々ちゃんと怒っていたし、
いそうな感じのADの雰囲気として、
進藤がふにゃふにゃじゃなければ、
それ以外の登場人物は、あざとい人とそうでない人、
あざとさがあってはいけなく、
序盤のテレビ局のスタッフ達の初登場がほぼみんなあざとい。
女性アナウンサーの過度な反応も、編集マンの嫌味な態度も、
女性編集長はそうでもない。
みんな、湧き上がったセリフを自然に言っている訳ではなく、
あざとい小劇団の舞台みたいだ。
名のしれたプロと言われる役者でも、
置きに行くのなんて一番やっちゃいけない素人演技なのに、
進藤もそうなんだから、もうしょうがないか?
日本人の人間性の、
カメラが回ってない普段から、
この最初のシーンから一つ一つ全て、置きに行かなくなるまで、
いくらあざとい人でも、
でも良いと思っているから撮り直さない訳で、
というか、そもそもそんな人をキャスティングしてはいけないし、
政治家の秘書、官房長官の息子はずっとあざといし、
官房長官はあざとくないが。
崎久保が間違えて入った研究室の研究員もすごくあざとい。
そういえば、
普通に原稿読んでいる感じではない読み方になってしまっている。
アナウンサーだからしょうがない。
カタコトの韓国人ADチェはあざとくなく、可愛くて良い。
進藤のアシスタント、本橋も、
100歩譲って、まだ第一話なので、現場に慣れていない、
それをあらかじめ構築した上で見せる方が良いに決まっているが、
役者があざとい、あざとくないも全て、
同じ状況であざとい人もそうでない人もいるなら、
それを、あまりに役者に丸投げしている様な感じもするが、
きっとポテンシャルのある役者達も含まれているんだろう?
とにかく、総じて作り物感がくさい。
少ない人数ならまだしも、人がたくさん出ると、
日本のドラマは、3人くらいの少人数ドラマを作るべきだ。
人数が増えるとその分管理が行き届いていない。
でもやっぱり派手に見せたいから、大人数でやりたいんだろう。
もうあざとい人はいてもいいから、せめて主要キャストくらいは、
主要キャストに圧倒的な魅力があれば、
でもこの作品は、崎久保は良いのに、
テレビ局がテレビ局を舞台にドラマを作っているのに、
本当のスタッフにそのままやってもらった方がマシなんじゃないの
第一話でこの引きのなさなので、
しかし、手を出した以上は、最後まで見よう。
「第2話-オンライン賭博とスポーツの闇」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想
スポーツ賭博を報じるニュースゲート
バレーボール選手とアナウンサーのスポーツ賭博疑惑を追究する進藤
結局アナウンサーもバレボール選手も潔白で恋仲であり、
最近のトレンドであるオンライン賭博や、
進藤がアドリブでアナウンサーを追究し、
しかし、独特の展開はそのくらいで、全体的に作り物感が強く、
なぜなのか考えていきたい。
主役の進藤がどんな人間か分からない
主役の進藤は、所々噛んだり聞き取りづらい部分はあるが、
進藤は、局長や編成などに文句を言われながらも、
全編を通して、どんな人間が分からなず、
存在感があるようでない。
ダークヒーローなのか、本当にダークなのか、
そういう役だからやっているだけ、という演技の域を出ず、
怒りや正義感、優しさ、余裕感など、どれも強くなく、
この役者本来の得意分野や魅力的な部分を、
この役を演じている楽しさの様な物も、演技からは特に感じない。
外見は格好良く、深そうな雰囲気があるだけで、
前話で述べた通り、きっと本人はこういう人間ではなく、
名和と賭博の関与が発覚したらスポンサーを降りる、
一回溜めてから、カッと笑う訳でもないので、
局長にどういうことだ、と強く詰め寄られた時も、
怒られて弱まっている感じのまま言っている感じだ。
本当に全く動じない人間の、強い心の流れから来る演技ではない。
外見は強そうだけど、内面は普通で、
そうであってはならない、器のでかい、肝の座った役なんだろう?
