「オデッセイ(2015)」が“物足りない”理由と考察、その感想 

④物足りない☆2

オデッセイ 英題:The Martian

監督-リドリー・スコット 2015年 141分

脚本-ドリュー・ゴダード

出演-マット・デイモン、ジェシカ・チャスティン、マイケル・ペーニャ、他

“物足りない☆2”理由と考察、その感想

そこそこ良いが物足りなかった。

あんなにまだ未知の火星という場所で孤独になるのは辛いだろうし、生き残るために一人試行錯誤し、あきらめずに模索し続ける様は悪くない。

仲が良い乗組員があえてマット・デイモンに悪口のメッセージを送るところも粋に感じる。

地上班もなんとか彼を救うために、通信技術を回復したり、ロケット開発を早めたり、力を合わせているのも分かる。

しかし、マット・デイモンの苦悩や葛藤が足りないし、彼のバックボーンなども見えないから、見ていてハラハラしたり、応援したくなる感じが少ない。

時にかんしゃくのような行動をとってはいるが、ほぼ淡々としていて、落ち着きすぎている。

連絡が地上と取れるようになってからは、もう完全に孤独ではないし、そこからはどう助けるかだけの話しになっている気がする。

出来れば最後まで通信できないほうが良かった。

通信できない状態で彼のメッセージを衛星写真から受け取りつつ、賭けのような状態で助けに行って、お互いの意思が奇跡的に通じて助かったという方が感動したんじゃないかと思う。

もっとぞっとするハプニングが起きても良いし、理不尽さの連続の中で、主人公の負けない姿勢を見たい。

火星ならではの感じが砂嵐とか、夜は寒いとかくらいで、他にはないのかとも思ってしまう。

火星自体まだ分かっていないことが多いから仕方がないのかもしれないが。

火星に取り残されるという発想の一本槍で、後はなんとか肉付けしていったという感じがする。

確かに火星というのは今までになかったかもしれないが、ドラマとして物足りなかった。

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