映画「50/50 フィフティ・フィフティ(2011)」が“オススメ”の理由と考察、その感想

②オススメ☆4

50/50 フィフティ・フィフティ

監督-ジョナサン・レヴィン 2011年 98分

脚本-ウィル・ライザー

出演-ジョセフ・ゴードン=レヴィット、セス・ローゲン、アナ・ケンドリック、他

映画「50/50 フィフティ・フィフティ」の簡単なあらすじ

突然ガンの宣告を受けたサラリーマンのアダムは、自分に対する過剰な周りの気遣いに違和感を感じながらも、過酷な抗がん剤の治療を始める。

接し方が変わった周りの人間をよそに、悪友のカイルは変わらぬままだった。

恋人から裏切られてしまったアダムは、カイルの誘いで新しい恋人探しに酒場に繰り出すが、体力が低下しているアダムは心から楽しむことは出来なかった。

抗がん剤の治療も進んで体力も奪われ、気持ちもネガティブになって行くアダム。

そんな中、初めはうっとうしくすら感じていたが、親身にアドバイスをし続けてくれる若い女性カウンセラーにアダムは心惹かれていく・・・。

“オススメ☆4”の理由と考察、その感想

明るいタッチで描いている

ガンになって闘病する話だが、決して暗い話しではない。

決して感動を無理に誘おうとするところもなく、病気と向き合ったリアルな生活が描かれていて非常に好感が持てた。

抗がん剤の治療の大変さなども垣間見ることが出来る。

コメディ要素もあるが、決してあざとくなく、素直に見れる。

病気になってから恋人に浮気されてしまうところなど、悲劇でもあるが喜劇でもある。

この間まで冗談を言いながら一緒に抗がん剤治療をしていた治療仲間が、今日は見かけないから聞いてみたら急逝していたなど、リアルなシリアスさだ。

ストーリーの描き方が突飛ではなく、演者も自然なので、素直に微笑ましい部分も多い。

そこらへんのバランスが良いと思う。

 リアルな演技

出演者の演技がみなナチュラルで、とても見やすい。

主人公は繊細ですが、特に変わったところもなく普通の感覚を持った青年で、それをゴードンがナチュラルに演じている。

普通だが、この普通さがいい。

中々ここまで普通の青年を細やかに自然に演じられる人は少ないと思う。

ゴードンの味だろう。

主人公の親友のカイル演じるセス・ローゲンもまたいい。

一見女好きのアホな友人だが、それが板についている。

本当にそんな人に見える。

病気になったアダムに対して腫れ物に触るわけではなく、今まで通りの接し方をしているその変わらなさに、もし自分だったら安心を覚えると思った。

現実的な前向きさ

この作品に通して流れているのは、ナチュラルな前向きさだと思う。

無理してから元気を装うわけでもなく、時に落ち込むこともあるが暗くなりすぎるわけでもなく、現実をとらえて前向きに生きていく姿勢。

それを、友人やカウンセラーなどの協力が後押ししてくれる。

誰にでも起こり得るであろう悲劇を、突飛ではない描き方で現実的かつ前向きに見せてくれている。

結末も湿っぽくなくて良い。

ガンという重いテーマだが、それを感じさせずに楽しめる作品だと思う。

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