こいつ怒られてるのに、全く動じてない、となれば面白い。
そういう一挙手一投足に強い雰囲気ががあれば魅力的だが、
そんなほつれがポロポロ蔓延していては、
別に外見はどうでも良く、小柄で優しそうな顔をしてても、
最終的に、スポーツ賭博予想サイトを運営するアランこと今井が、
進藤はこの場面では、どちらかというとアナウンサーの様で、
淡々とMCをしている、そこに静かな深さがある訳でもなく、
ほぼ無感情と言っても良いし、この事件に興味がなさそうだ。
アランから連絡があった時は、新聞を投げ捨て、
スポーツ選手の賭博報道自体、ゴシップに近く、
なんで進藤がこんな感じなのかは知らないが、
もっとギラギラして、
その演技もまた取ってつけたようであれば面白くはならないだろう
なのでこのシーンは、名和と今井のドラマの浅さ、
せめて進藤にもっと深みがあれば、まだ締まったかもしれないが。
魅力のないアナウンサー像
ニュースゲートのアナウンサー、小池は、
体調管理に細心の注意を払い、
ただ友人の付き合いで行った、では弱く、
プロポーズもしたし、賭博もしていた、
それでも疑惑は再燃してしまうが、
しかし、特に小池も魅力がなく、どんな人間かも分からないので、
小池は会議に加わり、この番組をどうしていきたいか、
小池はギャンブル好きだ、というぐらいで情報も少なく、
それがバレーボール選手と実は恋仲だった、となっても、
もっと人間味があり、スタッフとも距離が近く、
むしろ、有名スポーツ選手と付き合う、というのも含め、
なぜ小池の人間像を魅力的に描こうとしないのか分からない。
アナウンサーってこんな程度か?
名和はヨーロッパに行くことになったが、
よろしくお願いします、
薄い名和と今井の友情ドラマ
名和は、アランの正体であるトレーナーの今井に、
選手とトレーナーとして世界を目指そう、という目標があり、
理由がないなら、別に今井じゃなくても、監督でも良いし、
例えば、一緒に世界を目指そうと誓ったのに、
それも、名和は今井と旧知の仲であることは知られているから、
そういうドラマも何もなく、
トレーナーだから、
それで、名和が2人で世界に行きたかった、復活を待ってる、
全体的に作り物感が多い
このドラマは、人物描写の足りなさはもちろん、
例えば、ニュースゲートのロゴ画面がもう嘘くさい。
青い画面は一見格好良いが、
実際のニュース番組で見かけたら、
まるでフリー素材のようだ。
番組内で映るニュース映像、
みんなで話し合うデスクもそうだ。
バレーボールの試合映像も嘘くさい。
選手達の背が低いだけでなく、観客とコートとの間に距離があり、
もし、
配信会社の社長の、有名人とのツーショット写真達も、
社長の嘘笑顔も大きいが、
今井が逮捕される空港のドタバタ劇も、
カメラで撮ってるの丸出しの撮り方というか、
役者がカメラを意識せざるを得ない撮り方をするのもダメだし、
どっちもどっちもかもしれない。
隠し撮りみたいな撮り方をするのが理想だが、
そんなこんなで、よくこんなにちゃっちい、
不思議なもので、見た目は同じでも、同じにはならない。
そこに、役者の演技同様、
本当にその物を作る時の気持ちで作れていないんじゃないか?
オカルトみたいだが、実際にリアルでないんだから、
ニュースゲートのロゴだって、
実際のニュースのロゴには、プロデューサーやディレクター、
架空のロゴを作る時は、
でも、そんなことを写真一つから全て作っていては、
それを短い時間で低コストでリアルに仕上げるのが演出家の役目だ
しかし、ツーショット写真がいくらリアルでも、
だから、ドラマ部分以外は、
このドラマの場合、今のところどっちもそうだと言えるが。
あざとい裏方のドタバタ劇
進藤が裏方に秘密にして生本番で勝手なことをする度、
局長やプロデューサー、ディレクターの怒声が特に鼻につく。
進藤は有名な破天荒キャスターなんだろう?
進藤がそんなことをするのは、この局ではなかったとしても、
むしろ、ため息混じりに青ざめ、
噂には聞いていたけど、ここまでか、いざ体験するときついな、
怒っている人もいて良いだろうが、
中には、いいぞ、面白い、
そういう多様さもなく、みんなで一緒に戸惑って怒号が飛ぶ、
大変だー、わーって感じのイメージか?
このリアルでないドタバタ劇が冷める。
多分進藤は言うことを聞かないんだから、
変えないって言ったじゃないですか?と詰められ、
しかし、そういう進藤との細かい会話もなく、
進藤も、むしろそうやってとぼけたふりしてヘコヘコしながらも、
編集長に、番組をぶっ壊す気はあるのか?
