魂の辛口映画感想

~面白い映画って本当に少ない~

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人生ここにあり! Si puo fare

      2016/03/30

見どころ→人は環境が変わればこれだけ変わる!

監督-ジュリオ・マンフレドニア 2008年 111分

出演-クラウディオ・ビシオ、アニタ・カプリオーリ、ジュゼッペ・バッディストン、ジョルジョ・コランジェリ、他

あらすじ

1983年のミラノを舞台に、労働組合員のネッロが精神病患者達が働く職場に革命を起こし、社会への復帰へと導いていく人間ドラマ。

労働組合員のネッロは、その真面目で熱血な性格から起こした行動を問題視され、働いていた労働組合から異動を命じられる。

新しい職場は、精神病患者が単純作業をして生計を立てて暮らしている、「協同組合180」という病院と見まごう施設だった。

患者は平凡な単純作業を与えられ、外出も許されておらず、これといった娯楽もない。

およそ労働組合とは名ばかりで、「バザリア法」という法律で閉鎖された精神病患者の受け入れ施設だった。

ネッロはその現状に愕然とするが、丁寧に患者を観察して接していくうち、得意不得意はあってもある程度の仕事をする能力があることに気づく。

ネッロは患者達と直接会議を行い、自立するために外で働くことを提案する。

反対する医師をはために、最初はどこからも依頼がなく戸惑いながらも始めた床の板張りの仕事は、ひょんなことから軌道に乗り、もらったことのない多額の給料に嬉々とする患者たち。

ネッロは適材適所に仕事を任せ、精気のなかった患者達は働くことで生き生きとしていく。

外出も許され、各々買い物をしたり恋をしたり、生きることの喜びを再発見していく。

しかし、処方されている薬が多いせいで十分に働けない患者がいることを知ったネッロは、医師に薬の量を減らしてもらうことを掛け合うが・・・。

そして、組合の再建に燃えるネッロは、自身の恋人とも疎遠になっていく・・・。

果たして組合員たちは自立することが出来るのか?

一見うまくいっているように見えた患者達に起こった悲しい事件とは?そのときネッロと患者達が取った行動は?・・・。

感想

個性豊かな役者たち

イタリア映画。

労働組合の話ということで勝手に堅いイメージをしていたが、全くそんなことはなかった。

出てくる演者たちが非常に感情豊か、個性豊かで楽しませてくれる。

浮いている登場人物はおらず、それぞれがうまく絡み合っているように思う。

ストーリーも起伏に富んでおり、飽きずに見れた。

終盤の患者達の取った行動は必見だ。

主人公が男臭いおじさん

主人公のネッロは熱血漢の人柄のいいおじさんという感じがにじみ出ていていい。

庶民派の感じがすごい。

日本ではこういう頭が禿げ上がっていて男臭い感じのおじさんが主人公の映画は全くと言っていいほど見たことがない。

リアルに第一線で働いている人を描こうと思ったら、スレンダーな美人やハンサムよりもこういう人の方が多いと思うのだが。

ネッロの情熱がよく伝わってくる。

それはその人達が憐れだからとか、自分の名誉になるとかそういうことではなく、純粋にこの人たちはもっと出来るはずだと思ったから取った行動だと思う。

そして自分はダメだと落ち込んで恋人に背中を押されるシーンなんかも、人間らしくて味わい深い。

恋人がネッロを奮い立たせるために取ったとっさの行動も微笑ましい。

施設の医師も頑固なオヤジなのだが、ただの頑固なだけじゃなく、最後にちょっと粋なところも見せてくれる。

これは多分もっと軽い感じの演者だったら成り立たなくて、重厚な雰囲気を持っているおじさんだからできたんだと思う。

難しいテーマに触れている

ストーリーとしてはコメディの様な軽快さもあるが、悲哀もしっかりと描かれている。

なんといっても、終盤で起きてしまう悲しい事件がやりきれない。

決して誰が悪いという訳でもなく、精神病というものは難しいものなんだと考えさせられる。

深い理解なく接していると、ときには傷ついてしまうこともある。

やはりネッロも深く傷つき絶望しやけになるが、それを恋人が、そしてなにより患者達が今度はネッロを救いに行くところがたまらない。

主人公は一応ネッロだと思うのだが、登場人物がそれぞれ個性的でうまく絡んでいるので、誰か一人がという感じではなく全員で作ったという一体感のようなものを感じた。

決して突飛なサクセスストーリではなく、非常に人間臭いドラマだ。

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