アイ・アム・レジェンド 英題:I Am Legend
監督-フランシス・ローレンス 100分 2007年
脚本-マーク・プロトセヴィッチ、アキヴァ・ゴールズマン
出演-ウィル・スミス、アリシー・ブラガ、チャーリー・ターハン、他
映画「アイ・アム・レジェンド」のあらすじ
誰ひとり歩いていない廃墟と化したニューヨーク、ロバート・ネビル博士(ウィル・スミス)は愛犬のサムを助手席に乗せて、今日も車を走らせている。
人類はほとんど死滅した世界。
数年前、ガンの特効薬として開発されたワクチンが突然変異し、接種していた人は死に至るか、「ダーク・シーカー」と呼ばれる凶暴な化け物に姿を変えてしまう。
それが世界中に広がり、世界で60億人が死滅、ウイルスに免疫を持つロバートだけがこの街で暮らしている。
ダーク・シーカーは日光を嫌い、夜に出没して人を襲うので、日が出ている日中にもぬけのスーパーに行って食料を調達したり、気分転換に桟橋でゴルフをしたりしながら、ネビルは孤軍奮闘ウイルスの研究を続けていた。
生きている人間はいないか毎日ラジオで呼びかけながら、愛犬のサムだけを唯一の心のよりどころとして。
ある日、いつも行く店に置いてあるはずのマネキンを路上で目撃する。
なぜ勝手に動いたのか?疑問に思いながらも近づいていくと、突如足をロープに取られ、ネビルは宙ずりにされてしまう。
それはダーク・シーカーの罠だったのだ。
そのまま気絶したネビルは、サムの鳴き声で目覚めた時には日が落ちる寸前で、活動を始めたダーク・シーカーに襲われそうになる。
ネビルもなんとか応戦するが、身を挺してネビルを守ったサムは、ダーク・シーカーに噛まれ、ウイルスに感染してしまう。
急いで自分の家に帰ったネビルは、研究中のワクチンを弱っているサムに打つが、それは効かず、サムは見る見るうちにダーク・シーカーに変わっていってしまう。
その時ネビルがサムに対して取った行動とは?
そしてネビルの研究はどうなっていくのか?本当に生存者は彼らだけなのか?
“見て損はない☆3”理由と考察、その感想
大都会での孤独との闘い
借りて見たのと、テレビでやっていたのと二回見た。
序盤にウィル・スミスがニューヨークに一人で暮らしている感じは興味をそそられる。
動物園から逃げ出した動物が野生化してアフリカっぽくなっていたりする。
そんな動物を狩りしたり、眺めの良い桟橋からゴルフの打ちっぱなしをしたり、畑を作って野菜を栽培したり、一見楽しそうにも見える。
しかし、自分以外の人間はだれ一人いないので、やはり寂しい。
なので、CDショップにマネキンを何個も置いて毎日話しかけに行ったり、何とかさみしさを紛らわそうとしている。
そんなネビルに同情しつつも可愛げを感じる。
愛犬のサムがいるから、まだギリギリ精神状態を保てているんだろう。
しかしサムがダーク・シーカーにされてしまい、殺さざるを得なくなり、サムは爆発してしまう。
そのシーンは、見ているこっちも「行け~!」と思ってしまう。
自分はこのシーンが一番好きだ。
きっと、そんなことをしても根本的な解決はしないのだろうけど。
ウィル・スミスは、無邪気さが残っている感じが良い。
話としては、ほとんどがダーク・シーカーとの戦いだ。
SFアクションと言ったところ。
ラストはもう一つの方が良い
直接ウィル・スミスと会話する役者も非常に少ない。
一つの街での話なので、この世界がどうなっているのか?というのをもう少し見せてくれたらなと思った。
人がいない町というのは分かるが、人々がどんな死に方をしていったとか、人がいた生々しい痕跡が残っているとか、そういうのも見たかった。
ラストシーンは、DVDではもう一つのエンディングが残されている。
そっちは、ダーク・シーカーと対峙するわけではない意味深な終わり方だ。
通常のラストの方が、劇場でも公開しただけに分かりやすい終わり方になっている。
自分的には、強いて言えばもう一つの方が好きかもしれない。
ただ悪対善という単純な構図ではない終わり方で、そっちの方が人間的で面白いと思う。
違った形のゾンビもの 追記:2023/05/16
ゾンビの映画はたくさんあるが、これもその一種と言っても良いかもしれない。
ウイルスなので、厳密にはゾンビではないが、人間が変容して人間を襲うというのは同じだ。
その中で、これは独特の作品かもしれない。
昼間は出歩ける、知能が高いやつもいる、一人で大都会で過ごす、など独自の要素が揃っていて良い。
昼間は安全なので、都会を独り占めして何でもできる、謳歌している感じが、より夜の怖さ、寂しさを際立たせる。
ずっとびくびくする必要がある設定ではないので、普通のホラーとは違う。
その分、もっと面白くなっても良かったのかな思った。
ウィル・スミスって可愛げはあるけど、少し物足りない。
彼はよく言えば若いが、悪く言ってしまえば重厚さがない。
もしこれがデンゼル・ワシントンだったら、かなり面白かったかもしれない。
楽しい感じから、険しい顔まで、その振り幅はウィルと比べてはるかに濃くて深くて大きい。
そういう意味で、彼じゃなくても良かったのかなとは思う。
ほぼ一人で演じていく世界なので、演技力が試される、演技的には高度な作品かもしれない。
設定が良い分、もったいないなとは思う。
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