「第3話-美しき科学者の罠〜新細胞は存在します!」が”つまらない☆1″理由と考察、その感想
スタップ細胞事件のオマージュ
IL細胞という夢の細胞が大学の研究所で見つかったが、
進藤が、若手ADを鼓舞し、
今度はスタップ細胞事件のオマージュのような話だが、
キャラクターが変わった進藤、オラオラは捨てるべき
進藤は、今まででは一番落ち着いたキャラクターで、
スタッフがてんやわんやしながらも自分は意に関せず、
序盤の研究所を視察する穏やかな感じなどは悪くなく、
崎久保がチェに、進藤さんの前で余計なこと言わないで、
ここだけは良いコンビ感だと思う。
本当は、崎久保にいつも、しっかりして下さいとか言われ、
強いことを言ったり、怖い言い方で恫喝する振る舞いは、
その言い方に薄さしか感じず、ダメなパワハラ親父風で、
今話では、そんなダメな言い方をするシーンは比較的少なめで、
ただ、それでもまだ全然足りない。
滑舌は前回より悪く、
早口で言おうとする時は、もう全部ダメだ。
自然でない、言おう言おうとする作為的な意識が入っているし、
本橋を鼓舞する時も、お涙ちょうだいか、
そういう強がる言い方は一切せず、厳しいことを言う時も、
多弁も合っていない。
例えば、刑事コロンボの様に、
彼は、悪さを出すのではなく、それを目指すべきだ。
悪役ならまだ良いんだろうが。
本当は、人格的にそっちの方が合っているんだろう?
時折垣間見える、
オラオラしている悪人に見えるけど、実はヒーローなんて、
もっと等身大の方がよほど魅力的だ。
そして、この話の進藤は良い人よりだが、
この話だけでなく前話も、名和と今井に話す機会を与えていたり、
良い人に見えるけど、
それなら、最初からあんなダークヒーロー感は全くいらない。
もうダークヒーローではなく、ちょっと厳しめで、
それなら、最初からそれで行くべきだ。
でも賄賂は、終盤で使うために必要だったのかもしれない。
いずれにせよ、浮いた描写になっていて、
黒猫の教授とIL細胞の研究者を結びつけたのも、
崎久保に、お金とかもらってないでしょうね、と詰められ、
でもそうではなく、
ブラックジャックの様に、基本全て金でしか動かない、
金で動く時もあれば、金がなくても動く時もある。
自分の意図を隠すために、金でしか動かない汚い人間だ、
そこを徹底してたら、ダークヒーローになり得るのに、
進藤はどういう人間でどう見せるか、これで行こう、
でなければ、あれは何だったんだ?などとはならないだろう。
視聴率=金に直結するのであれば、それはそれで、
進藤に、もっと視聴率を気にする小ささがあって良いのに、
一番悪い教授が成敗されず、なぜか嫌われてる栗林
IL細胞のデータ改ざんに関わった本橋の先輩の栗林准教授は、
栗林准教授は、意識不明の重体になり、
それとも、小野寺教授の罪は報道され、
もしそうなら、その描写を省いたのはどうかしているし、
こんなに勘違いさせる様な描き方は、モヤモヤしか残らない。
そもそも、もし小野寺教授への制裁がなかったら怖すぎる。
世界の研究者でIL細胞を研究する、
誰かをスケープゴートにするより、
それは、
また一話みたいに教授に金をもらったのか?
そんな描写もなかった。
本橋の不法侵入の訴えを取り下げることを天秤にかけたのか?
それは、篠宮が、
小野寺教授の不正が暴露されれば研究が止まるから?
栗林准教授に濡れ衣を着せたまま、
結局、栗林准教授は犯人扱いのまま、
ここから、栗林の汚名を晴らすのは、
あの栗林の涙は、うれし涙じゃなくて、そういう悲しみの涙か?
栗林、かわいそうすぎないか?
もし、
小野寺教授は、大した反省の態度も見せず、
栗林は昏睡状態だとしても、小野寺は見舞いに、
行ってたら知らないが、そんな描写はない。
ここで、ボロボロ号泣して崩れ落ちて謝罪する、とかですらない。
本橋が怒るのは当然で、本橋の助言を振り払って、
栗林、どれだけ嫌われてるんだ?
栗林を自殺に追い込んだことより、
小野寺の改ざん指示を知らないのか、
仮に、IL細胞の研究には篠宮だけでなく、
そんな描写は一切ないのが、むずがゆいというか、
そして、そんな小野寺教授を成敗せずに、
前回のバレーボール選手賭博事件では、終盤の今井の逮捕劇も、
俺、こういうのが報道したかったんだよ、というような。
栗林をないがしろにして、
進藤は、栗林のことはどうでも良く、
ドラマとしても、このシーンはとても良いシーンだ、
そんなこんなで、このキャスター第3話は、日本ドラマの近年稀に見る、
悪は成敗されず、とても良い話であるかのように終わって行った。
偽善の空気も強く感じる。
ちなみに、ADの本橋は、
あの人が捏造なんてする訳ない、と訴える感じが、
研究室に忍び込んで、篠宮に必死に栗林の弁明をしている時、
あえて外側から真似してやろうとしても、絶対に出来ない演技だ。
演技してないから、こうなったんだと思う。
演出の崎久保は自然で、進藤にも強く怒れるし、
進藤より江頭の方がリアルで怖いのかもしれない。
本橋が復帰して戻れることになり、進藤に、
一見普通の雰囲気だが、自然で、強さも出せる感じが、
それゆえに、
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